2018年08月29日

究極をめざすみその今 167号 レポート

無農薬大豆栽培への取り組み


「究極をめざすみそ」に使う大豆は、北海道十勝の神山さんに生産をお願いしています。
神山さんは大豆栽培で一番大変な除草を機械化することなどで、無農薬・無化学肥料栽培を実現しています。独自に除草機を工夫するとともに、あえて収量減を覚悟し、畝と畝の間を広くして株の間の雑草も除草機で取り除けるようにしているのです。
2012年に1度お邪魔したきりで、なかなかお会いする機会を持てないのが残念ですが、今年もいい大豆が期待できそうです。


ところで、「コシヒカリみそ」に使う大豆の一部は松本で荒廃地を再生して農業に取り組む「かまくらや」の田中さんに3年前からお願いしています。やはり除草が難しく、無農薬栽培は長年の課題だそうです。
その除草の機械化が始まったと連絡を受け、松本市四賀へ見学に行きました。

畑の1つ1つは小さいものの、この数年での栽培面積の増加に驚きました。点在する畑の位置情報はスマホのGPSで管理しているそうで、いまだにガラケーの私は恥ずかしくなりました。
畝と畝の間は機械できれいに除草されていましたが、やはり株間の草までは難しいようです。
イネ科の雑草は播種時に1回除草剤を散布することでほとんど抑えることができますが、有機肥料の鶏糞や牛糞に混ざった外来の雑草には効きません。
最近ではオナモミが繁茂し、一部には大豆の畑か雑草の畑かわからないところもありました。
大豆バサグランという除草剤をすすめられたといい、散布した畑では確かにオナモミだけ見事に枯れ、大豆は青々していました。

無農薬の大豆栽培がいかに困難かを目の当たりにしたわけですが、あきらめずにチャレンジを続ける田中さんを、すや亀は今後も応援します。

suyakame at 13:24|PermalinkComments(0)

2017年11月01日

164号 究極レポート

無農薬特別栽培米 佐久ゆうきの会

平成9年に長野県南佐久郡臼田町(現 佐久市臼田)の「佐久ゆうきの会」の方々に無農薬特別栽培でのお米の生産をお願いしてから今年でちょうど20年です。

最初にお願いしたのは、アイガモ農法での米作りをしておられた花卉栽培農家さん。アイガモの管理に苦労しておられたのが印象的でした。

次にお願いした油井さんのお米は、味も品質も驚きのおいしさで、改めてアイガモ農法米の可能性を感じたものでした。無農薬特別栽培だからと言って普通のお米より劣っていいことはないという考え方を徹底されておりましたしかし鳥インフルエンザやアイガモの管理に手がかかり、高齢の油井さんは体力的に厳しい状況に。

その後、手押し除草器での栽培を2人ほどにお願いしましたが、やはり体力的にきつく、長続きしませんでした。

そんなところに現れたのが石田さんでした。
東京での勤めを辞め、佐久で新規就農した石田さんは、米作りでロマンを実現されたのです。無農薬の米作りで一番大変な除草の作業に機械を導入。さらに乗用の機械除草機も導入され、大幅に効率を上げました。
また、田植えと共に大変な作業である稲刈りも、コンバインとトラックを1人で扱い、1日1町歩(約1ヘクタール)を実現。委託も含め全部で10町歩ほど生産しています。肥料は主に米ぬかを発酵させたものと魚肥を使っているそうです。

これからの農業は、無農薬特別栽培だから栽培手法も昔ながらというのではなく、機械を有効に使い、田植え・除草・稲刈りを効率的に行うことが大切です。「究極をめざすみそ」に使うお米はわずかですが、すや亀はこんな農家の方々を今後も応援していきます。


suyakame at 13:30|PermalinkComments(0)

2017年09月06日

香味だより163号より おいしさを求めて

工場の進化も亀の歩みのごとく

すや亀の店舗は明治44年に、工場は大正から昭和初期に建てられたもの。
どちらも100年近く歳月経ているため、毎年のように改修工事を続けています。
当店のある市街地の真ん中では工場の新築が認められません。
さりとて郊外に新築移転する勇気も根性も資金もありません。
もちろんこの場所、この建物への愛着も深いので改修を重ねてきました。

最初の工事は昭和54年の床暖房のみそ発酵室。
それまでの4t入る木桶から500圓両ロット仕込への転換でした。
狭い工場内で小さなフォークリフトを走らせるのに苦労しましたが、
仕込んだみそ桶を、肩に担いで大桶に仕込む重労働から解放された蔵人から大いに喜ばれました。

次に漬物用の冷蔵庫を新設し、みそ加工品の作業所を設置。
平成になってから回転式の大豆蒸煮缶、仕込みの半自動化、
そして糀を自動で作る円盤製麹機の導入で一段落しました。

