2006年07月

2006年07月30日

イラクからの帰還 〜自衛隊の皆さんご苦労さまでした〜

 今日ニュースでもやっていたイラクの第10次支援群の隊旗返還式に出席してまいりました。実は私は、この前の隊である第9次の支援群の派遣のときから、基本的には送り出すとき、迎え入れるときの式典には、イラクに自衛隊を出す決定をする国会の特別委員会の委員である以上自らの義務であるとの思いもあって出来る限り顔を出させていただいてきたところであります。

 一連のイラクへの派遣については、その成果という意味でも、結果的には犠牲を出すこともなく任務を完遂して日本に戻られたので、隊員の方々およびそのご家族の方々には心からの敬意を表するとともに、正直無事の帰還にほっと安心した次第です。
 国内的な法的な議論は置いておくこととして評価をするのであれば、イラク国民のため、日本の国際的プレゼンス向上の観点からも、また対米関係の観点からも一連の自衛隊の活動は非常に意義深いものであったと個人的には考えています。

 もちろん中東情勢も緊迫していますし、イラク自身もまだまだ復興の第一歩についたばかりであって、これから自衛隊以外の関わりも含めて日本としてはイラク復興に関わっていくわけですから、これまでの自衛隊の方々のご苦労を礎として、しっかりと取り組んでいかなくてはならないと改めて気持ちを新たにしました。ビジネス的な原油の権益という点でも、ここまでイラク復興に関わっている以上しっかりと獲得できるものはするべく努力はしていかなくてはならないと思っています。
 また自衛隊の国際協力・海外派遣についても一度しっかりと議論する必要があるのかもしれません。基本法というような話もありますのでしっかりと取り組んで行きたいと思っています。



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2006年07月26日

躍進(?)中国・・・

先週の後半私は先輩の西村衆議院議員と国土交通省の担当者の方々と中国に出張させていただきました。目的は中国の海洋戦略の一環としての港湾の視察及び当局者・共産党とのさまざまな事項に渡る意見交換でした。タイトな日程ながら非常にいい経験をさせていただきました。

実は私にとっては、上海というよりも中国そのもの、極言すれば共産圏に足を踏み入れるのは生まれて初めての経験だったので非常に緊張しました。特に上海は最近では反日デモや領事館職員の自殺事件など暗い話題が多いだけにやや身構えていたのも事実です。ただ一方で躍進中国の象徴とでも言うべき場所、いろいろなものをしっかりと見て勉強し、自分の今後に生かして行きたいと思い出張してまいりました。
感じたことは、中国のダイナミックさとスケールの大きさ、そして一方に存在する大きくなりつつある影の部分でした。「何か根本的に違和感があるものの非常にうまく回ってしまっている経済」、この言い方が正しいかどうかわかりませんが私が受けた印象はこのようなものでした。




上海の今



と昔。。。 【今でも)


広州やベトナム等のASEAN諸国との競争があるとはいえ、この長江デルタの地域は依然として日本企業も多数進出している一大産業集積地域です。ただ、最近では教育水準の高いホワイトカラーや熟練工の賃金水準はバンコクよりも高くなっているというようなことも耳にするような状況で、おそらく部品メーカーの集積と揚子江沿いの後背地マーケットの大きさというものが強みであるほかは強みは段々と薄れてきているのだと思います。

そんな中こちらで頑張っておられる日系企業名方々との意見交換の場を持ちましたが、こちらならではのいろいろな苦労をされているようで政府としてしっかりとサポートしていかなくてはならないと思われます。知的財産権の問題やいろいろな意味での制度の透明性の問題、更には日本に対する意識等の諸問題で問題が山積みというのが偽らざる実情のようです。これはいろいろな話を聞く限りでは別に最近の関係悪化の結果ということではなく、もともとある中国という国が抱えるある種の傾向の結果というべきもので、政治での譲歩が必要という状況ではないようです。そこらへんを政治家はしっかりと認識していかなくてはならないでしょう。つまり政治で譲歩したところで経済で相手がフェアになるわけではないということです。もちろん必要以上に摩擦を起こすことはありませんが、必要以上に相手に気を使うことも決して日本のためにはならないでしょう。経済という意味でも。




