2007年05月

2007年05月30日

今週号のエコノミスト誌の記事について

 今週月曜に発売された「エコノミスト」誌に掲載された記事に関して事実と異なる様に読める記載がありますのでこの場に事実関係を書かせていただきたいと思います。

P83 二段目の最終行からの記述です。

「鈴木さんは海外留学から帰国して約一年で退官したため、留学費用を返還した。」

とありますが、事実としては

私は(2年間の国費留学でない)10ヶ月間の短期の留学後、3年3ヶ月勤務して退官となっています。

 そのため留学費用についても辞職の手続きの際、人事当局にも「そもそも返還する必要性が無いのではないか」とも言われていましたが、選挙に将来出馬する可能性も考えていたのでその場合に相手候補から批判されうる材料をなるべく少なくしたいという思いから自主的に返還を申し出たというのが実際のところです。

 なお、この記述については毎日新聞社エコノミスト編集部の担当記者に誤解を招く表現の訂正を依頼しているところであり、先方も「海外留学後二年間米国で勤務したことは承知しているがその後帰国してから1年余りの国内勤務を経て辞職しているのでこの書き方をしたが、確かに説明不足で誤解を与えかねないとも思うので何らかの対応が出来るように検討したい」と言ってくれています。

 ついては囲みの補足記事を次の号に載せる予定である旨編集部より聞いてはいますが、なにぶん発売中の雑誌の紙面であるため、読者の方の誤解を招いてもいけませんので、念のために、このブログでも書かせていただいた次第です。ご理解いただければ幸いです。

*先日アップしたツアー・オブ・ジャパンの稿に写真を追加しましたのでご覧ください。。。


suzuki_keisuke at 18:54トラックバック(0) 

2007年05月27日

ツアー・オブ・ジャパン

 今日は自転車レース「ツアー・オブ・ジャパン」の最終日第7ステージのオープニングセレモニーに谷垣前財務大臣、小杉元文部大臣と共に参加しました。日本の自転車競技の第一人者であった今中大介氏と共に4人でパレード走行をさせていただきました。



レーススタート前の日比谷公園にて




今中大介氏と


大会HPにもちょこっと映像が出ていますのでご関心の方は http://www.toj.co.jp/ をご覧ください。このレースは今年で11回目を迎える自転車レースでは日本を代表するものの一つ、真剣勝負の世界で奮闘するアスリートの姿は非常に感動的であります。




レース集団の前をパレード走行・・・




パレードなのでスピードは出せずもどかしい..



 さて、私は今日はスタート地点の日比谷まで自転車で赴きましたが、改めて自転車の居場所の無さを痛感しました。もちろん競技用自転車である以上車道を走るのですが、自動車がバンバン走る車道を自転車が通行するのは非常に危険。何度かヒヤッとする瞬間がありました。自転車普及のためにも今後は自転車専用レーンや専用道の整備を求めていきたいと思います。

 最近ようやく話題に上ることが多くなってきたCO2排出量の推移を見ていると、日本国内においても産業部門が低下傾向にある一方で運輸・民生・サービス部門の増加が目に付きます。そこそこの距離の移動を自転車に切り替えていくことは既にヨーロッパを中心にかなり進んできており日本も先進国としてそのような先進的な取り組みを積極的に進めていく時期に来ているのではないでしょうか?そのためにも駐輪場や自転車道のような最低限のインフラの整備はぜひとも必要です。これまでの日本の道路行政はあまりにも自動車に偏重してきました。しっかりと推し進めて行きたいものです。

 さて、話は若干変りますが、今日西日本で光化学スモッグ注意報が発令されたとのこと。ここ10年間発令されていなかったものが今年になって既に4回発令というのは異常な事態です。そして報道によれば、これは中国が大量に排出し続けている窒素酸化物の影響である可能性が高いとのことです。