その後、近郊に倉庫を借り、温度帯を5℃、18℃、28℃の3つに分けた熟成管理蔵を設置し、
工場内はだいぶ整備されました。

12年前に品質マネージメントシステムISO9001を取得しましたが、
工場内での製品の流れにクロス箇所がいくつかあり、HACCPの取得には至っておりません。

これまで学生さんやお得意先を除き、一般のお客様の工場見学はお断りしておりましたが、
「みそ」に関心をお持ちの方には、人数や日程によっては見学いただける場合がございますので
お問い合わせください。

むき出しの太い梁、天然仕込みの大桶、創業以来使っている石組みの井戸などに驚かれ、
喜ばれる方が多いようです。
歴史の遺物を思わせる環境と新しい装置のアンバランスが新鮮な感覚を醸し出しているのが人気のようです。


写真でみる「すや亀ビフォーアフター」下の画像をクリックしてご覧ください
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suyakame at 10:41|PermalinkComments(0)

2017年05月18日

香味だより 162号より 昔ながらのおいしさを求めて

百年桶の改修

当店では味噌の仕込みに今も大きな木桶を8本使っています。
といっても全体の仕込み量の約10%。
「究極をめざすみそ」や「コシヒカリみそ」等、高品位のみその仕込みに限って使います。
うち2本は5年前に購入した新品。
日本木槽(にほんもくそう)さんにお願いした木桶で、竹タガの代わりにステンレスのバンドで絞めた、欧米で水槽に使われるタイプ。
2本はちょっと小ぶりの十五石桶で、4年前に大阪堺市のウッドワークさんで竹タガを交換してもらったもの。
同社は私の知る限り日本でただ一軒残る、竹タガを使った桶の製造、補修ができる会社です。

今回は当店で一番古く「明治44年9月20日」の記載がある二十五石桶(直径2.1m、高さ2m、みそ約4.5t仕込み可能)2本の改修をウッドワークさんにお願いしました。
主に、竹タガの交換と、木屑が入らなくするための桶の内側の削りです。
タガに使う長い竹がなかなか手に入らず延び延びになっていましたが、やっと間に合い改修ができました。
しかし、古いだけあって部材にかなりヒビが入っており、そのまま使えたのは底板だけで、側板は3分の2ほども取り替えねばなりませんでした。
ちょうど秋田の酒造メーカーに同じ二十五石の木桶があり、その側板を使い、改修がかないました。

木桶の効用は、そこに住み着いた桶付酵母(桶癖、蔵癖を醸し出す)がみその味、香りに深みを与える点にあります。
また、木桶の厚い板には断熱作用があり、品温の変化を抑え、発酵によい影響を与えるのです。
さらに大事なことは、改修を頼むことで、日本の食文化を支える伝統的な桶職人の大切な技術を途絶えずにつないでいける点です。

逆に、木桶には木肌が劣化して製品に木屑が紛れ異物となってしまう欠点があります。
昨今は桶職人が減り、手入れに手間と費用が掛かる点も課題です。

今回、当店ではあえて手間と大金(?)をかけ、百年桶の改修を行いました。原料や仕込の技術ばかりでなく、食文化の伝承という“みそ造り”に対する「念い(おもい)」の一端を感じていただければ幸いです。

suyakame at 14:52|PermalinkComments(0)

2017年01月14日

香味だより161号より より良い原料を求めて・・・

生産者の方々に学びともに向上をめざして<
私どもは農業に関しては素人ですが、生産者さんとの長年のお付き合いの中で学ばせていただくとともに、前向きに、肯定的に、また積極的に、働いている皆さんと手を携え、一緒に向上していきたいと考えています。

安曇野市
かまくら屋田中さんの大豆
昨秋は大豆収穫期の長雨のため、乾燥が進まず、刈入れは例年より1〜2週間遅れました。
傾斜地に広がる遊休荒廃農地を開墾し直した畑での大豆の収穫は大変です。コンバインを転倒させないよう運転に技術と注意を要すのです。
刈入れの様子を見学中、ヒヤッとする場面もありましたが、収穫した大豆を見て一安心。粒が大きく、なかなかうまそうで、煮あがり、蒸しあがりに期待が持てました。今後、みその出来上がりを見ながら契約を増やしていく予定です。


長野市松代
関川さんの大根
真田氏の城下町、松代は、話題衛及んだNHK大河ドラマ「真田丸」の主人公・信繁の兄、信行が開祖です。お城から西へ2kmの地にある関川さんの大根畑でも、昨秋の長雨で生育が遅れ、収穫時まで心配でした。
ところが、お世話になっている7年のなかで今年は特によいできでした。大きさや収量はもちろん、大根を漬物にするため干して乾燥させる間に、”スの入る(中心部に多くの細い穴が生じること)”率が例年を大きく下回り、20%を切ったのです。いったんスが入ると廃棄するしかありません。一昨年は特に悪く5件の大根農家の平均が50%近くにもなりました。
話を聞いたところ、嫌気発酵堆肥を使い、土壌改良を施したとのこと。微生物の多様性活性値の高い畑地となり、土壌消毒なしでも連作障害が出なくなったそうです。特にトマトでその成果を感じられたそうで、関川さんのさまざまな努力に敬服します。

店主 青木茂人

suyakame at 13:04|PermalinkComments(0)TrackBack(0)