美術博士 純丘曜彰教授のドイツ大学講義日誌

マインツ大学 メディア学部 映画学科 客員教授

February 2012

イタリアの警察はややこしい

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 イタリアのパトカーのミニカーを買ってきてほしい、と頼まれている。とはいえ、イタリアの警察は、いろいろややこしい。こんな大学の周辺みたいなところは、静かなもんだ。だから、ふつうの警察の、こういう水色のパトカーしかいない。ベースもせいぜいフィアットのプントだ。

 ところが、イタリアは、おっそろしいほどの車大好き社会。真っ赤なフェラーリやガルウィングのランボルギーニを買うのが、社会的な成功者の象徴。そんな国ともなると、高速道路のパトカーは、それより速くないといけない。というわけで、同じマヌケな水色塗装のフェラーリ458だの、ランボルギーニガヤルトだのが、時速100キロまでわずか3秒そこそこという驚異的な加速エンジンを吹かし、時速300キロで追撃してくる。これは、恐い。

 別の意味でおっかないのが、真っ黒いカラビニエリ(騎兵隊)。これ、警察というより、どうみても軍隊。ふつうの警察の緊急電話が113なのに、こっちは112。ローマとかだと、テロ対策なのか、完全重武装で街中にいたりする。だいいち、おっそろしく体格がでかいやつらばかり。雄牛が防弾チョッキ着て立って歩いているんじゃないか、と思うくらいでかい。そのパトカーは、ふつうの警察と同じフィアット・プントなんだけど、真っ黒い塗装だと、えらい迫力がある。そのほか、アルファロメオのパトカーがあるかと思えば、ジープがあったり、ベンツの兵員輸送車があったりで、どうみても、やっぱり軍隊。

 奇妙なのが、灰色のパトカーで、ガーディア・ディ・フィナンツァ(財務警察)のもの。117と書かれている。乗っているのは、やっぱり灰色のおまわりさん。地味だけど、なんだか怪しげ。

 最近の人気は、森林警備隊。テレビドラマにもなっている。パトカーは緑色で、1515と書かれている。車種は、それこそ、スバルのフォレスターとか日産のテラノとか。やっぱ四駆じゃないとね。

 さて、ミニカーを探しているのだが、どうやらパトカー以前に、車種のパテント権の問題があるらしい。イタリアでミニカーとして出ているのは、フィアットやアルファロメオくらいらしい。というわけで、ふつうのフィアット・プントの水色のパトカーを探している。

ミラノ工科大学のバカ騒ぎ

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 この兄ちゃん、なにを興奮してるか、というと、やっと学位を取れたから。イタリアの大学は、2001年に制度がやさしく変わったとはいうものの、まともに卒業できるのは、あいかわらず、5%そこそこ。

 大学自体は高卒資格さえあれば全入可能なのだが、まず、トリエンナーレで3年間。つまり、従来の大学が4年から3年へ短縮され、日本で言う短大へと格下げされたのだが、実際は、いまでも5年くらいかかり、卒業できるのは、わずか17%。これで、とりあえず「ドットーレ」(準学士、日本だと最近は米国風に「短期大学士」)。ここから、日本の大学相当のマジストラーレ(2年、専修科)へ進学する。もらえる学位は、やはり「ドットーレ」(学士)。ここまでで、10%そこそこしかいないから、イタリア人は、トリエンナーレ(短大)やマジストラーレ(大学)をちゃんと卒業しているだけでも、英語の「ドクター」を自称したがる。(実際は準学士ないし学士ね。)

 しかし、イタリアの大学院水準は、入れば出られる日本の理系大学院などと較べて、むちゃくちゃ厳しい。トリエンナーレからマステルのレベル1、もしくは、マジストラーレからマステルのレベル2に入るが、これが日本の大学院修士相当。これを終えると、マステル(修士)となる。それから、ほんとうの大学院、ドットラートが4年以上かかる。30歳までに論文が通って、最終の「ドットラート・ディ・リチェルカ(博士)」の学位が取れれば、立派なもの。ここまでたどり着くのは、大学院進学者の3割のみ。大半は、途中で学位を諦めてドロップアウトしてしまう。

 だが、米国や英国のようにアカデミック・ガウンを羽織って厳粛に祝う、なんてことは、イタリアの学位授与式には無い。両親からなにからやってきて、大学の中や近くの店で、日が暮れるまで、ちょっとしたパーティを開く。友だちたちがかってに格好を指定する。文句を言わず、その格好で式に出るのがイタリアの伝統ってもんだ。どんな格好でもいいのだが、唯一の決まりは、赤い色が入っていること。良い友だちだと、昼間のタキシード、程度のマヌケさだが、悪い友だちだと、とんでもない格好を指定する。というわけで、この兄ちゃん、じつは、下はマッパだ。

防寒対策は必要なのか?

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ひさしぶりに仕事で出張。先々週までヨーロッパは大寒波で大騒ぎだったが、さて、大丈夫だろうか。というわけで、スタジアムコートに防寒靴。家を朝早く出てきたが、このかっこう、暑いよ。向こうでもいらない気がする。。。
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Profile
純丘 曜彰
すみおか てるあき 

美術博士(東京藝術大学/美学)、文学修士(東京大学/哲学)、東海大学准教授、ドイツ・ヨハンネス=グーテンベルク(マインツ)大学客員教授を経て、現在、大阪芸術大学教授。専門は哲学、メディア文化論。

東京生まれ。東京大学教養学部1組(横断インタークラス)、同文学部哲学科卒業、東京大学大学院人文科学研究科哲学専攻修了。テレビ朝日報道局報道制作部ブレーンとして『朝まで生テレビ!』を手がけ、現職に至る。

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