意見交換中



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さて、躍進する中国の象徴ともいうべきものをいくつか見る機会に恵まれました。一つは羊山深水港とそれに隣接する臨港新城、そして森ビルが建設中の上海ワールドファイナンシャルセンタービル、リニアモーターカーです。非常に雑然とした下町、古くからの農家、識字率も決して非常に高いとはいえないそのような未発展の地域を内包しながらも上海はダイナミックに急速に成長を遂げています。1990年代初めには何もなかったのが現在では香港のような紺総ビルが林立している浦東地区を見るにつけ、そのスピード感と活気に圧倒される気がします。




全長30KMの橋の向こうに・・・



神戸の10倍の港。。。


ただ、いろいろな開発についても担当者の非常に前向きなバラ色の将来像に比べ、実際に進出している企業の担当者の口から漏れる実態の乖離は非常に印象的ですし、いまだに猥雑な雰囲気の汚い路地裏、実際に林立しているマンションがほとんど人が入っておらず夜ともなると真っ暗であるという事実、それらを鑑みれば、この国の経済発展の構造がどのようなものなのか、その持続可能性に関するリスクに思わず関心がいってしまうのは私でけではないはずです。実態の把握と適切な政策の立案に務めていきたいものです。







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2006年07月23日

笹森連合前会長のお話を伺って

 先日ある会合で連合の笹森前会長のお話を伺う機会がありました。連合というと政治的に言えば民主党の支持母体ですので余り自民党にいると接触の機会も少ないわけですが、実は私は前職の大蔵省勤務時代に一年ほど厚生労働省に出向し高齢者や障害者、外国人等のの雇用問題の政策立案に携わっていたことがありました。実は労働行政というのは現実的には、労使のコンセンサス、つまりは連合と経団連等の経営者の団体の同意がないと全く前に進まないという分野であります。いくらきれいごとを言ったところで実際に行動に移してもらわなければ何もならないわけで、そしてその主体は企業であり労働者であるわけですから、どうしてもこれらの団体との関わりは避けて通れないものなのであります。

 「意欲と必要な能力があるのであれば、すべての人が等しく平等な機会を与えられなくてはならない」というのが私の当時からの考え方でありまして、そういう意味では労働者の団体である連合の人々とも意見が対立するというような関係になかったこともあって、今回の笹森前会長のお話も先入観なく聞くことができました。

 私が話を伺ったときは、「額に汗して頑張っている一般の人々が報われるようにすることこそが政治」との話をされていまして、その思いにおいては意を同じくしていると非常に勇気付けられた次第です。もちろん大所高所の議論も非常に重要なわけですが、この世の中を支えているのは一人ひとりの一般の方々です。そうである以上、そのような方々が前向きに「今日もがんばっていこう!」と思えるような世の中を作ること、これはある意味で政治の真髄なのでしょう。しっかりと胸に留めておきたいものだと改めて思った次第です。

 実は今回お話を伺ったのは、自民党の一期生のとある会合の場でした。というところでふと思ったのが、最近小沢民主党代表が自民党の支持団体に手を伸ばして着々と切り崩しを進めているという話がありますが、実態はどうなのか、本当に切り崩しが順調に進んでいるのかは疑問ではないかという点であります。もちろん一部ではそのようなこともあるのかもしれませんが、挨拶だけというようなケースだって多いはずです。メディアの報じ方次第では、今回の会合だってそういう政治的な意味合いを帯びかねないわけで、このことからしても結局は実態と報道から受けるイメージでは多少落差がある場合が多いということが推察できるのではないでしょうか。。。


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2006年07月19日

台湾訪問記(日台フォーラム2006への出席) 〜ちらりと見えてきた中国への将来的関わり方〜

 週末に台湾の台北で開催された「日台フォーラム」というシンポジウム(世界平和研究所・中華欧亜基金会共催)にパネリスト(コメンテーター)として招聘され参加させていただきました。日台双方とも参加者は非常にレベルの高い専門家ばかりで、また二日目の公開セッションの聴衆も200名ほどでしたが専門家が中心でしたので非常に緊張しましたが会議全体としてよい議論が出来たと思っています。今後もしっかり勉強し、かつ実行していきたいものです。



