アメナクシテニジハナシ

一般内科,感染症,HIV,救急などの医学領域と個人的な趣味について

2011年04月

第85回 日本感染症学会 総会・学術講演

4月21,22日に第85回 日本感染症学会 総会・学術講演がザ・プリンス パークタワー東京で行われました.
22日にポスター発表を行ってきました.足を止めてご覧になってくださった皆様ありがとうございました.

とある本に「ポスター全体の縮小コピーを配布する発表者が増えている」と書かれていたので,準備して持って行きました.ポスターの下に画鋲で封筒をはり付けておいて,そのなかに縮小コピーを入れておきました.デジカメの時代に,そんなに持って行く人はいないだろうと20枚しか用意しなかったのですが,シンポジウムを聴いて戻ってきたら,すべてなくなっており,とても驚きました.追加で準備をしようとも考えましたが,近くにコンビニもなさそうだったので,断念.もっと準備しておけばよかったと少し後悔しました.

周囲を見渡しても,同様のことをしている方は見かけませんでしたが,これはオススメの方法です.確かに自分が他のポスターを見に行ったときに,同様の資料があれば,手に取るでしょうし,発表者の方々の多くがそうしてくだされば,それを集めて持って帰れば,それだけでもかなりの情報量です.また資料にメールアドレスを記載しておけば,その後の情報交換の場にも発展しそうです.

赤痢アメーバ抗体

赤痢アメーバ抗体にIgM,IgGの2種類あるのですが,どのように使い分けたらいいでしょうか?
という質問を以前受けたことがありました.
自分は「アメーバ抗体」というオーダーしか出したことがなく,IgG,IgMと分けて測定したことがなかったため調べてみました.

まずアメーバ抗体(おそらくIgM,IgG,IgAなどすべてを含んだもの)の特徴をおさらいしておくと…
・急性期には偽陰性となりうる.
・時間がたてば(2週間ほど)ほとんどのすべて症例で陽性となる.
・病原性赤痢アメーバであるE. histolyticaのみで陽性となる.
といった特徴がありました.
さらに捕捉すると,肝膿瘍は腸管感染以上に感度が高いと言われています.これはMandellにも記載があります.

一方で一般的にアメーバ抗体(おそらくIgM,IgG,IgAなどすべてを含んだもの)が陽性であった場合,それでかつての感染か現在の感染かの区別はできないとされています.

UpToDateによると赤痢アメーバが地域的に広がっている発展途上国では,10~35%の非感染者のアメーバ抗体が陽性とされています(無症状のまま罹患し治癒している可能性).
また後述の文献ではリアルタイムPCRでアメーバの感染を確認した無症候のひとたちの82.6%が抗体陽性であったとされています.
またアメーバの腸管感染は無症状から慢性経過をとるものまで様々であるため,感染から発症までのタイミングの判断が難しく,肝膿瘍も地域流行性のある地域から帰国して何年も経過してから発症することもあり,さらにややこしいです.

以上のこと前提で,

Clin Microbiol Rev. 2007 Jul;20(3):511-32, table of contents.
Laboratory diagnostic techniques for Entamoeba species.
PMID: 17630338
Free Article
によると,

Detection of antibodies using the IFA test was shown to be rapid, reliable, and reproducible and helps to differentiate ALA from other nonamebic etiologies (56). In addition to this, IFA tests have been shown to differentiate between past (treated) and present disease (56). A study conducted by Jackson et al. (92) indicated that monitoring of immunoglobulin M (IgM) levels using the IFA can be of clinical value in cases of invasive amebiasis. The IgM levels become negative in a short period of time after infection, with more than half of the subjects having negative results at 6 months or 100% becoming negative by 46 weeks after treatment. In ALA the sensitivity of the IFA is reported to be 93.6%, with a specificity of 96.7%, making it more sensitive than the ELISA (165).
とあります.ALAはアメーバ肝膿瘍のこと.

また同じ文献で,ELISA法の箇所での記載ですが,
Serum IgG antibodies persist for years after E. histolytica infection, whereas the presence of IgM antibodies is shortlived and can be detected during the present or current infection.
とあります.

