2018年04月01日

三者三憑(中)

4月。年度が替わって始まりの月。今月も第1土曜日の集会が開かれる。気候的にも暖かくなってきて、桜が綺麗に咲く時期になった。近くの公園では花見が開かれているようだ。

気持ちを新たにといきたいところだが、実際のところは気が重い。将来のことを思うとここが人生の節目になるし、いろいろと真剣に考えないといけない。もっとのんびり自由に生きていきたい。そうも言ってはいられないのだけど。



いつものように和哉さんが住んでいるマンションに向かうと、いつもどおり和哉さんが出迎えてくれた。そして前回同様、章太くんは先に着いていた。僕は常に5分前には着くように行動しているけれど、章太くんのほうがここに来るまで遠いので、余裕を持って出てくる彼のほうが先に着いていることが多い。



「落ち着いたところでそろそろ準備を始めましょうか」

毎回恒例の和哉さんの手料理を食べ終えたところで、僕は準備に移るように促した。

「今月は和哉さんの番ですね」
「そうだね。それじゃあ行ってくるよ」

和哉さんは自分の布団に入って眠りについた。毎月思うけれど、この行動を見てるとすごく不思議だよね。

「さて、和哉さんが戻ってくるまではフリータイムだけど、何する? 章太くん」
「大智さん。和哉さんが持ってくる身体って――」
「待って。その先を言うのはやめとこう。なんとなく予想はしてるけれど」

章太くんが何かを言おうとしていたが、僕は手を章太くんの前に突き出してそれを遮った。それ以上は言ってはいけない気がする。

「あっ、はい。そっすね……。じゃあ、勉強を教えてほしいっす。今年大学受験なんで」
「そっか。章太くん高3になったんだよね。かく言う僕も就職のことを考えないといけないわけで……。もう高校時代の勉強はだいぶ怪しいけれど、僕のできる範囲で教えてあげるよ」
「ありがたいっす」

僕たちはこれから始まることとはやっぱり関係ない勉強会を始めた。



――ピンポーン

章太くんに勉強を教え始めて1時間弱。インターホンの音がした。

「勉強はここまでだね」
「うっす。また教えてください」

勉強会を切り上げ、僕は立ち上がってインターホンに出た。

「はい」
『あのっ、香と――』

――ガチャッ

僕はモニターを見て、思わず受話器を元に戻してしまった。

「ちょっと!? 何やってるんすか、大智さん!」
「いや、ちょっと待ってよ……。えっ、いやいや、さすがにそれは」

僕は頭に手を当てて現実から目を背けようとした。僕だって驚きを隠せない。見てはいけないものを見てしまった気がする。ところで驚きって隠さないといけないものなんだろうか。なんて余計なことを考えていると、

――ピンポーン

再びインターホンが鳴ったので、今度は章太くんが立ち上がり、こちらに来て僕の代わりにインターホンに出た。

「はい、和哉さんっすよね?」
『あっ、えと、香取ひ――』

――ガチャッ

「ほら。章太くん、君もじゃないか」
「和哉さーん!? それはダメっすよー!?」

章太くんは天井を仰いで叫んだ。章太くんもこんな反応だ。これ見たら誰だってそうなるよね。

――ピンポーン

3回目のインターホン。さすがにこれ以上は和哉さんに怒られそうな気がするのでちゃんと出よう。

「……はい」
『あ、あのっ、香取雛子、ですっ。ひょうい集会と聞いて来ましたっ!』

モニターの少女はあくまでマイペースで元気いっぱいに名乗った。

「……今開けますね」
『あ、ありがとうございますっ!』

僕はエントランスのドアを開けて少女を迎え入れた。

「……」
「……」

僕と章太くんは無言のまま見つめ合った。マジですか、和哉さん。



しばらく待っているとドアの開く音がしたので、僕は章太くんと一緒に玄関に向かった。

「あのっ、あらためまして、香取雛子と言いますっ! 今月から小学4年生です! よろしくおねがいしますっ!」

玄関には先ほどモニターに映ったワンピース姿の少女がいた。残念ながら見間違いではなかったようだ。少女は黒髪の二つ結びを揺らしながら礼儀正しく深々とお辞儀をした。まるで天使のようなという形容がぴったり当てはまるようなかわいい女の子だ。しかし。

