俺が研究にしてやる。

慶應義塾大学諏訪正樹研究会の、メタ認知な日々。

2016年12月

こんにちは、将人です!

年の瀬となってしまいましたね

20日の研究会で誕生日を迎えたまり沙と共に年内最後のブログをお届けしたいと思います!(まりさおめでとうーJ!!)

 

先週の研究会では前回の議論を諏訪先生に共有しながら、より内容を深める回となりました。その上で、①村上春樹の「小説家は例えばを繰り返して語る、別の文脈の置き換えて語ること」ということばの意味をひらき、各自が精緻化に挑戦するというものと、②実験真理学で語られている「ゆらぎ」を踏まえ、マイクロスリップ、試行錯誤との関係性(相違点)について議論をしました。

前回でも困難を極めた議論内容でしたが、さらに絡まってはほぐれ、また絡まり・・・という時間に。各自がグループワークで話し合い、最終参加である卒論生のみ最後に発表する回となりました。

 

「たとえばを繰り返して語る。」

これってどういうこと?みなさんはどのように考えますかね。

村上春樹によると「賢い人」は、伝えたい事柄を正確にスパーンと言葉で伝えられてしまう。ただ、小説家みたいな「どんくさい人」は【例えば】を何度も使い、伝えたい事柄を別の文脈に繰り返し置き換えて語るのだそう。

 

僕の高校時代、とても話が上手な友達「Sくん」がいました。

Sくんの話は何と言っても面白いし、難しい事柄でもするすると自分の中に入ってくるのです。一方僕は話がド下手でいつも感心してばかり。ただ、それだけでは悔しいので彼の言動をひたすら観察し続けました(ストーカーですね笑)。そうすると、一つの解が見えたのです。

話し上手なSくんの得意技。それは「例え話」でした。

毎回が秀逸of秀逸。

たとえ話を活用しながら、自分の頭の中にある「絵」と同じものを他人の頭のなかに丁寧に絵筆で描いてあげているようでした。

 

ところで、「例え話」の特徴とはなんでしょうか。

「人に説明する」という切り口の場合、伝えたい事柄を相手の経験や既知分野にひも付けて、相手にとってそれを「じぶんごと」に変換してあげることだ、と僕は思います。だからわかりやすい。想像しやすい。そこにはある種、身体性があるような気がします。

Sくんにしても、「じぶんごと」にしてあげる変換が上手だったのだと思います。自分が考えたことを、相手の文脈にのっとって再現してあげていたんでしょうね。

 

ただ、小説家の場合。

彼らにとっての「相手」とは不特定多数です。誰に届くかもわかりません。また、自分の頭の内側のもくもくとした雲のような考えを言語というカタチにし、活字というモノに落とし込んだ時点で、様々な大切なことが失われてしまった!と感じるのかもしれません。

僕もそういう経験があります。

 

書けど書けど相手によってその「例え」の効力は違うし、自分の思惑もことばにする度ぽろぽろと取りこぼしてしまう。だから、何度も繰り返して繰り返して。「例えばを繰り返す」というのは、そういうことなのかもしれませんね。

 

「賢い人」が円周率を“π”(パイ)だと言い切ってしまうのに対し、小説家は“3.1415…”と限りなく精緻化して伝えようと延々と戦い続ける様子が、僕は目に浮かびました。(僕にしてはナイス例えなんじゃないでしょうか笑)

 

ということで将人からの前回の振り返り&考察でした!

後半はまりさからの1年の振り返りコメントが届いています。

まりさにとって2016年はどんな一年でしたか??

