行政書士試験受験者に幸あれ

行政書士試験を受験する方に、少しは役立つかも知れないことを書きます。

行政書士試験に役立つかも知れないことを書いています。初めての方はリンク集の筆頭にある「拙ブログの使い方」を読んで下さい。勝手ながら、勘違いや入力ミスは避けられませんので、疑義があった際には指摘して戴けると助かります。また、行政書士試験の範囲内ならば、質問にはできるだけ回答します。コメント欄に書くか、長くなるようでしたらメールを下さい。

国会2 国会中心立法と憲法改正による緊急権の追加

 方針が定まらず、迷走気味です。今回から覚えるものを書こうと思っていたのですが、もう少し余計なことを書くことにします。試験用に覚えるものではありませんので、適当に読み流して下さい

 前回、「唯一の立法機関」の意味を概観しました。

憲法
41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 「国会中心立法の原則」とは、国の「立法」はすべて国会によって行われることです。すなわち、

国民・市民の権利を制限したり、義務を課したりする“決まり”は国会で「法律」としてつくる

ということを意味します。

 この原則から、大日本帝国憲法の緊急勅令や独立命令のような

行政権が議会を通さずに独自に立法を行うことを認めない

ことが導かれると一般に説かれています。続きを読む

国会1 41条の「立法」の意味

 今日の内容も試験で直接聞かれる可能性は無く、その前の話です。
 また、今まで何回か書いてきたものを本来の場所である憲法41条のところで、改めて書くというものでもあります。

憲法
41条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

 「立法」の意味を素直に解釈すると「法律をつくること」ということになります。これが「形式的意味の立法」です。しかし、

法律:国会がつくった“決まり”
政令:内閣がつくった“決まり”
省令:大臣がつくった“決まり”
条例:地方公共団体の議会がつくった“決まり”

ですので、「形式的意味の立法」と解釈すると、

41条 国会は「法律」をつくるただひとつの機関である

という当たり前のことを言っていることになってしまいます。続きを読む

「憲法」って何? 「十七条憲法」は「憲法」ではない

 体調が悪いと考える気力がなくなるのですが、それとともに生来の怠け癖が出てしまい、更新が大分滞ってしまいました。この間に来て下さった方にお詫びします。無駄な手間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。

 発表前の時期ですので、憲法の基本的な話と統治について書こうと思います。今日はそもそも「憲法」とは何か、という話です。今年(29年)の問題7を正解した方にとっては改めて読むほどのことでもないかも知れません。

Ⅰ.「憲法」の意味
 「憲法」とは国家の基本法・根本法を指す、と一般に言われています。国家統治の基本的体制、根本秩序を定める法規範、すなわち「国を治める(統治)基本的な定め」(統治の基本法)と考えると分かりやすいと思います。
 この意味の「憲法」(固有の意味の憲法実質的意味の憲法)は国家が存在する以上どこにもあります。江戸時代も将軍の下に老中や目付がいて、奉行としては町奉行、寺社奉行、勘定奉行(公事方と勝手方)などで江戸幕府を運営していましたので、「憲法」があったことになります。

 日本で「憲法」と名の付く法律形式的意味の憲法)は大日本帝国憲法が最初ですが、それ以前も「憲法」はあり、また、現在ある日本国憲法(形式的意味の憲法)だけでなく、国会法などを含めて「憲法」(実質的意味の憲法)である、と言うことができます。続きを読む

文民条項(憲法66条2項)の存在意義

 試験を受けたわけではないのに終了後1週間経たずに高熱でダウンしてしまい、更新が大分滞ってしまいました。3年前の試験後にも風邪を引いていますので、気が抜けるというのがあるのかも知れません。  みなさんも充分に気をつけて下さい。

 まだ完全に回復したわけではないため、新しいシリーズに何を書くかも決まっておらず、新しいシリーズに入るのは少し先になります。

 今日は、文民条項(憲法66条2項)の確認です。

憲法(以下の条文もこれ)
66条2項 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない

 この規定が極東委員会の要請で設けられたものであることは知っていたのですが、その経緯について西修先生が産経新聞の正論欄で「9条論議の混迷に終止符を打て そのために『芦田修正』に注目せよ」を書かれていましたので、これを取り上げます。続きを読む

共有の道路を通行する人に傷害を負わせて逮捕された男性の話

 今年受験したみなさん、ご苦労様でした。記述問題の採点がありますので結果は発表まで不明という方が多いと思います。試験日に向かって集中して勉強してきたでしょうから、肉体的な疲れのみならず脳も相当疲れていると推察します。ゆっくり身体を休める期間を少し置くと良いのではないかと拙ブログは考えます。

