BOSS DVD-BOX
天海祐希
ポニーキャニオン
2009-10-21


【ドラマデータ記事】
「BOSS」

【感想】
主役である「警視庁捜査第一課特別犯罪対策室」室長・大澤絵里子を演じたのは天海祐希。
寄せ集めの不要人材で構成された対策室は何の期待もされていない。
だが、徐々に彼らは本領を発揮し事件を解決に導いていく。

対策室のメンバーは皆個性的だ。
木元真実は元科捜研。
「刑事」としての自覚もやる気もない。
学生時代にいじめを受けていた影響なのかコミュニケーション障害のようなところもあり、協調性に乏しい。
だが、自身が拉致監禁された事件をきっかけに徐々にチームの一員として絵里子への信頼を深めていく。

どの回も見ごたえがあった。
一番好きな回は、山田孝之がゲスト出演した「悲しみの復讐者」と「対決!悲しい復讐の果てに・・・」だ。
山田孝之の発する圧倒的な存在感と、造形された冷徹な犯人像。
捕らわれた木元とのやりとり。
緊迫した場面が続く中で、たたみかけるように事件は展開していく。
そして、まったくやる気がなく対策室の問題児でもあった木元が最後に見せた刑事としての顔。
そのときの山田演じる田島の表情もとても良かった。

厳しさとあたたかさ。
部下への信頼と責任感の強さ。
天海が演じた大澤絵里子は、理想的な警察官を体現している。
拉致された木元が救出され、三人きりになったワゴンの中での会話がそれをよく表していたと思う。
揺るがない「大澤絵里子」という人間が、対策室そのものを牽引していく。

忘れられない台詞がある。
武田鉄矢演じる野垣と取調室で絵里子が対峙する場面。
すべてが終わったあとに発する絵里子のひと言が印象深い。
野垣にニッコリと微笑みつつ言い放つ。
「これくらいのお芝居できなきゃ、女ですもん」

事件の本質を見極め、犯人の性格などを十分にプロファイリングしたうえでの鮮やかな手法。
味方さえも欺き、まるで俳優のようにさまざまな感情を演じてみせる。
大澤絵里子恐るべし。

基本的には1話完結なのだけれど、その回ごとに中心となる人物は変化していく。
最終話で見せた見事なまでのチームワークと、野立との信頼関係。
警察ドラマらしい警察ドラマだった。


【自己満足的感想】
キャストがみんな魅力的だったことが嬉しかった。
ゲストとしてドラマに参加した俳優たちも、ドラマを大いに盛り上げてくれた。
ふてぶてしいまでに自信家だった武田さん演じる野垣。
哀しいほどに過去に捉われ続けた山田さん演じる田島。
ぶん殴りたくなるほど小生意気で小憎らしい志田さん演じる由貴。
忘れたい過去に追いつめられていく冨田さん演じる高峰。
復讐のためだけに生きてきた悲しい小西演じる西山。
虐待で壊されていく人間を生々しく見せつけた生瀬さん演じる西名。
そして、似合いすぎる役に思わず笑ってしまいたくなった反町さん演じる高倉。

毎回、視聴するのが楽しみだった。
緩急がしっかりとついたドラマだったことも、ドラマを楽しめた大きな要因のひとつだ。
笑いどころとシリアスな場面のバランス。
緊迫した場面のあとに訪れるクスッと笑ってしまえるようなやりとり。

絵里子の恋人役を演じていた丸山智己さん。
出演場面こそ少なかったけれど朴訥としたしゃべり方も、優しげな目も、すべてを知った後の態度も印象に残った。
やはり素敵な俳優だ。