他のパネリストと(私、王(台湾大学(確認中))教授、張議長、高木(青学院)教授)


 さて、今回のフォーラムのテーマは「中国の発展と今後のアジア」というもので、中国の今後とその国際情勢に与える影響につき、安全保障・経済の両面から幅広い議論が行われました。私の発言の概要については自分でまとめたポイントのペーパー(これに沿って発言)をホームページに近日中にUPしますのでそちらをご参照ください。

 おおまかにいうと、
|羚餬从僂糧展が対外政策に与える影響はナショナリズムの興隆という負の側面と、権力維持という指導部の究極目標からすればナショナリズムに訴えるリスクよりも経済成長という国際的にも調和的な方向に向かう可能性の双方を認識しておかなくてはならず今後ウォッチしていく必要があること、
⊂絣ざ力機構やメコン川等々対外的に囲い込みとみられるような地域協力の枠組み作りにおける積極攻勢が目立つことに注意が必要であること。ただし東アジア共同体の現実的な実現可能性は日本の観点からは日本も含んだ形では困難であること、
C羚餬从兌身が環境・エネルギー効率面や金融・経済の様々な不均衡・格差、少子高齢化基調などのリスクを持っており、経済発展が持続可能かは慎重に判断すべきこと
等に触れた上で、日台両国が中国に対してどのように対処していくべきかについての簡単な提言を行った次第です。




王教授(右)の報告へのコメンテーターとして


 私はかねがね、中国経済や中国の可能性は大いに感じまた信じているものの、中国自身のリスクが非常に大きいことも無視できないと考えています。そして、知的財産権の問題や環境やエネルギー争奪、さらには法の支配(中央の地方に対するコントロールを含む)、最終的には自由や人権、民主主義といった価値観にいたるまで、中国の今後の発展のために必要であろうことごとが本当に中国に根付き、彼らが真の責任あるステークホルダーとなっていくためには、何よりもその必要性を中国自身が認識することが重要だと思っています。逆に言うと、本当に必要だと本人が認識する前に周囲が押し付けたり援助の手を差し伸べることは長期的にみれば中国のためにも世界全体のためにもならないということなのです。

 たとえば環境、中国政府が最近環境対策に本腰を入れ始めたように見えるのは、温暖化の深刻さに気付いたからではなく、都市の大気汚染や水質汚染が社会的な暴動や不安の原因になっているからという理由に過ぎません。だからこそ先週私が出席したG8+5の国会議員による地球温暖化に関する対話の際にも公式の場やコーヒーブレークの際等の意見交換の際にも本当の熱意や環境問題に対する意識は当局者(全人代の環境担当の上の方の人が来ていました)でもあまり感じられない状況にあるのです。確かに話せば去年環境の法律を多数成立させたと誇らしげに言いますが、その直後には「中国は貧しいからエネルギー効率の高い発電技術を導入できないから先進国は中国に援助すべきだ」などということを平気で言えるのです。軍事費が不透明で異常なペースで成長しているのは、世界一の経済大国になると息巻いているのはどこの国だったかと思うほどです。つまり地球温暖化対策のための環境技術の途上国への移転という切り口においても、必要とされる「技術の存在」「導入資金」「導入する意思」の最後の部分が中国においては現段階では問題を認識はしているにもかかわらずまだ欠如しているという状況なのであります。




フロアからの質問に答えて: 環境関係と大陸への直接投資についての質問をいただきました


 話が脱線しましたが、何が言いたいかというと、日本や台湾は、いろいろな面において、中国が真の大国となるために、いろいろな問題を彼らが素直に認識し改革や変革への意思を持てるようにしっかりと見守っていく、そして必要あるときは厳しく圧力もかけるということが重要なのでしょうということです。いずれにせよ中国が真に責任ある大国・ステークホルダーとなることに異論はないのですから。。

 さて、今回のフォーラムで感じたことをいくつか。

 まずこれは書かなくてはならないのは、少なくとも台湾の一定(それも相当)の人々は依然として親日的であり、かつ自由・民主の国となった今では日本と共有できる価値観が非常に多いということです。

