いつも読書人 

《イツモ ドクショビト》 最近いっつも読書してる。 手にした作品の感想と、たまにすもも日記。

★★★★(面白い!)

読書力 / 斉藤考4

何のために読書をするのか。

自分ではおよそ体験出来ない・・であろう(殺人や詐欺などなど)人物や堕落した人間を盗み見るような刺激を求めたり、素敵な間合いで笑いのツボを押されその作家をむさぼるように読んだり。ミステリで騙される快感やら派手なドンデン返しで悦に入ったりと、この手の内容はほとんど文庫本(娯楽本)かた得られるもの。著者の言うところの『精神の緊張を伴う読書』になるのかな。私が読書を始めた最初の頃は文庫一色でした。そして『文庫系と新書系をあえて分けるならば、文庫系の方が先に読書習慣に入ってくるのが自然だろう』とし、更に『文庫系をひと通りこなした後に新書系の読書が折り重なってくる』とはまさしく私の辿ってきた読書道とぴったり。みんなもそうなのだろうか・・・。たまたま私が合致したまでなのか。なぜか運命を感じたり。まあ、読書への入り口としては文庫から、とは私も思う。まずあのぶ厚さに怯まないことも大事かなと。
そして『日本には聖書のような唯一絶対の本、すなわち the book of books がないから、たくさんの本を読む必要があった』つまり『booksから価値観や倫理観を吸収する必要があった』とあり、これを読んで頭に浮かんだのが新渡戸稲造。ベルギーの法学博士から「宗教教育がない日本で何が道徳を教えているのか」と聞かれ、新渡戸稲造はヨーロッパの歴史、文学から多くの類例を引いて比較的宗教学的に書かれたのが「武士道」とあったのを思い出した。きっと稲造さんも沢山のbooksを手に入れ黙々と読書人になったんでしょう。しかし残念ながら「武士道」はまだ未読。なので以上の感想は想像ですがなんとなくリンクしてるような気がする。早く武士道を読まなければ!と、1冊読むと次に読みたくなる本が出てくるという『本は、本の連鎖を生む』ということも書かれてます。
著者は『本屋に行って自分の身銭を切って買え』と。『買うという行為に、決断や思いの深さも関わる』とのこと。うんうん。なるほど。ならばきっとブックオフでもいいと思うんです(笑)ちなみに私はブックオフでゲット。
もっともっと本を読みたくなることが書かれた本です。これからの人も、現在読書人にもお薦め。

読書力 (岩波新書)
読書力 (岩波新書)斎藤 孝

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バチカン ローマ法王庁は、いま / 郷富佐子4

ローマ特派員が書くカトリック総本山の現在。(といっても2007年版)

ユダヤ教やイスラム教の本に食指は動く。でもキリスト教に関して興味薄な理由は何なんだろう。塩野七海さんの作品をもっともっと愉しく読む方法として、やはりもう少し私自身の関心をイタリアへ(となれば自然とカトリックへ)向ける努力をすべきであろうなぁ。と、そう思いこの本を最初の1歩にしたけれど、イタリアへキリストへの選択は当たりかもだけどちょっと、いやあまりにも現代に近すぎた。まあでも関心を示した確信はあったので。まず全ローマ法王のヨハネ・パウロ2世の持つカリスマ性。455年ぶり(す・・・すごい歴史だ)の非イタリア人ローマ法王でした。第二次世界大戦期に青年時代を過ごし、ユダヤ人の友人たちが弾圧されたのを目の当たりにしたヨハネ・パウロ2世の祖国は・・そうです。あのポーランド。先日【ポーランドのユダヤ】人を読んだばかりだったので、微々たる知識ですがその国の背景を浮かび上がらせることが出来ました。あと同性愛者や避妊等による肯定と否定に関して。宗教=保守のイメージがかなり強かったので、本書で『リベラルで敬虔なカトリック信者』が存在し、バチカンによる露骨なロビー団体なのでリベラル派に圧力をかけ法律をも左右する動きがあるということに興味がわきました。本書は2007年の作品なので現在がどうなってるのかおいてけぼりな私ではありますが、現ローマ法王べネディクド16世もヨハネ・パウロ2世同様に超保守的なドイツ人法王とのこと。うーん、なんか親子丼を例えに出すのも如何かなものかと思いながらもの意見ですが、『親子丼は好きだけど鶏肉がダメだぁ・・』みたい感じで、救済宗教とし(一例として)自己の弱さ恐れなどを軟化してくれる1つの手段とも思えるし、規律を守ることを厭わない私にとって総体的に嫌いではないんですが、その枠の中にコレがあるのはちょっとなぁ・・・と。しかしそんな私には困った時の神頼み程度で止めておけば済む話ですが、敬虔な信者には鶏肉を避けることも出来ず苦しい問題もありましょう。私が生きている間に劇的な変化が訪れたりするんでしょうか・・・。

バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)
バチカン―ローマ法王庁は、いま (岩波新書)郷 富佐子

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ヒトラーを支持したドイツ国民 / ロバート・ジェラテリー4

独裁者ヒトラーに、なぜ国民の支持が集まったのか。

確か今年の猛烈に暑い夏の午後、友人との待ち合わせでちょっと早く到着していまい、待ち合わせのカフェの向かい側に本屋があったので入ってみた。そこで手にしたのが【ヒトラーの経済政策】という新書でした。しばらくカフェで読んだんですが、これが意外な内容でなかなか面白かった。まず私のずっと温めてきたドイツへのしょぼい認識は「ヒトラーは独裁者でナチス政権というのは凶暴だったんだろう・・・そんな政権の下で生活するドイツ国民はさぞ難儀だったんだろう・・・」というもの。しかしなんでそんな凶悪な政権が成り立つのか不思議でならなかったのですが、ここ最近ちょっとですがドイツについて読んでみて納得したのがこの2冊でした。第一次世界大戦で国力を使い果たし賠償金まみれのドイツ。世界恐慌へ襲われ国はボロボロ。ヒトラーが政権を取るや否や経済は見る間に回復し、失業問題や福祉活動、労働環境に手を尽くしドイツ国民に愛される政策を行っていたという事。この辺のことは新書の【ヒトラーの経済政策】にザッと載ってる内容で、もっと詳しくと思い図書館で借りたのが【ヒトラーを支持したドイツ国民】です。さすがに5200円は高いので借りたのですが、やはり詳しく載ってます。納得の5200円。
過去の映画や特集などで、どういった集団心理現象が起こって独裁制が成り立つのかといったものを見たことがありました。この本からもそんな雰囲気が漂ってきますが、まず何といってもナチスの宣伝のうまさ。(やはり催眠術とかではないんですって)政府は非社会的分子は善良な市民に迷惑が掛かるとし、働かない怠け者、乞食、あらゆる犯罪者、売春婦、ゲイ、は拘束し収容所に入れる。この迫害を受けるいわゆる社会的アウトサイダーの身分をさらに極端に扱うには善良な市民に訴えかけ、その賛成を勝ち取るためのナチの計画と宣伝の巧みさ。このナチの政策にドイツ市民が支持するか、あるいは大目にみてくれる程度の政治的計算とイデオロギー的信念とを結びつけて実施されたナチ政権。このイデオロギー的信念にはのちにだんだん大胆になってくるユダヤ人迫害も含まれてますが、しかしここにはひとつの結論が出されていました。それは反ユダヤ主義は最初から国民に浸透していたのではなく、戦争投入が契機になったと。
市民を巧く懐柔(使い方が悪いか・・)しつつ本当の目的へ向かって独裁国家を築くヒトラー。収容所と警察を美化する世論捜査が続くのですが、ここで意外に思ったのが絶えず市民の声や目、耳を気にしつつヒトラーが動いていたということ。(独裁者って市民の声は無視するものと思ってました)ドイツ市民のいる真横には着々と収容所が増え続け、処分の様子は日常的に見ていたという事。さまざまな資料(当時の調書や新聞記事、手紙など)を基に書かれた本で、読む側に偏った判断を付けさせる、そういった不快感はまったくありませんでした。関連書としてとても気持ちのバランスを保って読める作品です。しかしぶ厚かった。。。

ヒトラーを支持したドイツ国民
ヒトラーを支持したドイツ国民ロバート・ジェラテリー 根岸 隆夫

おすすめ平均
stars多数派と少数派
stars日本を映す鏡として
stars「ドイツ国民は騙された」のではない実態
stars本当の目的は・・・・?

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ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興 (祥伝社新書151)
ヒトラーの経済政策-世界恐慌からの奇跡的な復興 (祥伝社新書151)武田 知弘

おすすめ平均
starsどうも思い込みが多い
stars読みやすい
stars歴史から学ぶということがよくわかる本
stars世界で唯一の理想的な政策
stars近年の否定的な研究成果を無視しているのでは?