 科学的に検証し因果関係が明確になれば、ここに至っても口先だけでなんら実効的な対策を打とうとしていない中国に対しては何らかの賠償措置を求めることも含めて対応を検討すべきでありましょう。間違っても中国の無法の後始末を環境協力という美名の下日本の技術と金をつぎ込んで解決するような愚は冒すべきではありません。そのようなことをすればモラルハザードとなって中国の姿勢の変化を先延ばしにしてしまう結果となりかねず、それは日中両国にとって不幸なことであるからです。また国際的に問題を提起するためにも他国起源の汚染を規制できるような何らかの国際的な枠組みを考えるような議論も必要な時期なのかもしれません。


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2007年05月25日

環境問題や北朝鮮問題に関するEUの見方(幹部との面会から)

 昨日EUの東アジア・北米担当のアラン・シーター局長の訪問を受け国会事務所で意見交換しました。韓国・日本への出張とのことで、今回は主に、ヾ超問題、∨鳴鮮問題、C羚駝簑蝓△砲弔議論しました。今回は外交交渉でも何でもないただの意見交換でしたので、以下に概要につき私見を交えながら書かせていただきたいと思います。


 環境問題については日本とEUは中国やインド、アメリカ等の取り組み促進に向け温暖化対策に向け明確なコミットメントをともに行っていこうということで一致しました。

 もちろん細部についてはスタンスの違いがありますが、そのような点を際立たせることは戦略的にもいかがなものかという点もありますので、温暖化対策に消極的な諸国に対する場合には日EU で結束してことに当たっていくというのは重要であるということに異論はないでしょう。

 その上で私のほうからは、排出権取引は場合によっては最も重要な技術革新への投資インセンティブを減らしてしまうという点、先行的に温暖化対策に企業が取り組むようにするためにはこれまでの省エネ努力も評価されるような単位生産量や単位GDPあたりの排出量に重点を置いたエネルギー効率を今後の枠組みの軸とすべきこと、アジア太平洋パートナーシップで日本が主導しているようなセクター別アプローチのようなきめ細かい対応が必要であることなどを説明しました。

 温暖化問題はもはや一刻の猶予も許されない喫緊の課題であります。今後ともEUも巻き込みながら解決に向け世界をリードしていくべく日本としてもしっかりと取り組むべきではないでしょうか。


 次に北朝鮮問題。EUからは核問題、拉致問題につき日米とともにしかも出しゃばり過ぎない範囲でしっかりと解決に向け協力していきたいとの表明がありました。私としては感謝の意を表した上で、日本は核についても拉致についても最も北朝鮮の脅威にさらされている状況にあり譲歩はありえないこと、一部で危惧される六者のほかの参加国の「非核」から「拡散防止」へのレベルダウンの可能性を真剣に懸念していることを伝えました。またアメリカや中国が北朝鮮への融和的姿勢に出た場合に日本国内で独自核武装が盛り上がることを私個人としても真剣に懸念していることも明示的に伝えました。EUの更なる北朝鮮への圧力に繋がればと考えています。


 最後に中国問題についても議論が及びました。知的財産権保護等につき共通の価値観を持つEUとも協力して中国の実情をしっかりと見据えて働きかけをしていくことで一致しました。また私のほうからはそれに加え対中武器輸出について日本は真剣に懸念しているという点を述べました。


 私としては今後とも、一つ一つ日本の立場、懸念について価値観を共有する諸国に伝えていくことが長い目で見れば日本の国益に繋がるはずである、そんな思いでこれからもこのような形での主張を地道に続けていきたいと思っています。二国間関係や交渉においてもそれ以外の国の国際世論というものを如何に味方につけるかということは実は外交上非常に重要です。日本の国の将来に責任を持つ政治家として、このこともしっかりと肝に銘じて努力していきたいものであります。


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2007年05月22日

最近の民主党に思う

 自分の所属する政党でない政党の話を書くのもどうかと思いますが、今日の民主党の常任幹事会で渡部国対委員長が小沢代表に苦言を呈したという記事がありましたので若干述べさせていただきたいと思います。

 何に苦言を呈したのか?小沢代表が国会を殆どサボっていることに対してとのことです。そもそも政治家にとって、国会議員としての仕事は国会で審議をすることであります。にもかかわらず自分は全く国会に出てこない。そして民主党の議員に対しては審議拒否やさまざまな方法で議論が進まないように行動させる。選挙戦術が、パフォーマンスがすべてに優先して真剣な政策論議がほとんど無い。これが今の民主党の実態です。正直、このような政党に日本の国の将来を託すことができるのか?自民党の人間ならずとも民主党の実態を本当に知れば疑問がわくのではないでしょうか?

