珈琲村便り

ある日の閉店間際の時である。一人のご年配の女性が入って来られた。ご注文はビーフ煮込みトマトカレーセット。商品をお出ししてから「あっ!しまった!少しご飯の量を減らした方が良かった。」と思ったのは当店の量は多めなのでご年配の方からご飯の量を少な目にとリクエストがあるからだ。その時は他にお客様がいらっしゃられなかったのでその女性が私に話しかけてきた。「このお店は長いよねぇ。もう何年になるの?」「喫茶と珈琲豆の販売としてはもう25年以上ですね。」と私。「そんなものなの。もっと長いかなと思った。私も一人でお店をやっているけど55年以上経っているわ。」ええっっ!55年以上?ご年配ではあるがお見かけは70歳~75歳ぐらいな感じ。量が多いと思ってたカレーをペロリ。失礼ながらお歳をお聞きした。「私は88歳よ。小さな趣味のお店をやっているので月に一回は大阪まで仕入れに行くわ。」とまたビックリ!会話もものすごくスムーズ、どう見ても88歳に見えない。私は聞いてみた。「若い時より体力が衰えたと思った時があると思うのですがいつぐらいの時ですか?」「ううぅ~ん…。つい最近かなぁ…...。」ははぁぁ!参りましたぁ!

新型コロナウイルスの影響が飲食店に深刻な影を落としている。幸い、喫茶業は休業要請はなく当店は密が出来ないようテーブル席を減らして平常通り営業をしている。しかしお客様も感染リスクの心配があるので全然、密になるようなことにはならないのが現状だ。時折り、お馴染みのお客様が「どう、商売は大変やろ?」とかおっしゃる。少し自嘲気味に「ええっ...。もう来月、店のシャッターが閉まってます。」と言うと「えええぇぇぇっつ!そんなに悪いの!」と本当に驚かれたような顔をされるので「冗談です。ごめんなさい。」と私。「ほんまに悪い冗談や。ここが閉まったらどこに行くんや」と。又、たまに来られる若い女性に同じ事を言うと「私はこの店にホットする癒しを求めて来ているのにそんな冗談は止めて」と叱られる。中には「ここは大丈夫や。オーラがある。」と嬉しい言葉。そう私達のお店、喫茶店は居心地の良い場所、どんな事があろうともいつまでも続く珈琲屋の喫茶店でありたい。


*はぁ~また何ですか?お前の歳を考えろって!

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駐車料金100円、200円、300円と目的地の場所に近くなればなるほど料金表示が高くなってくる。先日の日曜日に秋芳洞に行った時である。入口近くの公共の駐車場を見つけ、そこの表示は500円であった。車をUターンしてもう一度、安い所と思い距離的に良い200円の民間駐車場に停めた。車を誘導してくれた年配の男性は控えめで、やさしそうな感じの人であった。親切に秋芳洞の入り口の道順を教えてもらい初めての秋芳洞を楽しんだ後、その日の宿泊先の錦帯橋に向かう為、駐車場に引き返した。私は駐車場の地主の男性に神戸から新幹線に乗って新岩国駅からレンタカーでここまで来たと言うと彼が「神戸ですか?実は私は2年間、神戸の某中高一貫の私立学校で教鞭をとっていたんですよ。」「ええええええぇ!その学校は息子が受験に失敗した学校です。」と私、さらに彼は、「叔父が昔、垂水区の多聞台に住んでいました。」またまた、偶然!「多聞台はうちのお店と目と鼻の先です。」と…。その後、彼は地元の県立高校で教鞭をとりながら野球部の監督をして甲子園に何度か出場したとのこと。私は「凄いですね!」と言うと「いやぁ子供たちが連れて行ってくれたんですよ。」と謙虚に答える。何かものすごく話が咲き、この秋芳洞の商店街の寂れ方を指摘すると彼は「私も若い人の知恵とかアイデアが必要だと提案しているのですが地元に帰って来た自分ですら新参者なので中々チェンジ出来ないのが現状です。」とそんな風に会話が「△〇×□◇◆▽●◎。。。」「◎○○●▽▲✖...。@;?」続いていたら、はっと!何かの視線に気が付いた。振り返ると、妻と義理母の「もう、いい加減に出発しない?」と言う無言の圧力であった。仕方なく名残を惜しみながら別れる事になった。チャンチャーン!

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