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進め! フロンティア

26 10

嬉しい知らせ

 4月から半年の限定でやっている、小6の英検5級講座。今年で2年目だが、合格率100%を維持することができた。
 5級は中1レベルなので、小6だと少し背伸びをしなければいけない部分もあるが、手の届かない範囲ではない。もっとも、小学低学年で英検準2級を取得してしまう子もいるから、そこから比べれば、大したハードルではないのだけど。
 とはいいながら、小学校で英語を習ってはいるものの、英語の構造的なものも含めてしっかりとというと、それなりに大変だ。
 特に今年は学校以外で英語を習ったことがないチーム(学校の英語教育を批判しているわけではなく、やっぱり英語塾に通っている子は接触してる「英語量」が違うので)だったので、正直、指導していて厳しいかなという感じではあった。それだけに合格の知らせが届いたときの喜びはひとしおだった。

(おまけ)
 ちなみに今更ながらだが、今年からフロンティアは英検の準会場になりました。実は以前も準会場だったのですが、みんな学校で受検するので受検者数を基準にみたすのが大変だったため、やめた経緯があります。ここ数年、塾で英検受けられないのかというお声をいただく機会が増えたため、再申請するはこびとなりました。
 
23 10

「負けず嫌い」は短所か? 

   LETSプラスというオプション講座を取っている中3生に「自己分析シート」を書いてもらっている。先週の土曜日に第1回目の提出。これを添削していたら、面白いことに気づいた。
    自分の長所・短所を5つずつ書いてもらう欄があるのだが、「負けず嫌い」を性格の特徴としてあげていた子が、3人とも「短所」としていたところだ。
 長所と短所というのは表裏一体なので、ある面では「長所」にもなるし、別の面からは「短所」になることもある。だから、どちらに分類しても一概には間違いとは言えないのだが、分類するときの判断として、三人とも「負けず嫌い」なのはよくないという認識があったからこそ、「短所」にしたのだろう。

 人より抜きん出たい。勝ちたい。こういう競争意識や上昇志向の強さが「負けず嫌い」なのだと思う。自分からすれば、若い頃のこういう意識はむしろ良いことだし、頼もしいことのように感じているので、「短所」としていたのに少々戸惑った。

 角野先生に聞いても、「負けず嫌いは長所だと思う」と言っていたので、これは世代的な価値観の違いなのではないか。少なくとも高度経済成長の「残り香」のあった団塊ジュニア世代からすれば、負けず嫌いな性格は長所として認識される。一方、令和の中学生にはこういうガツガツした価値観はマイナスに映るのだろう。

そういえば、今の子どもたちは人前で褒められるのを嫌がる傾向があるという記事を読んだことがあった。その根底には目立ちたくないという気持ちがあるそうだ。

 負けず嫌いは何かを突き動かす「助燃剤」だ。行き過ぎた負けず嫌いは時にトラブルを引き起こすこともあるかもしれない。だが、若者の負けず嫌いは
国の成長のエンジンでもある。そのまま国力に反映される。
 子どもの価値観を醸成していくのは親も含め大人たちであり、環境だ。負けず嫌いな性格を短所と考えてしまう子が増えているとするならば、それは社会の責任でもある。
 負けず嫌いが「長所」の面もあることを教えていかなければと感じた。
21 10

読解力・表現力を鍛えるために

 先週から中3向けにLETSプラスという講座を開講している。もともとやっていたLETSプラスは尊厳死の問題、相対的貧困、選挙と多数決の問題など中学生には背伸びしたテーマを多く扱っていたが、それ以前に、子供たちの読解力の低下という課題に直面し、これをまずなんとかできないかというところに力点を置いて講座はスタートした。

 公立入試の制度変更でどの高校も面接が行われるという点と大学でも総合型選抜の比率が増えている。こうした点を考慮し、まず、自己分析シートを作るという課題を柱に据えた。
 この自己分析シートは自分がマスコミ受験をしてたころ(20年以上前での話だが)、通っていた作文塾で取り入れられていた手法を参考に教材をつくってみた。