 国民投票法案に代表されるようにまさに党利党略のために国の将来を決める大事な法案の議論すらしない、そして議論をしないのに採決になると採決することに反対し強行採決というレッテル張りをする、こんなパフォーマンスが繰り返されているのが最近の民主党です。嘆かわしい状況といわざるを得ません。

 実際のところ、私が知る限りでも民主党の国会議員で素晴らしい人も相当数いるのも事実です。若手の間ではむしろ一部を除けばまともな政治家が多いといっていいのかもしれません。しかしながら今の民主党では永田町においてはそのような若手のまともな意見が全く活かされない、そんな状況にあるといってよいでしょう。

 民主党が健全な議論が出来る政権を担いうる政党であって初めて自民党との間での切磋琢磨という状況が生まれます。しかしながら現状はそれには程遠い。自民党の中も民主党が政策論議で不甲斐ないために緊張感がなくなっている面がないとは言えません。私はそのような状況は国民にとって非常に不幸なのではないかと思います。

 民主党は選挙になると自民党の批判票の上乗せがあるために日常の政策論議や実績というところで不甲斐ないにもかかわらず選挙になると強いという傾向を持っています。私ははっきり申し上げたいと思います。今の状況の民主党に投票したところで何の活性化にもならない。今の国会の状況を一歩引いてみれば、まさに政策への真剣さや風通しの良さという点からすれば、自民対民主の構図はそのまま「新しい自民党」対「旧田中派的な旧い自民党」としか言いようがない状況にあります。

 少子化や環境問題、中国の台頭や心の荒廃、日本が今抱える危機を思えば、一刻も早く活力ある新しい日本に向けての一歩を踏み出さなくてはならないはずです。そのためには政治をまず変えなくてはならない。そして今の政治を変えるためには今の民主党的な感覚を生き長らえさせてはならないのではないでしょうか?果たしてこの点、皆さんはどう思われるのでしょうか?

 民主党だから、自民党だからということではなく、有権者の皆さんには候補者個人個人の資質で自らの目と頭で誰が政治家にふさわしいのかご判断いただきたい。自民党であっても民主党であってもこの国のために役に立つ人材を「なあなあ」ではなく一人一人の判断で決めて国政の場に送り出していただきたい。そんな政治風土に日本がなることを心より祈って今日の稿の終わりとしたいと思います。今こそ日本の政治も民主党もそして自民党も変わらなくてはならないのです。一人一人の力を生み重ねて日本の将来を自らの手で築いていこうではありませんか!!

suzuki_keisuke at 20:25トラックバック(0) 

2007年05月20日

これからの日本経済のプラス要素

 先週GDP統計の発表がありました。回復基調は相変わらずということでまあそこそこ底堅い感じの印象を受けましたが、実はこれから数年間の日本は個人消費が一段と強くなる構造的状況にあります。
 
 以前良く話題になっていた2007年問題というのをご記憶の方も多いと思います。これは団塊の世代が退職することに伴う技能伝承などの様々な問題。日本の労働人口が減少するという意味でのマイナス面の指摘が目立っていたわけですが実はこれにはプラスの面もあるのです。

 一言で言えば「カネ」を持っている世代が「ヒマ」を手に入れるということ。この団塊の世代の方々は世代としては日本の高度成長からバブルにいたるまでの経済発展を支えてきた方々です。給料は右肩上がり、年金にしても基本的には今働いている世代に比べればかなり多くのものをもらえる世代なのであります。つまりこれまでも、これからもこれほど裕福な「世代」というものは出てこないわけです。

