2008年06月

2008年06月26日

米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除について

 北朝鮮による核の申告、さらにはアメリカの北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除。情勢が急速に動こうとしています。そしてそれに対する反応も各所で見られます。しかし我々は問題の本質は常に覚えておかなくてはならないのではないでしょうか。

 北朝鮮による核計画の申告には日本の安全保障をもっとも脅かすであろう濃縮ウラン及びすでに開発済みの核爆弾に関する情報は盛り込まれない、いわば「北朝鮮が提出しても痛くない計画」である可能性が高いのが現実です。検証や査察もなく、圧力もない状態では当たり前の話です。寧辺の施設についても死活的に重要なものではないから爆破をするのだということを忘れてはなりません。

 ましてやそれに伴ってテロ支援国家指定の解除という北朝鮮に対する最大のカードを手放せば、北朝鮮に対して隠している核爆弾や濃縮ウランの計画を出させることは事実上不可能となります。

 そして、クリス・ヒルやライスといったアメリカ側の人間にしてみれば、中東で問題を抱えている状況ではアジアはとにかく平穏であればいいのだということ、ICBMを持たない北朝鮮の脅威にアメリカがさらされることはありえない以上何が何でも六カ国協議という枠組みを維持することが何よりも大事な目標で、北朝鮮が抵抗するような成果を勝ち取るという必要性は全くないということも考えなくてはなりません。

 特にヒル氏はボスニアでとにかく各グループをテーブルに着ければ情勢の収集が出来るという状況の成功体験を持っている外交官だということも忘れてはなりません。事態を落ち着けることは出来ても「核廃棄」といったゴールに向けて方向性を出す能力にはきわめて大きな疑問符が付くのがこれまでの動きからは明らかな人物です。厳しい交渉をして北朝鮮に核兵器を廃棄させ濃縮ウランも含む完全な非核化を実現することよりも、北朝鮮が六カ国協議のテーブルから立たないことの方が大事だという考え方があるような気がしてなりません。会議の目的よりも会議を続けることの方が重要視されている最近の流れを考えればこの懸念はきわめて現実的です。

 「北朝鮮がキューバの位置にあったらアメリカはこんな動き方をするはずがない。」アメリカの政権内部の人間が内々私に語った話を改めて思い出します。

 北朝鮮と平和裡に交渉して納得づくで成果を得るためには、北朝鮮が本当に隠したいものには手をつけないという選択しかありません。核が権力維持のために死活問題である北朝鮮と、自国は全く脅威にさらされていないアメリカ。「拡散防止」を落としどころにする、核爆弾や濃縮ウラン計画は先送りにする、お互いが傷つかないためにそんなシナリオを考えている可能性は極めて高いわけです。たとえテロ支援国家指定を解除して国際社会からの大量の資金が北朝鮮に流入しそれが核の小型化、ミサイルに搭載可能な核弾頭の開発を助けるとしても。

 一方で唯一拉致や核、ミサイルといった北朝鮮の直接の脅威を受ける日本は武力も金融的な切り札も持っていないのが現状です。今とりうる選択肢は、アメリカや中国、北朝鮮のご都合主義の奉加帳だけ巨額の対北朝鮮援助というかたちでが回ってくる事態を避けるために六カ国協議からの離脱を検討すること位しかありません。

 我が国の安全を考えれば事態は非常に深刻といわざるを得ません。福田総理は「拉致ばかりに気をとられていると核の方が進まなくなるから制裁解除やテロ支援国家指定解除はやむを得ないのだ」ということを話したとの報道を目にしましたが、もしそれが事実とすれば、今回の申告に濃縮ウランの話やすでに保有している核爆弾の取り扱いが盛り込まれているという確信を持っているのか、今回盛り込まれていなくても日本の安全保障に問題がない、つまり将来的に確実に核兵器の廃棄や濃縮ウランの問題が実行上完全に解決するという確信を持っているのか、きちんと説明が必要なはずです。この点を説明できない、もしくはまだ確実になっていないということであれば、今の総理の姿勢はまさに将来に禍根を残すものとなりかねません。