(92)の文献は手に入らず,pub-medのAbstractの記載しかわかりませんが,
In a pilot study in which sera from 56 patients with suspected invasive amoebiasis were tested the IgM was positive in 40% of confirmed intestinal and 83% of confirmed hepatic cases, the IgG and AGD were positive in all confirmed cases.
とあります.腸管感染では40%とかなり感度が低く,検査したタイミングもわかりませんが….

つまりまとめると,

・IFA法によるアメーバ抗体では,原則IgMは現在の感染を,IgGは過去の感染を表す.
・IgMは治療後半年で半分の症例が,1年ですべての症例が陰性化する.
・IgGは数年の単位で陽性が続く.
・腸管感染症のIgMの感度は40%,肝膿瘍のIgMの感度は83%(検査のタイミングは不明).

ということになります.

アメーバが感染した後のIgGとIgMの具体的な上昇の時期などについては調べてもわかりませんでした.
日本では流行性の低さから,IgGとIgMを分けて測定しなくても,アメーバ抗体陽性で,症状・所見があれば,アメーバ腸炎あるいは肝膿瘍の可能性を高く見積もっても問題ないかと思います。ただしアメーバの治療歴があったり,発展途上国から来た方であれば,アメーバ抗体の特異性の低さには注意すべきです(アメーバ以外に他の原因も考えるべき).といってもフラジール10日間で治療できてしまい,治療効果も極めて良好なことが多いので(肝膿瘍の場合,画像だけはしばらく残りますが),治療してみて反応をみてみるというのがひとつの選択肢だと自分は考えています.

Pylephlebitis ご存知ですか?

・不明熱を診ているとき
・持続的な菌血症の患者を診ているとき
・抗菌薬投与下でのbreak throughの際
などには血流感染症を疑います.

とくに不明熱の際には(しっかりと患者さんを診ていることが前提ですが),逆に不明熱になりやすい疾患を考えることが有用で,ということは局所徴候が出にくいわけですから,感染症で言えば,深部膿瘍や全身性感染症(結核,梅毒,ウイルス感染症,そして血流感染症)になると思います.

不明熱と言えば,感染性心内膜炎は有名ですね.これも血流感染症です.他に血流感染としては,カテーテル関連血流感染症や化膿性静脈血栓症があります.化膿性静脈血栓症の仲間に,化膿性門脈血栓症(Pylephlebitis:a suppurative thrombophlebitis of the portal vein)があります.

そこでPylephlebitisについて調べてみました.
まず1995年のCIDに総説があるのですが,電子ジャーナルでは読むことができません…残念.
以下にcase recordやletterに記載のあった内容をまとめます.

World J Gastroenterol. 2005 Jan 28;11(4):614-5.
Unrecognized pylephlebitis causing life-threatening septic shock: a case report.
PMID: 15641159

・ 門脈に流入する血管に支配される消化管やその周辺臓器(例えば胆道)からの敗血症に続いて起こる二次的な現象.
・ 憩室炎,炎症性腸疾患,虫垂炎,腸閉塞,感染性膵壊死,胃潰瘍,胆道系の敗血症がpylephlebitisの原因として有名.Sigmoidoscopy後に起こった報告もあり.
・ 1976年以降(antibiotic era)の症例報告をまとめた総説(上記CIDの総説)では,68%が憩室炎(?),32%が原因不明.
・ 大腸菌,クレブシエラのような腸内細菌やバクテロイデスのような嫌気性菌がたいてい血液から培養される.polymicrobialな培養が特徴的.
・ 適切な抗菌薬投与とprimary septic sourceの切除あるいはドレナージが治療.
・ 抗凝固療法はたいてい行われるが(?),生存率における有益性は証明されていない.
・ 合併症は腸管梗塞,肝膿瘍,門脈圧亢進.

