こけしのなかのわたし

東北地方が誇る文化、「伝統こけし」について語り考証しながら愛すべきこけしたちへの理解を深めるBlogです!

新山真由美

コケーシカの思い出と新山真由美工人のこけし(新山さと型)

かっぱです。
先日、鎌倉のコケーシカに遊びに行ってきました。
IMG_3563[1]


暑かったですが、久しぶりに海が見えたり、なかなか楽しかったです。
以前行ったのは、こけしを集め始めの頃で、こけしとマトリョーシカの並ぶ居心地の良い店内に、なんとなくその頃のわくわく感を思い出すようでした。 

IMG_3565[1]
こけし時代が出ると、その号に合わせて産地のこけしが販売されますが、今回は外鳴子特集の編集追い込み中。
マトリョーシカ中心の品揃えで、こけしはやや少なめ。
しかし、最近の西荻イトチのこけし勉強会でも、マト好きでこけし好きの女性が多くいらしています。
前回は、参加者6名中4名がロシアに行ったことがある!ということで驚きました。
西荻こけし勉強会、9月の回を募集しています。
10月はお休みで、11月にまた違うテーマでやってみようと思うのですが、どうなりますか。

IMG_3566[1]
 こちらはこけしを手にしたマトリョーシカ。
驚異的なかわいさでございました。
「こけし時代」の人気コーナーといえば、樋口達也さんの「木形子感傷」。
久しぶりに樋口さんにお会いしましたが、少年のように純粋にこけしを愛していることが伝わってきました。
こうした愛好家が同時代にいることをとても嬉しく思います。

さて、本日はこちらのこけし。
残念ながら、今回コケーシカで買ったものではありませんが。。

P1110121
新山真由美さんの、新山さと型。
「こけし辞典」によると、新山さとは、新山久治や福太郎、左内らの母にあたり、唯一の遺作といわれるこけしが「蔵王東麓の木地業とこけし」に収録されているとのこと。
そのこけしは、三春町歴史民俗資料館の企画展「幻想のこけし」パンフレットにもカラーで収録されています。

原のこけしはもう少しかんな溝が上にあり、顔も中央に寄っているのですが、こちらの真由美さんのこけし(ペッケ?)も、なかなか素朴で良い味が出ています。
P1110123
一筆目のシンプルな描彩で、土人形などを思わせるところもありますね。
原は緑色は褪色したのかほとんど見られませんので、想像で補われているのかも知れません。

P1110125
首や胴のかんな溝がさり気なく全体を引き締めていて、シンプルにして完成度が高いデザインになっています。
今後も作り続けていただきたい素敵な型です。

新山真由美さん、鳴子の全国こけし祭り(2013.9.7~8)の招待工人でもありますね。
東京こけし友の会のホームページでご確認ください。

ではでは。 

新山真由美工人のこけし(吉野勘三郎型)

かっぱです。
東京は今日もしびれる蒸し暑さでしたが、岩手や秋田では豪雨の被害があったようで心配です。
明日も熱中症などなどお気をつけください。

明日は西荻イトチでこけし勉強会、今回も満席(数席しか取れないのですが)となりました。
楽しく勉強して、帰りは阿佐ヶ谷の七夕まつりでも見ていかれてはいかがでしょうか。

そして、津軽こけし館のBlogで先行して紹介いただきましたが、今年の高円寺フェス「MY FIRST KOKESHI!」には、津軽こけし館・長谷川健三工人・こけしのゆるキャラ(!)こけシケ子ちゃんが出演します。
また詳細追って発表いたします。
こけしはもちろんのこと、高円寺の街で二日間たっぷり楽しめるイベントです。
ぜひお友達・ご家族と誘い合わせの上、遊びにいらしてください。

さて、、本日のこけしは、以前ねぎしで買った新山真由美さんの小寸。
吉野勘三郎型とあります。
頭の手絡模様や耳のような飾りは、佐藤幸太型と呼ばれるものに近いようです。
あるいは飯坂の佐藤栄治・喜一とか…。
P1100821
しゅっとしていますね。
表情は真由美さんらしい優しい雰囲気もあります。

「こけし辞典」を見ると、吉野勘三郎は小椋豊之進の名前で紹介されています。
そして作品は残っておらず、植木氏蔵のこけし絵が掲載されているのですが、このこけしとは異なる描彩なのですね。
こけし絵の方は、頭はベレーで胴中央に帯があり、下半分は巻き絵模様になっています。
表情は近いですが、こけし絵には耳状の飾りはありません。

P1100823
吉野勘三郎のこけし、どこかに原があるのでしょうか。
今度真由美さんか吉紀さんに伺ってみたいところです。

ではでは。 

2012.06.16 挽き物玩具ねぎし・第1回 下谷こけし祭り

かっぱです。
昨日、鶯谷の挽き物玩具ねぎしさんにて開催されている「下谷こけし祭り」に行ってきました。

東京こけし友の会HPより↓

■第1回下谷こけし祭り
日時:6/15(金)~17(日)9時~17時
場所:「ねぎし」(03-5824-1810)
参加工人:新山吉紀、大沼秀顕、佐藤保裕、新山真由美、
       阿部国敏、平賀輝幸、小島俊幸
 
今回、津軽系の小島さんご本人はいらしていませんが、そのほか弥治郎・鳴子・遠刈田・土湯・作並と各系統の工人さんが集まっています。

鳴子系の大沼秀顯さんのこけし達。
P1080747
こけし千夜一夜物語」の写真に写っている地蔵型の縞模様のものが話題になっていましたが、完売でした。
他にもろくろ線やかんな溝の位置や模様の組み合わせ、いろいろと試されています。