 ナチスドイツを育てたのはミュンヘンでの列強の「事なかれ主義」でした。今回同じ過ちを犯すことだけはさけなくてはなりません。

 申告の内容についていわれていることを考えれば「拉致のことだけでなく核のことも考えれば今の流れを止めるべきではない」というような幻想は一切持つべきではないのではないでしょうか。今回のテロ支援国家指定解除はむしろ資金流入をもたらすという意味で核問題の方により大きなマイナスの影響を与えるということを私も引き続きあちこちで主張してまいります。


suzuki_keisuke at 16:35コメント(2)トラックバック(0) 

2008年06月19日

東シナ海ガス田問題についての愚見

 昨日長年の懸案事項だった東シナ海のガス田問題についての合意がなされた旨日中両国政府から発表がありました。

 この問題は中国の軍事的な海洋戦略に密接に絡む問題であり、すなわち日本の安全保障や外交、経済面に長期的に見れば大きな影響を与えうる問題ですので慎重な評価と対応が必要です。

 北京の戦略を考えれば、日本がEEZ(排他的経済水域)のラインとして主張している日中中間線や実際の日本の自衛隊の哨戒ラインを少しでも日本側に押しやり、中国海軍の戦略核ミサイルを搭載した潜水艦の太平洋へのアクセスを向上することを可能とすることが長期的戦略の一番の眼目であろうと考えるのがもっとも論理的な推論であり、調査船や潜水艦の出没地域のデータを検証すればそのような北京の意図の状況証拠ともなっているのが現実です。

 エネルギー不足というカモフラージュ(多少は必要性もあるでしょうが)により資源開発をてこにして海洋戦略上必要な海洋権益や境界線を自国に有利なように持って行く手法はスプラトリー諸島における経緯をたどれば明確であります。

 そのようなこれまでのことを考えれば、今回の合意についても確かに中間線の中国側を含む海域での共同開発は一定の前進ではあるものの、落とし穴がないか、日本の長期的国益の観点から検証することが重要です。

 そんな視点で見てみれば、今回の合意の中での白樺ガス田に関する文章の中の次の一文はきちんとその持つ意味を検証されなければなりません。

「中国企業は、日本法人が、中国の海洋石油資源の対外協力開発に関する法律に従って、白樺(中国名:「春暁」)の現有の油ガス田における開発に参加することを歓迎する。日中両政府はこれを確認し、必要な交換公文に合意し、早期に締結すべく努力する。双方はその締結のために必要な国内手続をとる。」

 この文章に日本政府が合意するということは、日中中間線の日本側にかかっている白樺ガス田全体が中国の主権下にあるということを日本政府が認めたということに外交上、国際司法上なってしまうのではないでしょうか。

 この点については将来に禍根を残さないよう、外務委員会や党の会議の場で厳しく追及していきたいと思います。

 天然資源は確かに重要ですが、目先の天然ガスのために巨大なEEZを失い、日本の安全保障どころかアメリカ軍の東アジアへのコミットメントに影を落とすリスクを生じさせることはまさに愚の骨頂、あり得ない選択肢のはずです。


 と、ここまで書いたところで、今若手で行っている霞ヶ関の無駄削減プロジェクトの会議の開会自国となってしまいましたので、ここら辺で今日の稿は終わりにして引き続き議論していきたいと思います。



suzuki_keisuke at 13:49コメント(4)トラックバック(0) 

2008年06月17日

タバコ一箱1000円へ?

 中国のガス田問題、北朝鮮の問題など、日本を取り巻く国際情勢に動きが見られそうな気配です。しかしながら、まだ正確な情報がそれほどない状態で、あるいは近日中に非常に大きな意味を持つ出来事が予想される状況ではあまりこうしたことについては書くべきではない気もしますので、それはまたの機会に譲るとして、今日は新聞記事で見つけたタバコへの課税について書かせていただくこととしましょう。

 何でも一箱1000円を容認する人の割合が半分強とか。まあ、調査によって誤差はあるにせよ、タバコへの課税に理解が得られる土壌はそろいつつあるようです。

 私はタバコを吸わないし、親類も吸わず、さらにいえば運動部の合宿所で学生時代を過ごしたのでタバコの少ない環境でこれまで暮らしてきたということもあって、逆にタバコについては何となく主張し辛いなあという思いがありました。