 あともう一本の授業の柱を何にするか。やるからには国語の本質的な力になることをやらせたい。熟考した末、国語の入試作文対策と縮約をすることに決めた。そして、教材は指導の意思を反映させやすいから自作でいくことに。

 作文は公立の入試の字数である140~180字の枠内で取り組ませるが、テーマ的には子どもたちには内省をうながすようなものを取り上げるように意識している。前回は「結果と過程について」、今回は内閣府の統計データを活用し、「自己肯定感の低い日本の子どもたち」問題を扱った。

 問題は縮約の教材。国語学者の大野晋先生が推奨している縮約は国語の力を付けるのにとてもよい方法だと思い、長い講師生活の中で、何度か教材化を試みた。ところが、なかなか程よい長さの読ませたい文章を探すのが難しいという点とやはり著作権の問題も関係してくるので、ハードルが高かった。
 あれこれ探していたところ、桐生タイムスさんの「論説」と出会った。こちらについては、次回、みんなの学校新聞の会議の時に、タイムス社の社長に話して使用の許諾を得なければと思っているのだが、とりあえず試作品を作り、ためしに子どもたちに取り組ませてみた。
 タイムスの論説は900字程度のボリュームで、内容的にもが中学生に読ませる素材としてちょうどよい。論説子の着眼点が高校入試で出題者が狙うテーマと絶妙な重なりがある。なにより文章がうまい。
 この900字を半分程度の量に圧縮させるのが縮約だが、いきなり原稿用紙だと、子どもたちの手が動かなくなるのは経験から分かっていた。段落ごとに縮約させ、字数的な誘導もしてあげないと多分書けないだろうとも踏んでいた。
 そうなると、一太郎やワードでは制作が難しいので、イラストレーターを使って作ることにした。

 で、実際にパイロット版を使って授業で取り組ませたところ、子どもたちもかなり集中して取り組んでくれた。作成段階ではもっと苦戦して、イライラした空気になるかもしれないと予想していたので、いい意味で裏切られた。この方向性なら、いけるかもしれない。
 もし、この授業でそれ相応の手応えがあれば、全体で展開していきたい。教材作るのは大変だけど…。

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 んで、下はスピンオフ的に作った書写教材。そのまま書き写すだけのプリントだけど、実際自分自身で取り組んでみたところ、文章の運び方を体感できるので、表現力が身につきそうなのと、写すのに一旦、まとまった部分を頭にインプットしてアウトプットするという作業の連続なので、短期的な記憶力と注意力、集中力が鍛えられそうな気がした。単純作業と片付けられないメリットがありそうだ。
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18 10

考えさせられる算数の記事

またまた算数系の面白い記事を見つけた。




<記事からの引用>
例題2 8人に4Lのジュースを等しく分けます。 1人分は何Lですか。 ▼誤答例 式 8÷4=2 答え 2L ▼正解(6年生の正答率 56.7%) 式 4÷8=0.5 答え 0.5L(2分の1L)
<以上>

なぜ子供たちが、8÷4と立式してしまうのかという慶大教授の今井先生の考察も非常に興味深かった。ぜひ、リンクした記事も読んでもらいたいところだが、この記事を読んでいて、「意味」を教えることの重要さを再認識した。これはおそらく、算数・数学だけではないだろう。

「8人に4Lのジュースを等しく分けます。1人分は何Lですか。」という問いは、1人にしたらということであり、「1人あたり」を聞いている。ということは、分母が「1人」になるということなので、÷8をしなければならない。

誤答例に挙げられている、「8÷4=2」はジュースの総量で割っているので、「2」の意味は、「1Lが2人に配分される」つまり「2人で1L」という意味である。仮に、このような解き方をしたとしても、求めた数字の「意味」が理解できていれば、「2人で1L」ということは「1人ではその半分の0.5L」という答えには、遠回りながらたどり着くことができる。

