2006年06月

2006年06月28日

日本の今後5年にとって重要な議論 〜歳出歳入一体改革など〜

 永田町は国会も終わって一息。と思いきやこれが違うんですねぇ。


 新聞報道でもあるとおり歳出歳入一体改革に伴う歳出や税制の見直し論議、来年度の予算の大枠を決めるいわゆる「骨太の方針2006」の取りまとめに向けた大詰めの議論で平河町の党本部のビルは大忙しです。

 ちなみに平河町といえば、たまにテレビや新聞で「平河クラブ」という名前をお聞きになったこともあるかと思いますが、じつはあれ、ここから来ているんですよね。つまり平河町にある自民党の記者クラブということのようです。外務省の「霞クラブ」は霞ヶ関から来ているのでしょうか。。。 最初聞いたときは「何じゃそりゃ」の世界でしたが、まあ記者クラブについてのコメントはまた別の機会にでもすることにしましょう。外国でも日本的な観光の代表例としてよく紹介されるものですからね。


 さて、前述の「骨太」は毎年のものだからさらっと説明することにして、もう一方の方について若干のコメントをしようと思います。

 まず、今年の「骨太」は哲学としては「日本の失われた10年の処理、つまり不良債権問題やデフレは終息に向かいつつあるとした上で、日本としての潜在成長率をそのようにして上げていくか」という問題意識と理解しておけば大まかな理解としては正しいのだと思います。各論に触れると骨太でなくなるので、これ以上はここでは触れません。


 そして、もう一方の歳出歳入一体改革のほうですが、哲学というかストーリとしては、「現在の行政サービスの水準を維持していくためには財政赤字が巨額になりすぎて国が借金で首が完全に回らなくなるので2011年までに少なくともその解決のスタート地点に立てるようにしましょう」ということが大前提です。

 そしてそのためには、使う方の無駄を削るか、税金を上げて収入を増やすかのどちらかしかないということはこれまた明らかであるわけです。もちろん無駄があるなら税金をあげるなんていうことは国民へのしわ寄せという他ありませんから、決して許されるものではありません。しかしながら、問題も切迫していて神学論争をしている場合でもありませんから、まず、行政が身を切って最大限現在のサービスをそこまで崩壊させずにどこまで削れるかの具体的な案を現段階で示して、それでもなお足りない部分は税金で手当てしましょう、ということになって今回の議論が始まり、その一定の結論を得たわけなのです。

 結果、最低限の調整はあったものの、総じていえば、「大きな政府から小さな政府へ」という意味でも、政府としてかなり踏み込んだ現状維持ではなく大きく身を切るような歳出カットの案を党として出しているというのが現状です。
 
 いろいろな議論はあるものの、真に将来に責任を持つ政治家の集団として自民党がまとめた提案です。日本の長期的な経済に暗い影を落としかねない財政の状況はもはや崖っぷち。必ずこの第一歩を何があってもやり遂げなくてはならない。秋には新政権が誕生する状況だからこそ私も決意を新たにしながらこの議論に加わっています。
 
 しかしながら最終的にはこの問題は国民の皆さんの意識がどのようになるかというのがその成否を握る最大のポイントであります。しっかりと皆さんと議論してオールジャパンでこの国の将来が最高となるような歩みをしていきたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。ともに頑張りましょう!


suzuki_keisuke at 19:29トラックバック(0) 

2006年06月23日

中東出張報告(番外編:ヨルダン紀行 〜砂とテロルのはざまで〜)

皆さんこんにちは
今日は若干趣向を変えて、紀行記風に写真の解説をしていきたいと思います。では、、、



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まずはアンマンの町並みから。これは宿泊したホテルの近くで取った一枚です。中心部近くの一枚ですが、アンマン自体は西洋資本のホテルも多くヨーロッパやアメリカのビジネスマンも多いことから非常に開放的な雰囲気。こんな感じの場所がかなりあります。




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これは地元ではかなり高級なアラブ料理のレストラン。最近はアラブ料理は大体はレバノン料理(一番おいしいらしいです)の影響を受けているとのこと。まあ美味しいところに似てくるのは止むを得ないのかもしれませんね。同行したレバノン人のイタニ君が話していたことだから本当なんでしょう。レバノンとほとんど同じと言ってました。下はその料理の非常に大量の前菜の一部。



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食後にはこのような水パイプがデザート。スイカとかイチゴとかのフレーバーの煙を味わうのです。タバコを吸わない私にはちょっときつかったですが、まあ甘い香りは楽しめます。町のカフェでは昼下がりにこれをすっている人が結構多く見受けられました。(↓)