 その方々が仕事の第一線から退きはじめる。このことの意味は非常に大きいのです。お金がある人が時間を手に入れれば、基本的には「使う」ことが多くなるのが自然でしょう。このことはこれまで戻りきっていなかった個人消費が今後強くなる可能性が高いということを意味します。

 また同時に(年金負担とのバランスを考えなくてはならないものの)、給与の高い人が会社から退くことで人件費の負担が企業として軽くなることも考えられます。そして企業の構成員の比重が若い方にシフトすることにより、若い世代が思う存分実力を発揮するチャンスが増えるということでモチベーションアップ、そしてひいては生産性のアップに繋がることも考えられるわけです。

 このように考えてみると、2007年問題、必ずしも暗い面だけではない、むしろ日本経済のこれからは今まで以上に強くなる可能性を秘めているとも言えるのではないでしょうか?

 国の力、経済力というものの根本は国民一人一人の活力をおいて他にありません。しっかりと前を見て、このような条件を有利に生かせるように国づくり社会づくりの面から日本を支えていきたいものであります。

 支えるといってもやれ補助金だやれ規制だという従来の手法での政府の焼け太りを復活させるわけにはいきません。図体ばかり大きくてあいまいなバラマキ型政府から小さくて強いキレのある政府への転換は極めて大事であります。自由な競争に任せられる部分は官から民にシフトしていくという流れは日本の社会的な活力に決定的に重要なのです。「もしも社会がうまく回るなら政府はいらない」。私の根本哲学です。しっかりとムダを排していきたいものであります。

suzuki_keisuke at 17:44トラックバック(0) 

2007年05月18日

今日の出来事(教育問題とエネルギー問題)

 今日の本会議で教育改革関連3法案が衆議院を通過しました。教員の免許更新制や教育委員会に関する事項等が盛り込まれた法案です。実は私が所属する麻生派は麻生外務大臣、鈴木恒夫副会長をはじめ教育に関して熱心な政治家が多いグループです。そんな経緯もあって、そして私自身、教育こそが10年後、20年後の日本という国の根本の部分を決めるという認識を持っていることもあり、これからもしっかりと教育問題に取り組んでいきたいと思っている次第です。教育というものはやはりなんといっても現場の実情が最も重要な政策分野です。頭でっかちな「理論」よりも実態をしっかりとこれからも学んでいきたいものであります。

 さてさて、たまには朝出席している部会のことでも書くことにしましょう。今朝も党本部ではいろいろな会議が開かれていましたが、私は今日はエネルギー戦略部会に最後まで出席し、総理、経産大臣の中東訪問を含む最近の資源外交についての議論に参加しました。最近は途上国も含めての資源獲得競争が過熱しており、ロシアなどが国家による資源管理を強めていることもあり、日本のようなエネルギー輸入国には厳しい情勢が続いています。

 そんな日本としては、これからはエネルギーの効率化によりエネルギーの需要を抑えるとともに、供給についても原油やウランなどに関し、なるべく安定的にかつ無理の無い価格で如何に資源を獲得するかが大きなテーマとなります。

 おそらく今回の総理のように首脳の訪問により資源国との関係を強化していくことも重要でしょう。しかしながら私は長期的には今のような資源国が輸入国の足元を見ているような状況を何とかして変えていかなくてはならないと思っています。そのためにはやはり輸入国側の連携が必要でしょうし、資源国側のカルテルのような団結を切り崩すことも必要になってくるはずです。

 今の特に原油については、金に糸目をつけずに調達を強硬に進めている国が存在しているがために資源国側が完全な売り手市場になって、結果として資源の価格が本来の市場価格よりも相当割高となってしまっているような状況にあります。ここのところをしっかりと是正していかなくては問題の抜本的解決とはならないはずです。