最短距離で正答にたどりつくことが理想ではあるが、誤った答えを「間違い」と裁断するのではなく、誤答の「意味」を考察し、そこから、実は「答え」に到達できる道筋を一緒に考えることで、「意味」の理解が深まっていくように思う。

指導者は「公式」をすり込ませ、パターン化して教えがちだ。たとえば「くもわ」「みはじ」といった割合や速さの求め方はその最たる例だろう。たしかに教えやすいし、子供たちも数字を当てはめていくだけだから便利ではあるけれども、「公式」に当てはめるだけの算数指導では真の考える力は養えない。そこには「なぜ」「どうして」というプロセスが欠落してしまうからだ。こうなってしまうと、単に出てきた数字だけを代入して、問題を吟味せずに答える悪癖を身につけるだけで終わってしまう。

かなり大昔に書いた気がするが、私は2次関数の変化の割合を求める、あの、a(p+q)という奴が嫌いだ。

たとえば、
(問題)2次関数y=2x^2(^2は2乗)で、xが3から6に変化するときに変化の割合を求めなさい。
 この問題にくだんの公式を用いれば、2×(3+6)=18 と簡単に求められてしまう。
 しかし、そもそも「変化の割合」とは「(yの増加量)÷(xの増加量)」であり、
この問題の場合、x=3のとき、y=18、x=6のとき、y=72だから、
 (xの増加量)=6-3
        =3
 (yの増加量)=72-18
        =54
  したがって、54÷3=18
と考えるのが正しい。

 では、なぜa(p+q)で求められるかといえば、y=ax^2 でxがpからqまで変化するときの変化の割合を公式化したからだ。
 (xの増加量)=q-p
 (yの増加量)=aq^2-ap^2
(変化の割合)=(
aq^2-ap^2)÷(q-p)
        =a(q+p)(q-p)÷(q-p)    q-pは0ではない
        =a(p+q)
 この「意味」を理解した上で、公式として使う分には問題ないと思うが、「こうすれば簡単に求められるんだよ」という指導では、決して「考える力」は身につかない。
 安易に公式に頼ると、「意味」を考えない「無思考状態」でただ代入するだけになるから、たとえば、
(問題)y=2x+1で
xが3から6に変化するときに変化の割合を求めなさい。
という問題でも2(3+6)=18と答え×をもらうことになる。
 1次関数は直線だから、そのそも変化の割合は「一定」である。したがって、傾きaの値がそのまま「変化の割合」なので、答えは「2」が正解だ。

 先ほども示したが、「変化の割合」とは「(yの増加量)÷(xの増加量)」である。基本に徹して考えれば、
この問題の場合、
 (xの増加量)=6-3
        =3
 (yの増加量)=13-7
        =6
  したがって、6÷3=2 と正答にたどり着ける。

 「答え」を出せることよりも、「なぜそうなるのか」という部分が「算数」「数学」では特に重要であり、その際に、式の持つ「意味」の理解を深めることは「活用力」を身につける上で不可欠だ。
 「公式」というショートカットは教える側にとっても、「教えられる側」にとっても魅力的な呪文だが、では、「なぜその公式が成り立つのか」という部分に光をあてた指導を心がけなければと再認識させてもらえた記事だった。






16 10

ねえ、何読んでるの?

 夕食の後、ソファーで読みかけの「スマホ依存が脳を傷つける」(宝島社新書)を読んでいたら、小4の息子が「何読んでいるの?」とのぞき込んできた。
 読んでいる本に関心を持ってもらえるのは、本を読んでいる当人としては結構うれしいものだ。こんな一言から始まる友情だってある。こういう関わり方をしてきたのが息子だったから、なおのこと嬉しかった。
 「こういう本を読んでいるんだよ」と見せたら、今度は息子が、「これが今、僕の読んでる本!」と図書館で借りてきた一冊を差し出してきた。
 「モノのなまえ事典」。
 差し出した本を手に取り、パラパラめくってみた。これが、むちゃくちゃ面白い。ちょっとツボだったので、ぜひ皆さんに紹介したいと思い、ブログの記事に載せてみました。


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