 そして次にこれは問題提起ですが、台湾では「中国が民主化したら一緒になっても」ということは耳にしますが、民主化した中国というのが本当に国際社会における責任あるステークホルダーになりうるのかという点です。韓国のケースを見てもわかるように、民主国家がナショナリズムに走らないとはいえません。もちろん民主化し議論がオープンにできる環境に時間をかけてなった後であれば、社会としての健全性が増すことに疑いはありませんが。
 「中国が民主・自由の社会・国家となればそれで日本を取り巻く国際政治情勢は改善するのか?」 そうなった場合に日本がどのような姿勢でいるべきなのか、台湾はどうなるのか、そのようなことをしっかりと考えて行きたいと思っています。




黄外交部長と


 今回のフォーラムはそのような問題に取り組むには非常にいい場だったと思います。実は今回のフォーラムはシンクタンクの主催となっていますが、蘇貞昌行政院長(台湾では首相に相当)が開会のスピーチを行った他、我々日本側の代表団には陳水扁総統、李登輝前総統と会見する機会が与えられ、外交部長(外務大臣)主催の晩餐会も行われるなど、政府間チャネルではありませんが実質上の公式行事に近いものでもあり、これがある意味で国交がない日台の太いパイプの一部をになえればということを心より祈りかつ応援していきたいと思います。




李登輝前総統を囲んで(日台フォーラム参加の先輩議員と:左から岸参院議員、私、李登輝前総統、水野衆院議員)


 李登輝前総統への面会については今日は長くなってしまうので特段は触れませんが、やはり依然としてアジアの巨人、巨大な政治家でありました。その場での話、考えたことなどはまた近いうちにこのブログで書こうと思っていますのでよろしくお願いします。まだお元気そうで、予定の時間など全く気にせずに、また我々に本代表団の話にも丁寧に応じられ、日本語で非常に幅広い話を一時間以上もエネルギッシュにされていたのが印象的だったことを最後に書いて終わりたいと思います。



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2006年07月12日

地球環境関連の国際会議への参加のご報告

 暑い日が続きますね。昨日は寝苦しい熱帯夜だったとか。クーラーもフル稼働で電力消費があがっていく季節に突入でしょうか・・・

 さて、これを読んで意味ありげな前振り、とご推察のあなた!さすがですねえ。今日書こうと思っているのは先週の金曜から土曜にかけて行われた地球温暖化に関する会議についてなのでありました。

 G8+5Climate Change Dialogue という名称のこの会議は環境政策に関心が高い各国の政治家、産業界の大企業の代表、世銀、IAE等の国際機関が一同に会し、議論していく対話の場です。今回は二酸化炭素排出量が多い途上国(中国やインドなど)の参加も得られたことから、将来的な実効性のある枠組みの実現に向け非常に有意義な第一歩が切れたということが出来ると思います。



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 前々から述べているように「環境政策の先端を行くわが国には環境対策の促進によって経済産業的にも得られるものは大きい、つまり環境という切り口での経済の比較優位はほとんどの産業において今のところ日本にあるわけでそれを生かさない手はない」と思っている私としては、議論はもちろんのこと(詳細は近日中にHP:www.suzukikeisuke.jpに掲載予定)、理屈として正しいものを世界の共通認識として実現するためには、実際に各国で議論を世論的にもリードすることができる立場にある政治家や、実際に排出の主体である企業関係者とフランクな意見交換、「ぶっちゃけ話」が出来る関係になっておくことが何よりも重要なのではないかと思っています。その観点からも非常に有意義な会合ではなかったかと思っています。

 ちなみに実際に会議はこんなところで行われていました。



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参加者(左から小杉先生、篠田先生、私、谷津先生)

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2006年07月11日

途上国開発と日本の高齢者介護施設

 昨日出張先のベルギーから帰国しました。出張報告はHPに近日中にUPします。まあ機内でまとめたものなのでラフなものですが。写真等を含む出張報告は明日にでもこのブログでさせていただこうと思います。

