行政書士試験受験者に幸あれ

行政書士試験を受験する方に、少しは役立つかも知れないことを書きます。

行政書士試験に役立つかも知れないことを書いています。初めての方はリンク集の筆頭にある「拙ブログの使い方」を読んで下さい。勝手ながら、勘違いや入力ミスは避けられませんので、疑義があった際には指摘して戴けると助かります。また、行政書士試験の範囲内ならば、質問にはできるだけ回答します。コメント欄に書くか、長くなるようでしたらメールを下さい。

国家賠償法29 賠償請求できる者の範囲

 伊丹空港(大阪空港)訴訟を取り上げようと思うのですが、その前に過去問の肢をひとつ。

平成21年・本試験問題
問題19 国家賠償法2条にいう公の営造物に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

5 公の営造物の設置または管理に起因する損害について賠償を請求することができるのは、その利用者に限られる。

解答・解説
5 ☓ これが誤りであることをこれから書こうというわけです。続きを読む

国家賠償法28 「通常有すべき安全性」とその例外3

Ⅲ.予期せぬ行動
ⅱ)校庭開放中の事故
 事案から。  親B(多分、父親)がその弟と甥とともに6歳弱の長男Fを連れて、校庭開放中の町立中学校にテニスをやりに来ました。親がテニスをしている間、当初は球拾いなどをしていたFは審判台に昇ったようです。テニス用の審判台は説明不要だと思いますが、「イプロス製造業」にあった写真を拝借して入れます。

テニス用審判台

 Fは座席部分の背当てを構成している左右の鉄パイプ(上の写真はステンレス製)を両手で握って後から降りようとしたため、審判台が倒れてその下敷きになり、脳挫傷により死亡しました。親B(被上告人)は国家賠償法2条に基づいて町に損害賠償請求をしたところ、1・2審とも町の賠償責任を認めたため、町(上告人)が上告したようです。

 まず、最高裁(最判平5.3.30)の裁判要旨を入れます。続きを読む

国家賠償法27 「通常有すべき安全性」とその例外2

 前回は、「高知落石事故」に関する最高裁判決(最判昭45.8.20)が、「不可抗力ないし回避可能性のない場合」には、賠償責任を負わないことを示唆している点を挙げて、終わりました。

 「公の営造物」で何らかの損害が発生したということは、

その「公の営造物」が通常有すべき安全性を欠いていたから

と考えるのが自然でしょう。従って、多くの場合は国・公共団体の賠償責任が認められることになります。
 ただ、河川の氾濫による損害は直ちに賠償責任が肯定されることにはならないのですが、これはいずれ改めて取り上げることにして、河川以外の「公の営造物」について責任が否定されている場合を「例外」として挙げることにします。2回前に、出題のパターンの1つは、

原則を理解しているのを前提に例外を聞く

と書きましたが、その例外と考えて下さい。続きを読む

国家賠償法26 「通常有すべき安全性」とその例外1

国家賠償法
2条1項 道路,河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは,国又は公共団体は,これを賠償する責に任ずる。

 この設置・管理の瑕疵について、通常有すべき安全性を欠くことと一般に考えられています。基本となるのが「高知落石事故」に関する最高裁判決(最判昭45.8.20)です。

 事案は、国道56号線の一部で以前から落石などがあり、県の土木出張所は過去に、通行止め、「落石注意」の標識や竹竿の先に赤い布切れをつけたものを立てること、見回りなどの措置を講じたことがあったようです。続きを読む

国家賠償法25 国賠法2条と民法717条の違い

 国家賠償法2条に入ることにします。

国家賠償法1 沿革と民法715条との違い

の中で「徳島遊動円棒事件(大判大5.6.1)」に触れました。これは、国家賠償法がまだ制定されていない時代に民法717条を根拠に公共団体の損害賠償責任を認めたものです。
 この民法717条を国家賠償法に取り入れたのが国家賠償法2条と考えることが出来ます。民法717条は「不法行為」のところで取り上げていなかったようなので、まずこの規定の簡単な説明をすることにします。

