34歳の勇気〈山本由佳〉

私は現在妊娠四ヶ月半のマンガ喫茶でアルバイトをしている主婦です。
こないだ賞味期限が二十日過ぎた信玄餅を勇気をだして食べてみました。
夫の部屋の掃除をしていたら忘れられていた信玄餅がひょっこり出てきたのです。
今までの経験でお土産用のお菓子などは賞味期限を一週間くらい過ぎても
物によっては全く大丈夫だとわかっていたのですが、
さすがに二十日間というのはだいぶ日にちが過ぎているので
食べる前に原材料などをみて腐りそうなものをチェックしました。
餅米、砂糖、水飴等が主な材料です。
上にかけるくろ蜜と黄な粉はそうそう腐りそうにないので心配ないのですが
餅はカビたりするからちょっと心配でした。

夫は腐ってるかな？とか言いながら先に一口かじってしまいました。
それを見て私も勇気を出して少しかじりました。
餅が固くなってるだけで腐ってる感じはなくて
大丈夫そうだったので全部食べました。

でもすぐに食中毒の不安に駆られました。
もし腐ってたらお腹の赤ちゃんは大丈夫か？どうしよう？と
一瞬おもったのですが、その後なんともなく消化されてよかったです。

勇気を出して食べてよかったです。

32歳の押入れ〈坊薗初菜〉

坊薗初菜です。
 

私は片付けが好きです。

好きが高じて、

個人宅にいってお掃除をするお手伝いさんや

引っ越し屋さんの解梱をするアルバイトをしてきました。

今では友人に頼まれて家の整理をしにいったり。

頼まれもしないのに友人の部屋の片付けをしたり、

とうとう、先日は友人の実家の片付けに呼ばれたり。

最初からそうであったわけではありません。

もともとは俗にいう『片付けられない女』の部類に

入っていたと思われるくらい片付けられませんでした。

数年前、

ゴミが山盛りになっている状態を

呆然と眺めていたとき、

突然、

目の前にあるものをひとつひとつ手にとり、

行き先を決めれば、

そのものは目の前からなくなり、

それが片付けるということなんだ！

という法則にきづいたのです。

それは激的に意識が変動した瞬間で、

自然と涙があふれたのを覚えています。

その描写は完全に嘘ですが、

とにかく、そんな感じの意識のめばえによって、

勢いを得た私は

汚れては片付けてをくり返すことで

スキルをアップさせていきました。

現在、断捨離が流行っていますが、

その流行にも勿論のって、本を読み

スキルを向上させている最中です。

あの断捨離の方の片付けっぷりは見事で

まだ私はほど遠いです。

あの人の押し入れとかすかすかだもんだな。

現在の私の押し入れ

すかすかとはいえませんが、

数日前に配置がえをし、

現時点ではベストな状態で、

とても使い易い押し入れとなりました。

人様がみたら、

なんてない普通の押し入れだ
というのも承知ですが、

私はこの押し入れを眺め、
のぞきこんでは 

現時点での完璧さに悦に入り、

にやにやしているのです。

その気持ちわるさをお伝えしたいと思い、

キーボードをたたいた次第です。

今回は決して、

片付けるのがいいというのを

おすすめしているわけではありません。

伝わらずともこの押し入れの
良さを純粋にみてほしかったのです。
 

見ていただいてありがとうございました。

坊薗初菜

３３歳の銀座通い（江川）

今年から７ヶ月ぶりに働きだしたのですが、
勤務先が銀座なので出勤がとにかく嬉しくてたまりません。

人も車もいない静かで、
眠りから覚めるようで覚めない朝の銀座は外国のようです。

みゆき通りを信号無視して渡るとちょっぴり優越感が。
だから毎日繰り返し信号無視をしてしまう。
たぶん私だけなんでしょうが。

ジミー・チュウのウインドウをジロジロ眺めた後に、
おじさましかいらっしゃらない小諸そばで
３５０円のかきあげ蕎麦を食べたりなんてことも
できてしまう昼の銀座も最高です。

太陽の光を浴びながら、空いたお腹を丁寧に選び抜いたもので満たし、
銀座をあてもなく散歩する。 

昨年の非日常ライフっぷりを考えると、とても健康的な気がします。 

恥ずかしながら、なんで７ヶ月もダラダラしてしまったかというと、
我が家はスポーツは生放送で見る主義で動いているので、
チャンピオンズリーグ（サッカー）、ジロ・デ・イタリア（自転車ロードレース）、
ワールドカップ（サッカー）、ツール・ド・フランス（自転車ロードレース）
と夢のような大きな大会が盛りだくさんの
５月～７月の昼夜逆転スケジュールがすでに決まっておりました。

全部観たいけど身体が・・・仕事が・・・と悩んでいたら 

それ乗り越えられると思う？
いろいろ会社でもあるみたいだし、辞めちゃえば？
一緒に見ようよー。私も仕事辞めたよーという母の雰囲気にも押され、

会社を辞めて、サッカーと自転車ロードレース漬けの日々を送ったことが始まりです。

この就職難により失業保険の期間が延長された事、
９月と１０月にどんな理由を使ってでも見たかった
オペラとライブがいくつかあり、
下手な時期に入社してしまうと休めないなんてことに
やきもきするくらいなら働かなきゃいいじゃんという思考になり、

あいかわらずJリーグ、欧州サッカー、自転車ロードレースのスケジュールをこなし、
昨年から新たに趣味に加わった、
インド古典音楽とインディープロレスを観に夜な夜な出かけていたため 

すっかり朝６時に寝て、昼過ぎに起床という大好きな生活パターンにとっぷりはまりこんでしまっていたのでした。

ほかにも高田漣さんにウクレレを習いにいく、
坊薗さんたちと映画を作り、編集する、
PDFミニコミ『sorame』を作る

なんてことをしてたら・・・・

あっという間に年末だったわけです。
気が付いたらMXテレビの「おママ歌合戦」でマツコとミッツと年越ししていたわけです。

書いてたらぼんやりしてきました。
もう書くのは辞めて、寝よう・・・
明日も銀座の路地を散歩しに行かないといけないのだし。

〈インド古典音楽への誘い〉
シブクマール・シャルマさんのサントゥールの素晴らしい演奏をどうぞ。
７０歳超えてるとは思えない若々しさはどこからきているのか・・・