かっぱです。

暦の上では何とやらで日にちが過ぎるのが早いですね。
前回日付を間違えて未来日記になっていたことに先ほど気がつきました。
前半の弥治郎編はこちら。 

旅行の1日目を主に弥治郎、2日目夕方までを仙台で過ごしたのですが、仙台ではあまり写真を撮影していないのですよね。

朝食後にまず向かったのは2014年はご都合合わず不参加でしたが高円寺フェスでも何度もお世話になっている「しまぬき」さん。
仙台の駅ビル、エスパル内のエスパル店とアーケードのマーブルロードおおまち商店街内の本店があります。
どちらも新作のこけしが並んでいる貴重なお店ですね。
今回は、弥治郎に行った後のせいか、ここでも弥治郎系のこけしが気になり、星博秋さんと鎌田孝志さんのこけしなど購入。

お昼はカフェ モーツァルトさんで。
わりと広くて落ち着く店内でおすすめです。
パスタも美味しかったです。
 
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その後、いよいよカメイ美術館で開催中の「こけし時代展」へ。
仙台を訪れたら、何はともあれ行っておきたいですね。
今週末の20日(土)には、こけし好きで知られる「たんぽぽ」の川村エミコさんもいらしてトークイベントがあるようです。
この『「こけし時代」展覧会』では、こけし専門誌「こけし時代」に木形子感傷を連載する樋口達也さんの原画が見られるほか、沼田元氣さんによるこけし作者のポートレート、同誌にも掲載されたこけし達の展示、そして貴重な木村弦三コレクションの展示が行われており、21日(日)が最終日です。

木村弦三は弘前で活動した音楽家であり、郷土玩具の蒐集家としても知られています。
朱魚房と名づけた建物にこけしを始めとする2万点もの郷土玩具を収蔵していましたが、台風による水害でほとんどを失うこととなり、泥の中から拾われたこけしが現在に伝わります。
従って、決して保存が良いというものではありません。
こけしの胴模様に多く使われる染料は、日光と水に弱いのです。

温湯と大鰐を中心とする津軽系のこけしは11または10系統の中でも最後に確立したものですが、その成立には木村弦三が大きく関与していたようです。
普段は弘前市立博物館に収蔵されていますが、常設ではないのでコレクションとしても津軽系の出発を伺わせるこけしとして貴重なら展示の機会もまた貴重です。 

まだ会期中ですので、画像を全てお見せするのは控えますが、こんな雰囲気で展示されています。
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左にあるのは「こけし時代」最新号にも復刻版が付録として収録されている「陸奥乃木芥子」。
こけしの世界にはかつて限られた部数で出版された貴重な文献がいろいろとあり、今回一般に手に入りやすい形になったことは非常に意義深いことと思います。
その左が嶋津彦作名義、後ろに佐々木甚助名義、右に嶋津彦三郎名義の長谷川辰雄描彩のこけしが並びます。 
木地形態などに肩の低い古鳴子の影響も見られますね。

木村弦三コレクションには津軽系以外のこけしも存在するそうですが、今回展示されているのは津軽系のみです。

樋口さんに聞いていたのですが、木村弦三コレクションのこけしにはかなり大きなものがあります。
もちろん小さなものもありますが、なんとなく残っているものはばらばらだったり手慣れていないものだったり、果たしてこれらは普通にもともと玩具として消費されていたのか、はたまた最初から蒐集家の注文による蒐集家のための特注品だったのかと考えてしまいます。

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にょきにょきといった感じの長谷川辰雄のこけし。
この大きさで孫の優志さんにも作って欲しいですね。
挽くのも大変でしょうけど…。

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盛秀太郎の初期のこけしも鳴子のたちこみたいですね。
「こけしざんまい」で橘文策が訪問した際には、黒石の郷土研究家である佐藤雨山の指導があったと盛秀太郎が語っているのですが、木村弦三ではなかったのか?と気になっているところです。

宇都宮からわざわざ仙台にいらした樋口さんと、さまよえる宇宙犬。
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樋口さん、現在高円寺のエトアール通り商店会を舞台にした小説「高円寺エトアール物語」の挿絵も描かれています。
エトアール通り商店会の加盟店で買い物をするともらえますので、皆様ぜひ。
エトアール通りは、高円寺駅南口のアーケードのPAL商店街を真っ直ぐ、ヴィレッジ・ヴァンガードを過ぎたあたりで右手に入る商店街です。

さて、他に弘前の安達先生や今晃ファン倶楽部の斎藤さんの今晃こけしや木地玩具の展示もあります。
ぜひ今度の日曜日まで開催中の展示を見に行ってくださいね。

カメイ美術館では学芸員の青野さんや、青葉こけし会のになさんにもお会いできましたし、弥治郎でも新山吉紀さん真由美さんや知っている方にお会いできたり、楽しい旅でした。
ただ、みちのくに足を踏み入れながら温泉に入ることがなかったのが無念、今度は鎌先などに宿をとってみたいと思った次第です。

東北の方ではかなり風が強く積雪も凄いようなので、どうぞ皆様お気をつけください。
ではでは。