 その前に言い訳をひとつ。
 民法の「不法行為」や「不当利得」を書いた平成24年と現在とでは、拙ブログの考え方が少し変わっています。当時は、それ以前に出題されたものとその周辺の理解を深めることを主な目的としていました。従って、条文以上は出題されないと考えて717条の説明を省いています。その後、本試験の出題傾向が変化して「ここを出すのか?」、「ここまで聞くのか?」という問題が出るようになったため、現在は「より詳しく、より細かく」書くようになっています。その分、量が増えてしまい、以前よりもさらに読みづらくなってしまっているとは思います。その点はご容赦を・・・。続きを読む

国家賠償法24 求償

 国家賠償法1条と民法715条(使用者責任)との違いについて、

国家賠償法1 沿革と民法715条との違い

の最後の方に、

<国家賠償法1条は、

a.国または公共団体に免責規定がない。
b.公務員個人への直接請求は認めない。
c.公務員に故意または重大な過失がある場合のみ求償できる。>

と書き、a.の説明もそこに入れました。そして、b.について前回に書きました。
 今日は、c.についてです。続きを読む

国家賠償法23 損害賠償責任を負う者

 国家賠償法1条1項に関する判例は多くてすべてを取り上げることは出来ないのですが、重要なものは書いたと考えて次に進むことにします。
 書き忘れたものが見付かったら、改めて入れることになると思います。

 今日は「賠償責任を負うのは誰か」という話で、

国・公共団体が賠償責任を負う
公務員個人は賠償責任を負わない
費用負担者も責任を負う

を頭に入れてもらうためのものです。既に頭に入っている方も多いと思いますが、そういう方は確認のためにざっと目を通して下さい。続きを読む

国家賠償法22 公訴の提起ほか

 前回の続きですが、その前にネットで拾った話題を2つ入れます。「余計なことはいらない、続きだけを読みたい」という方は、「長い前置きになりましたが、・・・」に跳んで下さい

 1つ目は毎日新聞の「村議会を廃止、『町村総会』設置検討を開始」です。

以下引用(太字は済印によるもの。以下同じ)

 離島を除けば全国で最も人口が少ない高知県大川村(約400人)が、地方自治法に基づき村議会を廃止し、約350人の有権者が直接、予算などの議案を審議する「町村総会」を設置する検討を始めた。・・・

引用終了

 「町村総会」の設置が検討されているという記事です。続きを読む

国家賠償法21 逮捕状の請求・発付

 大分空きましたが、「国家賠償法20 パトカーに追跡されている車両による事故」の続きです。連休に入ったことでもあり(根拠不明確!)、短めにします。

 事案が書いてあるはずの本が情けないことに見付かりません。見付かって足すべきことがあれば後日加えることにします。

 逮捕状の有効期間は原則として7日ですが(刑事訴訟規則300条)、逮捕状が出たけど逃亡していたため逮捕状の更新が繰り返されていたようです。その最中に家族(判決文では「近親者」)が「アリバイがある」のを根拠として、国家賠償請求しました。 恐らく、警察に「アリバイがある」と言っても取り合わず、逮捕状の更新を繰り返したために訴訟を提起したのではないかと思われます。続きを読む

翁長知事への損害賠償請求10 最終回

 沖縄防衛局が護岸工事に着手したため、沖縄県は差止めの訴えを検討しているようです。これについては書くべきことが生じたら書くことにします。

 「国立マンション事件」についての説明を長々と書いたため、当初の予定よりも長くなってしまいましたが、やっと最終回になりました。
 「公有水面埋立の承認処分」について翁長雄志沖縄県知事が「撤回処分」をしたと仮定して、まとめを書くことにします。

  知事=処分庁
   | |
承認| |撤回
   ↓  ↓
 沖縄防衛局長続きを読む
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