11月30日~12月2日に日本エイズ学会が行われました.
そこで見聞きしたものをまとめました.
日進月歩の分野なので遅れをとらないようにしたいものです.

●HIV-RNA定量

(HIV感染症「治療の手引き」<第15版>改訂箇所)
コバスTaqMan HIV-1「オート」v2.0法が開発され,
・測定下限が20 copy/mLとなった
・Amplicor法との乖離が解消された

TaqMan(検出限界<40cpm)はもともとはAmplicor法(検出限界<50cpm)に比べてウイルス量が多く出やすかった

●HPTN052による二次予防の報告(今年のトピック)

HPTNとは
HIV Prevention Trials Network
NGOなどの協力による国際的なネットワークによる予防の取り組み
(予防の方法:抗ウイルス療法,行動介入,性感染症のコントロール…)

HPTN052とは
・ARTがHIVの伝搬を抑えるか
・早期だとどうか
性的に活発なserodiscordantなカップル(CD4 350~550)
Immediate 350~550 vs Delayed ART <200
→同一ウイルスによる非感染者の感染28名のうちImmediate 1名,Delayed 27名

ARTの意義(今回③が加わった)
①Mortalityの低下とAID-related mortalityの低下
②HIV-related mortalityの低下
③伝搬の低下

●抗HIV療法をいつ開始するか
(HIV感染症「治療の手引き」<第15版>改訂箇所)
CD4<350 ただちに治療開始(合併症ありの際の注あり)
CD4 350~500 治療開始を推奨
CD4>500 DHHSガイドライン委員のあいだでも半々

ART開始時期の変遷

1993:早期治療の無効
2001:リポディストロフィがART開始遅れの理由に
2007:CD4>350で治療開始すれば7年でCD4>800
2008:ウイルス抑制後のART継続はART中断より優れる

CD<500での開始はデータがしっかりある

CD>500でもARTするか?
NA-ACCORDとART-CCで結果が異なる
DHHSガイドライン委員のあいだでも意見は半々

Lancet. 2009 Apr 18;373(9672):1352-63. Epub 2009 Apr 8.
Timing of initiation of antiretroviral therapy in AIDS-free HIV-1-infected patients: a collaborative analysis of 18 HIV cohort studies.
PMID: 19361855
Free PMC Article

メタ解析によるCD4別の経時的死亡率(Figure 2)
500でどうするかはわずかな差
→絶対に!というわけではなく症例によって個別に決定するべき