2013年05月20日

「国定忠次外伝 嗚呼美女六斬」が電子書籍になりました

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国定忠次外伝 嗚呼美女六斬」がアマゾンのキンドルで電子書籍として発売されました。
よろしくお願いいたします。


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2008年02月14日

目次

天保5年(1834年)、上州境宿で境小町といわれた美しい娘が行方知れずになります。娘の家族に頼まれて、百々一家の親分、国定忠次が捜索に乗り出しますが、娘は無残な姿になって発見されます。下手人は一体、何者なのか? 忠次の子分、保泉村の久次郎は浮世絵師の歌川貞利の力を借りて、下手人を追い詰めます。
「嗚呼美女六斬」というのは、バラバラ殺人事件を題材にして歌川貞利が売り出した艶本の題名です。





目次






第一部 美人例幣使道



美人例幣使道



1.高砂屋のお常
境宿の隣村、百々村の百々一家の表座敷では、お常の兄、小五郎が親分の忠次にお常を捜してくれと頼んでいた。日光例幣使街道、上州(群馬県)境宿の足袋屋『高砂屋』の娘、お常が昨日の昼頃、出掛けたきり、まだ帰って来ないという。

2.五月屋のお政
一晩中、降っていた雨も朝にはやみ、お天道さんが顔を出した。円蔵が思った通り、島村の伊三郎は張り切って、朝早くから十手を持って百々一家に乗り込んで来た。

3.浮世絵師、歌川貞利
川べりの眺めのいい所にあると思っていたのに、貞利の家は川から大分離れた桑畑の中にあった。門の脇に『五桑亭』と書いてあり、庭に芽を出したばかりの五本の桑の木が植えてあった。

4.中瀬のしんさん
驚いているお政に手を振ると、久次郎は飛び出して行った。一旦、百々村に帰って、手のあいている山王道の民五郎と新川の秀吉を連れ、長脇差を腰に差して平塚の渡し場へと向かった。

5.貞利の艶本
貞利の仕事は美人絵だけではない。わ印(笑い本)と呼ばれる艶本も毎年、正月に売り出して、そっちの評判もなかなかよかった。

6.百々一家
百々村に帰ると中瀬に潜入していた下植木村の浅次郎と鹿村の安次郎、島村に潜入していた茂呂村の茂八が待っていた。伊三郎の子分たちが大勢でお常を捜し回っているので、危険を感じて帰って来たという。

7.境宿の絹市
筵の間から、白い足の裏が覗いていた。そんな馬鹿な、と筵を開いてみると根元から切られた足が転がり出て来た。切り口には血の混ざった塩が固まり、半ば腐っているのか異臭を放っている。

8.野州無宿の馬吉
木崎宿にいた関東取締出役の吉田左五郎が道案内の吉十郎を連れて境宿にやって来た。お常の死体を検分し、町役人たちから事情を聞くと本陣に腰を落ち着けた。左五郎は事件の関係者を集めて話を聞いた後、死体の発見現場を見て回った。

9.嗚呼美女六斬
何と行っても飛ぶように売れたのは、店に出す事なく、隠れて売り出された艶本『嗚呼美女六斬』だった。『嗚呼美女六斬』は売り出される前から境の旦那衆の話題になって、予約が殺到して、その日のうちにほとんどが売れてしまうという版元も大喜びの有り様だった。





第二部 境七小町



境七小町



1.湊屋のお八重 お常の三回忌も近い二月の二十二日、貞利の『当世玉村美人』に描かれた湊屋の飯盛女、お八重がバラバラ死体となって発見された。二年前のお常の事件そっくりに、バラバラになった両手両足、生首が宿場のあちこちで見つかった。

2.橘屋のお関 兄貴も先生の『美女六斬』は見たんべえ。あん中の残酷な絵は実際に姉ちゃんを責めて、それを手本したらしいぜ。あの本に出てる以外にも、先生は姉ちゃんを手本に何枚も残酷な絵を描いたらしい。伊三郎親分はそれを見ながら不気味に笑ってたそうだ。

