山下だの、ワムだの、ラジオで聞くと、なんだかがっかりする。昨今、DJや放送作家が曲を知らなすぎる。車のラジオで聞くクリスマスソングなら、クリス・レアの『Driving home for Chrismas』だろう。この人、イングランド人なんだけど、英国ではあまりぱっとしなかった。ところが、1986年に、この曲をドイツでシングルカットして出したら大ヒット。ドイツのアウトバーンは、車が集中するくせに雪が降ると渋滞がひどいから、クリスマス気分にぴったりだったんだろう。




もう一曲というのなら、これ。『Wonderful Dream』 2001年のコカコーラのCM。このクリスマスキャラヴァンのCMは、1995年にドイツで始められ、その後、世界各国でも流されることになった。その後も、繰り返しクリスマスシーズンのコカコーラの広告に使われている。しかし、もともとは、holydays are comming のコーラス部分しかなかった。それに歌がついたのが、2001年。これを歌ったのは、メラニー・ソーントン。サウスカロライナ州の出身だが、これまたドイツのフランクフルト市で売れた。それで、ドイツのコカコーラのCMに起用されたのだが、2001年11月24日、飛行機が墜落。スイス山中で死亡。彼女は、このCMをテレビで見ることはなかった。




かような都合で、差し替えられたのが、タミー・ハリソンの『a beautiful time』。2005年からは、ドイツでは、こっちが使われている。95年からのコーラスは同じなので、60秒CMでは違いがわからないかもしれないが、まったく別の曲ということになっている。ソーントンの方が神秘的でゴスペル的なコブシが効いている。こっちはアメリカンポップス風で元気がいい。しかし、この人も、素性がややこしい。父親が英国人で、太平洋のオーストラリア大陸の生まれ。それが、6歳のときにヨーロッパのオーストリアに引っ越してきた。つまり、ぜんぜんアメリカンポップスな人じゃない。




すでに2007年には、ポーランドでは『Wonderful Dream』の方をポーランド人歌手のアーニャ・スザーマックがポーランド語でカバーしていたが、さらにおまけで、昨2013年秋には、レベッカ・ニューマンもカバーを出してきた。この人、もともとはイングランドのヨーク市の結婚式場歌手。クラシックのソプラノ声なんだけど、ポップスのカバーでアルバムを出して、けっこう売れている。ソーントンのゴスペル仕込みとはまた違う感じに仕上げている。同様に、昨2013年秋には、ジョー・マケルダリーもカバー。この人も英国だが、オーディション番組出で、みずからすでにゲイをカミングアウトしているとおり、独特のゲイ・ヴォイスで、これまたなかなか良い感じだ。