 さて、今朝は財務省の先輩でもある木原誠二衆議院議員とともにウォルフェンソン前世銀総裁と意見交換を行う機会がありました。ちょうど週末に出席していた気候変動に関する国際会議が世銀との共催だったこともあり気候変動の話題にも話が及び、開発から日本の今後、中国経済の対等とどう対処するかなど非常に多岐にわたる意見交換を行なうことが出来ました。意見交換をしながらも、世銀という開発援助の巨人のトップを長年にわたり務め、かつ実はオリンピック出場経験もあるスポーツマン(今年が出場50周年と本人は言っていました)ということで、非常に幅広さを感じさせる素晴らしい人物と改めて認識した次第です。

 その後は知人の紹介で仙川にある介護施設の視察をさせていただきました。厚生労働省において高齢者施策の一端に関わっていた身としては、久々の介護医療の現場を非常に興味深く見せていただき非常に感謝した次第です。今後日本という国の高齢化は避けられない事実です。そこでテーマとなるのはいかにして「老齢化」しないか、そして老齢化してしまった人に如何に効率的でニーズにマッチしたものを医療、サービスの両面で提供できるかといったことなのかもしれません。そのための受け皿は多様化しつつあります。大きくなっていく介護を含む高齢者サービスの市場、しっかりとした選別が必要な時代が始まりつつあるのかもしれません。

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2006年07月07日

北朝鮮危機に思う 〜皆さん何かお忘れではありません?中国は・・・〜

 皆さんこんにちは。私は今地球環境の会議に出席するためブラッセルにいます。打ち合わせまでの時間を利用しての投稿ですので若干短めにしたいと思います。

 報道によれば、今日政府筋からということでテポドン2はハワイ方面に向けて打たれたとの話があったようです。これが事実で、失敗していなければハワイ近海に達するはずだったというなら、今回の発射は対日対米の政治的なメッセージという以上に深刻な意味合いを帯びてくるといわざるを得ません。日本としては自国と自国民をしっかりと防御できる備えを速やかにしなくてはならないのではならないでしょうか。

 またそうすることで、日本の再軍備を非常に恐れる中国が真剣に北朝鮮に影響を及ぼすという二次的な効果も得ることができるでしょう。中国がその国家戦略上かなりの優先順位で避けたいのは日本が軍事的にも中国に対抗していけるような軍備を持つようになることだと思われるからです。

 さて、その中国。マスコミの論調や関係者の話を見ていると、「中国も今回の事態には危機感を持っているから真剣に対応しようとしてくるに違いない」というような憶測があるようですが、それは全くの見当違いといわざるを得ません。いろいろな理由はありますが、ここではわかりやすい点2点に絞って書きたいと思います。

 |羚颪旅盍院焚麌首相)が10日からピョンヤンを訪問する予定です。これは決してミサイル危機のためではありません。もともと何のためだったかというと、中朝友好協力相互援助条約(1961年7月11日締結)の45周年記念式典出席のためです。この条約は現在でも有効なもので、式典出席ということはこの条約の履行に中国がコミットしていることに他なりません。そして、この条約の第二条は以下のようなものです。

「第二条  両締約は,共同ですべての措置を執りいずれの一方の締約国に対するいかなる国の侵略をも防止する。いずれか一方の締約国がいずれかの国又は同盟国家群から武力攻撃を受けて,それによって戦争状態に陥つたときは他方の締約国は,直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与える。 」

日米同盟に勝るとも劣らぬような非常に緊密な関係にいまだに中国と北朝鮮の両国はあるといわざるを得ません。中国としては意味があるからこそこの条約を維持し、そのことを北朝鮮に伝えている、というのがこれらから浮かび上がってくる現実です。これが有効ということは、もしアメリカが北朝鮮に限定的な空爆をするような場合には中国は北朝鮮に「直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を与え」なくてはならないわけです。われわれはこの意味をしっかりと考えておくべきではないでしょうか。


