もういつの間にか6月になろうとしていますが、とりあえず。今月はちょっとサボってしまいました。

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Salad Days / Mac DeMarco
The Now Sound For Today's Lovers / Jerry Paper

左はシンガー・ソングライター界のゆるキャラ、マック・デマルコの3枚目。ギターやキーボードの揺れる音色が最高に気持ちよく、エフェクトはフランジャーとかかなぁと思って調べたら、前作で同じ疑問を持ったカナダ人がYahoo Answersで質問投げててマック本人が答えてた(本当に本人かは知らないけど) 。

右は電子音楽界のゆるキャラ、ジェリー・ペイパーが、昨年Andy Boayとのスプリットとしてカセットテープでリリースした作品の単独デジタル版。へなへなとした電子音と朴訥としたムードはやはり唯一無二。カセットテープのアナログな操作を反映させたようなエフェクトも面白く、ブライアン・ウィルソンを録音したテープが間延びして再生されているかのよう。




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Prins Thomas Ⅲ / Prins Thomas 
frEEwheelin' (neji​-​150) / Satanicpornocultshop

左はノルディック・ニュー・ディスコの代表格、プリンス・トーマスによる3枚目。どこを見てもめちゃめちゃ評判のいいトッド・テリエが全然ピンと来なかったのだけれど、リラックスしたムードのなか、コズミックにサイケにアンビエントに、じわじわと手を尽くして攻めてくるクラウト・ロック色濃いめのこのアルバムなら何時間でも聴いていられる。

右は関西のジューク・ユニット、通称サタポによる新作。ジュークを担保にした混沌とした音楽性は相変わらず。ファンクやスピリチュアル・ジャズから、ガムランやアラブ歌謡まで、ブツ切れにチョップしたサンプルを組み込んだ、ガタガタとした高速ビートはこれまででも最も狂っている。それに乱暴に絡む、吐き出すようなラップもかっこよく、"yudamen ep"と並んで最も好きな一枚になった。




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The Breathing Effect - EP / The Breathing Effect  
Arktika / X.Y.R. *name your price

左はともにLA出身、プロデューサー/キーボーディストのEli GossとドラマーのHarry Terrellによるデュオのデビュー・アルバム。テクニカルなプレイ、メロウかつコズミックな趣味、そしてジャズとエレクトロニクスの絶妙なブレンド加減は、ブレインフィーダー的。チカーノ・ソウルっぽい「Daydream Prison」も最高だ。

右はロシアの女流電子音楽家、Vladimir Karpovによるロシアの砕氷船の名前をタイトルに掲げたシンセ作品。エスキモー、氷山、吹雪、極夜、オーロラ。冷気漂うアンビエントな音響のなか、鳥の鳴き声や水の音、あるいは氷を粉砕しているかのような音を配し、静かに、しかしドラマティックに極北の世界を描いている。




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Make It Happen / De La Montagne
Arcadia / Ramona Lisa

左はリヨン出身のAlto Clarkとモントリオール出身のCamille Bouvot-Duvalによる男女デュオ。トロピカルな要素もある陽性なギター/シンセ・ポップスで、あっけらかんとした調子がかわいらしい。Friendsとか好きな人は気に入るんじゃないだろうか。

右はChairliftのヴォーカリスト、Caroline Polachekによるソロ・プロジェクト。クラス・アクトレスやナイト・ジュエルに通じる暗めのシンセ・ポップはすべてMIDIで作曲したとのことだが、“シンフォニック”に重ねられたシンセやヴォーカルが、色気のあるエレガンスを振りまいている。





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Pattern Is Movement / Pattern Is Movement 
Range of Light / S.Carey

左はフィラデルフィアの二人組。ヴォーカル・ワークも素晴らしい、弦管交えたダイナミックなロックはダーティ・プロジェクターズみたいだが、加えて嬉しいことに何曲かではグレイトなロボ声(オートチューン?)まで聴くことができる。

右はボン・イヴェールのメンバーでもあるショーン・キャリーのソロ作品。フォーキーだったり、エレクトロニックな歌モノだったり、色々やってきた人だが、このアルバムでは暗いスフィアン・スティーヴンスのよう。以前からボン・イヴェール本体よりも好みだったのだけれど、これが最高傑作かな。




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愛の関係 / GREAT 3
Destiny / JINTANA & EMERALDS

高校生のころファンだったGREAT3はずいぶん聴いていなかったのだけれど(そういえば「summer breeze」を知ったのはシールズ&クロフツでもアイズレーでもなく彼らだった)、良いというツイートを見かけて久しぶりに聴いてみた。ファンクやサイケ、フォーキーなものまで幅は広いものの、アルバムの軸になっているのは、ダフト・パンク"Ramdom Access Memories"に感化されたと思しきディスコ・ナンバー。大ヒット作品をモチーフにしなくてもとは思いつつ、エフェクト・ヴォイスの「モナリザ」を始め、タイトル曲や「Don't Stop」など、ナイル・ロジャース風のギター・カッティングに絡む片寄の軽いファルセット・ヴォイスが心地好い。ただし、ハイライトはラストの「砂時計」。彼ららしいソフトなサイケ感のあるスウィートなバラードで、つい「玉突き」のような昔の曲を思い出してしまった。