3.井筒屋のおゆみ おゆみは時々、おりんの店に手伝いに来ていた。水商売が気性に合っているらしく、客扱いもうまく、七小町に選ばれる程の美人なので評判はよかった。おゆみ目当ての男たちが毎晩のようにやって来て、おゆみを口説いていた。

4.お北と伊三郎 不思議な光景だった。お北の悲鳴がだんだんとよがり声に変わってったんだ。苦痛が快感に変わってったんだよ。そんな話を江戸で聞いた事はあったが、目の当たりにするのは初めてだった。

5.三味線の師匠、お夢 お夢は去年、江戸から流れて来た芸人で、人形浄瑠璃の盛んな平塚に落ち着いて、娘や旦那衆に三味線を教えていた。年の頃は二十の半ば、江戸から来ただけあって婀娜っぽい粋な女だった。

6.お常の三回忌 忠次は円蔵を名代として長光寺に送り、自らは子分たちを指揮して宿場の出入り口を厳重に警固した。二年前の悲劇が再び起きないように、市に集まって来る者たちの荷物を一つ一つ厳しく改め、怪しい者は有無を言わさずに追い返した。

7.謎の女 三人は同時に手に持った荷物を目を背けるようにして、久次郎に見せた。それを見て、久次郎は声が出なかった。代わりに、お万が大声で悲鳴を上げた。荷物の中にはバラバラになった人間の死体が入っていた。

8.深谷のお美代 忠太の言った通り、なかなかの別嬪だ。これだけの器量よしで、二十歳を過ぎても嫁にも行かないというのは、確かに訳ありに違いない。

9.翁屋のお通 お通は七小町の中で一番年下の十六歳だった。京人形のような可愛い顔をして、熱心に人情本を見ていた。

10.おりんの居酒屋 おゆみは目を輝かせて、おりんから芝居の話を聞いていた。鹿安も興味深そうに聞いている。久次郎も酒をなめながら聞いていた。貞利が入って来たのは、おりんが『東海道四谷怪談』の話をしている時だった。

11.紅屋の仙太郎 久次郎と貞利は十日程前に来て、仙太郎に会っていた。その時は少しも怪しいとは思わなかった。子供たちに読み書きを教えている姿を見て、こいつは違うなと思い、通された部屋の中に難しい書物が積んであるのを見て、益々、こいつは違うと確信してしまった。まさか、その男が貞利の艶本をすべて持っていようとは思いもしなかった。

12.見知らぬ女 日も暮れ、大通りのあちこちに行灯が灯った。月は雲に隠れていたが風はなく静かな夜だった。六つ半頃、裏口を見張っていた宇之吉は見知らぬ女が仙太郎の家からこっそりと出て行くのを見て驚いた。





第三部 天女乃舞



天女乃舞



1.国定一家 何事もなく例幣使の通過も終わった翌日、忠次は子分たちを田部井村に集めて、新築祝いを行なった。その日は生憎の雨降りだったが、縄張り内の旦那衆が大勢集まって来た。近所の女衆も手伝ってくれ、祭りさながらの賑やかさだった。忠次は田部井村の新しい家を本拠地とし、『百々一家』を『国定一家』に改めて、組織も再編成した。

2.お関の小指 久次郎がイライラしている、そんな時、ずぶ濡れになった鹿安が飛び込んで来た。「兄貴、大変なんだ。おゆみが消えちまった」鹿安は蒼ざめた顔をして久次郎を見つめたが、久次郎の機嫌は悪かった。

3.江戸に行ったおゆみ おゆみがいなくなってから、おりんの店にはおゆみと関係のあった男たちが集まって、毎晩、おゆみの噂を肴に酒を飲んでいた。店内には鹿安が貞利からもらって来たおゆみの裸の絵が飾られ、男たちは懐かしそうにその絵を眺めながら酒を酌み交わした。

4.お通と孝吉 藤次が蔵の戸を開けると、むせ返るような異様な臭いが漂って来た。この前のカビ臭さとは全く違う臭いだった。藤次が持って来た提灯を久次郎に渡した。久次郎が提灯で蔵の中を照らすと、そこには地獄絵が再現されていた。