 こんなことを発言したところ、政府側は「まあそれはそうだがなかなか難しい」という反応でした。いくつかの連携の取り組みはすでに存在はしているようですが、これからはさらにその方向の模索に私自身努力していきたいと思っています。

suzuki_keisuke at 16:11トラックバック(0) 

2007年05月16日

日豪EPAについての寄稿/神奈川新聞にインタビュー記事掲載

以下の原稿を東アジア評議会の「百家争鳴」というコーナー(http://www.ceac.jp/j/index.html)に投稿しています。これまでも二ヶ月に一回のペースで投稿させていただいています。いろいろな方が寄稿していてなかなか面白いのでご興味のある方はぜひご覧ください。。。

また、明日の神奈川新聞の朝刊に憲法に関する私のインタビュー記事が掲載される予定です。ご興味のある方はぜひご覧ください!

(以下東アジア共同体評議会への投稿)

「EPA交渉戦略」
 16日、私も委員を務めている衆議院外務委員会においてシンガポール(改正)、チリ、タイ(新規)との間のEPAが承認された。もっともこれらに関してはタイについては懸念されていた労働者に関する点は先送りされ、チリとの間でも資源条項が入らないなど、懸案事項は少ないものであったというのが正直な感想である。

 さて、今日本の視野に入っている、もしくはすでに締結済みのEPAでもっとも懸案が大きく国内においても反対論や消極論が多いのはご存知のとおり豪州とのEPAである。特に農業分野に与える影響が大きいとされており、国内の農業関係者、自民党の農業関係議員の反対論は凄まじいものがある。交渉先送りを主張する人が非常に多い。農水省によれば、「今まさに農業の構造改革を進めているところであり、それが終わるまではオーストラリアとのEPAなど締結するわけにはいかない」ということだそうだ。ついてはこの点につき今後どう取り組んでいくべきかにつき若干私の考え方を述べたい。

 もちろん懸念は理解できるし、国内の農業が壊滅的な打撃を受けるとすれば、そこには何らかの対策が必要であろう。しかし冷静に考えてみれば、このことはEPAの発効時期を先延ばしにする理屈でこそあれ、発効時期を含む条件を確定するための交渉自体を先延ばしにする理由とはならないはずである。

 そもそも交渉というものの鉄則は、彼我の相対的関係性において自分の立場が最も強いときに条件を確定させるということであるはずだ。

 今の日本とオーストラリアの状況を考えれば、.ーストラリアはアジアに入り込みたいと考えておりパートナーとして日本を重視している、日本の経済力やアジア地域での重要性は中国の台頭に伴い徐々に低下傾向にあり当然オーストラリアにとっても今後は中国の台頭に伴い日本の重要性が低下していく可能性が高い、という環境にある。

 であれば、地政学的に見てもいずれ戦略的に豪州とのEPAを含む連携は避けて通れないのである以上、日本としては最も条件が有利になる状況にある時期に条件を確定する交渉を行なうべきである。

 そこで考えなくてはならないのは、日本が条件を最も有利にできる状況、すなわち日本の相対的立場が最も強くなっているタイミングはいつなのかということである。先に述べた状況を考えれば、先延ばしすればするほど日本は交渉上強く出られなくなる、すなわち不利になる可能性が高い。つまりはなるべく早い時期、日本の立場が相対的に強いうちに交渉をまとめることこそが日本が最も有利な条件を得るための戦略ということである。それこそ農業のセンシティブ分野についての発効時期を遅くすることも含めてである。

 外交交渉は常に目先のことでなく、長期的な国益を最大化するような戦略に基づくことが必要であるし、戦略の最も重要な条件は「天のとき」、つまりは交渉の最適なタイミングの選択であるということを関係者は今一度思い出すべきであろう。


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2007年05月14日

アメリカの北朝鮮「テロ支援国家」指定

 先日GW中に行われたの日米首脳会談、日米外相会談以降、アメリカが北朝鮮のテロ支援国家指定を解除するのではないかという議論が急速に広がっています。
 客観的にいろいろな情報を総合すればアメリカは今北朝鮮に対してテロ支援国家の指定解除措置をとりたいのだと考えざるを得ません。そしておそらくアメリカのその判断は致命的に間違っていると言わざるを得ないと私は考えています。

