2005年07月30日

人材育成〜モノから人へ

総合科学技術会議(第47回)議事次第の科学技術基本政策策定の基本方針
(平成17年6月16日発表「平成18年度の科学技術に関する予算、人材等の配分に関する方針(案)〜モノから人へ 機関における個人の重視〜」)

この資料では、「人材育成と競争的環境の重要性 〜モノから人へ、機関における個人の重視」という目標を明確にかがけており、特に若年層の科学離れと学力低下、圧倒的に少ない女性研究者の数、公正な競争の必要性を述べている。

また科学技術改革のためには、以下の目標を設定することを述べている。

優れた努力には必ず報いるよう、研究者・研究機関への適切な動機付けを設定すること
競争的研究環境を可能な限り醸成すること
研究開発の不必要な重複を排除しつつ、主体間の連携を十分に促進すること
その上で、具体的に以下のことを兼用している。

【人材対策具体化の主要検討項目】

次代を担う人材の裾野の拡大(初等中等教育の充実及び教員の資質向上等)
国際的に活躍する研究者・技術者の育成・確保・活躍促進(大学改革の推進、大学・大学院での教育の充実強化、広い視野を持つ人材や新興・融合分野における人材の育成等)
若手研究者が能力発揮できる環境整備(テニュアトラック制度、若手研究者向け競争的資金の拡充等)
女性研究者の育成・活躍促進、活躍できる環境の整備
外国人研究者の受入れの促進や高年齢研究者の能力を活かすための機会拡大
産業界のニーズにあった研究開発と事業化をリードする人材の育成・活躍促進
科学技術活動を支える専門的人材(技術経営人材、ものづくり人材など)の育成・確保・活躍促進
インタープリタやコミュニケータ等科学技術の理解増進のための人材育成・確保・活躍促進
多様なキャリアパスと産学官の壁を越えた流動化の促進
詳細は以下
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu47/siryo2-1.pdf
http://www8.cao.go.jp/cstp/siryo/haihu47/siryo2-2.pdf

  
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2005年07月19日

エンターテーメントの科学

はらはら、ドキドキ、手に汗握る映像などの、生理反応を計測しながらエンターテーメント系のデジタルコンテンツの制作を支援する、という科学技術の基礎が国民の理解を増進するほど我が国にはまだ根付いてない。しかし、デジタルコンテンツ分野の産業規模は11兆円(平成15年)を超え、今や鉄鋼の市場規模の倍をしのぐ、とてつもない産業として成長している。にもかかわらず、これらの底流に科学として重要な振興施策が欠けていたことは否めない事実だろう。ところが、平成15年に経団連がまとめたデジタルコンテンツの創造等に関する提言は、翌16年度から文部科学省の科学技術振興調整費(総合科学技術会議)によって支援施策が施行されている。
例えば、「重要課題解決型研究等の推進」重要課題:デジタルコンテンツ創造等のための研究開発、「新興分野人材養成」自然科学と人文・社会科学との融合領域(デジタルコンテンツの創造)における大学院における人材育成、また科学技術振興機構から戦略的創造研究推進事業「戦略目標:メディア芸術の創造の高度化を支える先進的科学技術の創出、研究領域:デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」等、文化に資する科学技術の振興は積極的に図られる現状であるが、全国の大学に至っては(特定を除いて)左程の関心事ではない。ここに日本の憂鬱が漂うように思えてならない。
米国の映像産業界は、宮崎駿など世界に名を馳せる限られたアニメ作家の感性に頼る方法はとらない。ルーカスやスピルバーグの作品の制作は、CGのアルゴリズムの制作からハードな装置開発までが、コンピュータ科学技術の結晶だと言い切れる。結果として、これらモーションキャプチャーなどの装置や制作に関連するハード・ソフトまで米国産輸出知財権の塊と化している。
また、ニモを制作配信したPIXER社のように、Ph.Dクラスの科学者が多勢加わる開発チームは日本の同系企業には存在しない。デジタル放送に変わるメディアもゲーム会社大手も今の勢いのあるうちに、オタクや文系に偏らず、これらの数学的素養を備えた高次の人材育成に目覚めるべきではないだろうか?
  
