水響絵美子セラピストのつれづれ

東京・白金高輪にて、癒しのサロンsunsmile を運営しております。

◇アンコール遺跡

コーケー遺跡群(その3)

こちらはコーケー遺跡群の最後に行った、
プラサット・プラムです。

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ただただ静か。
厳か。
ひっそり。
そして、神々しい。

この4つ言葉だけがどこまでも広がる素晴らしい場です。


何百年ものあいだ、
ジャングルのなかでひっそりと佇み、
木々や大地にとけ込んでいった様子が
一瞬にして伝わってまいります。できることなら一日中ここで過ごしたい…!
と思うくらい素敵な聖地でした。


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手前にある2つの建物は、図書館です。
入り口に背を向けて立っています。
 
奥にある3つの建物のうち、
左は、ブラフマン神が祀られた祠堂、
真ん中は、ヴィシュヌ神が祀られた祠堂
右は、シヴァ神が祀られた祠堂です。


このシヴァ神の祠堂を覆い尽くすのはイチジクの木。

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雨季にはもっと葉が生い茂り、緑深い景色になるのだそう。
その光景も見たいなあ体感したいなあと心から思いました!


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プラサット・プラムに満ちるエネルギーは、

自然の中にとけ込み、
また自然に帰っていく様相の美しさと神々しさ、

さらには、どのような栄華もいつかは終わり、
その終わりは新たな栄華の始まりでもあることの温かさ、

そして、諸行無常の喜びを、
静かに優しく伝えてくれているようでした。


そのエネルギーは今も私の中にじんじん響いています。

変わること、変えること、新しい形に進むことを
決意するたび、そのエネルギーに背中を押してもらっています。^ ^

コーケー遺跡群での素敵な出逢い

こちらは、コーケー遺跡群の入り口付近にあるニエンクマウ寺院。
(ニエンクマウとは、黒い貴婦人を意味しているそうです)

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その名のとおり、黒く美しい姿をしていますが、
この黒さは、野焼きによるもの、または、
長い年月をかけて鉄分が酸化したからだとか、
諸説あるようです。

*
 
コーケー遺跡群は、世界遺産ではなく、
また、シェムリアップ(アンコールワットやアンコールトムがある街)
から遠く離れているため(車で2時間半くらいかかります)
観光客があまりいません。

そんななか、私たちとなんとなく同じペースでまわる
カンボジア人のファミリーがいました。
かなり年を召された老婦人とその親類と思われるご夫妻、
その子どもたちの5人です。

他に観光客がいないということもあってか、
遺跡ですれ違ったりご一緒したりするたびに
すこしずつ微笑みあったり、
現地ガイドさんとファミリーがクメール語で話がはずんだり、
私たちの間にはあたたかい空気が流れていました。

ただ、そのファミリーは観光をしている様子はありません。
 
寺院に到着するたびに小さな祭壇を広げ、お線香をあげたあと、
老婦人がひとり静かに熱心にお祈りをささげます。
ファミリーのほかの方々は少し離れた場所で、
老婦人のお祈りが終わるまでのんびりと
ただ待っていらっしゃいました。


最後に大きなリンガのある寺院でご一緒したときのこと。

現地ガイドさんと老婦人がクメール語で話しはじめ、
次第に話がはずんでいきました。

楽しそうだなあ素敵だなあと思っていたら、
突然、どよめきと興奮が広がりました。

なにごとだろうと思うと、お二人の間には、
キラキラとした明るくやわらかな光があふれています。

その光景を見ているだけで、
私たちも心がぽかぽかと温かくなりました。

すると、現地ガイドさんが、
「私の亡くなったお祖父さんと、こちらの老婦人が、
偶然にも知り合いだったことがわかったんです。」
と教えてくれました。

実は、老婦人は数十年間ずっと、
カンボジアを離れていたのだそうです。
内戦時代にフランスへ移住し、
そのままずっとそこで暮らしてきたからとのこと。

でも、人生の終わりをすこしずつ考えはじめたとき、
心にふつふつと「死ぬ前に故郷を巡礼したい」
という思いが湧きおこったのだそう。

今回、念願叶って、故郷の聖地寺院を巡拝することができ、
とても嬉しい、とのことでした。

そんなありがたくて嬉しい最中に、思いもかけず、
昔懐かしい知り合いのお孫さんに逢うことができて、
さらに嬉しいと大変感激していらっしゃいました。

私たちもそんな素敵な場に居合わせることができて、
とっても幸せ!

みんなで胸がじんじんと温かくなっていました。

*

私たちがその遺跡から去るとき、
突然、老婦人が胸の前でそっと手を合わせ、
優しく微笑みながら、「コンニチハ」「サヨウナラ」と
声をかけてくれました。

現地ガイドさんに日本語を聞いてくれていたそうです。

びっくり!
感動!