 拉致問題を契機に語られることが多くなったこのトピックですが、確かそもそもは1983年のラングーン事件や大韓航空爆破事件等が直接のきっかけとなって北朝鮮に対しこのような措置がとられることとなったはずです。日本との関係ではこれに加えてよど号事件もあったと記憶しています。

 さて、なんだかんだいってもアメリカがその方向に動く意思を持っているのであれば日本としてもアメリカの意思決定に対して何かしらの関与を考えなくてはなりません。日本としては同盟国として、そして北朝鮮の脅威に最もさらされている国として、今後アメリカに対して取り返しがつかないような誤まった措置をとらないように水面下で働きかけていくことが重要でしょう。外交当局の努力を見守りたいと思います。

 そもそも冷静に考えれば、テロ支援国家として指定された北朝鮮がそれ以降テロ支援という文脈でその振る舞いに何か変化があったのかといえば全くそのようなことは無いわけであって、日本としてはアメリカに対してそこのところを強調していくこと、そして解除の結果資金が北朝鮮に流れるようにすること地域の安全保障等に与える深刻な影響といった点をしっかりと伝えていくことが重要なのではないでしょうか。
 北朝鮮が核実験やミサイル実験を強行しそれに対してなんら見直しの姿勢すら見せていないにもかかわらず「テロ支援国家」指定の解除の恩恵を与えるという判断がなぜアメリカとして行えるのか、日本として米国当局に説明を求めていくべきでしょう。テロ支援国家の指定を解除して「テロ国家」指定を新たに行うというなら筋は通りますが、おそらく今回の動きは核実験に対する事実上の見返り、理念なき譲歩である可能性が強い以上、日本としても日米同盟の有効性を確認するためにもアメリカにしっかりと説明を求め、正すべきところは正していかなくてはなりません。

 そして、その反応次第で、もし仮に日米同盟が全く頼りにならない、つまりアメリカは実態としては日本の懸念を全く共有しないと判断せざるを得ないということであれば、日本としても自らの安全保障につき様々な選択肢を検討しなくてはならなくなります。そのような重要なポイントの見極めにも繋がりますから、今回の件に関してはアメリカの反応の分析も含めてしっかりとウォッチしていかなくてはなりません。そんなことであって欲しくないと思いつつも、日本の長期的な安全保障に関することゆえ、率直なところを書かせていただきました。

suzuki_keisuke at 19:24トラックバック(0) 

2007年05月13日

障害者が共に働ける社会を創っていくために

 先週の新聞に障害者の雇用に関して、パート労働についても雇用率に参入する方向で厚生労働省が法改正を検討しているとの報道がありました。

 私は基本的には自由競争や「機会の平等」こそが個人の潜在能力を引き出し社会全体の活力を増すとの考え方を強く信じていますが、もともとハンディキャップを負っている障害者の方々については、チャレンジすることが困難なケース等もあることが多いことを考えれば障害の状況によっては当然結果の平等にも配慮すべきであると思っています。すなわち障害者であっても働く能力がある方についてはしっかりと頑張りやすい環境や頑張ろうと思える環境を整備し、障害により働くことが出来ない方についてはセーフティーネットできちんと生活できるような環境を整備することが不可欠だと思っています。働くということを通じて社会からの疎外感が減るケースもかなり存在することを考えれば、働くことが出来そうな障害者の方については積極的に「働く」という方向にシフトすることが重要と思います。

 実際障害者の方でも「「タックスイーター」でなく「タックスペイヤー」に自分たちを変えて行きたいんだ」ということを仰る方も少なくないのです。また特に企業においてIT技術の発達等により在宅勤務などが普及してきている最近の傾向を考えれば、障害者の方の活躍の場というのは広がってきているのが事実なのではないでしょうか?

