2006年08月19日

連斬戦艦大和用木甲板プラシート

下記のシートを8/20のワンダーフェスティバル2006夏で発売します。
ブースはあらあらこまった堂(A34−12)です。

木甲板キット

・特徴
この木甲板プラシートは、インクジェットプリンタ用プラシートに大和の木甲板を1枚1枚1/700リアルサイズで印刷したシートで、タカラトミーから発売されていた連斬戦艦大和の甲板パーツの代わりに取り付けるよう想定して作成しています。この為、他社キットとは平面形が異なるため、そのままでは使用出来ませんご注意下さい。

・戦艦大和の木甲板の概要
旧日本海軍の戦艦の木甲板は伊勢型まではチーク材や欅(ケヤキ)、長門型以降は檜(ヒノキ)が使用されていました。【(参)江畑謙介著作:軍艦の塗装:出版 モデルアート社刊モデルアート(連載)】
大和型にも使用された檜は、軟材と言われ、幅125mm、厚さ65mm以上のものが使用されていましたが、長さについては確証ある文献がありません。しかし最近ネット上では研究が進み、当時の技術では6m位が限界であったろうと推定されています。【山野内氏のウェブページ「模型 海と空」】
また木甲板の取付は下記の基準で取り付けられていたようです。
1.木甲板の縦方向のつなぎ目は、船体のフレーム構造の位置に合わせた。
2.つなぎ目の位置は横方向6枚おきに一致している。
3.1枚おきに繋ぎの位置を1フレームずつずらして取り付けた。
ただ、船体フレームは1フレーム間の幅が1000mmから1225mmとなっており、また大和坂ではその傾斜分延長されていたので、木甲板の長さは6m固定とはなりません。
つまりその差異を考慮して作図する必要があります。

・連斬大和用プラシートの作成
木甲板はイラストレーターを使用して作成しています。フレームの位置はアテネ書房の戦艦武蔵建造記録の戦艦武蔵の断面図を使用しています。
木甲板の取付は先の説明では判りにくいと思いますので、下図を用いて説明します。
下図は111フレーム付近ですが、104から111フレームまでが1200mm間隔となっており、111〜113フレームまでが1150mm、そして113フレームからまた1200mmとなっています。しかし108フレーム以前は大和坂となっています。そこで同図面から大和坂の傾斜の割り出しました。

木甲板構成図

フレーム 108を原点として
No.108〜No. 89: l=23,100mm / 高低差 h=1,700mm
: 木甲板の実長 23,162.5mm (+62.5mm)
No. 89〜No. 61: l=30,650mm / 高低差 h= 150mm
: 木甲板の実長 30,650.4mm (+0.4mm)
No. 61〜No. 40: l=18,900mm / 高低差 h= 120mm
: 木甲板の実長 18,900.4mm (+0.4mm)

フレーム No.89以前は 直しようが無いのですが、No.89〜No.108に関してはこのフレーム間の全長が 62.5mm増加するため、1フレーム均等に割り振ると約3.2mm/フレームの増加になります。木甲板は1本で4〜5フレームとなりますから、1本あたりでは、12〜15mmの違いになります。それを 1/700にすると、木甲板1本当たり 0.005mm程度の差になります。

ここで木甲板の一部を分かり易く木甲板を緑、橙、水色で塗り分けてみました。
1) 水色木甲板上: No.110〜115
5900mm (= 1200mm x 1 + 1150mm x 2 + 1200mm x 2 )
2) 水色木甲板中: No.111〜116
5900mm (= 1150mm x 2 + 1200mm x 3 )
3) 水色木甲板下: No.112〜117
5950mm (= 1150mm x 1 + 1200mm x 4 )
4) 橙色木甲板上: No.107〜114
5953.2mm (= 1203.2mm x 1 + 1200mm x 3 + 1150mm x 1 )
5) 橙色木甲板中: No.108〜116
5900mm (= 1200mm x 3 + 1150mm x 2 )
6) 橙色木甲板下: No.109〜114
5900mm (= 1200mm x 2 + 1150mm x 2 + 1200mm x 1 )
7) 緑色木甲板上: No.105〜110
6009.6mm (= 1203.2mm x 3 + 1200mm x 2 )
8) 緑色木甲板中: No.106〜111
6006.4mm (= 1203.2mm x 2 + 1200mm x 3 )
9) 緑色木甲板下: No.107〜112
5953.2mm (= 1203.2mm x 2 + 1200mm x 2 + 1150mm x 1 )

