今日はシリア情勢についてです。結論は「米国の石油業者救済策である可能性がある」です。断定で書けるほど、情報を集めておりませんが、数字を見る限りは事実上そうなっております。シリア情勢と言うよりは、中東情勢と言うべきでしょうかね。ところが、日本にとってはこの問題はエネルギー戦略上、非常に由々しき事態なのです。ガソリン価格の高騰に限らず、電気、各種加工品も上がります。何より、本当に紛争が始まった日にはとんでもない事に成ります。

日経から。

(2013年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 米国のシェール革命は世界の原油取引を変えていく一方で、デリバティブ(金融派生商品)市場でも大きな変化を引き起こし、ひいては米国のシェールオイル生産業者の経営にも悪影響を及ぼしている。

シェールガスを集める施設から上がる炎(米ペンシルベニア州)=ロイター
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シェールガスを集める施設から上がる炎(米ペンシルベニア州)=ロイター
 米国内での原油生産拡大の立役者であるこれらの生産業者は、売り上げを確定するために生産前に売り渡す原油の割合を増やしている。そのため原油先物価格に下落圧力が加わっており、シェールオイル生産業者は重要なヘッジ契約を結ぶのが難しくなっている。

■2年半で原油生産量が3倍に

 米国のシェールオイル油田としては最大の生産量を誇るバッケン油田(ノースダコタ州)では、原油の生産量が2011年の年初に比べて3倍近くに増えている。一方、指標とされるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物を見ると、受け渡しが3年先の期先物の価格は同じ時期に大きく下落。2011年の4月と5月には1バレル105ドルを超えていた価格が、今年6月までに同81.51ドルまで下げる場面もあった。

 米国のシェールオイル生産の大半を担う独立系生産業者にとって、これはゆゆしき事態だ。大半の生産業者は、原油の販売価格を生産コストより高い水準に固定できたことを銀行などに示して採掘継続に必要な資金を融資してもらうために先物を売っているからだ。

 採算ラインとなる原油価格は生産業者により異なる(稼働中の設備の生産コストと借り入れの状況による)が、先物価格は危険水域に近づきつつあると警鐘を鳴らすアナリストもいる。

■採掘が困難になる可能性も

 テキサス州ヒューストンのエネルギー投資銀行、シモンズ・アンド・カンパニーのスティーブン・シェパード氏は「北米の原油生産の増加は、原油先渡し価格の高値が続くか否かに左右される。原油生産を増やすためには、北米の探査・生産業界としてはWTIが少なくともバレル85〜90ドルの水準にあることが必要だ」という。(後略)

WTIが85〜90ドルを死守せよ、と言うのがオバマ大統領に課せられた使命と言う事に成ります。そこで、そのWTIの推移。

WTI原油価格の推移 - 世界経済のネタ帳


オバマよ、お前は実に良くやっている、と言う実績が表れています。今中東で起こっている問題は、多分ざっくり下記の通り。
1.シリアの化学兵器問題
2.イスラエル対イラン
3.エジプトの内乱
4.トルコの内乱?

全て、実際に起こっている問題です。かつ、上記全てが中東から産出されるエネルギー問題に関連してきます。オバマ大統領が、「シリアにミサイルを撃ち込むぞ!」とのたまい、英仏が援護射撃をするが、中露に反対されてどうにもこうにも進まない。米国議会はもとより、米国民も反対である。オバマ大統領の面目が潰れている。

それで良いのです。こう言う書き方はよろしくないでしょうが、実質米国を支配しているのはオバマ大統領ではありません。軍産複合体と言われていた方々です。彼らからすれば、原油価格が1バレル85〜90ドルを超えていさえすれば良い。そして、その方法も実に簡単。
・シリアにミサイルを撃ち込む、かもしれない(化学兵器を使ったのは、実際には誰か限定できていないようです)
・イスラエルがイランに空爆をする、かもしれない(ネタニヤフ首相ならやりそう)
・エジプト政府は腐敗している、悲しみを怒りに変えて、立て国民よ!
・トルコ政府は強圧的だ、われらの怒りを結集し、叩き付けるのだ!

言うだけで良い!可能性を示すだけで良い!煽れば良い!それだけで、原油価格は実際に右肩のぼりです。目的は完璧に達成されているのです。なんとコストパフォーマンスの良い公共事業と言うか、援護射撃と言いますか。

仮に、本当に中東で紛争が勃発したとしても、米国は困りません。日本や中国が阿鼻叫喚の状態になるでしょうが、米国の知った事ではありません(実際には、ドル債の購入者がダメージを受けるので、間接的に困る訳ではありますが、そこまで頭が回っていない、とは思えないですが良く分かりません)。

そこで、日本の取るべき手はズヴァリ(爆)!まずは原発再稼働ですね。最終処分場をちゃんと決めて、福島第一原発事故の総括をしてからですが。その次がメタンハイドレートです。しかし、どうも原発に関しては、歩みが遅いですね。再稼働の話は良く聞きますが、最終処分場と事故の総括の話は、寡聞にして知りません。困りますね。

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