 その観点からすれば、やはり障害者雇用に関しては、フルタイムでの長時間労働が困難である場合も多いことを考えれば、短時間労働のニーズは高いわけで、今回パートについても雇用率に算入するという方向性は支持したいと思います。

 しかし一方で、雇用率をこのまま据え置けば、フルタイムで頑張って働こうとしている障害者の方の雇用機会をパートが食ってしまう事態もありえますので、制度設計では実情をしっかりと把握し、そのようなことが無いように取り組んでいただきたいものです。

 そもそも障害者雇用の促進という観点からすれば、雇用率の達成というのはあくまで目に見えやすい統計ということであって、最終目的ではないわけです。もちろん企業には経営の論理があるのは十分承知しているわけですが、最近盛んな企業の社会的責任(CSR)の観点からも社会貢献の一つとして本来の趣旨にあった障害者雇用の促進に取り組んでいただきたいものであります。また実際に企業の現場の話を聞けば、障害者の方々が本当の戦力として会社に貢献している側面もあると聞きます。企業における採用の側面支援として、障害者をボランティアで採用するのでなく戦力として各企業が活用できる職域等の研究も政府サイドでは積極的に行っていくべきでしょう。

 納付金制度・雇用率制度というものは本来は、あるポストの採用で同じ能力の障害者と健常者が競合した場合により就職のマッチングの機会が少ない障害者の後押しをするためにあるものであって、何でもいいからボランティア感覚でノルマを達成すればいいというものではないはずだと私は考えています。その本来の趣旨に企業も政府も立ち戻るべきなのではないでしょうか。

 また、障害者雇用については、特定子会社のようなものが果たして共生や雇用促進の観点から果たして障害者のために本当になっているかといった点や、従来の納付金・報奨金制度に加えてそれ以上にCSRのようなより政府の介入とは異なった観点からの促進策の推進、さらには納付金の義務が生じない中小企業において障害者雇用が伸び悩んでいる現状から納付金制度の対象範囲の拡大の是非等についての検討を今後は進めていかなくてはならないはずです。

 障害者雇用の問題は、労働者側と雇い入れ側双方においてマッチングの障壁があるわけですから、しっかりと双方の問題点を把握し、バランスのよい、しかし前例踏襲でない大胆な政策を今後とも考えていかねばならない、改めて私はそう感じています。

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2007年05月10日

中東(ヨルダン、ドバイ、アブダビ)訪問記

 先週訪問した中東の報告をさせていただきます。

 今回の出張の主目的はJAPAN-ARAB Leadership Networkと称する日本とアラブ諸国の若手政治家による会議への出席でした。4月30日、5月1日にかけパレスチナ情勢・イラク情勢・イラン問題・経済・環境問題等につき幅広いテーマでの率直な意見交換をしてまいりました。今年は9カ国からの参加があり次の一月のイエメンでの会合を約して閉会しました。



アラブ9カ国+日本の若手政治家が一堂に会す

 麻生外務大臣が提唱する「平和と繁栄の回廊」の構想も非常に高い評価を受けるなど、この地域の平和構築や国際政治への更なる日本のコミットメントを求める声が非常に大きかったのが印象的でした。全体的にこの地域での植民地支配の経験がなく唯一の被爆国として戦後平和国家として歩んでいること等への高い評価もあり、「欧米と違って信頼できるブローカー」との評判は確立されているようです。また最近の一般国民の過激派へのシンパシーが高まっている背景には高失業率などの将来への展望のなさがあるとの認識を各国も抱いており、平和構築のためには経済的発展が不可欠との観点から、戦後ゼロからの復興を果たした日本への期待は非常に大きいようです。



議論も白熱

 
 また他の点で非常に印象的だったのがイラン情勢への真剣な懸念。イランの核はイスラエルでなくアラブ諸国を狙っているとの真剣な懸念を多くの国が共通認識として持っていることに驚きを覚えました。何かというと「イスラムの核」というイメージで語られることが多いイランの核ですが、実態はかなり異なるようです。この問題についても日本の更なる積極的な関与を求める意見が多くありました。



