歌詞って難しい。センスだけに頼っても、熟考して練っても、なかなか「これだ」ってものが生まれない。突然ワンフレーズ分の歌詞が降りて来て、それに囚われすぎて前後がろくに続かないなんてこともよくある。一旦良いと思った歌詞も、少し時間が経って俯瞰して見るとまったく納得いかなくなることもある。
そんなこんなで、自分の納得がいく歌詞ができても、他者に上手く伝わらなかった時点で自分の納得感は少なからず擦り減る。歌詞だけじゃなく、人間界のおおよその事象は他者ありきだ。自分さえよければ他はどうでもいいという物事にはそうそう出会えない。
人が生きるというのは、暮らしていくというのは、仕事をするというのは、歌うというのは、何かしらを他者から得たいのだ。なるべくたくさん欲しいこともあるし、なるべくきちんと欲しいこともあるが、たったひとつだけでいいこともあるし、ほんのちょっとだけでいいこともある。

歌詞は難しいのだ。それでもこういう気持ちを、ああいうイメージを、そんな風な色あいを、あの時の風景を、あなたに伝えて、あなたから何か、僕を喜ばせてくれる何らかを得たいのだ。