5.越後屋のお奈々 久次郎が境宿に帰ったのは、お通が殺されてから五日後の夕方だった。さすがに疲れ切っていた。早く保泉村の家に帰って熱い風呂に入って眠ってしまいたかった。丁切を抜けて町に入ると雨の中を傘もささずに越後屋のお奈々が駈け寄って来た。

6.お千香としんさん 脇道に入って桑畑の中を行くと、しばらくして竹薮に囲まれた大きな蔵があった。貞利は鍵を開け、重そうな戸を開けた。中は真っ暗で何も見えない。貞利が先に入り、やがて、明かりを付けるとお奈々も入った。「わあ、素敵」とお奈々が言った。





登場人物一覧

  
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登場人物一覧

登場人物一覧




国定忠次 25歳 百々一家の親分。後、国定一家に改名する。
お町 25歳 忠次の妾。
日光の円蔵 33歳 百々一家の軍師。
弁天のおりん 29歳 円蔵の妻。女壷振り。壷振りを引退後、境宿で居酒屋を営む。
三ツ木の文蔵 26歳 忠次の子分。
吉祥天のお辰 25歳 忠次の子分。女壷振り。
保泉の久次郎 24歳 忠次の子分。
観音のお紺 20歳 忠次の子分。女壷振り。
神崎の友五郎 24歳 忠次の子分。
山王道の民五郎 23歳 忠次の子分。
甲斐の新十郎 23歳 忠次の子分。
羽衣のお藤 18歳 忠次の子分。女壷振り。
富塚の角次郎 22歳 忠次の子分。
保泉の宇之吉 21歳 忠治の子分。
新川の秀吉 20歳 忠次の子分。
下植木の浅次郎 19歳 忠次の子分。
鹿の安次郎 18歳 忠次の子分。「鹿安」と呼ばれる。
茂呂の茂八 18歳 忠次の子分。
淵名の庄太 17歳 忠次の子分。
桶屋の松三郎 16歳 忠次の子分。「桶松」と呼ばれる。
 
木崎の孝兵衛 52歳 木崎一家の親分。八州様の道案内を勤める。
木崎の左三郎 35歳 孝兵衛の子分。八州様の道案内を勤める。吉十郎から左三郎に改名する。
玉村の佐重郎 41歳 旅籠屋「角万屋」の主人であり、玉村一家の親分。八州様の道案内を勤める。
玉村の清吉 23歳 佐重郎の子分。
吉田左五郎 32歳 関東取締出役。
 
織間桃中 58歳 境宿の俳人。
村上随憲 46歳 境宿の蘭方医。
金井研香 29歳 境宿の絵師。
金井烏洲 39歳 島村の絵師。
 
島村の伊三郎 45歳 島村一家の親分。八州様の道案内を勤める。
お北 25歳 伊三郎の妾。壷振りをした事もある。
島村の林蔵 43歳 島村一家の代貸。
小島の彦六 38歳 島村一家の代貸。
平塚の留五郎 36歳 島村一家の代貸。
木島の助次郎 44歳 島村一家の代貸。
平塚の助八 45歳 島村一家の代貸。
世良田の弥七 42歳 島村一家の代貸。
世良田の茂吉 38歳 弥七の子分。後に弥七の跡を継ぎ、国定一家の代貸になる。
中瀬の藤十 40歳 島村一家の代貸。
中瀬の万吉 20歳 藤十の子分。
前島の秀次 39歳 島村一家の代貸。
柴の啓蔵 38歳 島村一家の代貸。
中瀬の信三 30歳 伊三郎の子分。
島村の新八 26歳 伊三郎の子分。伊三郎の死後、足を洗って、境宿に絵草紙屋「雁屋」を開く。
尾島の孝吉 22歳 伊三郎の子分。伊三郎の妾、お北の弟。
永井兵庫 44歳 伊三郎の用心棒。
 
