2007年04月06日

卒業式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明(被処分者の会)

卒業式における「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明

 3月29日、東京都教育委員会(都教委)は臨時会を開催し、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏などを理由に35名にのぼる大量の教職員の懲戒処分を決定し、本日3月30日、該当者に対する処分発令を強行した(内訳:義務制:停職6月1名、戒告1名。障害児学校:停職3月1名、停職1月1名、減給10分の1・1月1名、戒告2名。高校:減給10分の1・3月1名、減給10分の1・1月10名、戒告17名。計35名)。03年10.23通達以来、今日までの延べ346名という前代未聞の大量処分(別紙資料参照)に続く本日の不当な処分の強行は、職務命令を根拠に処分を振りかざして、教職員・生徒に「日の丸・君が代」を強制する都教委の教育破壊の暴挙に他ならない。私たちは、この暴挙に満身の怒りを込めて抗議し、不当処分の撤回を求めるものである。



 該当者のうち18名は、都教委の「事情聴取」に際して、弁護士立会いを要求したにも拘わらず、都教委は「教育委員会の裁量」という理由でこれを拒否し、「事情聴取」も行わないまま処分を発令した。都教委が、卒業式終了後僅か1週間という短期間で十分な「調査」も行わず、処分発令を急いだのは、入学式を目前にした「見せしめ・恫喝」であると言わざるを得ない。

 今回の処分は、2003年10・23通達とそれに基づく校長の職務命令は、「思想及び良心の自由」(憲法19条)を侵害し、「教育の不当な支配」(改定前教育基本法第10条)にあたるとして、「重大かつ明白な瑕疵がある」ので、「『君が代』の起立・斉唱、ピアノ伴奏の義務なし」「いかなる処分もしてはならない」と判じた2006年9月21日の東京地裁民事36部の判決(予防訴訟判決)に真向から反する許し難いものである。

 しかし、東京都教育委員会は、9・21判決を全く無視して、「職務命令」を出すよう今まで以上に強く各校長を指導し、全ての都立学校の卒業式で例外なく各校長が「職務命令」を出し続けている。たとえ高等裁判所に控訴しているとはいえ、司法の判断があるならば、10・23通達に基づくこれまでの教育行政を改めるのが「法治国家」での教育行政の当然のあり方である。

 一方で、2007年2月9日、東京「日の丸・君が代」処分取消訴訟原告団(都立学校教職員173名)は、03年度周年行事・04年3月卒業式・4月入学式の処分取消を求めて東京地裁に提訴した。また、05年3月卒業式・4月入学式の処分取消を求める東京都人事委員会審理は未だ継続中であり、しかも06年3月卒業式・4月入学式の処分取消を求める人事委員会審理に至っては未だ審理すら行われていない。かくして、都教委は、裁判の進行はもとより、公務員の身分の救済制度として存在する人事委員会制度上の手続き・進行をも一切無視して10.23通達以来重ねての処分を乱発し、ひたすら大量処分の「実績」作りに狂奔しているのである。

 今回の卒業式で処分された該当者の大半は、被処分者の会弁護団(尾山宏弁護団長)を代理人として、来る4月27日に東京都人事委員会に不服審査請求を行い、不当処分取消・撤回を求めて最後まで闘い抜く決意である。

 今や学校現場は、10・23通達や2006年4月13日の「教職員の意向を挙手等で確認するような学校運営は許されない」という「学校運営の適正化について」の「通知」などで、がんじがらめにされ、多くの教職員が「物も言えない」雰囲気が蔓延しようとしている。しかし、「最後の授業」たる卒業式を「強制」と「処分」の場へと落とし込める都教委の非常識な暴圧に対して生徒・保護者・市民の批判が広がり、教員として「譲れない思い」を貫いた私たちの行動にも多くの支援・激励が寄せられている。

 私たちは、都教委の「暴走」にストップをかけ、自由で民主的な教育を学校現場に甦らせ、生徒が主人公の卒業式・入学式を取り戻すため、生徒・保護者・市民と共に手を携え、「日の丸・君が代」強制に反対し、都教委の暴圧に屈せず、不当処分撤回まで闘い抜くものである。何よりもこの国を「戦争をする国」にさせず、「教え子を再び戦場に送らない」ために!

2007年3月30日
「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
 共同代表 清川 久基(前足立西高校) 星野 直之(前保谷高校)
連絡先:事務局長 近藤 徹(葛西南高校)携帯:090-5327-8318
e-mail:qq947sh9@vanilla.ocn.ne.jp  
弁護団事務局:加藤 文也弁護士(東京中央法律事務所 電話:03-3353-1911
fax:03-3353-3420) 

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