「和哉さん……。いくらなんでも小学生はダメですよ……」
「しかも今小4って年齢ひと桁じゃないっすか……」

僕たち2人がぶつぶつと言っていると、少女はきょとんとした顔で首を傾げた。

「かずやさんってだれですか? わたしは雛子ですっ!」
「えー……」

当然ながらこの香取雛子という少女には和哉さんが憑依している。和哉さんは憑依した相手の記憶を読むことができる。そしてその相手の記憶を利用して本人のように振る舞うことも可能だ。だから今のこの状態もほぼ本人に近い状態を再現しているものと思われる。もちろん本人ならこんなところでこんな会話をするわけがないので、和哉さんが本人のフリをしているだけなのだが。

前回の和哉さんの番のときには中学2年生の女子を乗っ取ってきて、中二病全開の少女を演じて僕たちを驚かせた。いろんな意味で。そして今回はさらに年齢が下がってしまった。和哉さんすごくいい人なんだけど、こういうところはちょっと怖い。

「それとおにいさんたちは手を出しちゃダメですっ! ろりこんはダメですっ」
「はぁ……」

少女は細い腕を交差させて×印を作った。和哉さんがそれ言います?

「いえすろりーたのーたっちですっ」

少女はその平らな胸に手を置いて鼻を鳴らしながら言い放った。めっちゃタッチしてますやん、と関東出身なのに関西ノリなツッコミを心の中でしてしまった。雛子ちゃん絶対そんなこと言わないでしょ。

「その娘で続行するんですね……。わかりました。とりあえず玄関で長話もなんですし、上がってください、和哉さん」
「雛子ですっ」
「……雛子ちゃん」

まだ始まる前なのに和哉さんは雛子ちゃんになりきっていて正直面倒くさい。おっと、思わず本音が。

僕と章太くんが他人の家で見ず知らずの小学生女子を引き連れる図はとてもよろしくない。そんなことを考えながらリビングに入り、全員が席に腰かけたところで僕は2人に目線で合図をした。

「それでは、本日は香取雛子ちゃんをゲストに迎えまして、第6回憑依集会を開始します」

部屋に拍手の音が響き渡り、集会が始まった。



「それでは改めて自己紹介をお願いします」

さっきあんな自己紹介をされて今更だと思うけれど、いつもの決まりというかルーティンなので和哉さんに話を振った。和哉さんは席から立ち上がり、僕たち2人の前に立った。

「はいっ! 香取雛子ですっ! 9さいですっ」

右手を大きく上げて、はきはきと元気よく名乗った。数字で言われるとやっぱり強烈だ。9歳って。この部屋に誰かが来たら危険だ。主に僕たちが。

「今日は葵ちゃんの家に遊びに行こうとしてました。でも急にからだが動かなくなって、どうしちゃったんだろうって思ってたら、また動くようになりました。そうしたら『ひょうい集会』があるから行かなきゃっていけないって頭の中で言われたのでここに来ました!」

すっかり雛子ちゃんになりきってる和哉さんがかわいらしい声で経緯を語った。普段の雛子ちゃんはどんな感じかわからないけれど、和哉さんの能力と好みからして、おそらく雛子ちゃんは普段からこんな感じなんだろう。

「どういうことかよくわからないですけど、おにいさんたちに楽しんでもらいたいって思ってますっ!」

わからないのにすごいこと言うなあ。

「え? 好きな人ですかっ?」
「聞いてないです」
「おうちの近くにおにいさんが住んでるんです。かっこよくて、ねっしんで、あこがれの人なんですっ」

このあたりも本当のことなんだろう。

「でも、おにいさんは年上のすたいるばつぐんのおねえさんが好きみたいなんです……。だから、もくひょうはないすばでぃーになることですっ! ……自分はこのままのほうがいいんだけどね」
「急に素に戻らないでください和哉さん」

