悪人(上) (朝日文庫) | |
おすすめ平均 この人は悪人なのだろうか、それとも… 書店員ですが 上下巻とも一気に注文して大丈夫 一気に読める面白さ 「悪人」とは・・・ |
悪人(下) (朝日文庫) | |
おすすめ平均 筋が通らない事には納得できない犯人 評判通り面白い! 時代の閉塞感を描ききった見事な名作 読むものの魂を揺さぶる、吉田修一の会心作 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
【驚】ではなく【怖】な小説でした。
誰が悪人か・・というよりも、こいつは悪人か・・に重点を置いて読んでた。この本を読んでると、実際に起こった事件の数々が思い出され、果たして報道されてきた事は事実だったのかどうか・・と自問自答の繰り返しでした。まあ、小説を読むようになってから、マスコミの書き上げた筋書きを鵜呑みにすることはなくなった・・とは思っても、実際頭ん中では善人か悪人か、とハッキリ分類されてることに気づかされて。この小説を読みながらも、無意識のうちに【結局この人は悪人なのか善人なのか】と白黒のみ考えてた。でもやっぱ分かんないよね。確かに犯罪は【悪】だけど、【悪】になるまで、この人には一体何があったんだろうって考えると、実際に起こった事件は第三者にしてみればそこまで追求できてないワケで。まあ、そんな事を色々と考える作品でした。
さて、映画も妻夫木君で公開が決まり、話題にもなってるので読んでみたけど、んー。ちょっと期待しすぎた・・というか、今まで読んだ吉田さんの作品がひと言で言えば【驚き】を与えてくれた作品だったから、そっちに期待しちゃって物足りなく感じてしまった。オチも先に気づいちゃったので【驚き】というよりも【怖い】に近いかな。私はお化けよりも殺める事が出来る人間の方がよっぽど怖いと思うタイプだから余計に。
『どっちも被害者にはなれんたい』の言葉はキーワードだった気もする。なるほどぉ・・・と、なんか切ない。
2010年 秋ロードショー【悪人】公式サイト
ランキングに参加しています。クリックしていただけると
↓励みにもなります↓