2005年02月12日

「日の丸・君が代」と採用試験・管理職試験

 これもホームページに載せようとして忘れていたものです。
最近、見つけた沖縄タイムスの記事もあわせ、教員採用試験・管理職試験と「日の丸・君が代」についてまとめてみました。
05/3/17更新:2003年の東京都再任用の面接試験を追加。
05/3/20更新:83年の群馬県の採用試験を追加。
05/04/02更新:78年の山梨県の採用試験、2004年の東京都の再雇用取消を追加。

◆1978頃 山梨県 採用試験
 「君が代」「愛国心」について問う設問があり、山梨大教育学部学生自治会が「思想チェックにつながる」と抗議。

◆1983頃 群馬県 採用試験
 高校教員採用試験の面接で、「日の丸・君が代についてどう思うか」「君が代を生徒が歌わなかったら、どう指導するか」などの質問が数年にわたって行われる。(※1)

◆1984.8 北九州市 採用試験
  8月下旬の教員採用試験の面接で、「日の丸・君が代」に対する考え方や、職員会議で校長と教職員が対立した場合にはどう対応するかなど質問。

◆1986頃 沖縄県 管理職試験
「過去二年間、受験した教職員は日の丸・君が代に関して試験官から口頭で質問されている。日の丸・君が代が管理職になる一つの“踏み絵”になっており問題だ」と追及する組合に対し、教育庁側は「“日の丸・君が代の法的根拠を示せ”と質問した試験官はいたようだ。次回の試験からはそういうことがないようにしたい」と回答。
⇒「日の丸・君が代の質問はやらない」 県教育庁 管理職試験で確約(沖縄タイムス1987.11.20)

◆1999.8 27 広島県 採用試験  
 教員採用試験の面接で「日本の公務員として国旗・国歌を子どもたちにどう教えますか」という質問。

◆2003 各県の管理職試験
速報! 16年度向け教育管理職選考問題 面接問題(1)教育の基本法規
○国旗・国歌法をどう思いますか。
○終戦記念日に国旗の半旗をあげることになるのは知っていますか。現任校では行っていますか。
○校長から「国旗を揚げてほしい」といわれたらどうしますか。
⇒『教職研修』(教育開発研究所・7月号)よりP158。「平成15年度に実施された各県の面接問題」を集めたもの。

◆2003.11.25 東京都 再任用の面接試験
 嘱託員(定年後の教員の再任用)の面接で「10.23の実施指針を守りますか」との質問(※2)

◆2004.3.28 東京都 教員採用選考会
 指導部副参事の「教員を目指す皆さんに期待して」との話の中で、「国旗を掲揚し、国歌を斉唱するように指導することは、教育公務員に課せられた責務」などの発言。(※3)

◆2004.3.31 東京都 再雇用職員取消
「卒業式において、国歌斉唱時に国旗に向かって起立し斉唱すること等を校長から職務命令として命じられていたにもかかわらず、起立しないなど職務命令に違反した」として171名に戒告処分。このうち、再雇用職員採用選考(新規)合格者3名については、懲戒処分と併せ、合格を取り消し。既に再雇用職員であった者5名については、来年度の再雇用職員採用選考(更新)の合格を取り消し。(※4)


----------------------------------------------------------------
 以上、福岡 「日の丸・君が代」処分史にも掲載している。
http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/fuku2.htm

※1:山梨・群馬のケースは、大賀美弥子・田上正子・竹見智恵子『こっき・こっか考』(径書房/1993年)P183による。山梨は朝日新聞78年11月5日に、群馬は毎日新聞85年9月5日に記事があるようだ。

※2:『白地に赤く』(汐文社)P80より引用。
 この時期、教員採用の面接試験で、日の丸と君が代についての質問も多かった。県高校教職員組合の調べだと、八三年と八四年には試験を受けた学生の八五%が聞かれている。思想チェックの意味合いが強かった。