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2005年07月15日

夏休みにはじまる公募

米国で25年くらい前に起きた原子力発電所事故のトラウマから開放される。この大国は原子力エネルギーの平和利用に、この時の事故以来強いアレルギー反応を国民が示す不思議な現象が長らく続いてきた。
核弾頭保有世界大国でありながら、軍需以外の市民生活に直結する核利用は拒否反応が強いという、誠に不可解な国である。
その米国が、ブッシュの政権公約で原子力発電を奨励再開する。
そこに目を付けた三菱重工は、いち早くその老舗企業の買収に入ったようだ。
日本でも原子力発電にはアレルギーが強い。技術は一流でも、事故が起きたときの情報開示がいつも遅く、マスコミからの情報源しか持たない国民は、どうしても隠蔽性が高い業界だという印象を拭えないのだろう。しがって、潜在的不安が市場の底流にあれば、ひとたび事がおきれば不安は疑念に増幅される。昨今は、大学の原子力研究講座にさえ学生が敬遠、離れて久しいという。なんとか、これらの流れを変える手立てはないものか、科学技術振興の上からも活性化の妙案を求め、8月の初旬に国では研究公募が開始される予定だそうだ。  
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2005年06月23日

産学連携夏季特別講演のお知らせ

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  九州大学産学連携センターデザイン総合部門主催
  (平成17年度企画)  
  産学連携夏季特別講演のご案内
  ジョイント・コラボレーション(客員教授2名がホットなテーマで講演)
□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□■

日時:
平成17年7月13日(水)16:30〜18:00

場所:
九州大学大学院芸術工学研究院(大橋キャンパス5号館511教室)


プログラム:
講演1 16:30〜17:00 (30分)
<演題>気になる第3期科学技術基本計画
〜日本21世紀ビジョン、産学連携の行方など〜

客員教授 砂田向壱
文部科学省産学官連携広域コーディネーター


講演2 17:00〜18:00 (60分)
<演題>大競争時代の企業の研究開発
〜キャノン(株)のデザイン知財戦略について〜

客員教授 菅藤昌広
キャノン(株)総合デザインセンター デザイン開発推進部
担当課長(デザイン知財統括)


※講演会内容の詳細は、下記リンクのPDFファイルをご参照ください。
http://www.sunadaphd.com/news/pdf/050713_kouen.pdf  
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2005年06月15日

プレスカンファレンス

b8ff5c46.jpghttp://www.sunadaphd.com/project/pdf/050614_dcnews.pdf
6月10日午前10:30〜日本経団連で九州大学大学院芸術工学研究院、
映像産業振興機構、経団連産業本部と共同で記者会見した。
文部科学省の平成17年度・科学技術振興調整費の「新興分野人材養成ユニット」に採択された事業の説明を行った。
http://www.sunadaphd.com/project/pdf/050421_dcontents.pdf
  
Posted by sunadaphd at 07:27Comments(0)TrackBack(0)人材養成

ロースクール改革

内閣府の知的財産戦略本部で、2005年版の「知的財産推進計画」
が決定された。http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ 
知的財産戦略本部によると、「知的財産推進計画2005」では、
 
 1模倣品・海賊版対策の抜本的強化
 2世界をリードする知財制度の構築
 3中小・ベンチャー企業を支援
 4官民による戦略的な国際標準化活動
 5文化創造国家づくり
 6知財人材育成の総合戦略の推進
 7産学官連携の加速化

上記がポイントとして示されている。
模倣品の抜本的対策といっても、なにをやるのか?ケンカの出来ない、外交術ひ弱な我が国の外務省さんに何を期待できるか示されていない。
一昨年来から花盛りで開校したロースクールがどこも青息吐息。知財の最大ビジネスは映像産業の著作権ビジネスなのだが、専門の弁護士・エンタメロイヤーすら数える程しか居ない我が国の現状をよく熟知し、経営的に青息吐息のロースクールの教育転換を図って欲しいのだが・・。
  
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2005年06月02日

平成17年文部科学省 科学技術振興調整費採択!!