◆|羚饉身もすねに傷を持つ国です。人権問題、死刑の多さ、法治主義のなさ、軍事費の不透明性と侵略的意図を持っているとしか思えない空母や戦略核原子力潜水艦を中心とした軍備増強、あげればきりがありません。これが国際的な非難を免れているのは、「ならず者国家北朝鮮」が存在しているために中国自身の「ならず者ぶり」の印象が薄まっているということ、そして、北朝鮮と国際社会の仲介役を行なっているために何故か「平和の使者」的なイメージを作り出すことに成功していたこと、等の理由があるからです。中国としては北朝鮮が自由主義民主国家になったり、韓国と統一してしまうことで失うものは実は間接的なものも含めると非常に大きいといわざるを得ません。すなわち中国としては北朝鮮が多少は挑発的なことをして世界から軍事的に攻撃されない程度に問題視されている状況が最も国益にかなうとも考えられるわけです。


このような点を考えるだけでも、中国が本気で今回の事態を遺憾と考えるているはずはないこと、そして本気で圧力をかける気もなくその立場にもないことは容易に推測できるわけです。あえて「遺憾」とするならば、中国としては金正日体制の北朝鮮がなくなってしまうと自国が困るので、余りにも過激なことをして国際社会に国をつぶされるような事態を招くことだけはしてくれるな、という意味合いにとどまるはずだと考えざるを得ません。

 この点、私たち日本人は決して忘れてはなりません。中国は現在の体制が続く限りこちら側の仲間ではないのですから。ともすると経済でごまかされがちですが、中国はその実は軍備増強に走り核兵器を大量に保有している唯一の共産主義独裁、人権や自由がない専制国家である、そのことを忘れることは日本の将来に大きな禍根を残すことになります。しっかりと認識しておかなくてはなりません。

 では今日はこの辺で。。。

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2006年07月06日

テポドン・ショック

 皆さんご存知の通り北朝鮮が今朝方ミサイルの発射をおこないました。自民党の部会でも、強硬な意見を中心にいろいろな意見が出されていたところですが、私なりの考えをいくつかここに書かせていただきたいと思います。

 まず、我々が何よりもしなくてはならないのはこの国を護ることだということです。その意味からすると日本はまだ実際に攻撃を受けたわけではありませんし、その意図が明らかにあったとはいえないのが現状です。この認識、つまり今後如何にあの国に変なことを絶対にさせないかが重要だということです。

 日本にとってもっとも避けなくてはいけない最悪の事態とは何でしょうか?それはおそらく以下の点でしょう。まずは日本の本土なり船舶なりが北朝鮮により核ミサイル等で実際に攻撃を受けること、次に北朝鮮の崩壊により難民流出といった混乱や経済的な大きなマイナスの影響を受けること、そしてこれはやや間接的ですが、統一後の朝鮮が国際政治的に親中・反米反日的なスタンスを持った国家となること、この3点ではないでしょうか。

 北朝鮮の崩壊プロセスがハードランディングとソフトランディングのどちらが日本としては望ましいかという議論は、若干長期的な話ですし、そもそも北朝鮮の人がどのようなことを考えどのような動きを見せるのかということにかかっているものですのでこの際、今日の議論からは外すことにしたいと思います。

 さて、そうした上でその観点からすれば日本として採るべき方針は、)鳴鮮の予期せぬ急激な崩壊、突発的な暴発を少なくとも現段階では防ぐために対話の余地がなくなるほどには追い詰めすぎないよう気をつけながら圧力をかけ核やミサイルの廃棄に追い込む、日本が突出して北朝鮮に厳しく対することで将来に禍根を残さない、といった点が重要なのではないでしょうか。

 もちろんこれは金正日政権がまだある程度国内を掌握していて戦略的に動くという前提の上に立った話であります。そしてその判断としては、状況証拠にしか過ぎませんが、実は非常に重要なのが、テポドン2が失敗で失速したのか、日米を挑発しないようにはじめからそこそこの距離しか行かないようにしていたのかという点であります。
 この点については現在政府部内でも解析の作業を行なっているところでその結果を待たないとなんともいえませんが、仮にテポドンが少なくとも日米を刺激しないところに着弾するようにある程度計算がされていたということであれば、北朝鮮が何も考えずに戦略性もなくただ挑発している手の打ちようがない状態ではなく、まだ戦略性を持った駆け引きを出来る状態にあると判断できるわけです。