 

私にとって2016年は新鮮な一年でした。

SFCという新しい環境に入り、秋にはこの諏訪研にも足を踏み入れました。

今年の初めはまだ高校生だったなんて自分でも信じられないくらいです。

 

今年を振り返ってみると、私にとってビッグイベントといえばORFでした。実は私、ORF3年目なんです。(あれ?)高校2年生と3年生の時に、参加者としてORFを訪れていました。そして2016の3年目、私は参加者としてではなく、諏訪研究会のメンバーとして参加することができました。

参加者とどう接するか、それぞれの班が説明しやすい空間デザインとはどのようなものか、人の流れをどう利用するかなど、出展者として初めて気付くことや考えることが数多くあり、ORFが更に刺激的なイベントであると感じました。2日間、研究会についてやコンストラクティブスケッチについて語り倒し、自分のなかでも理解が深まりました。

 

前回は今年ラストの研究会でしたね!

同時に、4年生最後でもありました。

短い間でしたが、一緒に参加できたこと、嬉しく思っています。

次回から研究会にいらっしゃらないのが残念です。遊びにきてくれるといいなあ。

 

ということで、まり沙と将人がお送りしました。

 

みなさん、よいお年を!


こんにちは。今回のブログ担当はひろみとあんりです。諏訪先生不在でしたが、院生の方を中心にいつも通り研究会が行われました。


さて今回は、諏訪先生から出された課題である「職業としての小説家」を読んでなぜその本を読めといったのかというお題に対して、グループでの発表からはじまりました。


小説を書くことというのと、デザイン行為が似ていると発表した班が多くありました。この本にも出てきた富士山の話というが「身体で学ぶ」、「自分ごとにしていく」につながっており、今までの研究会からも大事なことなのではないか思いました。

また、私たちのグループではFNSサイクルに関連付けて発表していきました。その中でとりあえず頭の中にあることを言語化して、小説にしてみるという行為というのが、コンストラクティブスケッチでいう”とりあえず”描いてみるという行為なのだなと感じました。

4年生のグループではこれは卒論をやるときの心得にするべきなのではと言っていたのがなるほどなと思いました。


次に、鈴木さんの「教養としての認知科学」の6章を読んで各グループがsituatd cognition と関連させて発表をしていきました。

6章の文というのは認知する上でリソースがあるという仮定が前提にあります。その中で人はどんなリソースをがあり、どのようなリソースに重きを置いていくのかが認知する上で大事になってくるのではないかと議論を進めていきました。しかし、議論を進めていく中で、なぜだか腑に落ちない部分もありました。この鈴木さんというのは、前提として答えがしっかり出るもの、数値化できるものを取り扱っていることに気づきました。なので、どうしても議論していく中で矛盾が生じてくるのでは仕方のないことなのではないか、、、という結論に至りました。しかし、その中でもsituated cognitionに関わることをあり、これも臨機応変にその本から救っていく必要があるのだなと思いました。


次の研究会は、今年最後です。4年生も卒論で忙しくなって来る時期ではありますが、頑張っていきましょう。

こんにちは!

今回のブログは、のりととまりさが対話形式で担当します!


のりと)12月に入って、最近すごい寒くなってきたね。。師走っていうけど、師が走るほど忙しいっていうくらいだから、学生の僕たちって走るどころの騒ぎじゃないよね。


まりさ)そうですね!年末になって私も忙しい毎日を過ごしています。考えてみると、あっという間の1年だったなぁと。

年内の研究会も残すところあと2回ですしね。


のりと)確かにあと2回しかないね。最近の研究会は読むものが多くて、すごく時間を割いてる印象があるね。今回の課題どうだった?


まりさ)今回は加えて英語の文献もありましたしね。今回の課題も、先生の本『知のデザイン』や英語の文献を読み、ORFやその準備とも関係付けて考えるデザイン行為やsituated cognitionについて、グループプレゼンすることでした。前々回の研究会の内容を踏まえて、という感じです。のりとさんがおっしゃっているように読むものが多いのと、プレゼンを考えるにあたって話し合う内容も多かった気がします。


のりと)確かに英語の文献きつかったな。どう捉えるかって人によって変わるしね。みんな色々な見方を持ち寄るからより深い議論が交わされるっていうのはあるね。今回の課題もかなり文量があって苦戦してるわ。。

