素直。まっすぐ。それが相葉の魅力だ。あらゆる場面で見せる相葉の"まっすぐさ"にメンバーもスタッフも救われたり、笑わされたりしている。いわゆるヒネたところがまるでない。
あんなに素直に正直に物事を受け止められるって、なかなかできるものじゃない。

映画の撮影を担当した唐沢氏が言っていた。
嵐と仕事できて嬉しい。僕は、相葉と松本の2人に関しては、5年前のドラマ『僕らの勇気-未満都市-』の時にご一緒させてもらってるんですけど、なにが嬉しいってね、相葉が変わってないところ(笑)。
もちろん演技も随分成長してるし、いろんな環境も変わってきているだろうに、久しぶりに会った相葉は、人間的にあのまっすぐさで素直なところが全く変わってなかった。
それが何より嬉しかったんですよね。・・・と。

最高の賛辞じゃないか。年齢や経験を重ねるうちに覚えていく賢さ(ときにズルさだったりする)や処世術は、相葉には存在しないのかもしれない。
でもそれでいい。それが何者にも替えがたい相葉の魅力なのだから。
"楽しい""嬉しい"って気持ちがまるで体の中から湧き出てきているかのような、あの独特の笑い声、笑顔、天然ボケとも言われるド直球のコメントの数々。

天然ボケとか言われてるけど、オレね、そんなことないっすよ。テレビとか雑誌とかさ、そういうところでそんなオレを見たら、天然に見えるかもしれないけどさ、あんまり天然じゃないよ、普通です!

などとちょっと真顔で懸命に話す姿さえ、やっぱりメンバーたちに笑われてしまうのが相葉だったりする。
例えば『真夜中の嵐』で夜通しのロケで徹夜、そのままレコーディングに入った時も「ロケでね、富良野行ってたの。それで今帰ってきたのね。え?あぁ、さっき少し眠ったから大丈夫。富良野ね、すごいキレイでしたよ~」と、睡眠時間がないことを嘆くよりも、富良野の美しさについてコメントできる。
そういいながらもレコーディングが終わると、思いっきり眠そうな表情になり、メンバーやスタッフと話しているうちにも寝てしまいそうだった。
本人は気づいてないかもしれないが、相葉には、そんな素直さが満載なのだ。
"心が洗われる思い"というものを何度も味わわせてもらった。

映画では主役という大役を務め、1ヶ月という撮影期間のほぼ毎日現場に入っていた。連日早朝から深夜までの撮影。
たくさん撮影したし、本当に一生懸命シュンを演じていた。

ねぇ~(笑)。そうだよね?頑張った?頑張った・・・よね(笑)。単純に出番が多いじゃないですか?セリフも多いし。でもね、そんなに大変っていうのはなかったですよ。楽しかった。だって僕、休み時間とかラジコンとかしてたじゃないっすか(笑)。
無駄に走ったりしてたじゃないっすか~。すごい楽しかった。・・・あのね、途中ね、ホントに眠かった・・・こともあった、実は(笑)。
運河に飛び込む時なんてオレ半分寝てたからね!ほんと。だって直前まで寝てて、それは飛び込んで目が覚めたっつう・・・さぁ(笑)。

他のメンバーたちからも必ず話題にのぼる、運河に飛び込むシーン。直前まで車で眠っていた相葉は、寝起きのまま引きずられるように船に乗せられていた。

あの河に飛び込むシーンはね、あの時だけは眠かったね。寝起きですぐに船に乗ったからさ、なんかフラフラして気持ち悪くなっちゃって。
飛び込んだら飛び込んだで、河の水いっぱい飲んじゃって(笑)、次の日腹痛くなっちゃった。・・・う~ん・・・バクテリアっぽい?のが相当腹ん中入ったんだろうねぇ(笑)。

バクテリア・・・か。なんとも相葉らしい・・・というかなんというか。あの翌日お腹が痛くなっていたとは・・・。
シュンの部屋での撮影のこと。相葉の出番まで1時間ほど時間があった。現場に着いて相葉を見つけた時、連日の撮影でよほど疲れていたのだろう、相葉はシュンのベッドで本気で眠り込んでいた。

すっごい寝ちゃったぁ(笑)。起きたらね、枕によだれいっぱいたれててさ、やっべぇ!と思ってそぉっと枕裏返しにしてきた(笑)。スタッフの人には内緒だよ!