雛子ちゃんのキラキラした瞳が濁った。和哉さんはなりすまし度が高いので、和哉さんに急に出てこられるのは心臓に悪い。

「かずやさんってだれですか?」
「雛子ちゃんに戻って逃げないでください」

いつの間にかキラキラした瞳に戻って小首をかしげる雛子ちゃん。中身は30代のおじさんなのに、いちいち仕草がかわいい。ちくしょう。

「じこしょうかいは以上ですっ! 次はおなにーをしますっ!」

すごいなあ。脈絡がない。

「ところでおなにーってなんですか?」
「自分で言って自分で質問しないでください」
「わたし、本当はおなにーってなにかわからないですけど、今日はなぜか知ってるので今からやりますっ!」

随分都合がいいなあ。

「それじゃあ、おにいさんたちはじっと見ててくださいねっ!」

そう言うと和哉さん、いや、もう雛子ちゃんでいいや。雛子ちゃんは両手でワンピースの裾を掴んで、ゆっくりとたくし上げていった。次第に露わになる下着。

「今日はこんなパンツをはいてますっ!」

そうして僕たちにリボンの付いた水色のパンツを見せてきた。

「どうですか? かわいいですかっ?」

パンツのことを聞いているんだと思うけれど、雛子ちゃんのほうがかわいいよ。中の人はあれだけど。

「次はこんなのはどうですかっ」

今度はたくし上げているワンピースの裾を左手だけで掴みあげ、右手をパンツにかけると、半分だけずらした。パンツの下は見えそうで見えない。雛子ちゃんの表情もなんだか挑発的だ。

「こういうの好きですよねっ?」

好きかどうかと問われれば嫌いじゃない。というか好きです。

「この中はもうちょっと待っててくださいねっ!」

挑発的な表情は元の太陽のような笑顔へと変わり、ずらされたパンツは元の位置へ戻された。そしてワンピースの裾から手を離し、ゆっくりとワンピースを脱ぎ始めた。脱いだワンピースを綺麗に畳んで、靴下も脱ぐと、雛子ちゃんは白の薄いシャツにさっき見せてくれた水色のパンツという姿でこちらに向き直った。

「じゃあまずは自分だけで……」
「また素に戻ってますよ和哉さん」
「かずやさんってだれですか?」

このやりとりは飽きたのでもういいです。

雛子ちゃんは部屋にあった鏡を持って床に置き、その前に座りこむと、パンツをするすると脱いで鏡のほうを見た。僕たちの角度からだと鏡が邪魔で大事なところは見えない。

「ふわぁ~、すごい……。おマ○コすごい……ですっ」

鏡の向こうで秘部を開いて中を観察している雛子ちゃん。この反応はどっちだろう。雛子ちゃんもこんなことしたことないだろうから、こういう反応をするかもしれないし、和哉さんの反応から無理やり取り繕ったようにも見える。もはやどちらでもいい。次第に息が荒くなり、徐々に興奮してきている雛子ちゃん。

「はぁ……はぁ……、ごくっ。あっ、わたしだけで楽しんでちゃダメですねっ! おにいさんたちにも楽しんでもらわないと!」

鏡の先に没頭していた雛子ちゃんだったが、ふとこちらの視線に気付き、股から手を離して、正座になった。そこから前かがみになって、最後の1枚を脱いだ。ゆっくり身体を起こすと、両手でそれぞれの乳首を隠し、脚で股を隠していた。なかなか焦らしてくる。

「見たいですか? 見たいですよねっ?」

うん、まあ、そう、倫理的なとかね、ストライクゾーンがとかね、いろいろ言い訳はありそうな気もするけれど、自分に正直になって言うのであれば、見たいです。基本的に僕たちはほとんど黙ったままだったけれど、無言でこくりと頷く僕の姿を見て、雛子ちゃんはにっこりと笑った。本当かわいいなこの笑顔。

「はいっ! 正直なおにいさんのために全部見せてあげますっ!」

雛子ちゃんは立ち上がり、手を後ろで組んで、手と脚で隠していた部分を全て曝け出した。ここにいるのは生まれたままの姿の雛子ちゃんだ。まだ年齢ひと桁なんだよね。罪悪感を覚えてしまうけれど、もうここまで来たら割り切って楽しもう。