と思ったのもつかの間、
そのあまりの温かな声と笑顔とエネルギーに
涙があふれそうになりました。

まるで、ものすごく愛おしい存在の幸せを祈るかのように、
優しくやわらかく何度も伝えてくれるのです。

「素敵な旅になりますように。」
「素敵な人生を送ってね。」

というエールや祈りがじわじわ伝わってくるようにも感じられます。

老婦人の深く大きな愛情ですっぽりとつつみ込まれ、
心に大きな安心感とじんわりとした幸せが
ぐんぐん広がるのを感じていました。
 

私もこういう人で温かな愛のエネルギーを
ふんわりとどこまでも無限に広げられる人でありたいと
心から思いました。


老婦人とカンボジア人のファミリーの方々が、
いつまでもどこまでも幸せな日々をすごされますように。


かけがえのない出逢いと大きな愛情をいただいて、
感謝の思いでいっぱいになった一日でした。

コーケー遺跡群(その2)

シェムリアップ(空港やホテル、アンコールトムや
アンコールワットがある都市)から北東へ約120km、
片道約2.5時間のところにある、コーケー遺跡群。

その中心にある聖なる寺院「プラサット・トム」は、
高さ約36メートル、一辺約60メートルの、
アンコール遺跡には珍しいピラミッド型寺院でした。

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頂上にはリンガが配置されていたそうで、
実際にはもう少し高さかったようです。
(そのリンガは盗まれてしまったそうです)


当時、王は、満月の夜に、
この中央の階段を頂上まで厳かに一気にのぼり、
頂上にて静かに真摯に神と対話を行っていたとのこと。

傾斜がかなり急で、手すりもなにも無く、
一歩間違えば命を落としそうな階段です。
 
でもだからこそ、ここをのぼるだけで、
感覚が研ぎ澄まされて、心身エネルギーが整い、
神とつながるための準備が自然になされたのではと感じました。

今は崩壊してしまって、
のぼることはおろか触れるこすらできず、残念!
(昔はのぼることができたそうです)


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でも今は裏手にこのような階段が設置され、
頂上までは行くことができます。

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頂上は、、、
おどろくほどの清々しさと解放感に満ちていました。

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縦横無尽に吹きぬける風。
すぐそこにある、のびやかで力強い空と雲。

その眺めは、360度どこまでも
ジャングルと空と雲しかありません。

ここにいるだけで、
エネルギーが内側からぐんぐん広がり、
奥深くにある無限さがさらさらと解放されていくのを感じます。

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このジャングルにはトラが生息しているとかいないとか。

さきほど歩いてきた道も見えました。

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満月の光に照らされ、
ふわりと浮かび上がるプラサット・トムは、
言葉にできないほどの美しさと厳かな気高さに
あふれていたことだろうなあ、、、

と当時に思いを馳せるだけで、
心に静けさがぐんと満ち、
すべてが鋭敏に研ぎ澄まされていくような、
エネルギーの密度が濃くなっていくような、
そんな心地のいい感覚をおぼえておりました。
 

コーケー遺跡群(その1)

もう1回来たいなあ、できれば今すぐにでも行きたいなあ、
ここで一日のんびり過ごしてみたいなあと感じた遺跡の一つが
このコーケー遺跡群となります。

シェムリアップ(空港やホテル、アンコールトムや
アンコールワットがある都市)から北東へ約120km、
片道約2.5時間のところにありました。

私たちは、ベンメリア遺跡経由で行きましたが、
道中は、ゴム畑、かぼちゃ畑、いも畑、バナナ畑、
こしょう畑などが大きく広がる大地がつづき、
そこかしこに放牧の牛がいて、とてものどかです。
 
「カンボジアは農民が多いんですよ。
でも農業だけでは生活できないから兼業している人が多いんです。
僕たちも(現地ガイドさんと運転手さん)、実家の農業と
この仕事をかけもちしています。
ほら、手を見ると農民の手ですよね。」

とごつごつとしてたくましい手を少し広げて、
現地ガイドさんが見せてくれました。

「農家は人手がいるから。」とも。


牛たちは、乳牛や肉牛ではなく、農業の手伝いをしてもらうための
家畜だそうで、大変痩せていました。

でも、のびのびとして自由で元気!

「人間とともに生きている。互いに助け合って生きている。」
というフラットで穏やかな自負に満ちているようでもあり、
その姿から清々しさをいただきました。


また、ヒナを連れて生き生きと草むらを歩く鶏たちや、
シロアリのアリ塚にもよく遭遇しました。

その鶏やヒナたちと"ニワトリ語"で楽しそうに話す
現地ガイドさんの声と姿がとっても素敵で、
思わず"ニワトリ語"をマスターしたくなったほど!笑

シロアリの塚は、道端や畑、遺跡の中、おみやげもの屋さんや
食堂などいたるところにあって、高さは1メートル以上のものも多く、
かなりの存在感!