不流三左衛門 31歳 萩原村の香具師の親分。
武士(タケシ)の藤次 23歳 香具師の不流一家の子分。
 
歌川貞利 26歳 浮世絵師。歌川国貞の弟子。
島村の平作 18歳 貞利の弟子。
平塚の政吉 16歳 貞利の弟子。
境の庄次 15歳 貞利の弟子。五月屋のお政の弟。
 
柳屋の徳次郎 19歳 平塚の河岸問屋「柳屋」の次男。
鶴屋の耕作 19歳 平塚の料理屋「鶴屋」の次男。
伏見屋の竹次郎 19歳 平塚の酒屋「伏見屋」の次男。
平塚の鉄五郎 19歳 平塚の船大工の三男。
和泉屋の喜助 20歳 中島の質屋「和泉屋」の息子。
世良田の孫三郎 18歳 世良田の富農の息子。
紅屋の仙太郎 22歳 伊勢崎の呉服屋「紅屋」の息子。手習い塾の先生。
平塚の為吉 21歳 平塚の船頭。
中瀬の馬吉 25歳 中瀬の荷揚げ人足。野州無宿。
中瀬の伸吉 25歳 中瀬の魚屋。
中瀬の渡しの船頭 35歳
 
高砂屋のお常 18歳 境宿の足袋屋「高砂屋」の娘。貞利の「美人例幣使道」に描かれた美人。
高砂屋の小五郎 22歳 お常の兄。
佐野屋のお菊 18歳 境宿の古着屋「佐野屋」の娘。お常の親友。
尾張屋のお海 18歳 境宿の髪結床「尾張屋」の娘。お常の親友。
尾張屋の勇吉 21歳 お海の兄。
尾張屋の金七 47歳 お海の父親。
村田屋のおたか 18歳 境宿の煙管屋「村田屋」の娘。お政の親友。
村田屋のおしん 15歳 おたかの妹。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
五月屋のお政 18歳 境宿の建具屋「五月屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
大黒屋のおとし 18歳 境宿の煮売茶屋「大黒屋」の娘。
島屋のお栄 18歳 境宿の髪結床「島屋」の娘。
銭屋のお美奈 18歳 境宿の小間物屋「銭屋」の娘。
土屋のおちま 18歳 境宿の荒物屋「土屋」の娘。
井筒屋のおゆみ 15歳 境宿の太物屋「井筒屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
井筒屋の新六 23歳 おゆみの兄。
井筒屋の常五郎 33歳 太物屋「井筒屋」の番頭。
橘屋のお関 16歳 境宿の商人宿「橘屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
橘屋の半之丞 43歳 お関の父親。
橘屋のおくま 27歳 お関の叔母。出戻り。
橘屋の梅吉 49歳 橘屋の番頭。
橘屋の忠太 20歳 橘屋の番頭。
橘屋のおなん 39歳 橘屋の女中。
橘屋のお勝 31歳 橘屋の女中。
越後屋のお奈々 16歳 境宿の煙草屋「越後屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
桐屋のお粂 16歳 境宿の料理屋「桐屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
翁屋のお通 14歳 境宿の干菓子屋「翁屋」の娘。貞利の「境七小町」に書かれた美人。
研師の音吉 23歳 境宿の研師。
桂屋の善次 19歳 境宿の煙草屋「桂屋」の息子。
 
武蔵屋のお倉 18歳 木崎宿の飯盛女。貞利の「当世木崎美人」に描かれた美人。
湊屋のお八重 17歳 玉村宿の飯盛女。貞利の「当世玉村美人」に描かれた美人。
平塚のお万 17歳 平塚の馬子。貞利の「利根川八景」に描かれた美人。
平塚のお糸 18歳 平塚の茶屋の娘。
平塚のお夢 22歳 平塚の三味線の師匠。貞利に肉筆画を描かれた粋な美人。
深谷のお美代 22歳 深谷宿の小料理屋の娘。
深谷のおたね 24歳 深谷の旅籠屋「小藤屋」の女将。

※年齢は第一部 美人例幣使道の天保5年(1834年)の時の数え年です。
  
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