今ならバラしてもいい・・・だろう。相葉はそれぐらい頑張っていた。

「絵にかいたような普通の高校3年生」という設定の主人公シュンというキャラクターの受けとめ方も、相葉独特のものだった。

瞬はねぇ・・・アホですよ~(笑)!絶対アホですよ。普通だ普通だって言われてたけど、実際やり始めたら、アホだなぁって。
ね?楽しめたけどさ、ね?アホだよね(笑)?違う違う!ビミョ~に違うじゃん!?普通と!それがアホだなぁ~って。
だって考え方とかもさ、絶対高校3年生じゃないもん。青学受けようとしたりさ、屋形船沈めちゃうもんね。それもキリで穴開けようとするからね(笑)。
アホだなぁ~ホント(笑)。そう。ミクちゃんとのデートとかもさ、なんか小学生が一緒にゴハン食べてるみたいな。
デートにさ、あそこまでドキドキ・・・しないよねぇ。デートとはいえさ、ドキドキし過ぎだって(笑)!
ベースは普通。普通って描かれてるじゃないっすか?だけど、そこでちょこまか変わっていく・・・?かといってずうっと変わってるワケじゃないから・・・その境目を戻ったり行ったり・・・戻ったり行ったり(笑)。

なんとなく分かるような分からないような解釈・・・なのだが、劇中ではシュンを完璧に自分のモノにしていた。
そんな相葉はやっぱスゴイ。

シュンの見せ場としてはね、そうっすね・・・なんだろうね。キスシーンとかね、全然。
あのね、やっぱりキスシーンよりも、「お前らずっとここにいるのかよ!ずっと八塩に・・・」っていうあそこ・・・がね、なんか、瞬くんの一番カッコイイところかなって。思うんだけどなぁ・・・あの瞬くんはカッコイイわぁ(笑)。
今回、嵐5人で映画をやれたっていうさ、それが一番よかったよね。
それぞれのさ、役柄もあるしさ、間の取り方とかあるしさ、上手だし、みんな。なんだろうね・・・あと、田沢がね、最後カッコイイの。
やっぱ青春だよねぇ。でもさ、上手くいかないんだよね、この子たちは。いっつもイイ方向にいかないの(笑)。てんでダメな方にいっちゃう。
でも、それでも負けないからね。そんなところを見てもらえればって思う。

確かに相葉は天然ボケ(・・・失礼)かもしれない。
でもそれは、まっすぐさゆえの天然。相葉を見ていると考えさせられる。「人はもっと素直でもいいんじゃないか?」と。
物事をまっすぐ受け止め、裏を探ったり、深読みなどしない。Aというモノを、「Bを期待してAと言っているだな?」などということは一切考えていない。
「AってAでしょ?B?Bってない?」そう言うはずだ。そんな潔さ全開なのが相葉なのだ。それを天然ボケと呼ぶなら、それでいいじゃないか。

盛り上がっちゃうと止まんないっすよ~。ま、(ガーッと)いかない時はいかないっすけどね。タチ悪いんっすよ~(笑)。
家にいる時とか?静かですよぉ。暗いってよく言われる(笑)。そう、誰かといると盛り上がるんだけどねぇ・・・

という自己分析もありのままだが、「人といるのが好きなの?」と聞かれて初めて「あ~!そうかもしんない」と力いっぱい答える、という具合。
女の子の話題でも「え?女の子?あぁ~あのね、女の子って接触難しいよねぇ~!どうやって近づくの?」と、こっちが聞き返される始末。

確かに相葉は面白い。動物好きな相葉。

ウチ犬もいっぱいいるよ。あとね、今ねフェレット飼いたいの。えっ?白いのもいるの?・・・臭くないの?そうなの?・・・散歩もできるの?まじで?白いの・・・?

別に白いことにこだわることもないのだが、アルピノフェレットの存在も知らなければ、動物だから臭いと思っていたらしい。
というよりも、フェレットのことを知らずに、飼うつもりだったのか・・・?だが、一向に気にしていない。

へぇ・・・そうなんだ。僕ね、動物が好きなのね。今ザリガニ飼ってんの(笑)。水槽にさ、飼ってるの。まだすっごい小さいんだけど、真っ白いの。すごい?それ?・・・はね、買ったの。ペットショップで(笑)。
真っ白で、こんな、海老みたいになるの。そこまで大きくなるのに1年かかるんだって。それまでに死んじゃうかもしれないけど。ザリガニだよ~(笑)。なかなか飼ってる人いないでしょ?

・・・違う!そうじゃなくて・・・と、ツッコミたくてウズウズしていたが、相葉があまりにも楽しそうだから、何も言うまい。
相葉は天然だ。考えも未熟かもしれない。だが、それでもいい。相葉の"まっすくさ"の勝利だ。こうして相葉に関わった人たちはみんな負けるのだ。
きっとそういうことなんだ。こんなエピソードなら書ききれないほどある。
 (2007年)
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