 まあしかしここまでテーマとして浮上してきて、かつ今の税収の状況が厳しいことを考えれば愛煙家の方には申し訳ないけれども、タバコの税金の引き上げはやむを得ないのかなという気がします。諸外国と比べても日本のタバコの安さは少なくとも私が行ったことのある国々の中では群を抜いています。

 もちろんタバコを吸うのも権利ですから、人に迷惑をかけないという範囲においては規制しすぎるのはよくないと思います。それにアルカポネの例を考えるまでもなく、あるものを禁止するとそれが地下に潜って犯罪の温床となるのはこれまでの歴史の繰り返しの中で明らかになっていることです。

 そんなことを考えてみれば、健康への影響や現在の日本の財政を考えればタバコにかかる税金を引き上げさせていただくのが一番妥当な方法なのではないかなという気がしています。

 皆さんは一体どのようにお考えでしょうか?

suzuki_keisuke at 18:00コメント(6)トラックバック(0) 

2008年06月14日

北朝鮮への制裁一部解除

 東北地方で非常に大きな地震が発生しました。被害の全容はまだわかりませんが、犠牲者の方のご冥福をお祈りするとともに被害者の方への一刻も早い支援を図っていきたいと思います。

 さて、非常に大きなニュースが続いていますが、忘れてはならないのは昨日の北朝鮮をめぐる一連の動きです。

 端的に申し上げれば、私は日本政府の前のめりにも見える対応が果たして事態の打開に繋がるのかに懸念を覚えています。忘れてはならない点ですが、日本は拉致、核、ミサイルの直接的な脅威を受ける最大の当事国であるということです。そして、同じく記憶しておかなくてはならないことは、北朝鮮にとって脅威は中国とアメリカであって、北朝鮮に対する軍事的な圧力を持たない日本は金正日にとっては経済援助者、アメリカの意思決定に影響を与える者としての意味合いしかないということです。

 そして、拉致、核、ミサイルについていえばそれらの正当性が全くない以上、北朝鮮は交渉の相手ではありえない、犯罪的行為や悪事を正させるということしかありえないのだということも忘れてはならない原則です。交渉というものは自らの意思である事態の打開をできるものを相手に行なうものです。核兵器が国内に対しても外国に対しても自らの身の安全を保障する武器として他に替えがきかない役割を果たしている今の北朝鮮の状況においては核廃棄を自分からするということはどんな見返りがあっても考えにくいことですし、拉致問題についても自らの犯罪行為を自分から認めるインセンティブは金正日には全くないということが事実です。

 こうしたことを考えれば、今回の日本政府の決定、圧力を一部緩めるという決定が事態の打開に資するかといえばそう考えられる材料は余りにもないのが現状です。そして、拉致、核、ミサイルの最大の当事者である日本が対北圧力を緩めるということが、直接的には脅威を受けていないアメリカにどのような心理的影響を与えることとなるか。

 拉致とともに重要な核問題でともすればうやむやに事なかれで済ませようとするアメリカ国務省の動きなどを考えれば、今回の日本政府の譲歩が、「アメリカのテロ支援国家指定解除→北朝鮮への資金流入の加速→濃縮ウランその他今回の核廃棄の対象となっていないものの不可逆的進展→日本が今よりも更に大きな脅威にさらされる」という悪夢の引き金とならないかということが非常に懸念されます。

 議員がいない国と議員外交を行なうということがすでに論理的に破綻していることは言うまでもないことですが、福田総理の姿勢もかつての官房長官時代の一連の動き、更にはTICADにおけるアフリカ外交に関する戦略性などを検証すれば、厳しい国際政治の中で国益をきちんと戦略的に護るという観点からすれば結果がほとんど出ていないというのも事実なわけで、今回のことにしても本当に国益を考えた判断だったかには大きな疑問が残ります。

 そもそも国際政治は恩を売るとかアメを与えれば動きが始まるといったナイーブな甘いものではありません。何かを動かすためには冷徹な分析と戦略性に基づく布石のもとに相手がそう動かざるを得ないような環境を作るという極めて厳しい作業が必須です。

 今後そういった点についても、この国の将来のため、設立総会を昨日開かせていただいた「北朝鮮外交を慎重に進める会」や党の外交部会、国会の場などできちんと発信をしていきたいと考えています。