 そんなこともあって時事を取り上げます。「共有」の話が中心になるのですが、ここ1年は行政法を書いていましたので確認したら「共有」をちゃんと書いていませんでした。近いうちに改めて書こうと思っています。

 と言うわけで、気軽に読んで戴けると助かります。 自宅前の共有の道路を自分の「私有地」と主張し、通行人に傷害を負わせて逮捕された人がいます。「通行妨害し自転車男性押し倒す 傷害容疑で男を逮捕 堺」から。続きを読む

損失補償11 平成26年・問題20を元にして補償の方法など

 国家賠償法と同様に判例を挙げ出すと切りがないので、今回で損失補償の最終回にします。出題されていない判例を覚えるとしても、損失補償よりも国家賠償法の方が出題可能性の観点からは意味があると思います。

 また、本試験まであと数日ですので、間違いの情報提供を避けるため、今週は今日を最後にします。5年前の試験前日に、

取り敢えずトイレに行こう

を書いています。試験前に読んでおくと少しは役に立つかも知れません。

 「記述問題と一般知識は最後に解かないように

というのは、

答練の使い方1 技術編

で書いています。続きを読む

損失補償10 補償金の争い方や補償の方法

Ⅰ.補償金額などの争い方
 補償金額の不満など、損失補償について争う方法が形式的当事者訴訟であることは、

形式的当事者訴訟1 土地収用法を中心にした説明[追記あり]

形式的当事者訴訟2 平成23年・問題16を中心に[追記あり]

形式的当事者訴訟3 最高裁判決とその他の例など

で書いてきましたので、それを参考にして下さい。続きを読む

損失補償9 補償算定と補償金支払の時期

Ⅰ.補償金の算定時期
 まず、問題を入れます。

平成28年・本試験問題
問題21 損失補償に関する次の記述のうち、法令および最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

3 都市計画事業のために土地が収用される場合、被収用地に都市計画決定による建築制限が課されていても、被収用者に対して土地収用法によって補償すべき相当な価格とは、被収用地が、建築制限を受けていないとすれば、裁決時において有するであろうと認められる価格をいう。

解答・解説
3 ○で正解肢。「いくらなんでも細かすぎるんじゃねぇの」というのが、拙ブログの印象です。続きを読む

損失補償8 「完全な補償」と「相当な補償」3

Ⅲ.「相当な補償」を繰り返した最高裁判決
 前回に書いた「完全な補償」の文言を使った昭和48年の最高裁判決は第一小法廷判決のものでしたので、その後は「完全補償」になるのではないかとの解釈もありましたし、試験でも出題されました。

平成4年・本試験問題
問37 損失補償に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

2 土地収用法における損失補償は、収用の前後を通じて被収用者の財産価値を等しくならしめるような完全な補償が必要であるとするのが最高裁判所の判例である。

解答・解説
2 ○ 試験の時点では妥当なもの(○)として正解肢だったのだと思います。学者が試験委員として行政書士試験に関与するのは平成12年以降で、それ以前は各都道府県の行政書士担当者が作問していたという“噂”(拙ブログは確認出来ていない)でしたので、「完全な補償」と言った最高裁判決から出したということなのだと思います。

 しかし、その後にこれから書く最高裁判決が出たため、現在では誤り(☓)か「正誤不明」の肢と考えるべきなのだろうと思います。続きを読む

損失補償7 「完全な補償」と「相当な補償」2

Ⅱ.「完全な補償」を明言した最高裁判決
 完全補償説を採用したのかどうかは分かりませんが、判決文に「完全な補償」の文言が入っている最高裁判決がありますので、これについて書きます。

 事案は、倉吉都市計画の街路用地の決定に伴う土地収用で、上告人(実際は2人のようなのですが、Xとします)が所有する土地が対象になりました。上告人Xは鳥取県収用委員会に対して損失補償額についての裁決申請をしたところ、同収用委員会は「都市計画の街路用地と決定」によって建築制限を受けるため、その建築制限を考慮して土地の価格(損失補償額)の裁決をしたようです。
 これに対して、Xが訴えを提起したのですが、1審、2審ともに鳥取県収用委員会の裁決を支持したため、Xが上告しました。

 判決文からは具体的なことが分からないのですが、道路の拡張かなんかのために都市計画が決定されたのだろうと思います。都市計画が決定されると建築制限がかかります。続きを読む
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