アブドラ国王に拝謁も


 さて、今回は写真のように昨年に続いてヨルダン国王に拝謁もし、更には乗り継ぎの時間を利用してドバイからアブダビを訪れ政府関係者と意見交換をする機会を得ました。まあ、一言で言って湾岸各国の開発競争には若干のバブル感が漂っていて、「大丈夫かいな」という気もしなくもありませんが、最近の原油価格の高騰によるオイルマネーの凄まじさをおなかいっぱい感とともに感じた今回の出張でした。



アブダビはルーブルその他6つの美術館の建設を計画


 それにしてもアラブ各国でも産油国と非産油国の歴然とした格差は凄いものです。比べてみてください、このアブダビ・ドバイとアンマンの違いを・・・




建設ラッシュに沸くドバイ


      

      オイルマネー恐るべし




アンマンも中東の大都市ではあるが・・・

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2007年05月07日

通常国会後半戦スタート!

 さて、連休も終わって今日から国会も後半戦に突入しました。今日も月曜にもかかわらず教育特、テロ特という二つの特別委員会が開催されるなど非常にタイトなスケジュールとなっています。

 何せ今年は先日終わった統一地方選挙と参議院選挙が両方行われる選挙イヤー。小沢代表の下、野党は国会での対決姿勢を強め欠席戦術(国会議員の仕事を放棄しているわけで容認は出来ませんが小沢代表は多用しています。というよりそもそもご本人が国会に出席することが殆どありません)等のなりふりかまわぬパフォーマンスをしてくることがますます予想される上に、参議院選挙があるので国会の会期を延長することも難しいという状況にあるのです。

 一方で責任ある国政を担うものとしてはなんとしてでも成立させるべき法案が多くある以上妥協することは出来ないわけです。しっかりとした論戦があるのであればじっくりとした国会運営を行うことも重要な場面があると思いますが、野党が職場放棄をしたり時間稼ぎを繰り返す現状は言ってみれば野党のほうが不正常なわけで、それにお付き合いして懸案を先送りにするような無責任なことをするわけにはいきません。「強行採決」と野党や一部のマスコミが宣伝している状況の裏側にはこんな事情があるのです。。

 いずれにせよこれからの通常国会の後半戦、緊張感を持ってしっかりと頑張っていきたいものであります。

 *中東出張の報告は近いうちにこのブログに載せたと思っているのでお楽しみに。

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2007年05月04日

イランの脅威

 ご無沙汰していました。如何過ごしですか?

 中東に出張中もこのブログの更新が出来ればなあと思いつつ、中東の非常に遅い夕食の時間、ホテルのインターネット接続が意外と高かった等の理由で出来ていませんでした。

 ということで、久々の更新となるわけですが、世間は大型連休中、あまり堅い内容を長々と書いてもどうかと思いますので、今日は一つだけ印象的だったことを書き記すことにしましょう。それは、、、、

 アラブ諸国政府はイランの核計画を相当深刻に懸念しているということ。もちろんアラブの民衆はアメリカへの反発から「敵の敵は味方」的な感覚でイランにシンパシーを抱いている向きもあるようですが、指導層は全くそんなことは無いのが実情のようです。

 日本の報道では「イスラムの核」ということでアラブのイランに対する不信感というものがあまり伝わっていない気がしましたので、この点は我々は留意しておく必要があるのかもしれません。

 イランに関しては、イラクの混乱を意図的に起こしているのではないかという見方をする人もアラブには結構いるくらいで、なかなかペルシャ−アラブ関係は単純ではないようです。

 率直な感じでは「イスラエルの核も脅威だが、イランの核もそれと同じくらい脅威。でもアメリカが圧力をかけすぎると戦争になりかねないので地域の安定のためにそれは避けたい」といったものがアラブ諸国の本音なのではないかという印象を受けました。

 今回はアラブの9カ国と日本の若手政治家の会議でしたので、その場の意見交換の内容等をしっかりと吟味して今後の日本外交に役立てていきたいものであります。

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