 ヒトラーを育て、第二次世界大戦の大惨禍を招いたのはミュンヘンにおける関係諸国の事なかれ融和姿勢でした。今回の六者協議、更には自由主義世界の中国への対応などを見ても、その二の前とならないか非常に気になるところです。

 政治家は後世の審判を受けるものです。長期的な国益を考えベストな戦略をとっていくことができるよう、今後も政府の姿勢にも厳しく注文をつけていきたいと思います。


suzuki_keisuke at 13:40コメント(3)トラックバック(0) 

2008年06月12日

国会終盤を迎えて

 国会もいよいよ残すところわずかとなりました。昨日参議院で総理への問責決議、今日の衆議院で内閣信任決議がそれぞれ可決されました。私自身自民党にもいろいろな面で違和感は感じますし、変えていかなくてはならない点も多々あると思っている一人ですが、それにしても最近の民主党のやり方はあまりに政局第一主義、我が国の将来や、国際社会の中でどのような国を創っていくかという視点とはあまりにもかけ離れた対応が目立ちます。初体験の「ねじれ国会」とはいえ、本当にこんなことでいいのだろうか、政治家のひとりとして危機感を感じます。

 メディアでの報道がどうだろうと、イメージがどうであろうと、その政党や政治家が果たしてどんなビジョンを持ち、それが表面的なものなのか、本気のものなのか、そんな判断を一人一人の有権者がしなくてはならない時代になっている気がします。

 自民党だからダメ、自民党だからいい、云々ではなく(もちろんそういう見方も必要なときはありますが)、その政治家個人の資質を判断して将来性やその他の要素も加味して一人ひとりの有権者が個々の政治家の判断を下す。今の我が国をとりまく環境の厳しさを考えれば、党派やマスコミの色づけをそのまま鵜呑みにするのではないそんな国民各位の判断力が何よりも大事なのではないでしょうか。

 「ねじれ国会」という状況に甘えて国政を停滞させる訳にはいきません。あとわずかで国会も閉会しますが、自らの精進とともにひとりでも多くの様々な有権者の皆さんと意見交換していきたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:50コメント(1)トラックバック(0) 

2008年06月09日

秋葉原での惨事

 またもや何ともやるせない事件がおこりました。秋葉原での無差別殺人事件。全く関係のない人の人生を奪った卑劣な行為にはただただ怒りが募るばかりです。本人の家庭環境がどうとか、そうした加害者を守るような言動がこれから出てくるのかもしれませんが、私としては守るべきは被害者の生きる権利であって、加害者の人権などでは決してないということを断言しておきたいと思います。

 それにしても最近、どうもこうした無差別の殺人事件が多く起こっているような気がするのは私だけではないはずです。

 このような事件は防ぎようのない事件でもあって、本人が不特定多数に対する殺人目的でいる以上、事前に予防することは非常に難しいといわざるを得ません。一体どうすれば防ぐことが出来るのか。また防犯上の治安対策という点とともに教育や家族のあり方などなど、様々な観点から考えていかなくてはならない問題です。

 これに触発された類似の犯罪が起こらないためにも、一刻も早く対応を短期的、中期的、長期的、すべての観点から考え断行して行かなくてはならないと私は考えています。

suzuki_keisuke at 18:32コメント(0)トラックバック(0) 

2008年06月06日

アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議

 今日国会で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が可決されました。日本はともすると単一民族国家と思われがちであり、我々もそう思いがちですが、実はそうでないのが実態です。

 悪気はないにしてもいろいろなことを知らないが故に人の心を傷つけてしまうことは日常でもよくあることです。特に民族にまつわる話はきちんといろいろな経緯を勉強し適切な発言をしなくてはならないと改めて感じたところです。

 人種と関係ないいざこざも状況によっては人種差別と感じられて余計に人を傷つけてしまうというのは私自身もアメリカで勤務していたときの経験で痛感したところです。異なった人種間、国籍が違うもの同士の交流があまりないのが日本での日常生活の現実ですから、様々な局面で「相手の立場になって考える」ことを忘れないように気をつけていきたいものです。

suzuki_keisuke at 15:52コメント(0)トラックバック(0) 
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