どこか行こうか、と、あれこれ調べているのだが、わけがわからないのが、航空券の価格だ。片道の方が、往復より高い。片道700オイロのところが、往復で調べると、総額で350オイロ。つまり、片道あたりの料金は1/4ということになる。

まあ、アメリカ国内や、日本からの国際線でもそうらしいが、これでは、往復チケットを買って、帰りを放棄する人が後を絶たないのも当然だ。きちんとキャンセルの連絡をもらえればまだよいが、ノーショーだと、航空会社は、結局、空席分の利益機会も失うだろうに。で、最近は、航空会社も経営が厳しいので、ノーショーはもちろん、キャンセル連絡でも、片道料金より高いペナルティを後から請求することが少なくないとか。踏み倒そうにも、カード番号を抑えられていると、勝手に請求されるしねぇ。

しかし、そもそも片道が往復より高いこと自体がおかしくないか。とはいえ、社用族や団体旅行も多いので、実際は割引で乗っている人がほとんどだろう。逆に言うと、社用族や団体旅行の割引率を維持するために、名目上の片道価格が高いまま張り付いてしまった、ということだ。もともと平均実質価格は、企業割引や団体割引の後の価格で計算されており、その割引率から逆算して表向きの片道価格が決められる。

しかし、考えてみれば、いまどき企業割引だの団体割引だのをする必要があるのだろうか。たしかに1980年代なら社用族や団体旅行を取り込んでおけば、販売営業コストを抑えられただろう。だが、個人客もネット販売なら、同じことだ。むしろ、この時代、片道だけでも乗ろうかな、という個人客を呼び込めばいいのに、と思う。

実際、ヨーロッパなんか、あちこちがつながっているから、旅行するのに、同じ国の同じ街へ往復なんて、仕事の出張でもあるまいに、おもしろくない。そのうえ、レンタカーや夜行列車、フェリーなどの代替交通手段も充実している。一箇所くらい飛行機に乗ろうか、と思っても、あの価格だと、ばかばかしくて止める。この季節、700オイロだったら、日本までだって往復できてしまうぞ。

いずれにせよ個人客が直接に航空券を定価で買うには高すぎる。ライアン、イージー、テュイ、エアベルリン、ジャーマンウィングスなどに加えて、この2月から、Click4Skyというプラハをハブにした格安転売会社(自分では飛ばさないらしい)もデビューする。プラハ空港は、実際、ヨーロッパの中での立地がフランクフルト並みにいいので、このビジネスは今後、かなり有望だろう。

格安利用のコツは、電車と組み合わせること。格安同士の乗り継ぎは当てにならない。格安会社は、飛行機繰りがぎりぎりなので、遅れも想定しておかないといけない。そうなると、後に乗れなくなってしまう。フライトキャンセルの払い戻しはあっても、乗り継ぎの補償まではない。だから、格安は直行に限る。直行が飛んでいる空港までは電車で行って、そこから乗る。電車なら、よほどでないかぎり、本数もあるので、なんとかなる。

それにしても、この飛行機探しも面倒くさい。鉄道だと、外国のかなりの細かなところまで、ときにはバス停まで検索して、行程表を叩き出してくれる。が、飛行機だと、全部を最安値で一発検索する方法がない。そのうえ、近年、レンタカーを含め、自動車が不人気で、いまや中長距離、超長距離バスが人気だ。とくにドイツのローカルバスや中欧圏の個人ミニバスは、ものすごい勢いでネットを張り巡らしていっている。これらも、検索するのには、かなりコツがいる。が、うまい路線を見つけると、地元運行だけに道をよく知っており、鉄道で3時間のところが1時間で行けてしまう。

こんなことをやっていると、行くまでに行った気になって、行くのが面倒になる。天気もあいかわらずあんまりよくないしなぁ。