aiptek v10

 これなぁんだ? 携帯電話じゃないぞ。ポケットサイズの超小型プロジェクターだ。映像関係では世界でちょっと知られたアイプテクの今年の夏の新製品。もっとも、このアイプテク・アメリカではなく、ヨーロッパの方のだ。うちの近所の電気屋コンラッドで、大々的に売り出した。
 この大きさで2メートル弱で55型まで拡大できるとのこと。もちろん電池で使える。メモリー内蔵だから、単体でも写せる。これなら、大型テレビがばかばかしくなる。価格は、299オイロ。5万円くらいだ。
 で、スペックは、というと、VGA(640x480)。まあ、ふつうのテレビと同じくらいの画質だ。ハイビジョンより劣るが、DVDだってこの程度だし、ふつうのプレゼンなら十分だろう。
 とはいえ、致命的なのは、明るさ。わずか10ルーメンだってさ。それって、懐中電灯くらいじゃないのか。55型まで拡大したら、うっすら見えるか見えないかくらいだろ。(ちなみに、私がふだん使っているのは、2000ルーメンだ。これくらいだと、昼間の教室でも、暗幕なしで使える)
 もっとも、私は、これを見て、従来のプロジェクターとはまったく違う使い道を考えていた。ちょうど結城座さんに、日本の昔の幻灯芝居、写し絵についていろいろ教えてもらっていたところだ。ヨーロッパの重くて熱いマジックランタンやファンタスマゴリアと違って、日本の伝統の幻灯芝居は、風呂と呼ばれる桐箱でできた軽い小型幻灯機を手持ちで動かして使う。そして、この超小型プロジェクターなら、それが現代風に、もっと簡単にできる。ライブとビデオを融合した新趣向の影絵芝居などとして、これは意外に使い道がありそうな気がする。