2005年02月12日

日教組破壊指針(1960年自民党)

 昨年の7月頃にホームページにアップしようと思ったまま忘れていました。
1960年に自民党がつくった「日教組破壊指針」を紹介します。
 組合の中心人物を異動でとばしていくというのは、この頃から既に明確な方針として打ち出されています。

 あまり一般的な本ではありませんが、『管理された教師たち 「教育正常化」を告発する』はオススメです。 栃木の「教育正常化」がテーマとなっていて日教組系の組合が解体され、日教連系の栃教協が組織されていくプロセスがよく描かれています。現在は「日の丸・君が代」問題などで、「東京が大変だ」と言われていますが、昔は「校長やるなら栃木で」「栃木天国、東京地獄」と言われてたそうです。

 現在の東京の「日の丸・君が代」問題を考えるためにもあらためて愛媛・福岡・栃木など「教育正常化」先進県のケーススタディの必要性を感じているところです。

06/11/4追記 中野利子『君が代通信』(筑摩書房/1978) でも、岐阜県の「教育正常化」のすさまじい実態が報告されています。

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『管理された教師たち 「教育正常化」を告発する』44ページより 林雅行編著/1982年/柘植書房

 一九六〇年の夏には、自民党文教対策委員会は“日教組破壊指針”を出し、直接的なせん滅作戦を開始するのである。


一、関係機関との協力体制の整備
(1)教職員を日教組から解放することこそ、真にわが国教育の正しい発展をはかる唯一の途であることの確固たる信念のもとに、有志教育委員が協力し、教育長にも脱退促進の決意を確立させる。
(2)公安当局と緊密な連絡をとり、必要ある場合の支援体制を整備しておく。
(3)信用できる学者・文化人を必要ある場合、講師団として動員できるよう準備しておく。

二、集団脱退を目途に目標地域の設定
 教職員は勇気に欠ける故、なるべく都市単位に集団脱退させることとし、都市単位に目標地域を設置する。

三、中心人物の選定と相互の連携の強化

 目標地域において校長のなかの有志、有能なる教職員を選定し、これらが常に懇談して緊密な連絡を保ちつつ、それぞれの地域において同志を発見し、拡大していく。地教委の有志も側面からこれを支援する。

四、教組尖鋭分子対策
 脱退促進対策、工作の障害となる教組尖鋭分子を目標地域から締めだすため、なるべく組合活動困難な地域に異動させる。

五、広報活動の推進について
 日教組の批判的風潮を醸成し、脱退の気運をもりあがえるために、日教組批判・脱退状況の報道を内容とする広報活動を活発化する。
 これがため、出版物の教職員自宅宛送付、学者・文化人の日教組批判講演会を開催実施する。なお、脱退者が出るたびに新聞が大々的に宣伝するように工夫する。

六、脱退教職員の後援組織の設置
 脱退教員を支持し、さらに脱退を促進するため、脱退教職員の後援会組織をつくる。

七、専従者の制限
 脱退促進を容易ならしめるため、脱退が少ないか、あるいは教組活動活溌な府県においては、専従者に対する規制措置を講ずる。

八、資金網の確立について
 日教組から脱退促進のためには、広報活動費、工作費等に相当な資金を必要とするので、各県毎に綿密な全体計画を作成することとし、その所要額に対しては文教懇談会を通じて配布する。
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 宮原誠一・丸木政臣・伊ヶ崎暁生・藤岡貞彦『資料日本現代教育史3』1974
年、三省堂には、資料21「教職員の日教組脱退促進に関する対策」35・7・− 自民党文教問題対策委員会にも載っているそうです(80〜81ページ)が、番号や仮名遣いが少し違っているようです。

 また、岩波新書の『自民党と教育政策 -教育委員会任命制から臨教審まで-』(山崎政人/1986年)でも言及されています。

P90 教育正常化攻撃と人事院勧告闘争

 自民党は六〇年夏、「教職員の日教組脱退促進に関する対策」を全国に流した。それは「教職員を日教組から解放することこそ、真にわが国教育の正しい発展をはかる唯一の途である」として、集団脱退を目途に目標地域の設定、教組尖鋭分子対策、脱退教職員の後援組織の設置、資金網の確立などをことこまかに指示している。いわゆる“教育正常化”の名による日教組攻撃だ。

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