こけしのなかのわたし

東北地方が誇る文化、「伝統こけし」について語り考証しながら愛すべきこけしたちへの理解を深めるBlogです!

小関幸雄

小関幸雄工人のこけし

かっぱです。
最近朝晩の冷え込みがえぐくてすっかり参っています。
とはいえ、東京はそうそう雪が降るわけでもなく、豪雪地帯の方のような苦労はありませんが…
乾燥している分、病気にも注意したいところです。

こけしを集め始めてわりと早い頃から、弥治郎系の小関幸雄さんのこけしは気になっています。
これは以前8月の書肆ひやねさんの「こけし往来」で購入したものです。
随分前ですね。。
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 弥治郎独特の作り付けで胴がくびれたペッケ型、少しさびしげで素朴でよいと思います。

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底書きを見ると「米沢市竹井 小関幸雄」の署名があります。
小関幸雄は弥治郎の新山福太郎のもとで修行したのち、故郷の米沢市竹井にて独立しました。
昔の「こけし手帖」に、小関さんが吉祥寺の百貨店で実演をした際の手記が掲載されており、楽しい内容でした。

我が家にあるもう少し古い小関さんのこけしと比べると、古い2本には「小関幸雄作」と「作」の字がついているので、どこかで署名が変化するのかも知れません。
こけしの方も昭和20~30年代に大きく変化していますが…。
通し鉋の孔が開いていて、最初の購入者?による昭和三九・二・十六の書き込みがあります。

鬢の上に緑色の飾りが入っていないのも気になるところです。
 
横から見ても美しいです。
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頭のベレーから出ている飾りと鬢の横に出ている飾りは、遠刈田系の手絡・髪飾りから来たものだと思いますが、そう考えると全体的な形態も遠刈田のこげす型に通じるような…。
色が褪せていますが、胴の上下は黄色く塗られています。

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 昭和50年代のぽーっとした表情と、昭和20年代のややグロテスクというか稚拙な雰囲気の作風とに挟まれた、昭和30年代のこけし。
まだまだ素朴で味わい深いです。

ではでは。

小関幸雄工人のこけし

かっぱです。

その方の作を見かけると気になる工人さんというのがどなたもいらっしゃると思いますが…
僕の場合、山形県の竹井で弥治郎系のこけしを作っていた小関幸雄工人もその一人。

以前、戦前作とも考えられるような小関さんのペッケ型を紹介しましたが、その後、もう少し年代の下る作を2本入手しました。

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このこけしは、胴はくびれていますが、作り付けではなく差し込みになっています。
「こけし辞典」など読むとわかりますが、極端に線の細い面描は昭和30年代の作品のようです。
よく見かけるのは「たつみ」で頒布するようになった昭和48年以降の可憐な作品で、それと比較するとかなり作風が異なりますね…。
署名は「竹井 小関幸雄作」。

もう一本がこちら。
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「たつみ」頒布の作や、師匠の新山福太郎のこけしにも印象が近づき、なかなか味わい深い表情です。
繊細な部分もありますが、前髪や眉、鬢は黒々として眼点も大きくなりました。
後の作品よりも眉毛の湾曲が少ないようです。
署名は「米沢市(一文字不明)竹井 小関幸雄作」。

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戦前作と思しき左の作と、昭和30年代の中央の作、右は昭和40年代の「たつみ」頒布以前でしょうか。

以前から持っているのはこちら。
やはり表情が上目使いというか、だいぶ違いますね。
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左が「肩張り」(昭和50年)、真ん中(昭和56年)と右(昭和57年)が「ステッキ」と通称された型でしょうか。
小関さんのこけしには、繊細な中にも素朴さが残り、なぜか惹かれます。
こけし友達にも結構小関ファンは多いような。

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頭頂のベレー。
弥治郎系のこけしは重ね菊や着物、巻き絵も遠刈田から来た意匠と考えられますが、ベレーとかまぼこ状の髪飾りは特に弥治郎独特のものですね。
ベレーは中剃りの発展型、かまぼこ状の飾りは前髪と髪飾り(あるいは手絡の一部)が変化したものと推測しています。
弥治郎のこけしは黄色と紫色の使い方も特色になっていますね。

古い遠刈田のこけしの特徴は遠刈田よりも蔵王高湯や肘折、弥治郎に残存しましたが、弥治郎の古いこけしの特徴もまた、離れた産地に残っているようです。

新山栄五郎型の髷こけしもありました。
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これはまたアイシャドーばっちりという感じで、意外と変遷の激しい工人さんだったのだなぁと思います。
それでいて、どの時代にも個性的なこけしを作られていた小関幸雄工人のこけし。
また気に入るものを見つけた際には入手したいです。

ではでは。

小関幸雄工人のこけし

かっぱです。

先日、書肆ひやねさんのこけし往来の入札品に小関幸雄さんの古いこけしが出ていましたね。
僕は往来を買っていなかったので、友人に見せていただいただけで今手元にはないのですが(次回より購入手続きしています)、同様にかなり古そうな小関さんのこけしを西荻窪のベビヰドヲルより入手しました。
私ごとですが、小関幸雄工人のこけしは伝統こけしの魅力に気づいた初期に入手していて、いつも気になる工人さんの一人です。 

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写真がやや暗く写って、影になっていますが、頭~顔の左側に水濡れによる染料の滲みがあります。
そのほかは、ご覧のとおり染料の緑も紫も残っていて、よい状態です。
横の方を見ると浅黒く木目が出ていて、朴材を使っているのかなと思います。

と、今文献を見ていてびっくりしたのですが、僕、誕生日が小関幸雄さんと同じでした!!
あとはミュージシャンでいうと北欧の歌姫Bjorkとニューオーリンズの怪人DR.ジョンです。
いやぁ、嬉しいです。

それはさておき、小関幸雄工人は大正2年11月21日山形県米沢市の竹井というところで生まれています。
このこけしは署名がなく胴底は切り落としですが、後の時代のものには竹井 小関幸雄と署名があります。
小関さんは昭和12年より3年間冬季のみ、弥治郎で新山福太郎のもと修行し、その後、竹井の自宅へロクロを据え付けたとのこと。
「山形のこけし」には昭和15年作の小関幸雄のこけしが5寸から尺まで写真で紹介されていますが、このこけしとよく似たものも出ています。
こちらのこけしの方が若干細く頭も小さ目、そのためか目も中央に寄っているようですが、同時期か少し前後する頃の作でしょうか。
作り付けで胴のくびれたペッケ型ですが、首にカンナ溝はなく、また、胴のふくらみや絞りも大分極端です。
ただ、この形を見ると、ああ、帯を締めているときの着物のたわんだ感じを出しているのだなぁというのが伝わります。

稚拙な味わいがあって、表情もよく見ると健やかに微笑んでいます。
本格的な復元期のものもよいですが、これも初期のいい時期の作品だったのではないかなと思います。 
子供の玩具としての素朴な感じが出ていて、味わい深いこけしではないでしょうか。

ではでは。
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