いやいや、今年は、いいレースだった。変な連中がいなくて、気持ちのいいレースだった。例年、ブエルタなんて、おまけ扱いで、同着だらけ。それが、今年はフルームが本気だし、ニバリはジロをテュムランなんかに荒らされてブエルタに賭けていたし、なにより辞める辞めると毎年言っていたコンタドールがほんとに辞めるらしい。チャベスやバルデなどのように思っていたほどでもなかった選手もいたが、それでも完走。

 とくに第20ステージのコンタドールは、かっこよかった。姑息に最後のパンチで勝つのではなく、堂々、数十キロも前から飛び出した。それもあの坂だ。へたって吸収されてしまう方がふつうだろう。にもかかわらず、独走。これじゃ、思わず見入ってしまうじゃないか。スカイやバーレーンのサポートもみごとで、ニバリがコンバッティヴだったが、フルームはチーム力だけなく、個人TTで、圧倒的なパワーを見せつける。ジロのデュムランのはったり威嚇みたいな詐術抜きで、本気のレース。

 最終日も、みんな楽しそうだった。いくつかワンデイなどが残っているにしても、これで今シーズンは、心情的には終わり。サガンは裏でがんばっているようだが、ツアーこそ華。来年はフルームの五勝クラブ入りが掛かっている。それにしても、スペインの空は青かった。いまからでもどこかヨーロッパの田舎に行きたい気分だ。