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『Cold』 James Ferraro *FREE DL
『イーハトーヴ交響曲』 冨田勲
『Wolf』 Tyler, the Creator


聴くのに書くのが全然追いついていないので、4か月という中途半端なスパンだけれど、いまのところの愛聴盤をまとめて挙げてしまおう。とりあえずのべスト3はこの3枚。『イーハトーヴ』については『ERIS』第2号に書いた。ジェイムズ・フェラーロについては改めてブログで取り上げるけれど、今年一番尖ったアルバム。前作『Sushi』、Bodyguard名義の作品を受けた作風ながら、相当キレキレで大変なことになっている。ここにはカニエ・ウェスト『808』の亡霊がHow To Dress Wellと一緒に住んでいる。タイラーは最高傑作。このジャケットはポピュラー音楽史上最高の出来といってもいいが、最初に僕のところに届いたのは別のダメな方のジャケで、結局国内盤を買いなおしてしまった。このジャケが家にある安心感に2500円くらい払ったわけだが、全然後悔していない。ライナーも勉強になるし。





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『The Eulogy』 Cakes Da Killa *FREE DL  関連エントリー
『LONG.LIVE.A$AP』 A$AP Rocky  関連エントリー
『Hands』 Superhuman Happiness  関連エントリー

『REV MAG』Vol.4で、クィア・ラップについて書いた。ちょうどそれが発刊されたタイミングで出たのがこのケイクス・ダ・キラのミックステープ。前作『Easy Bake Oven EP』も面白かったが、新作はジューク/フットワークやトラップ、ボールルーム・ハウスなど、先端的なビートが満載で、痺れた。エイサップ・ロッキーのデビュー・アルバムも素晴らしい出来。特にスクリュー・ヴォイスの洒脱な使い方はかなり新鮮で、これは各方面に影響を与えそう。アンチバラスの別動隊、スーパーヒューマン・ハッピネスは、アフロビート好き、インディ・ロック好きは必聴。




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『Lines』 Julian Lynch
『How I Knew Her』 Nataly Dawn 関連エントリー
『Lapland』 Lapland 関連エントリー

ロック~シンガー・ソングライター関係では、「ビートルズの遺伝子」としてエントリーを書いたラップランドとナタリー・ドーンが、完成度が抜群に高かった。ナタリー・ドーンは、彼女がメインで活動するデュオ、パンプルムースもぜひ聴いてほしいところ。そして、それ以上に愛聴していたのがジュリアン・リンチ。さまざまな楽器によるアンサンブルのオーガニックな耳当たりと、骨太なサイケ・ロックのグルーヴ感が、絶妙なバランスで寄り添う名盤。よく晴れた日にはついつい聴いてしまう。




ここまでの9枚は、年間ベストの上位確定のアルバム。ここから下はそれには及ばないけど好きな作品で、サウンドの傾向ごとに何となく分けている。並びは順不同。


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『The 20/20 Experience』 Justin Timberlake
『LOVElife Is A Challenge』 Chris Turner  関連エントリー
『7 Days Of Weak (Presented By Raphael Saadiq)』 Adrian Marcel *FREE DL

ジャスティン・ティンバーレイクは、何と言っても「Suit & Tie」冒頭のスクリュー使いが素晴らしい。ビヨンセ新曲と並び、今後のR&Bの方向性を占う画期的な曲だ。もちろん、ほかの曲も先進性とレイドバックぶりが心地好く同居した秀作揃い。ただし、一曲一曲がちょっと長い。ジェシー・ボイキンス三世周辺で活動するシンガー、クリス・ターナーの既発曲中心のミックステープも文句のつけどころのない一枚。ぬくもりのある地声と美しいファルセット・ヴォイス、クルーナー的な歌い口で作り上げるロマンティックなムードは、マーヴィン・ゲイやダニー・ハサウェイも彷彿させる。ただし、当初フリーDLだった本作だが、いまはそうではなくなってしまったようでフリー・ダウンロードは一部の曲のみ、バンドキャンプここで。男性の歌モノでは、ラファエル・サディークが完全バックアップした、エイドリアン・マーセルのミックステープも聴いておきたい。シンガーとしてそれほど魅力的に思えないし、サディークぽさもあまりないのだが、トラップをベースにしたアンビエントR&B調「Wrapped」など、耳をひく曲がいくつかある。





