もとはすべてASO、すなわち、Amaury Sports Organizationというフランスのスポーツメディアグループがぎゅうじっている。19世紀末からフランスでは自転車競技が人気で「日刊自転車」なんていう総合スポーツ新聞が出ているほどだった。しかし、これが政治的にも左よりで、これを嫌って「日刊自動車」という新聞ができた。前者が緑色の紙を使っていたのに対抗して、後者は黄色。ちょっとやそっとの緑や黄色じゃない。
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 この黄色新聞が1903年にツールドフランスを始めた。これが大当たり。戦後に名前が「日刊チーム」に変わり、68年、レジスタンス新聞で成り上がったアムリに買収される。そして、この一家が雑誌やテレビまでメディアを駆使して、自転車、自動車、マラソン、と、フランスの商業スポーツを発展させてきた。

 この会社のおもしろいのは、売れるスポーツの素材を創って、その素材そのものを売ってしまうところ。普通なら、自社で主催したものは、自社で編集し、その製作物を売りそうなものだが、そうではない。だから、Jsportsなんかだと、視聴者でさえ、さまざまなものを映しているカメラを選べたりする。この太っ腹さが、成功の鍵なのだろう。実際、ツールドフランスのような、長大なコースを行くレースとなると、観客によって見たい場所、見たいチームや選手がまったく異なっている。イタリアの視聴者は、やはりイタリアのチームや選手に関心があるだろうし、地元はレースなんかどうでもいいから御近所の風景が見たいという場合もある。それが好きに選べてしまうのだ。

 番組ですら、そう。Euro Sportはもちろん、SKYでもなんでも、垂れ流し。Euro Sportも、インタヴューの都合などもあり、フランス系、英米系、イタリア、スペイン、等々、と、まったくの別編集。NHKの場合、NBCスポーツの素材を買って翻訳しているようだ。以前のフジテレビはどこのだったのやら。さらに、素材のバラ売りなので、音楽も別。たとえば、コロンビアでは、NHK=NBCと同じ映像にまったく異なる音楽が乗っている。フランスなどでは、Kraftwerk以来のテクノ系、フジではT−スクウェアの「CHACER」のようなフュージョンを載せ、後には映画音楽の「ライトスタッフ」などを使っていた。


 さて、いまのNHK=NBCは、おそらくCody Westheimer。カナダの若手作曲家で、この手のスポーツ番組などのタイトル音楽が得意。2011年から「VERSUS」という曲を提供していたが、今年のものは、まだクレジット表示されていない。前のは、これ。