一般小説(犯罪小説)
【単行本情報】
444ページ
出版社 幻冬舎
発売日 2015/10/22
【あらすじ】
暑さが残る初秋の、とある土曜。
コーヒー専門店店員・篠崎百代は、一人で汐留のショッピングモールへと向かった。
できるだけ多くの人間を殺害するために。
一方、百代の協力者・藤間護らは、仲間の木下が死亡しているのを発見する。
計画の中止を告げるため、百代を追う藤間たちだったが・・・。(「BOOK」データベースより)
【こそっと語り】
多ければ多いほどいい、というのは間違いありません。
でも、確かに何人殺せば目標達成の条件を満たすのかと訊かれると、なんともいえませんね。なんていうか、相場がつかめません。
たぶんこの物語は、人によっては強い拒絶反応を引き起こすだろう。
一般的な観点からすれば狂気としか言いようのない動機。
延々と続く詳細な犯行の描写。
そして誰も幸せになれない結末。
やりきれないという言葉では語れないほど、欠片も共感できない物語である。
自分が大切にしているもののために、そうでないものを犠牲にしようとしている。
そしてそれを自覚していながら、なんの矛盾も感じていない。
しかも、正しいかどうかではなく、自分が正しいと信じているかが大切だという価値観。
純粋で、シンプルで、独善的。
物語の中では百代の考え方をテロリストの論理だと断じている。
最愛の人を失ったがための百代の狂気。
自分たちを襲った理不尽な出来事に心を奪われ、殺される人々もまた誰かの大切な人だとは考えようともしない。
身勝手の極みだ。
物語だとわかってはいる。
それでも読み終わったあとに絡みつくような嫌悪感と後味の悪さはどうにもできなかった。
【単行本情報】
444ページ
出版社 幻冬舎
発売日 2015/10/22
【あらすじ】
暑さが残る初秋の、とある土曜。
コーヒー専門店店員・篠崎百代は、一人で汐留のショッピングモールへと向かった。
できるだけ多くの人間を殺害するために。
一方、百代の協力者・藤間護らは、仲間の木下が死亡しているのを発見する。
計画の中止を告げるため、百代を追う藤間たちだったが・・・。(「BOOK」データベースより)
【こそっと語り】
多ければ多いほどいい、というのは間違いありません。
でも、確かに何人殺せば目標達成の条件を満たすのかと訊かれると、なんともいえませんね。なんていうか、相場がつかめません。
たぶんこの物語は、人によっては強い拒絶反応を引き起こすだろう。
一般的な観点からすれば狂気としか言いようのない動機。
延々と続く詳細な犯行の描写。
そして誰も幸せになれない結末。
やりきれないという言葉では語れないほど、欠片も共感できない物語である。
自分が大切にしているもののために、そうでないものを犠牲にしようとしている。
そしてそれを自覚していながら、なんの矛盾も感じていない。
しかも、正しいかどうかではなく、自分が正しいと信じているかが大切だという価値観。
純粋で、シンプルで、独善的。
物語の中では百代の考え方をテロリストの論理だと断じている。
最愛の人を失ったがための百代の狂気。
自分たちを襲った理不尽な出来事に心を奪われ、殺される人々もまた誰かの大切な人だとは考えようともしない。
身勝手の極みだ。
物語だとわかってはいる。
それでも読み終わったあとに絡みつくような嫌悪感と後味の悪さはどうにもできなかった。