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『The Love/Art Memoirs』 Alex Isley *FREE DL
『The Soul Sessions』 Jhene Aiko *FREE DL

女性シンガーではSZAの『S』『See.SZA.Run』という2枚のミックステープが当たりだった。元オッド・フューチャーのBrandUn DeShayが数曲にかかわっていることは注目すべきだが、それを抜きにしても極めて良質のアンビエントR&B作品。2012年作だが、The Decordersの新曲に参加していたことで知った、アレックス・アイズレーのミックステープも柔らかいムードが素敵な一枚だった。ちなみに、彼女はアーニー・アイズレーの娘。アーニーのギター・ソロが入っていたら完璧だったんだけれど、まぁしょうがない。あと、フリーものでは、ジェネイ・アイコの客演を含めた既発曲をCSNWがコンパイルしたミックステープも当然良かった。




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『Goldenheart』 Dawn Richard
『Highway '85』 Austin Brown *FREE DL 関連エントリー
『#Letters』 Nate Cook *name your price


元ダニティ・ケインのメンバー、ドーン・リチャードの新作はR&B作品ではあるが、なかなか癖の強い内容で面白い。特にタイトル曲はドビュッシー「月の光」を使っており、やはり同曲を引用していたジャネル・モネイ(「Say You'll Go」。詳しくは以前のエントリーを。)も思い浮かべる。そういえば、彼女もジャネルも、ディディのバックアップを受けている。ドビュッシーとディディのあいだには何か秘密があるのだろうか。マイケル・ジャクソンの甥っ子、オースティン・ブラウンのミックステープは前に書いたように、モータウン調のサウンドとときおりMJにも聞こえるハイトーン・ヴォイスがとても楽しい一枚。ほかに歌モノでは、NC3こと、Nate Cookというミシガンのシンガーが良かった。あまり名前を知られていない人ではあるが、アンビエントR&B~スクリューR&Bと繊細なヴォーカルの相性が抜群。name your priceの『#Letters』、フリーDLの『#GoodLuck』ともに愛聴していた。




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「Q.U.E.E.N.」 Janelle Monáe Feat. Erykah Badu
『MY 2 SENSE』 George 2.0
「Tightrope (Maximoe Remix)」 Birdview Crew *name your price


昨年から噂されていたジャネル・モネイの新作がもう少しで聴けそうだ。先行シングルとして、エリカ・バドゥを迎えた「Q.U.E.E.N.」がリリースされた。Pファンクやスティーヴィ・ワンダーを思わせるグルーヴィなシンセが印象的な曲で、彼女にしてはいささか仕掛けが少ないようにも思えたが、ホーンやコーラスをバックにジャネルがラップ調の歌を聞かせる後半が面白い。最後はぶつっと切れているので、アルバムではおそらくメドレーになるんじゃないだろうか。楽しみ! ジャネル関係では、ジャネルのすべてのステージでMCをとるジョージ2.0のアルバムが出た。彼については以前詳しく書いたのでそちらを参照していただきたい。今回のアルバムはスポークン・ワード調のラップ作品だが、なかなか評価に困る内容で、ジャネル関係でなければここには挙げなかった。しかし、ジャネル・ファンであれば必聴だろう。もうひとつ、ジャネルの代表曲「Tightrope」のユニークなリミックスがある。世界中のプロデューサーに焦点を当てたプロジェクト、Birdview Crewが1月にリリースした『January​.​EP』に収録されている、オランダ/ドイツ拠点のMaximoeによるもので、フューチャー・ビーツなアレンジがされている。この曲以外にも、スペイン、ニュージーランド、ラトヴィアなど、世界各国のプロデューサーが集ったコンピレーション自体もなかなか聴きごたえがある。



続く