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上の写真は有名な死海。ちょうど訪れたときには、OBサミットという各国首相OB(親類も可?)の会合があり、福田康夫氏もこの隣のホテルに滞在されていたそうです。そして下の写真は高速から撮った砂漠というか荒地の写真。こんな光景がアンマンから離れると延々と続きます。まさに「砂漠の国」を感じさせる瞬間です。



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次の写真は外務大臣との面会の際に訪れた外務省の建物です。空港から地内に入る途中にあって市内にはないのが不思議ではありました。よく外国に行くから空港の近くというわけではないのでしょうが。ちなみにこの近くの高速道路の脇を普通に羊飼いに追われた羊の群れが歩いていたりして、まあのんびりしたものであります。



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続いては市内の大き目の民家。貧富の差は市内でもはっきりしていますし、アンマン市内と田舎ではこれまた大きな差があります。次は多分こんな家に住んでいる人くらいしか来られないだろう高級ショッピングモール。この中のスターバックスのコーヒーの値段は完全に日本と同じくらいの値段でした。



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これはヨルダン南部の砂漠の完全に中です。アラビアのロレンスの撮影が行われたので有名みたいです。純粋な砂漠で、夕陽が非常に美しかったのが印象的でした。ただ風が吹くとすごい砂嵐(?)で、アラブの人の白い被り物の実用性を痛感した次第です・・・

下の写真はそんな砂漠のキャンプの中のテント。ヨルダンの王子が我々と夕食をともにされるとのことで、非常に立派なテントが用意されていました。この中で蒸した羊などを食べたわけです。とてもおいしいものですが、さすがに毎日は厳しかったですね〜



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suzuki_keisuke at 18:14トラックバック(0) 

2006年06月20日

日韓サッカー外交

 この前の週末、日韓の国会議員による親善サッカー試合に出場しました。この試合は日韓共催だった前回のW杯以来毎年おこなわれているもので、個人的にはそれなりに外交上も意味があるのではと思っています。

 今回の試合は韓国の全州という全羅道の歴史的な都市で行われました。羽田からソウルの金浦空港まで約二時間、そこからバスで3時間半という非常に遠いところで、疲れもあったのでしょうか、試合開始が到着直後ということから試合開始後は動きが鈍かったのは隠せません。まあ、日本側に通知なくいつの間にか20分×3が25分、15分×2に変更されていたりといささかフェアでない行為もなくはなかったものの、試合を通してファウルも少なく親善に貢献できた試合だったと思います。結果はニュースでも報道されていた通り3対2での負けでした。



試合のスタジアム


 日本側が相当な親善友好ムードだったのにも関わらず、韓国側の歓迎の挨拶でまたもや歴史がどうとか一部の勢力が民衆を抑圧した不幸な歴史とかいろいろな皮肉が交えられていたのにはびっくりしました。まあ枕詞なのかもしれませんし、内容的には戦前の日本ではなく、天安門の虐殺事件を起こした中国共産党を非難しているのだともいえなくもない(そんなはずありませんが(笑))と思うことにして、必死に不快感をこらえたのでした。

 昨年秋に行われるはずだったのがずれ込んだのも靖国にいった議員の参加は認めないと韓国側が一方的に言ってきて日本側がこれを当然受け入れなかったことが原因でした。このようなことをみてみると、現在のこの地域の相互信頼に水をさすようなことを敢えてルールやマナーを無視してやってくるのが韓国や中国なのだということを改めて痛感してしまった次第です。まあ、韓国の政治家も一人ひとり会えばいい人たちではあったりするんですけどね。対外的にアピールというと変ってしまうのかもしれませんね。



韓国国会議員の李氏と


 今回のチームはもちろん超党派。新人ながらにたまにはこのように党を超えて団結するのもいいことだと思いました。別に政党間の対立は政策などに関するもので人格的に対立しているわけではないのですから。。。

 幸い普段から最低限のトレーニングはしているので怪我には至りませんでしたが、筋肉痛は避けられず、日ごろの絶対的な運動不足を痛感しました。「健全な精神は健康な肉体に宿る」、心身ともに健康でいたいものです・・・





suzuki_keisuke at 14:09トラックバック(0) 

2006年06月14日

中東出張報告ぁ船茱襯瀬麒圈

 皆さんお待たせしました。早一月が経ってしまいましたが、ヨルダンの出張報告です。ヨルダンというのは皆さんご承知のとおり非常にユニークな国です。国民の70%がパレスチナ人ということ、サダムフセイン政権とは隣国ということで原油の優先供給を受けるなどそれなりに良好な関係を維持してきた等の事情から、中東情勢(最近でいえばパレスチナ・イラクです)に非常に敏感な国です。テロなどは原油の高騰や観光の減収につながることから基本的には反対という穏健な外交政策を採ってきた国です。そんな経緯からイスラエルとも国交はありますし、またアメリカともFTA(自由貿易協定)を締結しているといった具合です。