World J Gastroenterol. 2008 Jul 28;14(28):4580-2.
Septic thrombophlebitis of the porto-mesenteric veins as a complication of acute appendicitis.
PMID: 18680244

・ 憩室炎(最多),虫垂炎,炎症性腸疾患,化膿性膵炎,胆管炎,消化管穿孔,骨盤内感染に合併して起きる.
・ 臨床的な特徴に乏しく,頻度も低いため診断が遅れがち.
・ 初発症状は高熱,悪寒,倦怠感,右上腹部痛と非特異的.
・ 敗血症のprimary sourceの局所の徴候が存在するのは30%だけ.
・ 白血球上昇や軽度の肝機能上昇など検査結果もたいてい非特異的であるが,多発する肝膿瘍がなければ黄疸はまれ.
・ 菌血症があるのは半分という報告もあれば,80%に及ぶという報告もあり.
・ 大腸菌,バクテロイデス,プロテウス,クレブシエラ,エンテロバクターが起炎菌として多い.
・ CTが最も信頼性のある検査.
・ カラー血流ドップラーを用いた超音波検査も感度のよい検査.
・ 治療の原則は感染源の除去と適切な抗菌薬使用.
・ Fogartyカテーテルを用いた外科的な血栓除去の報告もあるが,ほとんどの報告では抗菌薬と抗凝固薬を使用している.
・ 最低4週間の抗菌薬治療がたいてい推奨される.肝膿瘍のある場合は最低6週間.
・ 抗凝固薬の効果はcontroversial.
・ 早期に抗凝固薬を使ったほうが門脈系の再開通が有意に高いという報告あり.
・ 抗凝固薬を使うと20%に合併症が起きる.門脈だけに血栓があるときには必ずしも必要ではない.腸管虚血を防ぐためにSMVまたはIMVに血栓があれば使うべき.という報告もあり.

Am J Gastroenterol. 2001 Apr;96(4):1312-3.
Pylephlebitis--diagnosis and management.
PMID: 11316205

・ 門脈系に流入する領域や門脈に隣接した臓器の感染から二次性に起きるのが普通.
・ また悪性腫瘍や凝固因子異常に伴う過凝固状態も誘因となるかもしれない.
・ 治療には抗菌薬と敗血症のフォーカスのeradicationがベスト.
・ 著者たちは不明熱として扱われた8例のpylephlebitisを紹介.
・ pylephlebitisの原因となるフォーカスを示唆するような腹腔内の炎症過程がはっきりしないものがほとんどだった.
・ むしろ肝硬変や悪性腫瘍などの過凝固状態が門脈血栓を引き起こし,それが二次感染しているものが多かった(何故わかる?).
・ このことはpylephlebitisの発症形式が変化していることを反映しているかもしれない.
・ (超音波、CT以外にも)MRIは急性の血栓か慢性の血栓かを区別するのに役立つ.
・ broad spectrumの抗菌薬治療が主.
・ 抗凝固薬の役割はcontroversial.
・ 過凝固状態,腸間膜静脈閉塞,診断時よりも血栓が進行している場合,抗菌薬に不応の持続する発熱,腸管虚血による腸管切除後が抗凝固薬の適応.
・ 静脈瘤からの出血を合併する急性門脈圧亢進症のような悲劇的な血管合併症への進展は珍しい.

抗菌薬選択の内容については文献がみつかりませんでした.
以下はUptoDateの内容.
・ pylephlebitisのエンピリックな抗菌薬選択は感染源とその感染源に頻度の高い微生物による.
・ しばしばGNRと嫌気性菌(とくにB. fragilis)によるpolymicrobial.
・ pylephlebitisの頻度が低いため,エンピリックな治療を評価したRCTはない.
・ 培養結果が手に入るまではbroad spectrum.(下記が例…)
・ MNZ + ( CTRX or CTX or CPFX or LVFX)
・ PIPC/TAZ or ABPC/SBT
・ IPM/CS or MEPM
・ 治療期間は最低4~6週間.臨床的に効果が認められるまでは経静脈的に投与.たいていは2~3週間.
・ 残りの抗菌薬投与は経口で.キノロンとメトロニダゾールなど.

ということでpylephlebitisの標準治療というのはあまりないようで,上記のようにGNRと嫌気性菌カバーということになります.
CLDMでバクテロイデスは大丈夫?抗凝固薬は?という検討は必要かもしれません.

