メディアはニュースを正しく伝えていない、と、トランプ大統領が怒っているが、情報がメディアのフィルタを通さずに得られる時代になると、メディアの存在意義そのものが怪しくなる。日本では、6年前の東北大震災が致命的な分水嶺になった。爆破弁だとか、ただちに問題は無いとか、フェイクだらけ。政府慰安所と民間女衒をごちゃまぜにしただけでなく、ウラ取りもしていない、というより、わざとセンセーショナルな捏造までメディアがやって売ろうとしたり、椿本みたいに政権交代はメディアのお陰だなんて言ったり、もう無い方がまし、ということにもなりかねない。

 米国はもちろん、日本でも、ヨーロッパのニュースは、あまりに弱い。報道していないわけではない、と言うが、どうでもいい野球だの相撲だのばかり。最近はトランプに飽きて、延々と北朝鮮。ほかに伝えるべきニュースが無いのか、というと、そんなわけがない。つい先日、24日にもシリアでISの大規模な報復自爆テロがあったが、延々と北朝鮮。頭がおかしいとしか思えない。

 もちろん記者や通信社は重要だ。ロイターやAFP、AP、UPI、TASS、そして、時事や共同と、がんがん毎日の状況を、選別なく送りつけてくる。原語でもいいし、わからなければgoogle翻訳でもいい。なにが起こっているのかさえわかれば、詳細は別のソースからウラ取りすることもできる。だが、メディアのフィルタは、いらない。はっきり言って、あいつら、頭が悪いか、世界観がおかしい。そんなののフィルタを通すと、世界観までバカになる。

 典型がトランプ当選で、メディア連中は、自分たちの好き嫌いと、東部西部の取材だけで妄想を垂れ流していた。しかし、米国各地のネットラジオなどを聴いていれば、これはやばい、えらいことになる、くらい、だれだってわかったはず。ようするに、私みたいな個人のほどにも、組織としての取材力が無い。というより、組織であるがゆえに、かえって妄想がカルト宗教のように内部反響して捏造されてしまうのだろう。外に目を向け、耳を傾けていないメディアは、いったい何と何を繋ぐメディアなのだろうか。

 興味深いのは、昨年来、トランプとCIAが仲違いしていること。CIAというのもたいがいで、メディアに近い妄想で米国を振り回してきた。一方、トランプは、むかしからダイレクトに「敵」の要人と繋がって親交を持ち、生の情報を得ている。日本が太平洋戦争開戦前に、陸海軍の現地情報網と、外務省の政府情報網で世界観が一致せず、支離滅裂な状況に陥ったのに似ている。

 もっとも、ヨーロッパ移民村の凍死続出のような話になると、通信社よりさらにローカルな地元新聞などでしか伝えられていない。これだけ北朝鮮をテレビや新聞で採り上げていながら、その中東の深い繋がりも、まずだれも口にしない。我々は中世のキリスト教世界や仏教世界のわけのわからない妄想を、プリミティヴと蔑むが、いまのテレビや新聞も、当時の教会や寺社の説教と大差ない。そして、恐ろしいのは、そういう説教をしている連中は、リアルな世界の広がりの方をペイガンとして激烈に攻撃すること。あー、くわばら、くわばら。