数学ノート

高校数学の標準問題の解説を軸に展開しています。ご指摘、ご質問、ご感想などは、メッセージへお願いします。

2015年10月

0247.集合と論理

【問題】
集合A,Bにおいて、A∩B=B であることは A∪B=A であるための 『   』
上の『   』にあてはまるものを、次の中①~④の中から選びなさい。
①必要条件であるが十分条件ではない。
②十分条件であるが必要条件ではない。
③必要十分条件である。
④必要条件でも十分条件でも無い。

【解答例】
まず、A∩B=Bのとき、A⊃Bである。このとき、A∪B=Aであるから、
A∩B=B であることは A∪B=A であるための十分条件である。
また、A∪B=Aのときも、A⊃Bである。このとき、A∩B=Bであるので、
A∩B=B であることは A∪B=A であるための必要条件である。
よって、必要十分条件であるから、
③ …(答)

【コメント】
結局、「A∩B=B⇔A⊃B⇔A∪B=A」なので、「A∩B=BA∪B=A」となり、
必要十分条件であることが分かります。
高校数学では、この解答ようにベン図を思い浮かべて解答を進めて大丈夫です。
(大学数学では、きっちり論証しなければなりません。)


2015年10月11日(ブログ開始から1756日目)、アクセス数が33000を超えました。

0246.複素数

【問題】
zを虚数とするとき、
z+1/z
が整数となるようなzの値を求めなさい。

【解答例】
x,yを実数とし、
z=x+yi , y≠0
とおくと、
z+1/z
=x+yi+1/(x+yi)
=x+yi+(x-yi)/(x^2+y^2)
=x+x/(x^2+y^2)+{y-y/(x^2+y^2)}i …①
これが整数となるから、
y-y/(x^2+y^2)=0 (∵整数であるから虚部は0)
⇔1-1/(x^2+y^2)=0 (∵y≠0)
⇔x^2+y^2=1 …②
また、②を①に代入して、
z+1/z=2x
よって、2xは整数であり、
②とy≠0から、-1<x<1であるから、-2<2x<2
∴2x=0,±1
(i)2x=0すなわちx=0のとき
②より、y=±1
よって、z=±i
(ii)2x=±1すなわちx=±1/2のとき
②より、y=±(√3)/2 (複号任意)
よって、z=(1±√3)/2,(-1±√3)/2
以上より、
z=±i,(1±√3)/2,(-1±√3)/2 …(答)


【コメント】
zが虚数で、z+1/zが実数のとき、|z|=1となります。
(参考:『0235.複素数の絶対値』におけるa=b=1のとき)


2015年8月9日(ブログ開始から1693日目)、アクセス数が32000を超えました。
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