UCSFの医学部のホームページに1ページにまとまったPDF fileがあります.
アドレスは下記.
http://medicine.ucsf.edu/education/resed/Chiefs_cover_sheets/pylephlebitis.pdf

次のWebサイトも参考になります.
『急性腹症のCT演習問題』
http://www.qqct.jp/seminar_answer.php?id=513

Achromobacterについて

あまり聞きなれない菌ですが,がん患者さんではときどきみられることがあります.

Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious Diseases

A. xylosoxidansによる臨床的疾病において分離菌が検出されるのは,血液,腹水,胸水,尿,呼吸器分泌物,そして創部滲出物である.
・菌血症は,多くの場合血管内カテーテル関連であるが,最もよく報告される感染症であり,担がん患者のおいてしばしばpolymicrobialである.
・胆道系の敗血症,髄膜炎(ときどきリンパ球優位の脳脊髄液),肺炎(院内と市中で発症),腹膜炎(特発性細菌性腹膜炎やCAPD患者の腹膜炎),尿路感染,結膜炎,骨髄炎,人工膝関節感染症,そして人工弁の心内膜炎が報告されている.
・患者はしばしば,がんやHIV感染症のような免疫不全状態であるが,いつもそうとは限らない(とくに院内のアウトブレイクにおいては).

Cancer. 2004 Nov 1;101(9):2134-40.
Bacteremia caused by Achromobacter and Alcaligenes species in 46 patients with cancer (1989-2003).
PMID: 15389476

背景:AchromobacterAlcaligenesは免疫不全患者を侵す新興のグラム陰性菌である.著者たちは,担がん患者における,これらの微生物による血流感染症の発生と特徴を決定しようと試みた.
方法:1989年12月26日~2003年7月27日に記録されたAchromobacterAlcaligenesの血行性感染を,後ろ向きに研究した.
結果:46患者52エピソードがあった;31患者(67%)に血液悪性腫瘍,24患者(52%)に好中球減少(< 500 cells/μL)があった.糖尿病は12患者(26%)にあり,高容量のステロイドは12患者(26%)に投与されていた.52エピソード中17エピソード(33%)が院内起源で,10患者(22%)が敗血症であった.Achromobacter xylosoxidansが最も頻度の高い起炎菌で(47/52エピソード[94%]),Ach. denitrificans(2/52エピソード[4%]),Alcaligenes faecalis(1/52エピソード[2%])が続いた.27エピソード(52%)がpolymicrobialで,3患者(7%)は真菌血症を合併していた.血管内カテーテル感染は52症例中13症例(25%)に存在し,肺炎は52症例中6症例(12%),尿路感染は52症例中5症例(10%)であった.ほとんどの分離菌がin vitroでカルバペネム抗緑膿菌ペニシリンST合剤に感受性であった.シプロフロキサシン,レボフロキサシン,アミノグリコシド,モノバクタムへの耐性は共通していた.7死亡例(15%)はAchromobacter sp.そのものによるものであった.敗血症,多臓器不全(APACHEⅡ score > 16),人工呼吸器と陽圧換気の使用が,死亡例において有意に発生率が高かった(P < 0.001).ロジスティック回帰解析では敗血症とAPACHEⅡスコア高値が30日以内の死亡率の上昇の予測因子であることがわかった.
結論:この非発酵グラム陰性菌のグループによる感染症のほとんどがAch. xylosoxidansによるものであり,院内感染は1/3のみであった.敗血症の存在が,Achromobacterの血流感染を合併したハイリスクな担がん患者のおいて,予後不良の独立した予測因子と考えられた.

AchromobacterAlcaligenesユビキタスであるが,これらによる感染症はヒトではほとんどみられない.がん造血幹細胞と臓器移植低γグロブリン血症HIV/AIDS早産児では,リスクが上がり,生命を脅かすことがある.
Achoromobacterの感染のほとんどは入院中に起こり,しばしば共通の感染源に端を発する.ありうる感染源としては,Achromobacterが混入した透析液,脱イオン水,人工呼吸器,クロルヘキシジン液,保育器,Ach. xylosoxidansの保菌した普通便.
Primary uncomplicated bacteremiaが臨床的な表現として最多.血管内留置カテーテルの感染肺炎もときどきみられる.髄膜炎はまれで,典型的には幼児でみられる.
AchromobacterAlcaligenesの臨床での分離菌のほとんどはキノロン耐性.