※3:以下、『良心的「日の丸・君が代」拒否』(明石書店)P165より引用。
 私自身の再雇用の面接試験(一一月二五日)で「10.23の実施指針を守りますか」と質問されたりしているのですから。この質問は、校長からの情報によりあらかじめ特定の人物に用意されたものと思われますが、そのときは内心で「そこまでやるか」と辟易して聞き返したものです。文章でしっかりと用意されていて、まったく同じ質問が繰り返されました。

※4:平成17年度教員採用選考説明会
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/jinji/17setsumeikai/

教員を目指す皆さんに期待して  東京都教育庁指導部副参事 吉本 恒幸
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/buka/jinji/17setsumeikai/setsumei-2.htm
 ではいろいろ本論としまして、東京都の学校教育の課題について何点かお話をいたします。第一点目は、教育課程の適正な管理と実施ということです。皆さんが希望する公立学校は、公教育といわれます。都民、区民、市民、あるいは町民から、委託された公教育は、法令や学習指導要領などに基づいて、教育課程を実施しなければなりません。

 ところで昨今、マスコミに東京都教育委員会や都立高等学校等についてのことが報じられております。卒業式の実施に当たりまして、国歌斉唱で起立しない教員がいるとか、あるいは教職員を処分などというようなマスコミの見出しが目を引きます。

 入学式や卒業式というのは、学習指導要領にある特別活動において、儀式的行事として、明確に位置付けられています。そこでは、「国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導するものとする」と明記されております。儀式的行事は教育活動です。入学式は子どもたちに対する最初の授業であり、卒業式は最後の授業です。そこで国旗を掲揚し、国歌を斉唱するように指導することは、教育公務員に課せられた責務です。

 国旗国歌の指導は、自国や外国の国旗国歌を尊重するという態度そのものを養うことを目的としています。子どもに範を示すべき立場の教師が、そうした態度を取れないとすれば、教員として不適切と言わざるを得ません。教員には、もちろん思想信条の自由はあります。しかし、それは内心にとどまる限り保障されるもので、外部的行為となって表れる場合は制約があるということは、最高裁の判例等でも明らかになっております。教員になれば、何を語ってもいい、何をしてもいいというものではありません。公務員として仕事をすることを甘く考えてはいけません。

 また、本年度、東京都教育委員会は性教育の適正化にも力を注ぎました。一部の学校で、小学校低学年の子どもたちに、性器の名称を教えたり、性交の仕方を示した教材を使って指導するというような実践などがありました。性教育は、とても大切なものです。しかし、学校全体の指導計画に基づく、組織的、計画的な指導であること、子どもたちの発達段階を踏まえたものであること、保護者などの理解があることなどの条件を満たすことが必要です。子どもへの思いはとても貴重です。しかし、公立学校は公教育としての性質を持つものでありまして、教師の一方的、恣意(しい)的な指導は、決して許されるものではありません。

 そこで東京都教育委員会は、今年度、週ごとの指導計画の作成(週案の作成)と、校長へのその提出を各学校に通知しました。学校の責任者である校長が、自分の学校の教育活動をきちんと把握して、適正に管理するためです。このことによって、都民、区民、市民、町民の方々からの学校への信頼回復が十分なされるものと確信をしております。

※5:【プレス発表資料】都教委の「君が代」不起立処分 

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 「日の丸・君が代」と採用試験  [ たにも on the web ]   2006年07月03日 21:46
友達が東京都の教員採用試験の面接で「起立して君が代を歌ってください」と言われたことは以前書きましたが、こんな記事をみつけました。 次回から、教育基本法改正シリーズを予定しています。

この記事へのコメント

1. Posted by たけし   2005年03月21日 23:26
日の丸、君が代に法的根拠が無い!と騒いでいたから、「国旗国家法」が出来たんじゃないの?
それが不当だと言うなら、裁判しなよ!息の掛かった「東京地裁」なら勝てるかも知れないからさ!