 昨年の11月にアンマンの西欧資本のホテルで爆破テロがあったのですが、実はそこでたまたまパレスチナ人のカップルの結婚式が行われていたため犠牲者の大半がパレスチナ人であったという事件がありました。ヨルダンの人に言わせると、それがまさに転機。それまでは不満からテロリストに喝采を送る市民もいたけれども、それ以降は皆テロリストが決して自分たちの味方ではないということに気づいて世論調査なども完全に反テロに転じたとのことでした。



アンマンの町並み




アンマン名物の大きな国旗(世界最大らしい)

 このことは非常にあることを示唆していて、テロリストを一般の市民からしっかりと隔離・分断できれば、おそらく今後テロというのは先細りになっていくであろうということのよい例なのではないでしょうか。資金・テロリストのヒトの供給が一般市民社会からなければテロ組織は立ち行かないのですから。そのためにもアメリカを中心にテロリストに口実を与えないような中東政策を行っていくことが求められるといえるわけです。具体的にいえば中立公正な政策であるべきで、イスラエルの方を一方的に持つような政策は逆にアメリカや自由主義国家を危険にさらす結果となってしまうということがいえるのです。この地域に歴史的しがらみがない日本にはそういう意味で建設的な役割が求められているのかもしれません。

 ヨルダンは、少なくともアンマンは社会的にはアラブの中では開放的、世俗的で政治家でも普通に飲酒しているほどでした。このような世俗化を進めていくのも中東和平には欠かせないことなのかも知れないと思いました。経済的な貧困はしばしば人々をテロ等の行為に向かわせるというのもまた事実なわけですから。それに行ってみてびっくりしたのは女性の大臣が活躍しているということでした。正直アラブで、意外でした。



開発大臣(結構な美人)と 


 もっともヨルダンは不思議な社会で、指導層は非常に流暢な英語をしゃべるアメリカ留学組。国王以下ジョージタウン大学閥が非常に強い国です。ただ、彼らが行うプレゼンテーションは完璧ですが、それが貧困の中にある国民一般に受け入れられるかは正直やや疑問を感じたところです。日本と逆で若者が人口の多くを占めしかも失業率が高い結果社会不安が高まるという悪循環に経済的社会的にヨルダンはあります。ただその影響かどうかわかりませんが下の写真のように王室が意外に質素だったことは印象的でした。




王宮の正面




王と謁見をした間




番外編 王宮のトイレ!(意外と普通)

 また国としては今でも部族社会、国会議員には先日殺害されたテロリストのザルカウィの叔父さんまでいて、普通に我々との夕食会に出席していたくらいです。これには正直びっくりしましたが。。。



ザルカウィの叔父さんと




suzuki_keisuke at 20:07トラックバック(0) 

2006年06月13日

サッカーワールドカップ 日豪の夜

 昨日のサッカーワールドカップの日豪戦は本当に残念でした。私はオーストラリア大使館でほかの国会議員や大使館関係者等と観戦していましたが皆さんはどこでご覧になっていたのでしょうか。
 危ういながらも何とか逃げ切れるのかなと思った途端に最後の最後急に崩れてしまったように見えましたが、こればかりはピッチ上の選手にしかわからないのでしょう。まだ第一戦、厳しいですが、ベストを尽くして勝ち上がってほしいものです。野球のWBCでいったんは無理かと思われた敗戦から優勝に駆け上がったのは記憶に新しいところ。頑張ってほしいものですね。



オーストラリア大使を囲んで(西村議員、佐藤議員、林議員と)

suzuki_keisuke at 15:42トラックバック(0) 

2006年06月08日

カザフスタン

 今日もまた一息ということで中東報告ではありません。ご容赦を。
 さて、今日はいろいろな会議の合間を縫ってカザフスタンのヌルガリエフ大使とお話をする機会がありました。まさに先週麻生外務大臣のイニシアティブで中央アジアとの外務大臣クラスの会合が持たれたり、中国も上海協力機構を軸に影響力の強化を狙っていて、アメリカもテロ以降この地域に基地をおくなど何かと「アツイ」エリアであります。

