ヨーロッパのなんでもない地方の風景が好きだ。それで、チャリンコレースがあると、夜、そのliveを見ている。三月に入って、二つの海レース(8日ティレーノ〜14日アドリアティコ)、ミラノ〜サンレモ(18日)、ヴォルタ・ア・カタルーニャ(20日〜26日)と、海から山まで。残雪がまだ多いのに、爆走。とくに今年は世代交代の時期のようで、古い世代が前に出るかと思うと、若い世代が追い抜いていく。とくに、26日のフルームが逃げ切りに失敗して、5キロも残してプロトンに飲み込まれ、そこから混戦になったのは、圧巻だった。

 昔、テレビはボクシングやプロレス、相撲のようなものしか映せなかった。それが望遠やスイッチングの発達で、野球やゴルフが人気。横長のハイビジョンとともにサッカーへシフト。いま、ヘリからの星送りで自転車が注目される。まだ画像が乱れるが、ゴールで待っているだけの時代からすれば、長足の進歩だ。かつては電車に乗ったなんていう話もあったのに、いまや魔法の絨毯はもちろん、途中で仲間のケツを押しただけでもばっちりカメラに撮られてしまい、ペナルティを取られる。

 とはいえ、昨年の自転車担ぎだの、チーム全員脱落だの、わけのわからないことが起こるのもまた魅力のうち。相撲と似て、勝てばいいというものじゃないのが、人気第一のプロスポーツ。おまけに賭けだらけ。ドーピングはやたら厳しくなったが、そのへんの怪しさを含めてのツアーか。ま、べつに自分は賭けているわけじゃないから、だれが勝ってもいいんだけど、そのいろいろが旅や人生を思わせ、興味深い。

 なんにしても、最初から飛ばすのは、ダメ。後ろを振り切るのも、賢明じゃない。チームのサポートは大切。とはいえ、当てにならないこともある。そして、なにより単独ステージより総合優勝。ちょこちょことした下っ端の動きに振り回されず、自分の体力の限界を知りながら、うまくタイミングを見計らってパンチ。あんなふうに人生もたちふるまえればいいのだけれど。