dcd0061b.JPG新興分野のデジタルコンテンツ産業が占める我が国の市場規模は、11兆円といわれ、鉄鋼の5.5兆円の倍であるにもかかわらず、国民にはまだ重厚長大的な国家産業の認識が薄い。先日、国立がんセンターで患者さんの臨床診断に使用する画像処理の最先端機器を見てきた。CT画像を3次元処理できるソフトウエアの開発など、日本がここまで発展発達してきたには米国の影響も大きい。
CGソフトウエアの開発は数学、物理学の才能と芸術的才能を併せ持つダビンチ的融合した人材によって生み出される。現在、我が国にはそのソフトを使って制作するアーチストは豊富に存在する。しかし、世界最大のハリウッドクラスターに集まる豊富な人材群、PIXERなどには到底勝てない。
この分野模倣も競争原理の一つに組み込まれているから、当然それを防御するシステムが米国にはできている。著作権の売買、保護、訴訟を専門とするエンターテーメント系の弁護士、通称エンタメロイヤーや、これらの作品に投資するエンタメキャピタルなど全体が一つの仕組みとして、産業クラスターを形成している。
我が国では経団連が中心になって、デジタルコンテンツ産業の振興、その重要性について政府に提言を出し平成15年に閣議決定したことで、文部科学省は科学技術振興調整費枠に、大学に同新興分野の人材養成を急務として公募を開始した。そして本年度申請に採択の許可を得た。詳細は「先導的デジタルコンテンツ創成ユニットhttp://www.sunadaphd.com/presentation/pdf/050601_saitaku.pdf」に紹介。  

2005年05月22日

文化創造立国

82e88278.JPG堺屋太一の書いた「新団塊世代論=文言春秋6月号」を読まれたご同輩、諸兄が多く居られることと思う。ビートルズ世代でもある団塊世代は、おそらくこれまでの老人行動に見られなかった新しい行動基準への期待に、ビジネスチャンスを見出そうとする強かな商魂も見え隠れする。文中に「団塊よ、君たちは新しい!」のタイトルの章が気に入った。なかで、人生八十年時代を考えてみようというところに感心して読んだ。東洋の伝統的な思想では、人生は冬から始まります。少年時代を黒い冬、玄冬といい、冬を象徴する動物は亀のごとく、黒い土に覆われを剥ぎ取って一歩一歩努力して知識を積み重ねるべきだという。これが冬の時代。なあるほど!!やがて二十歳から春が始まる。動物は龍、青龍。こときこそ雲を得て天に昇る飛躍のとき。青い春、青春だ。
中年になると夏になり、夏を象徴する動物は雀、朱雀。四十歳から六十歳は雀のように群れて騒いで派手に動くときだっと。それが過ぎると実りの秋。白い秋、白秋というのだと。動物は虎、白虎だ。淡白な気分で、人生の収穫を味わい楽しむべきだと。これまで人生は春に始まって冬に終わると思っていた。

我が国の方途を諮る諮問会議の各種提言のなかに共通するのが、ものを追い求めてきた豊かさから、日本固有の文化に根ざした心の豊かさを創造する国づくりが掲げられ始めた。戦後の焼け跡で生を受け、規格大量生産の高度経済成長の時代にはその数の力で市場をリードし、「団塊世代」という造語ブームを巻き起こしてきた世代が来年以降から定年を迎える。これからの十年、この世代がまた燻し銀の輝きを放つ、静かな市場ブームを創ることは間違いだろう。  
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2005年05月05日

大和ミュージアム

092a1c7d.JPG憲法記念日の5月3日、大和ミュージアムができた呉にでかけた。
快晴、しかも5月晴れとは今日の日のためにあるのか、と思える好天に恵まれた。正式には、呉市海事歴史科学館というらしい。小さなJR呉駅からペエデストリアンデッキで、途中YUMETOWNというショッピングセンターを潜って510メートルで、大和ミュージアムにたどり着く。
正式名称のとおり、材料工学、鋳造技術やその他造船技術の細部に至る数々の製造技術は、当時世界最高峰の科学技術の粋が戦艦大和のために、この呉に集められ、建造されたことが実によく説明されている。10分の1の精巧な模型での再現にまず驚くだろう。また、戦後あらゆる産業に応用された技術が数々紹介されてもいる。敗戦はしたとはいえ、高度経済社会の日本のシンボルともいえる新幹線に大和の技術が活かされ、今日のトヨタ自動車の技術開発、もちろん世界最大の大型タンカーの造船技術にしても、大和に示された科学が無ければありえなかったことも知らされる。見られた人は目の覚める思いがするはずだ。明治維新からたかだか5,60年やそこいらで、これだけの建造技術が確立されたアジアの国々、いや世界に類似する国が、日本以外に在っただろうか?
大和の設計や建造に関わった技術将校の多くが、東大工学部卒というのにも驚いた。正直なところ知らなかった。昨今、隣国で反日の嵐が起こり、日本人自らが反省を促すべきかのような歴史観で、自虐的に書き立てる大手紙や、誤った歴史教育をあたかも正等に摩り替えようとする教育者の方々にいいたい。
「大和ミュージアムを見て、よく先人の遺訓に学ぶべし!」、と。彼等の犠牲の上に我々は、戦後の近代化、経済大国の繁栄と平和が齎されたことも、忘れてあはならない歴史なのだと、頭を垂れて感謝しなければならない。
さらに、大和ミュージアムから徒歩30秒程で、呉中央桟橋がある。そこからフェリーで20分。旧海軍兵学校のある江田島にも足を伸ばすといい。英霊たちの多くが、歴史の問いに答えてくれるはずだ。
日本人の文化で培ったDNA、そしてその芸術文化性と科学技術の融合した姿こそが、これから第三期科学技術基本計画が目指す、日本が、日本人が、世界に誇れるものづくりの「精神」ではないかと。精神論を説くのではない。アイデンティティに裏打ちされた哲学。教育とは、そういう継承の文化ではないだろうか・・・。



