2018年07月11日
新宿区は、診療所・クリニック(開業医)と、大学病院等総合病院との医療連携が、他の地域に比べ、進んでいると言われています。
地域の医師会が、大学病院や、総合病院を代表する勤務医の先生方と、定期的に会合をもっているところは、あまり例がないそうです。新宿区医師会では、年に2回、医師会会員と、大学病院・基幹病院の先生方と、テーブルを囲んで、懇談する場が設けられております。新宿には、東京女子医大病院・東京医科大学病院・慶応大学病院の3大学病院があり、かつ基幹病院として、国立国際医療研究センター病院、東京新宿メデイカルセンター、東京山手メデイカルセンター、大久保病院があります。
私は、日頃クリニックから紹介した患者さんを、丁寧に対応して下さっている病院の先生方に、直接お礼を言いにいく大切な機会だと思っております。糖尿病や高血圧症・脂質異常症等で、毎月受診されている方を紹介する場合、私との人間関係がある程度できているので、まず円滑にことは進みます。問題は、初診で受診された方で、緊急対応が必要な場合です。初診で紹介、その日のうちに、急性虫垂炎で、緊急手術や、細菌性心内膜炎で、抗生剤による入院治療が必要な場合等、放置しておくと、確実に亡くなるケースに、対応に苦慮する場合があります。誰しも、命に及ぶような重症の病気になるのは、人生はじめてです。こちらが、迫っている危険を説明しても、話を聞こうとしない、クリニックで薬を出してもらって帰りたいと主張する方が、ごく一部ですが、おられます。考えられるすべての方法を尽くして、説得し、病院に紹介しておりますが、いつも、受け入れ先の医師に、失礼な態度をとらないか、心配しています。受け入れ先は、通常の診療以外の緊急の仕事をしているわけですので、負担がかからないわけはありません。
医療の進歩した現在でも、残念ながら、手遅れ・治療が間に合わない場合があります。どんな方でも、突然病気になる可能性はあります。ネットの情報に頼り、自己判断をした結果、好ましくない方向にいかないように、よくよく考えてもらいたいと常日頃私は、考えております。
2018年07月08日
繰り返し読むことにしている蔵書を、最近業者に依頼し、電子書籍化しております。PDFファイル化した書籍を、アイパッドプロに転送し、読んでいます。PDF化したことで、本に取られるスペースが減らせたこと、検索が使えるので、調べ物のさい、便利であること、細かい文字を、拡大できることがよかった点です。
電子化してしまえば、古書によるアレルギー症状からも解放され、重宝しております。
私の利用している業者は、ブックスキャンさんです。対応もとても丁寧で、もっと早くこの業者さんを知っていればな、と思っております。
ブックスキャン https://www.bookscan.co.jp/
2018年07月07日
病気についての情報を、ネットで検索した上で、医療機関を受診されることが、ごく普通になっています。
厚生労働省や、国立病院・国立の研究所等公的機関のホームページに公開されている医療情報は、国民に正しく啓発することが目的であることからも、参考にできると思います。問題は、健康食品等企業の宣伝に紐づけられているホームページです。情報の真偽を見極めておかないと、健康被害を被ることになりかねません。
基本、ただの情報は、存在しないと考えておいた方が、無難だと思います。
ネットや週刊誌の情報を丸のみにし、医師の説明を受け付けない方がおられます。ネットのみならず、医学の専門書は、アマゾンや大手の書店で、誰でも購入ができます。医学情報は、その気になれば、誰でも、十分収集することが可能な時代です。
ただ、医学知識は、その前提になる基礎医学や、臨床の経験があって、ようやく理解できるものが多々あります。誰しも、病気になるのは、人生ではじめての体験であることが大部分です。医師は、患者さんの治療を担当することで、多くの病気について、患者さんから学んでいます。治療を中断した場合や、手遅れになった場合も含めて。
かつては、がんの告知に慎重な医師がほとんどでした。現在は、治るがんが増え、かつ市民意識も変わり、本人に率直に伝える場合がほとんどかと思います。また、治療法までも、選択肢を示して、ご本人に決めてもらう場合すらあります。
情報リテラシーの力量が、問われる時代になっていると思います。