右のジンタナ&エメラルズは横浜のアーバン集団PAN PACIFIC PLAYA所属のギタリスト、JINTANA率いる6人組。モチーフとなっているのはドゥーワップ。ただし、トロピカルに煌めくスティール・ギター、夢の世界にいるかのようなファジーな音の壁、そして“エメラルドシティー”やら“ドリームランド”といった言葉が躍るキラキラとした歌詞は、彼ららしいひねり具合で面白い。まるでドゥーワップを知らない南の国の人がドゥーワップを想像してやっているかのよう。ただ、期待が大きすぎたのがアレだったわけだけれど、物足りなさも感じた。特にヴォーカルは、一十三十一を始め、(美人で)歌のうまい人たちが揃っているものの、曲調のせいか、英語詞であるせいか、良さが十全に出ていないように思えた。なお、LUVRAW&BTBがトークボックスを披露する曲も。なお、LUVRAWは先日PPP脱退を表明。-IMAGE CLUV-というプロジェクトを始動している。




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Sky Wimming / Elephant 
WÀBÀ / Alexandra Stewart 
With Light & With Love / Woods

左はAmelia RivasとChristian Pinchbeckによるイギリスの男女デュオ。60年代のガール・グループ、50年代以前のポピュラー・ヴォーカルものがベースにありそうな、ノスタルジックで甘いウォール・オブ・サウンドは、それこそジンタナ&エメラルズと並べて聴いてもいいかもしれない。中央はブルックリンの女性シンガー・ソングライターによる2013年作。麗しい弦管使いと、すっとした清涼感が魅力。右はブルックリンのフォーク・ロック・バンドによる7枚目。




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Hearing Colors / Eyedress *FREE DL
Premonitions and Tusks / aloonaluna
Cool World EP / Cool World

左はフィリピンのIdris Vicuñaのソロ・ユニットが、昨年同じくフィリピンの女性シンガー、Skint Eastwoodと共同名義で出した限定作品の再リリース版。ついこの前、Metro ZuのLofty305とのコラボ盤もリリースされたので併せてぜひ。中央はフロリダ出身のLynn Fisterによるドローン・ポップ・プロジェクトが2013年にBeruとのスプリットで限定リリースした作品の単独版。幻想的なヴォーカルとは対照的に、強い芳香を放ちながら力強くうねる電子音が美しい。右はBenedek(Nicky Benedek)とRare Times(Anthony Calonico and Alex Talan)によるコラボ作品。ヴェイパーウェイヴぽいジャケの中身はチープでブギーなシンセ・ファンク。




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Luxury Slime Vortex / The Nag's Head
Caesarean Section / V.A. *FREE DL
I Love You, Rollergirl! / Rollergirl! *FREE DL

左はブライトンのStephen Maskellによるソロ・ユニット。自身のサウンドを"Metallic Cloud Voodoo"と表現しているが、言い得て妙。深い闇に広がるアンビエンスと、ジャングルも取り入れた硬質なビートとが入り混じり、呪術的かつインダストリアルな、独特の世界を作りあげている。中央は日本のビートメイカーたちによる“アニメネタ縛りのフロア向けリエディット集”。Osamu Ansai「ねぐせ」の心地好いダブ・リミックスが最高だが、coffee_and_tvなどもいい感じ。元ネタは全然知らないのだけれど。右はオハイオ州アセンズのプロデューサー、Adam Richによるディスコ・プロジェクト(デュオだと思ってたけどやめたんかな)。




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Oddments / King Gizzard & The Lizard Wizard 
It's Reggae / Rafter
For Bored Dancers - EP / TAMTAM 

左は高橋健太郎さんがマガジンで紹介されてたメルボルンの9人組。60~70年代のクラシック・ロックを主な素材に、強烈なエフェクトをかけ、ノイズで色落ちさせて、ローファイな音質に落とし込んだ、特濃サイケ・ロック。中央はスフィアン・スティーヴンスのAsthmatic Kitty Records所属のRafter Robertsによるレゲエ作品。

右はマガジンの年間ベスト・アルバムにも選ばれていた日本のダブ・バンド、タムタムによるデビュー・ミニ・アルバム。実はこのアルバムに収録されている「トゥナイト」という曲の歌詞に、キロ・キーシュの名前と並んでこのブログの名前が出てくるんですね。TAMTAMさん、ありがとう! ということでダブの残響がクールなグルーヴを引き出すナイト・ミュージック「トゥナイト」がベストなのだけれど、ダブ/レゲエをベースにしつつも、それにとらわれない曲が並んでおり、とても瑞々しい。