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小暮荘物語 / 三浦しをん4

小暮荘に住む人間ドラマ(フツーじゃないけどフツーに起こってそぉ)

久々にしをんさんの本。もともと買う予定では無かったのですが(ごめんなさい)本屋にラス1のサイン本。嗚呼・・ラス1には弱いだなぁ。ガッと掴んで即購入。
意外や意外な内容で、私はてっきり゛ほんわかほっこり系゛だと思ったのですが、これが全てモニャモニャ(この辺は読んでください)な内容を絡めてむしろ人間臭さ汗臭さが充満してたのにはちょっと驚き。世の中には色んなモニャモニャでいっぱいなんだなぁ・・・と。まして舞台が東京ならフツーじゃないけどフツーに起こってそうな物語。一見どうみても変態なんだけど、一部始終を知って深入りしてしまうとやはり「情」という厄介なものが出てしまい、例え変態でも頼もしい人物(まずありえないけど)に見えてきてしまう不思議な作品でもありました。全体的に先の展開がまったくよめず面白かったです。そして小暮荘に住むひとりひとりにドラマがあり、リンクされて心地よいつながりがあるところもいいです。でも私はここに住みたくはないなぁ。安普譜の大変さは経験済みなんで。。。

しをんさんの作品は爽やかな作品しか読んだことがなかったので、今回は「こういうドラマも書くんだ」といったしをんさんの違う一面が伺えました。そして面白さは相変わらずおもしろい。

木暮荘物語
木暮荘物語三浦しをん

祥伝社 2010-10-29
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孤宿の人 / 宮部みゆき4

技ありな時代小説。

巧い!小説におばけや悪霊の類が出てくるとげんなりする性質なんですが、この本は舞台となってる時代と場所、そして水面下で蠢く藩の秘策などが人びとの心理に影響を及ぼして、とても巧く゛悪霊゛を物語に生かしてる。そして頑なな人物の閉ざされた心と無垢な少女との、感動を与えるには鉄則とも思えるこの交流の仕方。素晴らしい。久々にうるうるって来た作品でした。もしかしたら現代を舞台にした作品よりも、時代小説を描く宮部さんの方が肌に合うのかも。それにしてもこの本の死亡率の高さに思わず「嗚呼、やっぱ宮部さん容赦ないなぁ・・・」と。。。でも嫌いじゃない。むしろこの残酷さがこの本の重みを足してる感じもする。長いお話ですが個性ある人物が多く、自然界の描写やパニックに陥り右往左往しながらも活躍する様などは魅了され飽きさせない1冊。巧いなぁ。

孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)
孤宿の人〈上〉 (新潮文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
stars「ほう」から「方」へ、そして「宝」へ
stars得意分野で本領発揮!
stars素直に、感動しました。
stars弧宿の人
stars円熟の技

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孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)
孤宿の人〈下〉 (新潮文庫)宮部 みゆき

おすすめ平均
stars鬼は退治?
stars涙が止まりませんでした
stars物足りない
stars久しぶりに活字に泣かされました。
stars和製キング

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阿修羅のごとく / 向田邦子4

肉親の愛憎を描いた、最強4姉妹のホームドラマ。

向田邦子さんも、山本一力さん同様はじめて読んでみました。どなたか忘れてしまったのですが・・確か旬な女性作家さんが向田さんの作品をゴリ押ししてて、私もいつか読んでみようと思ってました。年老いた父に愛人がいた!という設定から物語は進み、母を気遣いながらやんややんやと会話をする4姉妹がひじょーに面白い。もともと台本だった向田さんのこの作品を中野玲子さんが小説化したもの。だからなのか、ところどころ誰が喋ってるのか分からなくなる。でもそれが゛おんな三人寄ればなんたらってワケじゃないだろうけど、その喧しさが女の真の姿が出てるようでイイ。この本を読んでフッと思い出したのが小路幸也さんの「東京バンドワゴン」。どちらもほっこりし、本気で喧嘩したり怒ったりする場面があり、家族っていいなぁ〜って思わせてくれます。でも阿修羅のごとくの方が大人のしがらみが多い分、リアルに感じる事のできる人間臭ささがある作品ですかね。
お恥ずかしい事に私、向田さんが飛行機事故で亡くなってたのを知りませんでした。面白かっただけにとてもショックでして。文庫版解説に南田洋子さんが書かれた一節に「もし向田さんが生きていらして、この20年の時の流れを踏まえて、もう一度『阿修羅のごとく』をお書きになったら、どういうものができるだろう・・・」
まったく同感です。とても残念でならない。まだ他にも作品があるので、これからも読み続けたいと思いました。

ちなみに映画では・・・
長女 綱子 大竹しのぶ
次女 巻子 黒木瞳
三女 滝子 深津絵里
四女 咲子 深田恭子

とても役にピッタリな豪華メンバーだったんですねぇ。

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観・読・聴・験 備忘録

阿修羅のごとく (文春文庫)
阿修羅のごとく (文春文庫)おすすめ平均
starsシナリオ形式に馴染みがなくても情景が目に浮かぶ
stars二重のフィルター
stars人間模様に釘付けになります。
stars家族だから。
stars日常と背中合わせの非日常性。

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