2017年01月14日

香味だより161号より より良い原料を求めて・・・

生産者の方々に学びともに向上をめざして<
私どもは農業に関しては素人ですが、生産者さんとの長年のお付き合いの中で学ばせていただくとともに、前向きに、肯定的に、また積極的に、働いている皆さんと手を携え、一緒に向上していきたいと考えています。

安曇野市
かまくら屋田中さんの大豆
昨秋は大豆収穫期の長雨のため、乾燥が進まず、刈入れは例年より1〜2週間遅れました。
傾斜地に広がる遊休荒廃農地を開墾し直した畑での大豆の収穫は大変です。コンバインを転倒させないよう運転に技術と注意を要すのです。
刈入れの様子を見学中、ヒヤッとする場面もありましたが、収穫した大豆を見て一安心。粒が大きく、なかなかうまそうで、煮あがり、蒸しあがりに期待が持てました。今後、みその出来上がりを見ながら契約を増やしていく予定です。


長野市松代
関川さんの大根
真田氏の城下町、松代は、話題衛及んだNHK大河ドラマ「真田丸」の主人公・信繁の兄、信行が開祖です。お城から西へ2kmの地にある関川さんの大根畑でも、昨秋の長雨で生育が遅れ、収穫時まで心配でした。
ところが、お世話になっている7年のなかで今年は特によいできでした。大きさや収量はもちろん、大根を漬物にするため干して乾燥させる間に、”スの入る(中心部に多くの細い穴が生じること)”率が例年を大きく下回り、20%を切ったのです。いったんスが入ると廃棄するしかありません。一昨年は特に悪く5件の大根農家の平均が50%近くにもなりました。
話を聞いたところ、嫌気発酵堆肥を使い、土壌改良を施したとのこと。微生物の多様性活性値の高い畑地となり、土壌消毒なしでも連作障害が出なくなったそうです。特にトマトでその成果を感じられたそうで、関川さんのさまざまな努力に敬服します。

店主 青木茂人

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2016年10月15日

香味だより160号より より良い原料を求めて・・・

安曇野大豆 生産者の心意気

安曇野での大豆栽培委託を5年ぶりに再開することになりました。
山地の遊休荒廃地を開墾し、そば、大豆を栽培している農業法人「かまくら屋」の田中社長にお願いします。完全無農薬ではないものの、除草剤を使用するのは種まきの後の1回のみです。

大豆はもともと畑地で栽培されますが、最近では米の転作で栽培される大豆がほとんどです。
田中さんは、桑畑や果樹園その他野菜畑だったところが耕作放棄され、荒れ地となっていた土地90任魍墾しました。そのうち大豆は34如∋弔蠅呂修个任后
近年、農家の老齢化に伴い、委託されることが多くなったことから、来春には高校新卒者を5名採用し、作業にあたってもらうそうです。

田中さんの仕事は、農地を守り、国土保全の意味からも意義があり、昨年「耕作放棄地発生防止解消活動」で農林水産大臣賞を受賞されました。
その経営理念は「愛と正義の心をもち、地域の農地活用と良質な農産物の生産、加工販売により、社員と社会を取り巻く人々の喜びと平安を目指します」。すや亀はそこに共感したのです。

田中さんの本業は車のディーラー。
リーマンショックで売り上げが落ち、企業として安定的なもう一本の柱として農業を選びました。しかし、なかなか農地をかしてもらえず、ようやく貸してもらったのが耕作放棄地の荒れ地でした。
それにもめげずに取り組み、次第に認められ農地を広げてきました。
山間地の小さな畑は返却し、平地の畑だけにすれば生産効率は上がります。しかし、土地を愛でる農家の思いに触れ、あえて返却せずに「社会性を重視した農業」を「自分たちのやり方」として取り組んでいます。

田中さんのその心意気に惚れ、多少割高でも田中さんの大豆を「コシヒカリみそ」に使うことを決めました。「究極をめざすみそ」は、しばらくは北海道十勝、北星農場さんの大豆を使用していきます。

店主 青木茂人


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2016年09月05日

香味だより159号より 真味是淡と本店店舗

真味是淡
不易流行(ふえきりゅうこう)とともに当店の社是に掲げているのは真味是淡(しんみこれたん)です。

これは17世紀の中国、明の時代の洪自誠が著した人生の指南書「菜根譚(さいこんたん)」の一節です。「醲肥辛甘(じょうひしんかん)真味にあらず、真味ただ是淡なり。神奇卓異(しんきたくい)は至人(しじん)にあらず、至人はただこれ常なり<濃い酒、こってりしたもの、辛過ぎ、甘過ぎは本物の味ではない。本物の味は淡白なものである。奇抜なふるまい、奇抜な才能を振り回す人は道を究めた人ではない。真の人物というのは平々凡々な尋常な人である>」
《あっさりした飽きのこない味こそ本物》とは、まさに当店のめざす味噌の神髄。ご飯とみそ汁のように毎日食べても飽きない味が大切です。
そして企業としても飽きることなくお客様に親しんでいただける「真味」を目指します。

