20150426日、我らが20世紀FOXから吹き替えの帝王シリーズ第8弾が発売された。その名も、「コマンドー ディレクターズ・カット<製作30周年記念日本語吹替新録版>」である!

コマンドー ディレクターズ・カット(製作30周年記念日本語吹替新録版)スチールブック仕様(完全数量限定生産) [Blu-ray]
アーノルド・シュワルツェネッガー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2015-04-24



 

恥ずかしながらAmazonでの予約を忘れていた私は、とりあえず何とか入手せねばと渋谷TOWER RECORDにて購入。すると、レジのお姉さんから「こちら特典の引換券になります」と一枚の紙を渡される。ははぁ、タワレコのボールペンでも貰えるのかなと引換所に行くと、ここでまた一枚の紙を渡される。紙が紙になるとはこれいかに……と思い目をやると

 

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……マジで?

 

…………マジで!?

 

これは、そんなこんなで幸運にも参加できることとなったイベントのレポートである。

 

※イベント内容や登壇者の発言については手元のメモを元にしており、一部の言葉尻などに多少の差異が見られるかもしれない点をご了承いただきます

 

18:002015年だというのに「We fight for love」が店内BGMとして流れる異様な空気の中、MCのてらさわホーク氏が登場。「コマンドー」とプリントされた、極めて潔い出で立ちである。

「今回ので、たぶん皆さんもコマンドー3つ目ぐらいになったかと思うんですけども。……ねぇ、今回のデザイン、表裏で頭おかしいでしょコレ」

 

そうこうしているうちに玄田哲章氏登場。

 

「今回の新録版、まだ見てないんですよ。僕が録音してる隣でダビング作業をしてて、そこで車のシーンをちょっと見せてもらっただけですね。シンディー役の子とは別録りだったので」

 

製作時の裏話や、シュワルツェネッガーを吹き替えてきた来歴についての話も飛び出す。

「コマンドーあたりからはずっとシュワルツェネッガーの吹き替えを担当するようになりましたが、その前はスタローンをやってたんですよ。その前からも、アニメなんかでもいわゆる筋肉質系の役が多かったなぁ」

 

「実際にシュワルツェネッガーに会ったことは?」とのてらさわ氏の質問には、

「その昔、何かの映画祭でシックス・デイが上映されてシュワルツェネッガーが挨拶に出るというので行きましたね。一般の方と一緒に並んで(笑)。それで遠巻きに会いました」

 

25年、30年経ってまた吹き替えを録るとはやっぱりおかしいですよね」とてらさわ氏。玄田氏は25年経って同じメンバーでまた仕事ができるなんてそうそうない、これは嬉しいこと」と言い、また「確かに面白い作品だけれども、最初は何がウケてるのかよくわからなかった。まぁコマンドーは、シュワルツェネッガーがスタローンに並んできた、丁度その頃の作品という感じですかね」

「『コブラ』に対抗して『ゴリラ』!みたいな(笑)」

「あっ、ゴリラ知ってんの?」

「もちろんですよ、名作ですから!」

ここから、ゴリラ2ではパッケージには大きくシュワが映っているのに序盤であっという間にいなくなる、などの脳筋洋画ファンならではのマニアックなトークに一時脱線。

 

話がシュワルツェネッガーの吹き替えをやるようになった頃のことに戻ると、

「シュワルツェネッガーを担当するようになった理由は正直よくわからない。僕たちは頼まれたものをやる仕事なので。それがまさか、コナン・ザ・グレートからこんな付き合いになるとは思わなかった」

と語り、また最近のシュワルツェネッガーの動向については

「彼が知事になって、それが彼のキャリアだと思ってたから、まさかそこから映画界にアイルビーバックしてくるなんて思ってなかったですね。下手をしたら過去の、今までの俳優としての名声まで潰しかねないことなのに、やっぱりそこは考えに考え抜いてのことだったろうと思うし、またそれを受けて自分も頑張らないとなぁ、と思えましたね」

 

今回の新録の内容について、てらさわ氏とのやりとりでは

「ディアズに発砲する『OK!』が25年前よりテンション上がってましたよね?何と言うか、台詞が完全に自分のものになったというか」

「そうでした?」

「はい、昨日見て、というか聞いてて。画面は見なくても、もうどのシーンでどの台詞がくるかっていうのは全部覚えちゃってるので」

「えっ、そんなに覚えてるもんなの?」

「ここにいる人たちみんなそうだと思いますよ?人生狂わされてますからね」

と会場中から共感を呼んだ。

 

また、てらさわ氏からの声優の仕事への質問が出る。

「画面の中のシュワルツェネッガーは当然若いけれど、今回の新録版が、円熟味だけが増して声が若いままだと思いまして。小学生の頃聞いたときのままなんですよ。その秘訣みたいなものは?」

「『気にしない』ことかなぁ。当然僕も歳を取るし声も変わるし。でも、集中して映画の中に入っていけば、『役』の人生に入っていけばそれでいいかなって。だから、あまりそのへんは気にしないようにしてますね。これからも、その『役』の等身大の、深みがある演技をしておしていければと思います……シュワルツェネッガーも映画にかける情熱は凄いんだけど、本人は私生活だらしないからねぇ(笑)」

 

そしてイベント終盤、てらさわ氏の発案で、玄田氏によるコマンドー名台詞をいただけることに。


「お前は最後に殺すと約束したな?……あれは、嘘だ」

今までよりも溜めを意識したかのような演技に喝采が飛ぶ。

さらにもう一つ、


「来いよベネット!銃なんか捨てて、かかってこい!」

生で聴いているせいもあるのだろうが、旧版・新録版を通じて最も迫力のある「来いよベネット!」であった。

 

最後に、筋肉式修理にも言及が。

「サリーの黄色い車、あれ今ならCGで何とかしちゃうんだろうけど当時はそんなものもないし、ひっくり返すだけで直っちゃうんだから凄いよね。CGもない中でこんな映画を作っちゃうんだもんね」

 

そして参加者一人一人と握手を交わし、サインを渡してイベントは無事終了となった。

途中、数少ない女性参加者(美人)が「何でこんなに女の人少ないの?おかしくない?」とボヤいていたが、貴女のように脳内肉密度の高い女性が増えていくことを我々としても祈念している。オシャレ気取り駄目映画を一緒に打倒していこう。君たちの布教に多くがかかっているぞ!

 

 

オマケでベネットメモ帳もいただきました。

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 ゲイくさい鎖帷子衣装に、幸運のネックレスまで再現!

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明らかに文字を書けるスペースが狭く、メモとしての実用性を放棄している点に極めて好感が持てる。
 

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サインいただきました。家宝が増えました。 

 
 

ターミネーターの新作をはじめ、シュワルツェネッガーは映画界復帰以降精力的に活動中である。これはつまり、それだけ玄田氏によるシュワ吹き替えが生まれていくということに他ならない。

特に初期のシュワルツェネッガーは演技力に難があると専らの評判だったが、我々日本人は玄田氏の吹き替えにより二倍三倍に実力がブーストされたシュワを見られるのである。これは大変な幸運と言っていいのではないだろうか。

 

シュワルツェネッガー作品をはじめとしたアクション洋画が、そして玄田哲章氏をはじめとした魅力的な吹き替えが、これからも生まれていくことを心から期待している。