・今回の研究ではAch. xylosoxidansが多かった.
・感染症はまれで,血液悪性腫瘍(とくに白血病),そして/あるいは重度の好中球減少症の患者に多かった.
・フォーカスのわかった感染症ではカテーテル関連感染が多かった.
院内感染の菌血症の割合は少なかった
・がん患者とくに血液悪性腫瘍の患者におけるAch. xylosoxidansの菌血症は,たいてい非複雑性の血行性感染で,敗血症や二次性の化膿性病巣を合併することはほとんどないとされている.
・1983~1988年の(著者たちの)自施設の報告では,10例のAch. xylosoxidans感染症が記述され,敗血症性ショックは1エピソードのみ,肺炎は2エピソード,カテーテル関連感染疑いと好中球減少が4例であった.
・対照的に今回の研究では,25%近い患者が敗血症で,集中治療を要した.
・もうひとつの相違点は,今回の研究ではAchromobacterによる死亡例が15%あり,前回の研究ではなかったことである.
・他の研究では血流感染の有意なソースとして血管内カテーテル感染が報告されていたが,今回の研究で,明白にカテーテルが関連していたのは7/52(13%)エピソードだけであった.
・ほとんどの感染は入院前か入院後48時間以内に起きた.
・院内感染が目立って少ないことと院内感染と特定できるソースがなかったことが,いままでの報告とは際立って対照的であった.
・担がん患者において,Ach. xylosoxidans血流感染は,しばしばPseudomonas属やCandida属といった共感染を伴う.コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が,担がん患者で最も頻繁に付随する微生物と最近記述されている.今回の研究でも,50%を超えるAch. xylosoxidans菌血症がpolymicrobialで,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が最も多く,緑膿菌,Candida属が続いた
・市中発症のAch. xylosoxidans肺炎は肺に基礎疾患(肺嚢胞線維症など)のある患者でときどきみられる.担がん患者でのAch. xylosoxidans肺炎はまれで,典型的には院内感染として記述されている.今回の研究では,6名の菌血症患者が肺炎であったが,ほとんど(4名[67%])が院内感染ではなかった.
Ach. xylosoxidansによる全死亡率(overall attributable mortality)はスペインのグループの報告でも15%.
・肺炎,心内膜炎,髄膜炎,あるいは新生児感染が,非複雑性血流感染そして/あるいはカテーテル関連菌血症と比べて,高い死亡リスク.
・好中球減少,高齢,複数菌菌血症,真菌血症の合併,カテーテル除去,そして不適切なエンピリック治療は短期の生存率に有意に関連しなかった.有意に高い死亡の予測因子となったのは,APACHEⅡスコア高値と敗血症であった.
・抗菌薬の感受性は,いままでの報告とほぼ同様の結果であった.
・今回の分離菌のほとんどは,ST合剤,抗緑膿菌ペニシリン(piperacillin,ticarcillin),カルバペネム(とくにmeropenem)に感受性であった.ヨーロッパの研究グループと違って,分離菌の多くは,まだST合剤に感受性であった.
・以前の研究で,アミノグリコシド(amikacin,gentamicin,tobramycin)とフルオロキノロンに対するin vitroにおける耐性が示されている.最近,新世代のキノロンは,担がん患者の血液・痰から分離されたAch .xylosoxidansに対して,in vitroのおいて活性があることが示された.しかし,さらなる臨床データが利用できるまでは,重症なAch. xylosoxidans全身感染症でこれらの抗菌薬の使用は注意すべきであろう.
・現在,ST合剤,カルバペネム,抗緑膿菌ペニシリン(アミノグリコシドの併用ありor なし)がAch. xylosoxidans全身感染症の治療の選択肢だと考えられる.

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