 これにロシアを加えて一応現代国際政治の強国がみな関心を持っている場所に中央アジアはなっているのですが、その理由は二つ。ひとつは地政学的な価値が非常に高いこと、つまりここの地域に影響力を持った国はほかの大国に対して外交上、軍事戦略上非常に優位になるということ、そして第二に、特にカザフスタンは石油などの天然資源が非常に豊かであること、この二点です。

 そのため私は当選以降いろいろな場でこの地域との関係強化を言い続けてきたわけですが、当初は外務省も「この地域はFTAという段階ではないし、なかなかタマがないんですよねえ」と後ろ向きだったのですが、最近ようやく風向きが変わってきたようです。

 とはいえ、中国やロシアに比べ、日本やアメリカがいまひとつ出遅れているのは明らかなようです。今の日本大使は昔の駐米大使、外務事務次官をされていた方ですが、中国大使は元副首相、どちらの国にカザフスタンが重きを置いているかは明らかであります。

 まあ、彼の国にとっても国境を接している大国に対しては近い関係でいたいと思うのが自然でしょうから、日本としては如何にロシアや中国とは違った形でこの地域への影響力を増していくかが課題といえそうです。国際協力銀行(JBIC)などはカザフにも徐々に食い込み始めたりはしているようですけどね・・・

 そんなことしなくてもいいって?そんなことはありません。エネルギー戦略上も外交上も中央アジアを押さえることは、日本への直接的な重要性は大前提として、対中国という観点からも非常に需要なのですから。。。

suzuki_keisuke at 18:02トラックバック(0) 

2006年06月05日

ちょっと一息 〜若い世代とのぶつかり合い〜

 先日、東京大学の駒場キャンパス、つまり1、2年生と30前後の社会に出て10年くらいがたったOB、OGが語り合ってみようという「知の摩擦」プロジェクトに参加しました。個人的にもリクルートの役員から東大に転じた竹原副理事の使命感に共鳴して全面的に協力してきたプロジェクトの第二回ということで大半の部分で参加させていただきました。

 はじめのうちはあまりの盛況ぶりに、「ああ、俺が大学生のころだったら、こんなまじめっぽいイベントに見向きもしなかったよなあ」と思って、最近の大学生の熱心さに若干の戸惑いも覚えていたのですが、実際に話し始めてみれば、企業家や私のような政治家、独立系の人などいわゆる「濃いめ」の社会人が集まって好き勝手思いのたけをぶつけているのを結構しっかりと受け止め、かつ熱いメッセージを発信している学生が多く、非常に心強く思うと同時に元気を貰ったという具合でした。我々社会人、大人もカッコウつけずに思いっきり自分より若い世代とぶつかってみるというのもお互いのためにいいことかもしれませんね。もしかしたら学生というよりも我々若手OB,OGに喝を入れるのが本当の成果だったのかもしれないなあとふと思いました。

 さて、今週は国会も終盤ですが、個人的にはばたばたしながらも決算行政監視員会の分科会での小池環境大臣への質疑で幕を開けた一週間となりました。おまけに夜の会では鰻の骨をのどに刺してしまい、なかなか前途多難な一週間の予感です。あれって、なんとなくいや〜な感じですよね。早く取れることをねがいつつ今日はこの辺で。

 若干話は変りますが、今日、村上ファンドの村上氏が逮捕されましたね。ある意味で証券市場にいい面悪い面両面でいろいろな意味での刺激を与えてきた人物であるだけに、このようなインサイダー取引による逮捕という事態となったことは非常に残念です。違法性の認識があったのなら論外、なかったとしても、本人の会見ではありませんがプロとしては不注意だったのでしょう。

 ただ、今回の経緯を見ても明らかなように日本の法律はある意味非常に解釈に頼る部分が多いのも事実です。このことは「小さく強い政府を」という私の主張と逆の事態であり、つまり行政や司法による解釈という不透明性が明確性があるべき法体系の中に残ってしまっているということで、ある意味での「大きな政府」なのだと思います。ルールを明確化し違反は厳しく罰する、「書かれていないルール」を無くしていく、ということこそが21世紀日本の目指すべき方向性ではないでしょうか。困難はありますが、頑張ってその方向に向け頑張りたいと思います。

 また私は若手の政治家として、長い目で見たとき、この一件が今後の日本のマーケットのありかたを妙な方向に流してしまうことがないよう、政治の立場からしっかりとマーケットの実態、金融行政をウォッチしていきたいと思います。

*出張報告は断念したわけではありませんので引き続きお楽しみ(?)に。。

suzuki_keisuke at 23:42トラックバック(0) 

2006年06月02日

中東出張報告(イスラエルその2 何で今ヨルダン川西岸撤退か?真意を読み違えるな)

