ようやく、よ~~~~~やく昨日あたりから少し涼しさを感じられるようになってきました。昨日は、中秋の名月でもありましたね。仕事終わりの空に見上げた満月、お見事でした。写真にするとスマフォの限界を感じてしまいますが。。。

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さて、長かった夏も終わりに近づいているわけですが、この時期になると、夏の疲れが出たのか体調を崩される方もおおく来院されます。高熱が出たとか、咳がひどいというような明らかな風邪症状があるわけでもない、けれどもなんだかスッキリしない、食欲がわかない、ふらふらする・・・訴えは、さまざまです。

もちろん背後に何かそれ相応の病気が潜んでいないかを探る必要はありますが、診察したからだに特別な異常はなく、血液検査などでもおかしなところは見当たらない・・・そんなケースも多々あります。

現代医学ならびに西洋のお薬では、なかなかそうした明らかに身体の病気は診断がつかないけれどなんとなくダルイ、とか夏バテでしんどい、と言ったときに対応できる治療法(薬)がありません。ビタミン剤なんかどうかな?と思われるかもしれませんが、病院の保険診療でビタミン剤を処方するためには、基本的には『(1)当該患者の疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝異常であることが明らかであり、かつ、(2)必要なビタミンを食事により摂取することが困難である場合その他これに準ずる場合(以下略)』という厳密な決まりがあり、意外とハードルが高いのです。

さて、そんななんとなくの体調不良に効果が期待できて、なおかつ病院の保険診療で処方が出来るものに漢方薬があります。困ったときに、けっこう重宝しています。今日ご紹介する漢方薬はこちら。

なんとなくだるかったり元気が出ないとき、食欲がわかないときに試してみたい漢方薬に、『補中益気湯(ほちゅうえっきとう)』があります。滋養強壮作用のある“人参”と“黄耆”、水分循環をよくする“蒼朮”、炎症をひく“柴胡”、血行をよくして貧血症状を改善する“当帰”、のどの痛みや痔を治す“升麻”、胃腸の働きをよくする“陳皮”や“生姜”など10種類の生薬がブレンドされて、元気が湧いてきます。一時的に疲れたり、食欲が少し落ちているな、というときに1~2週間内服すると効果的です。

『補中益気湯』の弟分のような薬で、まさに夏バテ用!ともいえる漢方薬には『清暑益気湯(せいしょえっきとう)』というものがあります。補中益気湯に近い成分ですが、汗をひかせる“五味子”、潤う“麦門冬”、熱がこもったときに用いられる“黄柏”が加わってまさに暑気あたりや夏バテ、夏やせに効果的です。反応の良い方は1~2日の内服で効果が実感できると思います。

ほかにも、病後の体力低下やがんのような病気で全身が弱っている、また精神的にも参っているようなときにも有効とされる、疲れをとる漢方薬はまだまだたくさんあります。おいおい、御紹介していきたいと思います。

たまった夏の疲れを、漢方薬をうまく利用しながらしっかり解消して、楽しい秋を迎えましょう!!

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