隣にいる章太くんは一言も発さず、ただひたすら無言でじっと見続けている。この2人は好みが真逆なのでどうしてもお互いの番のときはこんな感じになってしまう。さすがにロリ趣味についてこれる強者はそうそういないと思うけれど。僕はついていきます。ロリコンじゃないけれど。

章太くんから雛子ちゃんに再び目を移して、雛子ちゃんの成長途中の身体を上から下へとじっくりと見つめた。さらさらした長い髪、つるつるした頬、きめ細やかな肌、まだ膨んでいるかどうかわからないなだらかな胸、うっすらと浮き上がったあばら骨、華奢な手足、そして毛の生えていない綺麗なすじ。僕は断じてロリコンではないが、この愛くるしい女の子をまるで芸術品のようだと思ってしまった。

「ここからが本番ですよ、おにいさんっ!」

雛子ちゃんは後ろで組んでいた手を前に、そして股に持っていくと、割れ目に手を添えて、ぱっくりと開いてみせた。さっきは鏡が邪魔で見えなかった部分が僕たちの前に惜しげもなく晒されている。

「えへへっ、どうですかっ?」

どうもこうも、ありがとうとしか言えない。貴重なものを拝見しております。

「よいしょっと」

雛子ちゃんは床に座りこみ、女子小学生らしい丸みを帯びた小さな指先ですじを撫で始めた。

「ん、まだこの娘の身体、こういうことに慣れてないのかな」

また和哉さんがひょっこり表に出てきて何やら述べたが、まあ小4ですし、そういうものなんじゃないでしょうか。

「あ……、んっ、あ……、ん……」

しばらくは触っているだけの雛子ちゃんだったが、次第に情欲をかき立てるような声へと変化してきた。

「あ……っ、んっ……、あ、う……っ、あ……」

身体をびくびくと震わせる雛子ちゃん。何かを探り当てた指がその箇所を責め立て始めると、雛子ちゃんは目を瞑り、顔を赤くして気持ちよさそうな声を上げた。

「あ……っ、あ……あ……あ……っ、んあっ……!」

身体がびくんと跳ね上がり、股からは汁が流れ、床を汚した。

「ふぁ……」

天井を見上げる雛子ちゃんは、息を乱しながら、でも手を動かすことをやめず、ひたすらに身体を貪り続けていた。



雛子ちゃんの鑑賞会は続いた。とにかく止まらなかった女子小学生のオナニーショーは床がびちょびちょになるほどだった。掃除をするのも和哉さんだったけれど、あの人御褒美だと思ってやってそうで怖い。そして結局大半はオナニーだったものの、最後のほうでは雛子ちゃんの身体を触らせてもらった。ノータッチはどこいった。

「ただいま」
「おかえりなさい和哉さん」

和哉さんが戻ってきた。布団からのそりと這い出る和哉さん。

「どうだったかな? 雛子ちゃんは」
「どうもこうも、やっぱり小学生は……」
「最高だぜ?」
「言ってないです」

勝手に僕のセリフに付け足さないでください。

「大智君もあれだけ楽しんでおいてそんな」
「まあ……、よかったですけど」

否定はしません。

「章太君はつまらなかったかな」
「んー……、子供は趣味じゃないっすけど、まあ見てる分には悪くないというか、楽しかったとは思うっす」

その言葉を聞いて和哉さんはうんうんとうなずいた。

「このまま2人が幼女に目覚めてくれると嬉しいね」
「それはないです」「それはないっす」

即座に否定する僕たちの言葉を聞いて、和哉さんはがっくりと肩を落とした。そこまで落ち込まなくても。

「大智君は素質あると思うんだけどね」
「僕を巻き込まないでください」
「自分は雛子ちゃん気に入ったし、定期的に様子を見てみようかな」
「ほどほどにしてあげてくださいね」

和哉さんも章太くんと同様、身体を乗っ取っている間は、その相手は眠っているため、雛子ちゃんは今頃おろおろしているのではないだろうか。何も覚えてないだろうけれど、今後も和哉さんが憑依するということになると、記憶には残らなくても、身体がいろいろと覚えてしまうかもしれない。今後の雛子ちゃんの行く末が心配である。

「それでは、これにて第6回憑依集会を終了します」

雛子ちゃんの将来を憂いながら、僕は今月の集会を締めた。



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