 もしそうであるとするならば、すなわち何も理性的な判断が出来ない自暴自棄の状態でないということならば、日本としては経済制裁についてもはじめから全てのカードを切ってとにかく圧力という方向に行くのではなく、今後の行動の抑止のためのカードとしていくつかを温存しておくことも重要なのではないでしょうか。つまりこれ以上の事をしたら損をする、自分が崩壊しかねないという状況を作り出してこちらが交渉の主導権を握ることが重要であります。もちろん○×をしたらカードを切るというようなある程度曖昧なコミットメントはしなくてはカードの価値もなくなってしまうわけではありますが。。。

 そして、同時に北朝鮮が崩壊し統一朝鮮国家が成立した後のことを睨めば、日本が突出するのではなく、ある程度生ぬるいと思われるかもしれませんが、ここは価値観を共有できる国々とは少なくとも共同歩調で対処していかなくてはならないでしょう。

 もっとも、ここの仮定がすべて違っているなら、つまり今回の発射がほぼ錯乱状態でなされたものであるとしたら、正直それはとんでもなく深刻で緊迫した状況で、それはそれで逆に日本は北朝鮮に直ちに「圧力」をかけられるような状況ではありません。日本は現時点で北朝鮮の攻撃に単独で対応できる状況ではありませんから、「圧力」の前に自らの守りを固めておかなくてはどうしようもありません。早急に軍事的にまた人的な意味でも北朝鮮との間の緊張関係がエスカレートしても大丈夫なような備えをまずしておかなくては「圧力」など本気でかけられようはずがありません。この状況だとしたら、明日からでもしっかりと備えをして、しかるべきときに一気に圧力をかけるというシナリオしか採り得ないはずです。

 いずれにせよ、現状の正確な把握と分析、リスクの評価なく、いたずらに強硬になったり、いたずらに融和的になったりというような感情的な判断は一切排除しなくてはならないということが何よりも重要ではないでしょうか。状況が落ち着いたら一回この厄介な隣人をどうして行くのか、東アジア地域におけるわが国の長期的なリスクを最小にするためには何がベストなシナリオなのかを広い視野でしっかり考えなくてはいかないですね、これは。

 さて、こんなことを書きながら実は私は今週の金曜と土曜にブラッセルの欧州議会で行われる地球環境の会議に出席するためにベルギーに出張する予定だったりします。地球環境の問題は人類全体のリスクであると同時に、京都議定書後、つまり2013年以降の国際枠組みをどうするかという議論は、日本にとっても環境政策のみならず経済全体にとっても死活的に重要であり、東アジアの国際政治情勢と同様大事な問題です。しっかりと議論をいい方向に持っていけるように頑張って来たいと思っています。またご報告は後日することにします。

 では。

*書いたものが機会の不調で一回完全に消えてしまうという悲劇(?)がありましたのでこんな時間になってしまいました。。。 やや眠いので内容が若干判り辛いかもしれませんが、ご容赦ください・・・

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2006年07月03日

日本の製造業

 先週機会があってシャープの亀山工場と富士通の三重工場にお邪魔し視察をさせていただきました。両方とも本当に日本の最先端を行く工場の一つでその近未来ぶりに思わず衝撃を受けてしまいました。

 環境にやさしい工場というのはもはや大前提なのでしょう。それだけでなく工場の内部はまさにロボットが行きかうというか21世紀そのものという感じでした。自分が小さいころに想像していた「未来」ってあんなだったよなあと思わずドラえもんの世界を思い出してしまったほどです。

 工場内部の写真等はもちろん最高の企業秘密とのことで一切NG。何でも中国、韓国の産業スパイなどは相当凄いらしく、対策として本当に大事なものは工場の見学ラインからは見えないようにしてあるほどの徹底振りです。

 このようなところが日本の強さの「ものづくり」の粋、結晶なのだと改めて感銘を受けた次第です。国としてもこのような強みは守っていかなくてはいけませんよね。地道に頑張る中小企業をはじめ、製造業は日本を支える裾野です。頑張ろうとしている人が「やっぱりやめた」とならないような、頑張っている人が報われるような産業政策、がんばって実現していかなくてはと改めて思いました。

suzuki_keisuke at 18:15トラックバック(0) 
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