地方県警の広報室が舞台の小説、<64(ロクヨン)/横山秀夫>を読んだことがありますか?あの本に描かれていたような光景が目に浮かびます。ーーー

先日から経済産業省のマスメディア対応が変わりました。
「すべての執務室は日中も扉が閉まり、「情報管理の必要性が高まる中、セキュリティーを強化するため」としてカギがかけられた。
また内部のルールとして、取材対応を課長・室長級以上の管理職に限定。取材を受ける際は別の部屋を用意し、メモをとる職員を置いて広報担当に報告するほか、幹部には自宅周辺など庁舎外で個別取材を受けることを控えるよう求めている。」

これに対して報道各社が綺麗に横並びで猛反発。
「・中央省庁で全室一律に施錠するのは、極めて異例だ。機密性の高い情報や文書を扱う外務省や防衛省でさえ、記者は一部の部署以外には入室できる。警察庁でも、施錠しているのは警備局に限られる。
 
・取材内容を記録する別の担当者が同席すれば、本音での議論や意見交換もできなくなる恐れ がある。不祥事の取材は受け付けないなどの事態が想定され、匿名証言を基とする調査報道 にも制限がかかる。これでは、権力に対する監視というメディアの役割を損ないかねない。
・これでは、取材を受けても役所にとって都合のいい建前しか話せないのではないか。担当者と 本音の議論をして、政策の問題点を探るといった取材は困難になる。
・役所が宣伝したい情報ばかり提供するのでは、役所への信頼感は失われる。国民は政策の是 非を判断する材料を得られない。今回のルールは、国民の意見や批判を受けて役所が再考 し、より望ましい政策に改善していくという道を封じる情報管制になりかねない。
・報道機関との信頼関係を蔑ないがしろにし、都合の良い情報だけを発信しようとする。そうした 姿勢は、国民の不信感を高めるだけだ」
等など

そして「とにかくこの措置をすぐに撤回しろ」と。

まず「機密性の高い情報や文書を扱う外務省や防衛省でさえ、記者は一部の部署以外には入室できる。警察庁でも、施錠しているのは警備局に限られる」という事に驚きました。他では考えられない風習に思えます。
この「記者は一部の部署以外には入室できる」というのが“特権”でしょう?そりゃあ奪われるのは嫌でしょうね。
もし、こうした措置が他の省庁にも広がっていったら・・・。
急に「俺達、ちょっと距離をおこう・・・」って言われて不安にもなってるのか?
もう味方じゃない?じゃあ敵なのっ?!」(読売)※って、なんだかなぁ。

本当にこの措置によるデメリット、<これまでの取材環境だったからこそ、入手できた情報>はあるのか?
ただ身内気分でズブズブコネコネ馴れ合って、ご機嫌を伺うような報道をしていたってことは?
すでに充分「役所が宣伝したい情報ばかり」報じられてきたように感じるのですが。


これこそ「痛みを伴うカイカク」でしょう?
マスメディアは改革が好きでしたよね? ガンバ。 

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<経産省全室施錠 世耕氏には記者が「敵」なのか : 読売新聞>
 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170228-OYT1T50113.html?from=tw

<News Up 情報公開の流れに逆行?経産省の“施錠” | NHKニュース>
www3.nhk.or.jp/news/html/.../k10010893981000.html

<取材対応の非公表マニュアル 経産省配布 記者会が撤回要求:朝日新聞デジタル>
http://www.asahi.com/articles/DA3S12817380.html
<(社説)経産省の施錠 密室化は不信を招く:朝日新聞デジタル:朝日新聞デジタル>
 http://www.asahi.com/paper/editorial.html


<世耕経産相 異常な情報管制の発想 毎日新聞>

<【主張】世耕経産相 情報開示も施錠するのか>
http://www.sankei.com/column/print/170303/clm1703030002-c.html

<経産省、全執務室に施錠 取材制限懸念も… #日テレNEWS24 #日テレ #ntv>
 http://www.news24.jp/articles/2017/02/28/06355227.html