となります。

ところで、本当に1/700リアルサイズなのか疑問に思う方もいると思いますので、下図をご用意しました。
1/700で確認









イラストレータの選択した図形のプロパティダイアログを赤で囲ってますが、この「H」が木甲板の幅、「W」が木甲板の長さになります。青で囲ったところが設定している木甲板長で、黄色で囲われているのが現在選択している木甲板(図形)です。

1: H = 0.178 mm x 700倍 = 124.6mm ( 125.0mm)
W = 8.585 mm x 700倍 = 6009.5mm (6009.6mm)

2: H = 0.178 mm x 700倍 = 124.6mm ( 125.0mm)
W = 8.581 mm x 700倍 = 6006.7mm (6006.4mm)

3: H = 0.178 mm x 700倍 = 124.6mm ( 125.0mm)
W = 8.428 mm x 700倍 = 5898.9mm (5900.0mm)

4: H = 0.178 mm x 700倍 = 124.6mm ( 125.0mm)
W = 8.5 mm x 700倍 = 5950.0mm (5950.0mm)

5: H = 0.178 mm x 700倍 = 124.6mm ( 125.0mm)
W = 8.504 mm x 700倍 = 5952.8mm (5953.2mm)

如何でしょうか?
リアル 1/700と言う事がお判り頂けたでしょうか?
このプラシートを使えば、あなたの連斬大和に、既存のキットや作品、そして1/700以上の大スケールをも凌ぐ考証に忠実な木甲板を設置する事が可能になるのです。

・木甲板プラシートの使い方
1.船体
この木甲板プラシートは連斬大和を直結した状態での取付しか想定してませんので、まずは連斬大和の船体の甲板部を外した後、瞬接等で一体に付けて下さい。船体の中は補強をする事をお勧めします。特に木甲板プラシートの厚さは0.2mmしかないので、横方向の補強は必ずして下さい。

2.プラシート
木甲板プラシートの枠線に沿って甲板を切り抜いて下さい。
このプラシートの厚さは約0.2mm位なので、はさみでも簡単に切れます。船体とは合わせが必要なのである程度大きめに切ってすりあわせを行って下さい。甲板上部に構造物を接着する際は、インクジェットのコート剤まで剥がさないと接着不良となりますのでご注意下さい。

(注)
1) この木甲板プラシートにはコート剤としてクレオスの水性つや消しクリアを噴いてますが、念のためもう2〜3回噴いて頂いた方が塗膜が安定します。

2) この大和の木甲板は連斬大和用です。タミヤ、フジミ、ニチモのキットの船体とは平面形が違いますので、そのままご使用にはなれません。もし、他メーカーのキットで使用する場合は、CD-Rに入っているPhotoshopファイルより、鉄枠部のレイヤを外してご使用下さい。


・CD−Rについて
木甲板CD-R

 CD−Rには下記のデータが入っています。
・連斬戦艦大和用木甲板データ(図面忠実版)
大和木甲板(図面忠実)

 1.Photoshop形式。1600DPI。木甲板部と鉄枠部が別レイヤ (PSDフォルダに収録)
 2.Jpeg形式。1600DPI (Jpegフォルダに収録)


・連斬戦艦大和用木甲板データ(大和坂修正版)
大和木甲板(大和坂修正)

1.Photoshop形式。1600DPI。木甲板部と鉄枠部が別レイヤ (PSDフォルダに収録)
2.Jpeg形式。1600DPI (Jpegフォルダに収録)


・連斬戦艦大和用捷1号作戦時スル海 (1944/10/26)
甲板の黒塗装が部分的に剥がれた状態。
捷一号作戦時

1.Photoshop形式。1600DPI。木甲板部と汚し部、鉄枠部が別レイヤ (PSDフォルダに収録)
2.Jpeg形式。1600DPI (Jpegフォルダに収録)


・連斬戦艦大和用天1号作戦前柱島 (1945/03/28)
前甲板が一部補修状態。
天一号作戦時

1.Photoshop形式。1600DPI。木甲板部と新木甲板部と鉄枠部が別レイヤ (PSDフォルダに収録)
2.Jpeg形式。1600DPI (Jpegフォルダに収録)


・汎用木甲板(無考証)
1.Photoshop形式。1600DPI。 (PSDフォルダに収録)
2.Jpeg形式。1600DPI (Jpegフォルダに収録)

尚、データは結構大きいので、なるべくパワーのあるマシンをお使い下さい。
当方は、Pentium4/2.6GHz、Memory 2GByteですが、それでも何かの処理を行
うと10分以上かかります。

尚、これらの情報はワタ艦ウェブ及びこのブログにて今後も掲載していきます。

ウェブページ:ワタ艦
http://www.watakan.com/


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