ここのところ、いろいろ所用が多くて忙しく、ジロどころではなかった。ちらっと見ても、キッテル、カンチェラーラ、デュムラン、グライペル、と、なんだかみんないつの間にか山に登る前に帰っちゃってるし、レースも、だるだるで、やる気が感じられない。まるでフランスの前の足慣らし。ニバリもピンクのクルイスウィクに5分近くも差をつけられては、手も足も出るまい。

 と思っていたら、今日、突然、どうしちゃったの? えらいことになっている。とくに残り50キロあたりから、ものすごい展開。ピンクのクルイスウィックが自滅的に雪の壁に突っ込んで一回転。5位のザッカリンが路肩から自転車もばらばらに吹っ飛んで、鎖骨骨折。3位のヴァルヴェルデは、まったく調子が出ない。その間隙をぬって、われらがニバリがチャベスやニエヴェと競う。そして、最後の登り坂5キロでアタック! 振り切って勝っちゃった。なんだこりゃ。ニバリ、勝って泣いてるよ。去年からいろいろ言われてきて、わからないでもないが、そういうやつだっけ?

 実質、あと1ステージしかないのに、チャベスに44秒差でニバリ、1分5秒でクルイスウィク、1分48秒でヴァルヴェルデ。それも、第20ステージは、フランスからイタリアに戻る山岳コースで、距離は134キロと短めながら、カテゴリ1の2000メートル級の山を3回も登らないとといけない。そして、最後にイタリアに入って、8キロ下って2キロを登る。ひどいコースだ。だが、これって、ニバリ向きかも。

 マラソンだ、トライアスロンだ、と、オリンピックがらみで、テレビが騒いでいるが、それほど厳しいスポーツか。一方、ジロ。体力バカの拷問大会としか思えないすざまじさ。21ステージ連チャンなだけでなく、酷暑の海岸から極寒の雪山まで、よくもまあ、こんなひどいレースを99回もやってるもんだ、と思う。それでいて、ゴールした後、けっこうみんな、平気で、ぷらぷら歩き回っているし、インタヴューでも、息も切らさず、話てんだよね。倒れるやつなんか、いやしない。どうなってるのやら。肉はもちろん、心肺能力、さらには精神力まで、むちゃくちゃに鍛えてないと、こんなこと、やってられまい。

 長帳場なだけに、そこに人生が見える。水戸黄門の歌じゃないが、遅れたら抜かれる。かといって、無理にがんばっていても、最後の最後に後ろから刺される。アタックしたって、振り切れるとは限らない。まして、落車すれば、すべてを失う。へたをすれば、骨折で再起不能。明日も、RAI1が楽しみだ。