弥治郎の新山真由美さん。
P1080748
福太郎系のこけしと、どこか繊細優美な喜一型。
小寸(豆こけし)や、携帯ストラップなどもありました。

佐藤保裕さんの廣喜型や新山吉紀さん、小島俊幸さんのこけし。
P1080751
 後ろのは尺5寸の大物です。
保裕さんには、こけし作りの上で考えていること少し聞くことができました。
伝統型の同じものばかり作っていると慣れてしまうので、本人型でもいろいろ作ってみてバランスをとっているようです。
遠刈田の古作も研究されています。
だからこそ、復元型・本人型のどちらでも生き生きとしたこけしが作れるのでしょう。

津軽系の小島俊幸さんは津軽系の意匠を組み合わせた本人型中心の出品。
もしかしたら復元型が売り切れたのかもしれませんが…。
P1080752
地蔵型のねむりこけしはちょっと佐々木金次郎風にも見えます。
客層的には、もうちょっとマニアの好む伝統型があってもよさそうな気がしたのですがどうなのでしょう。

P1080754
作並の平賀輝幸さん。
謙蔵型の復元ものと思われるこけし各種、小寸のアイディア溢れるかわいいこけし各種。
「こけし時代」でも取り扱われていましたし、今や地味な系統とは言えない人気を博しているのではないでしょうか。

弥治郎の新山吉紀さん。
P1080760
飯坂の佐藤喜一型、ベレーではない2種は佐藤栄治型でしょうか。
福太郎系のこけしにお地蔵さん?も…。

P1080762
吉紀さんの大物と、土湯の阿部国敏さん。

P1080764
国敏さんも小寸の治助型は売れてしまったのでしょうか。
手前の”微笑みがえし”は首がくらくら動きます。

棚の方にも商品がありました。
P1080767
我が家にも秀顯さんのうちわありますが、飾っておくとなかなかよい雰囲気ですよ。

ということで、ここに掲載していないものもありますし、まだ間に合いますようでしたらぜひ、ねぎしさんへ!
工人さん指導のもと、絵付け体験もできますよ~。
かっぱがこけしを選んでいる間、宇宙犬は絵付け体験に没頭していました。
それはまた次のエントリーで。

ではでは。

KOKESHI POPより 新山真由美工人のこけし

かっぱです。
今日はゆるキャラをステージ上に押し上げたり引っ張り上げたりする仕事をしてきて大変楽しく、疲れ果てました。

もう結構前のような気もする渋谷PARCOのKOKESHI POPで購入したこけしでまだご紹介していないものがいくつかありまして…
新山真由美さんの新作こけしです。

P1070872

首にかんな溝の入って胴のくびれたペッケ、新山吉紀さんや真由美さんの一番標準的なこけしかと思います。
今回改めてよく見ると可憐で、女性らしさは出ていますが、甘くなり過ぎていない、よいものがたくさんありました。
裾に竹の模様が入っているものもあり、うちの新山福雄さんのこけしも竹模様なので欲しかったのですが、こちらを購入したあとで追加されていたので、あきらめました。
表情は吉紀さんのものや他の先達のものとも違って、まぎれもなく真由美さんのこけしであり、それがまた良いなと思いました。

吉紀さんや真由美さんのこけしはこのように前髪をぱさぱさと梳いた感じに描いており、福太郎や福雄のこけしにはあまり見られないように思います。
吉紀さんの父・吉太郎さんのこけしも検索してみましたが、ぱさぱさと描いたものはありませんでした。
新山左内などに前髪をぱさぱさと描いたものがありますね。
自分の見た範囲での話ですが…。
個人的には、福太郎や福雄のように前髪重ための方が好きです。

今日・明日と京都では「コトコトこけし博」というイベントがあり、津軽こけし館の新作伝統こけし・KOKESHIEN!のチャリティリサイクルこけしなどに混ざってFUGAという名義でこけし雑貨を置かせていただいております。 
関西でのイベントもなかなかの盛況のようです。

明日日曜は東京こけし友の会の3月例会です。
自分は諸事情ありまして、今回行けるかはぎりぎりの判断になりますが、イベント等で伝統こけしに興味を持った方にもぜひ足を運んでいただきたいなと思います。
歴史のあるこけしの同好会で老若男女が集まります。

ではでは。

弥治郎の小寸こけし2種

かっぱです。
今回も神田の書肆ひやねで買った小寸袋に入っていたこけしシリーズで。
P1070487
左のこけしは高橋精志工人の精助型。
つい昨日の「こけし千夜一夜」にて取り上げられていたので、こっそり便乗してみました。 
国恵志堂様のBlog掲載のものと比べると、こちらの方がだいぶ眼点が大きいですね。
首のつくりつけの部分の形状も少し異なるようです。
胴底は丸い爪の跡があって、「精助型 精志作」とあり、特に年代特定できる書き込みはありませんが、晩年の作かも知れないなぁと思います。
こういう簡単素朴なこけしには、確かに伝統こけしの黎明期を感じさせるものがありますね。

右は、新山真由美工人の本人型、でしょう。
ケヤキ材と書いてありました。
かなり木目が目立つ材です。
形状もあわさって、家具調ともとれるかな、というこけしです。
昔はこけしだけでなく家具の部品などを一緒に作る木地屋さんもいたと思いますが、最近はどうなのでしょうか?

さて、風邪は鼻水が止まってきたので、せきなども徐々になおるかなと期待しています。
悔しいかな熱はあまりありません。
ではでは。
記事検索
  • ライブドアブログ