  
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2005年04月27日

大学改革

旧知の若い公認会計士の方から戴いた貴重な内容を題材に、ブログを試みています。
(以下は、原文。文中の()内文章は、筆者のコメントです)
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ブログを拝見しました。先生は直裁な意見をおっしゃる立場で、私のような大学から業者扱いされている身分に比べると、ご意見は心地よく胸のすく思いがします。

(筆者:憎まれっ子、世にはばかる!ですぞ)

おっしゃるとおり市民開放、民間開放が大学の残る道であると思います。しかし現状、経営陣(理事)とて事務局とて内向きの判断しかできていないようです。最近、とみに思うのは学外から有識者を迎え入れている経営協議会が機能していないことです。事務局職員がぞろぞろと会議室に入って行き淡々と報告するのみ。議論も司会者が両論併せて検討するまでもなく、個人の意見のみで発展的な結論が出ない。そういう組織運営についても、大学全体の経営のあり方についても、戦略を構築できる外の血が必要だと思います。

(筆者:外の血を入れても組織がなってない?談合化してるという意味か。経営ができる、また経営の実績がある。改革の実績がある。そんな人材が大学の学長に就くと、多少の期待は抱けるでしょうが、人事権のなきに等しい、首すげ代える力も裁量も、未だ教授会に牛耳られ、学者社長(学長)になにができますか?談合くらいでしょう?こんな大きな監査法人でも業者扱いとは、驚き)

(筆者:国民の皆様、貴方の大切な子弟が通われる大学の実態、本当はどこまでご存知ですか?半管比率が事務職対教官職(研究者)で1:1である企業など、世界中ありません。商学部や経済学部まであり、経営の知識を売る大学で、このように社会一般の企業経営と乖離した組織が温存され、有能な研究者が大型予算(競争資金)を獲得しても、優先されるのは事務管理費。改革・イノベーション、大学改革、と声高な向こう側で、ニュースメディアが書く材料は、教官研究者の国際競争力のなさや、旧態依然とした組織体制の話題が主。言い過ぎかもしれないが、改革のスピードの遅い大学をバッシングするには事欠かない。されど、いささかでも研究者に肩を持つ意味でいうと、『記者の皆さんは、「本当の実態」をご存知ですか?事務職50:教官50」の数字比率が、貴方のマスコミ企業に置き換え例えると、「記者50:事務職50」で会社が経営されていますか?』ということを。国立大学が法人化されたとはいえ、税金で運営されていることには変わりない。今以上に大金を注ぎ込んででも、集中と淘汰によって、目に見えて変革することなら国民の賛意を得ることができるのでは。)

私の担当している国公立大学は決算をなんとか乗り切れるという感じですが、企業も3月決算に集中していてBusyseasonにあり初めての国大決算へは夜対応している状況です。

(筆者:ご苦労様です。決算結果は、情報開示が原則ですよね?株式市況同様に、大学市況を創って市場開放(公開)すれば産学連携の弾みもつき、優劣競う競争力も高まる。と、思う国民は多いのでは、と独り言(とも溜息)が。。。。長い目で、温かく見守って下さい。我が国でたった一つの大学・東大を明治政府が創って百有余年、頭脳の東京集中の是正にと、地方にも帝大を創って100年。ちっとやそっとで、大学の文化が変わってもらっても、これまた問題。じっくり、自律自発に変革を待つ!今はそんな時期でしょうか?世界の大学との競争力をどこで蓄えるか?細木敦子にでも聞きますか?)  
Posted by sunadaphd at 11:28Comments(0)TrackBack(0)イノベーション