今回まりさがグルワの発表担当だったから大変だったね。でも徐々にだけど、研究会の時間とか話しやすくなった感じはあるなぁ。


まりさ)確かに、文献をどう捉えるかは人それぞれ違いますよね。しかも英語に限らず、議論する文献が長いと一人ひとりの着眼点も違って、議論する際「あ、この人はこの部分気になってたんだ」って新しい発見もあります。今回の課題でも面白い考えが出てきそうで楽しみです!(文章量に関しては私も苦戦しています。。笑)

1・2年生が中心にプレゼン、、って1年生私だけじゃん!って内心思ってみたり。。(笑)でもORF前後で私の研究会での緊張度が下がった気がします。研究会に慣れてきたからですかね!^^


のりと)文献読んでいくと自分の中の理解度がどんどん深くなってくる感じがする。文献長すぎて具体例の部分とかが難しくて読むスピード遅くなるしいやになるけど、本の中で自分の探してるキーワードっぽいのが出てくると、「キター」ってテンション上がるよね(笑)


まりさ)次回の発表でどんなキーワードが注目されるのか、楽しみですね!


以上、のりととまりさでお送りしました!

11/29「小さな研究」

 

こんにちは。最近は昼夜の寒暖差が激しく、着る服迷いがちですね。インフルエンザも出ているので体調には気を付けたいです。

今回のブログ担当は将人と杏璃です。

 

さて、今回の授業は3年生による小さな研究のテーマ発表でした。諏訪研究会3年の8名がそれぞれテーマなどを発表していきました。

それぞれが自分の興味のあること、好きなことなどを中心に発表していきました。8人ともに面白い内容で、惹かれるものが多かったです。

映画について、人がどのようなことに興味・共感があるのかなどを探っていく先輩もいました。映画を見た後の感想というのは「面白かった」「つまらなかった」のような抽象的な言葉で伝えてしまうことが多いです。なので、その二つを自分なりのNGワードにし、映画の感想などを書きとめたり、それを絵で表してみたり、会話をしたりしていくそうです。また、心拍数などを測り、どのような場面で人は盛り上がるのか、余韻がすごくあるのと、ないのでは何が違うのか、場所による違いはあるのかなどを研究していくそうです。

また、普段意識していないような雑音について、駅ごとの特徴があるのかなどにつて研究する人や、自分がやっているバレエに関して表現するということはどのようなことなのかを研究してく人や、普段やっている調理に関してのマイクロスリップについて研究する人もいました。それぞれに個性が出ていて、良さがあると感じました。

 

興味深いものが多く、どのような結果になるのかすごく楽しみです。また、来年には自分もやらないといけないので、自分なりにちょっとずつ考えていかないといけないなと思いました。まさとはどうですか??

 

自分は、他の人の発表を聞き・自分で発表してみて改めて自分の(問題)意識を外から見るという体験をしました。農業と料理とデザインという観点から僕は話をしましたが(これも今だからこそ整理して言える気がします。。。笑)、諏訪先生に「結局何につなげたいの?」というフィードバックや、4年生からの「別の見方をすると将人の定義と違ってくるよね?」という個別具体的な質問がありました。


研究内容もさることながら、こういった「プレゼン&討議のプロセス」というのもデザイン行為なのだ、という実感を得ました。今週discussionが予定されている討議資料にもありましたが、デザインとは訳のわからない状況の海にとりあえず飛び込んでみて、がむしゃらに泳ぎながら体得していくものだ。というような事が記されています。


今回に関しても、とりあえず頭の中のテーマを言葉にしてとりあえず始めてみる。それをdiscussionして荒波に揉まれながら自分なりの進路や泳ぎ方を見つけていく。そういう印象を受けました。

溺れながらも。小さな研究、泳ぎ切りたいと思います!

 

なるほど!今週もがんばりましょう^^

まさととあんりでした!

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