新国立の「ロメ&ジュリ」(19日版:小野+福岡組)東京バレエ団×勅使川原三郎(26日版)

2019年10月21日

新国立の「ロメ&ジュリ」(20日ソワレ版:木村+井澤組)

■記事情報■
すごいぞ!バレエ177



■基本情報■
演目:ロメオとジュリエット
バレエ団:新国立劇場バレエ団
公演会場:新国立劇場オペラパレス
公演時間:約3時間(休憩2回を含む)
全3幕
観劇日:2019年10月20日
キャストとスタッフなどは、下記を参照してください。

■鑑賞記■
木村ジュリエットと井澤ロメオの美男美女コンビ。上品で端正な舞台かなと思いきや、木村ジュリエットの鬼気迫る名演技ぶりがとても印象に残る熱い舞台だった。

特に第3幕で、ロメオとの別れのPDDのシーン、パリスの求婚を絶望的に受諾するシーン、そして極め付きは、地下募でのロメオの死を知って慟哭するシーン、すべて顔だけでなく身体全体を使ってその悲しみや絶望を表現する力技を披露してくれた。

昨日観劇した小野ジュリエットよりもその技が輝いていたと思う。

木村さんはどこか一本調子で演技するきらいがあり、物足りなさを感じることが多かった。それは、主役を演じる機会がまだ少ないから、慎重に丁寧に踊るという意識が何となくこちら側に伝わってくるようで、身体のナチュラルな流れが少ないからだと思っていた。

しかし、この第3幕の寝室での別れのPDDが今回のPDDの中で最も見応えがあり、動きを緩急自在にかつシームレスにコントロールしていた。

さて、音楽について。ワーグナーのライトモチーフではないけれど、第1幕の前奏曲はバルコニーでのPDD、第3幕のそれは葬送行進曲といったように、それぞれの幕のハイライトシーンを先取りしている。

また、第2幕第3場では、ティボルトとマキューシオとの対決を、ロメオがいったん止めるシーンがあるが、そこではバルコニーPDDで流れる曲がアレンジされており、ロメオの心にはジュリエットと至福の時間を過ごした幸福感が蘇って2人の対決を止めに入ったのだろう。

また、第3幕でジュリエットが眠り薬を飲む直前もバルコニーPDDで流れる曲がアレンジされており、その幸福感が恐怖を乗り越えてロメオとの愛に生きるために飲むジュリエットの決断を後押ししたのだろう。

こう聴くとますますこの演目の完成度に胸を打たれるのだ。

なお、ベッド(棺桶)の上で無残に天上を向いて死を迎えるエンディングでは、木村ジュリエットの長い手足が功を奏して、ベッドからはみ出た手足の曲線美が目に焼き付いた。

最後に、切れ味鋭い速水ベンヴォ―リオの今後の活躍に期待できそうだ。

■キャスト
ジュリエット:木村優里
ロメオ:井澤駿
マキューシオ:木下嘉人
ティボルト:中家正博
ベンヴォーリオ:速水渉悟
パリス:小柴富久修
キャピュレット卿:輪島拓也
キャピュレット夫人:本島
美和
乳母:楠元郁子
ロザライ:関晶帆
大公:内藤博
ロレンス神父:菅野英男
モンタギュー卿:古川和則
モンタギュー夫人:玉井るい

■スタッフ■
*すごいぞ!バレエ176をご参照ください。


sunami_method at 01:24│Comments(0) すごいぞ!バレエ 

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新国立の「ロメ&ジュリ」(19日版:小野+福岡組)東京バレエ団×勅使川原三郎(26日版)