日本も妙な天気続きだが、ヨーロッパもおかしい。クリスマスももうすぐというのに、どこにも雪が無い。ガルミッシュパルテンキルヒェンやベルヒテスガーデンも、まったく積雪無し。地べたが出ている。スイスのベルンはもちろんグリンデルヴァルトでさえ雪が無い。もちろん上まで登れば白いが、それだってはげちょろけ。チロルの山間のインスブルックも、山の頂点が白いだけ。気温は1度そこそこで、寒いことは寒いのだが、雨になってしまう。それでよけいに雪が融ける。スキー場も惨憺たるもの。高度が高いところはいいが、これでは麓まで降りて来られない。下りもリフトだ。

 パリでCOP21(国連気候変動会議)だそうだが、この現状を見れば、そりゃ危機感も持つだろう。もともとさして雪など降らない街中からすれば、変な天気だ、くらいのものだが、アルプスで、雪のある無しは、見た目にも決定的。だいいちスキー場などの観光産業が、まったく成り立たない。ここまで景観が違うと、やばい、と思わない方がおかしい。

 とはいえ、二酸化炭素排出のせいなのか? 石油石炭燃料を使わなければ、もとに戻るものなのか。地球の歴史からすれば、気候なんか、これが本来の定常状態などということがあったためしはなく、やたら寒くなったり、暖かくなったり、変化し続けている。もちろん、人間のせいで人間が住めなくなる、というのは、バカげていることだが、逆に、人間がなにかすれば、なんとかなる、などというのも、同じくらい思い上がりの気がする。

 アルプスが隆起したころ、氷河谷ができたころになど、人間の力で戻せるわけが無い。冬場の産業や海っぺりの砂浜を不当占拠して住み着いた大都会を守るため、というのは、結局のところ、別の意味の既得権保護の話で、なかなか合意形成には至るまい。

 古代のギリシアやローマの人々は、あまりの暑さゆえに、裸同然のかっこうで街をうろうろしていたが、そのうち、クリスマスも、スキーやソリも、歴史上の文化になってしまうのだろうか。いや、もう、なりつつあるのかもしれない。現に、ヨーロッパのどこを探しても、絵に描いたようなクリスマスシーズンを見ることができない。残っているのは、フィンランドのサンタ村、ロヴァニエミくらいか。そこだって、いつまでもつやら。来年にでも行って見てきたい。