みなさん、更新が遅くなりまして申し訳ありません。さて、引き続きイスラエルの報告です。最近の国際政治的なトピックも交えつつ進めていきたいと思います。

 まず、最近のイスラエルは経済状態はそれなりによいものの、ユダヤ人の中での貧富の差の拡大が非常に深刻になっています。よくニュースになる入植地にいるのはユダヤ人の中でも貧しい人たちですので、政府としてはポーズとしてなかなかその撤退を貧しい同胞に要求するのは困難ということもあるのかもしれません。

 次に、アメリカのイスラエル離れ。これは今年になってから急速に脚光を浴びているテーマですが、これまでイスラエルべったりの政策を続けてきたアメリカの中でもイスラエルとの特殊な関係がアメリカの国益を害しているのではないかという声が、いわゆるリアリストの中から出てきていることが注目されます。これまでのネオコンといわれる人たちはややユダヤ人が多い傾向があり、民主党政権もユダヤ人が多い傾向がありましたので(政権としては民主党の方がむしろイスラエルより)これまであまりいわれてはこなかったことなのですが。もちろんイスラエルもアメリカのバックアップがあってこその今の地位がありますから無関心ではないはずですが、現時点では国内でそのことを深刻に懸念する声は出ていないようでした。

 逆に積極的に接近を図っているのが中国です。イスラエルのハイテク兵器の生産能力に目をつけているのでしょうか。今年に入ってからも首脳クラスに近い人が何度もイスラエル入りしているとのことでした。そういえば、ライス米国務長官がイスラエルに中国への武器輸出の制限を要請して一時期イスラエルとかなり険悪な雰囲気になっていたことが思い返されます。

 最後にこれは今回行ってみて初めてわかったこと。これまでイスラエルでは優勢な右派といわれる勢力が領土拡大を主張してきていました。しかし最近急速に主張を変えています。一見穏健化したかのように。しかし実態としては、ユダヤ人よりもパレスチナ人・アラブ人のほうがはるかに人口の伸びが高いために2030年ごろに人口が逆転してユダヤ人が少数派となってしまう可能性が出てきました。魅し今のように民主主義の投票にこだわるのであれば、その時点でイスラエルはユダヤ人の国ではなくなってしまう可能性が高いのです。そのことが最近問題視され始めてきて、その結果出てきた結論が「パレスチナ人切り離し=ヨルダン川西岸の入植地の撤退」なのです。これは決してイスラエルが全体として穏健化したということではないということに注意が必要でしょう。

 イスラエルの他者を一切信じない態度はおそらくはこの地域の本当に乾燥した砂漠に囲まれた荒荒しい気候が生み出したものなのかもしれません。日本のような海に囲まれた国からすればまさに全く価値観の異なる国です。しかしながら今回もイスラエルの若手の国会議員と話しをしていく中で、侵略の意思を隠し、自らが持つ軍事的能力についても公表を事実上拒否している核兵器保有国にして共産党の一党独裁国家である中国がすぐ隣に存在している日本の地政学的状況は、イスラエルと同じとまでは言いませんが非常に危険なリスクが大きいものなのではないか、日本も相手の善意に頼った外交をこれまでどおり続けていくわけには行かないのではないか、との意を強くした次第です。もちろんいたずらに感情的に強硬になるのは論外ですが、国民や将来の国民の安全を保障するのも政治家の義務だとするならば、そのようなリアリスト的視点も重要ではないかと感じた次第です。また同時に、イスラエルのような特殊な国ですらアメリカの国益を害しているから切り放そうという声がアメリカ国内で出てきているということは、日本も努力しなければアメリカから同盟関係を解消され、この危険な東アジアの中で一人で生きていかなくてはならなくなる可能性すら常にそこにあるという当たり前のことを再認識したしだいです。

 次回以降はヨルダンの報告をさせていただきたいと思いますが、イスラエルについては述べたりないことはたくさんありますが実り豊かな数時間だったということを書いて終わりたいと思います。

 若干蛇足になるかもしれませんが、イスラエルのような国にとってFTAの締結は純粋に経済的意味ではなく国際政治上の味方になりうる国というシンボル性が非常に高いようです。現にアメリカはイスラエルとアラブ諸国両方とFTA を締結していることを考えれば、イスラエルとFTAを締結しても日本外交の手足を縛ることには必ずしもならないと同時に、経済的に見れば果物なんかを輸出して日本車を輸入しているという現在の貿易関係を見れば、メリットがより大きいのはどうやら日本のほうのようです。地域のバランスの意味でも検討してもいいテーマなのかもしれません。

suzuki_keisuke at 19:44トラックバック(0) 
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