中にはお店や食堂のど真ん中にどーんとそびえているものもあって。

でも、どんなに邪魔でも
カンボジアの方は決して壊さないのだそうです。

聖なるものとしてとらえているため、
壊すとバチがあたる…、不幸なことが起こる…という感覚があるからとのこと。

ぼやけた写真で申し訳ありませんが、
道端で見つけたアリ塚はこんな感じでした。^ ^
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*
話は変わりまして。

コーケー遺跡群は、928年から944年頃、王都が一時、
アンコール地方からこちらへ移されたときの遺跡です。

王の死後にはふたたびアンコール地方へ戻ったため、
わずか10数年間だけ栄えた幻の王都だそうです。

門を入ると、 
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かつては柱がならんでいたと思われる廊下があらわれました。
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その奥の門を進むと、さまざまな祠堂がいくつも並んでいます。
一つひとつにヒンズー教の神様が祀られていました。
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大きく崩れ、瓦礫の山のようになっているところを過ぎると、blog_A0147004

優しい道がつづいていました。この道の先には、、、blog_A0147005

「プラサット・トム」がありました。
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高さ約36メートル、一辺約60メートル。
7段の階層からなるピラミッド型の寺院です。

そのたたずまいは穏やかで神々しくて優しくて。

すべてを見てきた。
すべてを知っている。
という厳かで揺るぎのない温かな感覚がぐんぐん伝わってまいります。


近づくにつれ、
私の心にも、深い落ち着き満ちていきました。

それと同時に、
心身エネルギーのすべてがのびやかに解放され、
じんじんと研ぎ澄まされていきます。

最後には、ぽかぽかとした温かさにつつまれ、
ぐんぐん心が躍動していきました。

つづきます。(→)

アンコール・トム(世界遺産)

今回のアンコール遺跡群の旅で、
とくに心に残り、そのエネルギーに胸ふるえ、
もっともっとここで過ごしたかったなあと感じた場所で、
今も可能なら、すぐにでも行きたいなあと思うところが3つありました。

そのうちの一つが、このアンコール・トムとなります。

「大きな都」を意味するアンコール・トムは、
12世紀末、アンコール王朝最盛期の頃に、
ジャヤヴァルマン7世(日本ではライ王として知られている王さま)が
建設した都市となります。

もともとは、889年にアンコール王朝のヤショヴァルマン1世が造営した都で、
その後、ときの王によって何度も造りかえられ、最後に、
ジャヤヴァルマン7世(ライ王)がすでにあった寺院を残しつつ、
今あるアンコール・トムの形へ築きあげたものだそうです。

その一辺は約3キロのほぼ正方形の形をし、
城壁とお堀に囲まれています。

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その中心には、バイヨン寺院と王宮があり、
そこからまっすぐにのびる道が四つの大きな城門(南大門、北大門、
西大門、死者の門)につながります。

また王宮の正面からの道は勝利の門につながっていました。


わたしたちは、南大門から入りました。
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この観世音菩薩の四面仏は、それぞれ、
「慈悲」「哀れみ」「情け」「平和」をあらわしているとのこと。

 ここから中心のバイヨン寺院までは、約1.5キロ。
この門を歩いてくぐったあとは車で移動しました。

バイヨン寺院が見えてきました。

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この寺院は、神々が住む聖域・須弥山(メール山)を模したものだそうです。

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外側壁面には、当時の庶民の暮らしや隣国との戦いの様子など、
細かくわかりやすく描かれたレリーフがずらりと並んでいます。

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中に入るとエネルギーが一変しました。

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こちらの観世音菩薩の四面仏塔は全部で49本あり、
その仏尊顔も196面ありますが、
ひとつとして同じものはないそうです。

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この都を築いたジャヤヴァルマン7世(ライ王)は、
熱心な仏教徒で、臣下の幸せを心から願い、
みんなが安心した日々を暮らしていけるよう努め、

地方に通じる街道や石橋を整備し、
全国に121の宿舎や102箇所の施療院(病院)を設置し、
寺院も次々に建立したとのことで、
今もカンボジアの人々に愛されているそうです。

(シェムリアップにある子ども専用総合病院の名前にも、
その名が使われていました。)

「クメールの微笑み」
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また、アンコール・トム内にも村人たちが住めるよう、
高度な治水機能を整備し、土地も整え、
この12世紀末から15世紀にかけては、
約10万人(約20万人という説も)が暮らしたといわれているそうです。

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アンコール・トムの敷地内は、のびやかな温かさや、
どこまでも自由に広がっていける豊かさ、そして、
弾むような光のエネルギーにあふれ、

歩いているだけで、解放されたり、新たに開放したり、
ワクワクとした可能性が広がっていくような、
やわらかな喜びが内側にどんどん広がっていきます。


ところが、中心のバイヨン寺院に入ると一変します。

まさに神と繋がる場所というのにふさわしく、
圧倒されるほどの研ぎ澄まされた清らかさと、
とてつもなく深く温かな包容力、

真実を見透かされ、
信条や信念を大きく後押しされていくような、
力強くも優しいエネルギーを肌で感じる場所でした。


なんというのか、ここにいるだけで、
本当の本質の自分が浮き彫りになり、余分なものの削ぎ落としがすすみ、
聖なる力が内側に満ち満ちていくのを感じる感覚です。

今度訪れたときには、このバイヨン寺院で、
心ゆくまでぼーっと過ごしたいなあと思っています。(^-^)

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  • 年賀状をありがとうございました!
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