近年、無添加をうたうダシパックが人気で売り上げを伸ばしています。
表示を見ると無添加ということで確かにグルタミン酸やイノシン酸等、化学調味料は使われていませんが、酵母エキス、蛋白加水分解物、鰹エキス、昆布エキス等が原料として加えられています。
これらは実はビール酵母、植物蛋白、カツオ(魚肉)昆布から、薬品・アルコール・酵素を使って抽出したもの。
個人的には化学調味料と大差ないのではないかと感じます。
ダシとして味が強いので食べ続けると味覚の低下が危惧されます。

H28-追加焼むすひ_

そんな思いから当店では加工品には本物のかつお昆布を煮だした出汁を使っております。
化学調味料に慣れた方には当店の加工品の味、特にフリーズドライ味噌汁「ずくいらず」等には物足りなさを感じるかもしれませんが、「真味是淡」をご理解いただければ幸いです。

自らを振り返りますと、13回目の見合いで結婚した家内と浮気もせず淡々と35年を迎えました。
これぞまさしく「真味是淡」の真髄ではないかと自画自賛しております。




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2016年05月15日

香味だより158号より 不易流行と本店店舗

不易流行と本店店舗


長野の風土に根ざした外観
今年のGW直前、本店店舗の外装改修工事が完了しました。

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昭和60年の大がかりな増築以来30年ぶりの大工事、しかも外装は初めてです。くすんだ白壁を塗り直し、2階の窓に格子を付け、壁の下部は北信濃の雪に強い下見板張りとしました。
中庭を囲み、店舗・工場・自宅の計8棟の土壁造りの建物が全部下見板張りで統一がとれ、風土に根差した景観を醸し出すことができました。

この店舗は、祖父亀吉が明治35年の創業からわずか9年後の明治44年に建築したもので、土蔵造りというよりは、いわゆる土壁造り。祖父は欅(けやき)が好きで、「離れ」まで続く5間(9メートル)もの1枚板を使った廊下が自慢でした。また、工場は大正から昭和初期の建物で古材を使った土壁造りです。法規により現地での建て替えができず、補強を重ねながら使い続けています。

内装も時代とともに
建物の外装は百十余年たってもあまり変わりませんが、内側は時代とともに変化を続けています。昭和60年の大改装で飲食部門を併設した店舗にしましたが、当時、味噌屋でこのような試みをする店はほとんどなく、会津若松のみそ田楽屋・満田屋さんを参考にしました。しかし信州では田楽になじみが薄いため、小布施の栗菓子の老舗・竹風堂さんにご指導を仰ぎ、焼きむすびをメインメニューとする現在のような飲食店舗となりました。

その後、昭和61年に通販用のコンピューター導入、平成13年に環境に配慮したガスエアコン・ガスボイラーを導入。平成17年にISO9001:2008認証取得、さらに平成20年には事務所を2Fに移動するとともに工場内・本店店舗・善光寺店を居ながらにチェックできるモニターTV設置など、小さな店ながら新鋭の管理システムを導入入してきました。

商品開発も不易流行
建物同様、商品開発も時代に応じた変化を遂げています。

煮っこり_ハンバーグc
昭和50年代に、みそがベースになりますが業務用に焼き肉のたれ、58年には土産物用にビン詰めしたくるみ味噌やごま味噌を開発、味噌菓子の委託製造もスタートしました。平成に入るとフリーズドライ味噌汁やレトルトみそ汁、続いて簡単に惣菜ができる冷凍食品の「こんがりシリーズ」や「煮っこりシリーズ」に枠を広げました。守るべきものは守り、新しくするものは新しくする。すや亀は常にこの「不易流行」の精神を忘れず、これからも進んでまいります。




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2016年01月15日

香味だより157号より 不易流行

18年になる「究極をめざすみそ」

「不易流行」とは俳聖・松尾芭蕉が信条としてきた理念で、<変わることのない永続性>と<時代とともに変化する流動性>うを意図します。すや亀では伝統的なみそ造りと、より安全安心で美味しいものを求める理念を頑なに守ると同時に、新しい技術や手法を取り入れ変化させることを大切にしています。

長野オリンピックが開催された1998年に初めて仕込まれた「究極をめざすみそ」も「不易流行」を貫いています。無化学肥料で栽培された特別栽培大豆と米、そしてミネラルが豊富な海水から直接つくられた伝統海塩を使い、木桶で天然仕込みをすることが「不易」。一方、除草を機械化したり、均一な発酵を進めるための天地返しをみそ堀機で省力化する「流行」を同時に進めてきました。

●時代に応じた「流行」
大豆
1998年 安曇野「浜農場」社員総出で真夏の除草
  
2012年より 北海道十勝「北星農場」大型機械で除草


2000年 佐久市臼田・油井さんによるアイガモ農法
  
2008年 川妻さんによる手押し除草
  
2014年 石田さんによる機械除草


1996年 中国・入浜天日塩
  
2005年より 伊豆大島・ネット式塩田 伝統海塩「海の精」

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