2010年12月

2010年12月30日

2010年の暮れに

 今年の株式相場は結局日経平均のインデックスでも下落して終わりました。世界中が不況ならいざ知らず、今や世界のほかの国々は景気回復に向けて少しずつ歩み始めています。にもかかわらず、わが国はそこから一人取り残されてしまっている。それが顕著に現れたのではないでしょうか。

 これまで連動することが多かった日米欧のマーケットも、今や日本のマーケットだけが露骨に元気がない状況となってしまっているように感じるのは私だけではないはずです。過去の推移を比較してもそれは明らかです。

 一方で国内の政治を見てみれば、小沢問題を巡って民主党の内部での権力闘争が行なわれ、外交でも対米関係という根幹の部分、対中関係といった国益に大きくかかわる部分でのミスを覆い隠すためのその場しのぎの対策がとられ、経済でも税制を巡る抜本的な対策も成長戦略もないままにその場しのぎの世論へのアピールを狙った政策ばかりが横行する。

 世界から見てみればわが国は依然としても2,3番目の経済力を持つ経済大国、しかし高齢化の問題で先進国の先頭を走っているがゆえに不安視をされているという状況です。

 そんな中で、政治がまさに漂流してしまっているこの一年余りの状況の中で、確実にいえることはわが国はもはやヒトもモノもカネも惹きつけることが出来なくなってしまっていて、今のままのやり方を続けていれば、その状況は更に悪化していくということです。

 このままズルズルといかないために、抜本的な経済社会の構造改革が、そして何よりも政治の構造改革が今ほど望まれるときはないのではないでしょうか。

 そんな危機感をひしひしと感じながら年の瀬を迎えています。

 来年一年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますよう心からお祈りし、そして政治を本来あるべきものにきちんと変えていくことを心からお誓いして、今年の最後のブログとしたいと思います。

 来年の年末には具体的な「希望の光」をきちんと書き込めるよう、頑張ってまいります!

suzuki_keisuke at 18:10トラックバック(0) 

2010年12月27日

大連立というお化け

 大連立構想という妖怪が政界を徘徊しているようです。確かに民主党政権では不安だから社会保障や消費税といった問題の処理をしようというのは一見正論に見えます。

 しかし、「急に戦争になった」など、選挙時と前提条件が変わっているならいざ知らず、今の財政の情況、景気の状況は総選挙前にも明らかだったことです。しかも「小さな政府」あるいは「財政再建」といったことは選挙のテーマですらあった。であるとすれば、急に大連立といって過半数を優に超えている第一党と3分の一弱を有する第二党が連立政権を組んでしまえば、まさにそれは民意の無視といわざるを得ません。

 消費税を上げないという選択肢は現実的にはないにもかかわらず、依然として上げるのか上げないのかといった議論がパフォーマンス的に行なわれ、将来の増税幅を最小限に抑えるためにはいつどのくらいの税率が必要なのかという真摯な議論は行なわれていません。

 「高福祉低負担」という無責任な政治を脱し、「高福祉高負担」型の社会か「低負担低福祉」型の社会か、その最終的な選択は選挙というオープンな国民にゆだねられなければなりません。そしてそこに至るまでの論戦をする場こそ国会であるはずです。

 今の国会にも、そうした正々堂々の政治を期待したいと思います。

 さて、政治といえばお隣中国では、温家宝首相が民主化について積極的なメッセージを発し続けています。人権といった問題にも踏み込んだ発言をしているようです。

 2012年には新しい体制となる中国は今まで以上に大きな矛盾をはらんでいくことが予想されます。社会不安、環境問題、水問題といった国内問題も既に限界に近いという見方もあります。そうした意味で中国は今大きな分かれ道に差し掛かっています。わが国もその影響を大きく受けることを考えれば無関心でいるわけにはいきません。来年以降も注視していきたいと思います。
 

suzuki_keisuke at 14:59トラックバック(0) 

2010年12月22日

今のやり方で来年以降予算を組めるのか?

 予算編成が大詰めを迎えています。細かい話をするつもりはありませんがひとつだけ。

 今景気は非常に厳しい中ですが、リーマンショックといった急激な突発的な落ち込みはない状況ですから、公共投資で無理やり需要を支えるといった状況ではありません。加えて、昨年37兆程度だった税収も見込みでは4〜5兆円増えるといわれています。

 にもかかわらず今年も44兆円という巨額の借金をするといっている。今のこの環境ですら借金を減らせないのであれば、マーケットで将来への不安から金利が上昇し利払いが増えるという悪循環に陥る可能性は極めて高い。

 今の予算編成を見ていると埋蔵金の取り崩し方等を見ていても、来年も予算を組むことは想定していないように思えてなりません。

 おそらく来年は埋蔵金もなく今年以上に予算を組むのが難しい状況となるはずです。

 問題の先送りをすること、パフォーマンスで選挙向けのアピールをすることが政権政党の仕事ではありません。

 わが国の舵取りを一時的に預かっているという責任の重さを考えれば、将来にわたって持続可能な仕組みをきちんと作っていうこと、これが本当の責任です。

 誰にもいい顔をしようとすれば今の経済財政事情では確実に破綻への道を辿ってしまいます。

 メリハリをしっかりつけて、やむを得ず切らねばならないものを将来の見通しと一緒にきちんと示す。取り返しのつかない事態となる前に、富の分配ではなく負担の分配をせねばならない今の政治の責務を政権には果たしてもらいたいものであります。

suzuki_keisuke at 17:37トラックバック(0) 

2010年12月15日

景気の足を引っ張る税制

 厳しい環境で育った青年が苦学していい大学に入り、いい企業に入って高額の給料を稼げるようになった、あるいは起業してビジネスを立ち上げ成功した。これは決して悪い話ではなく、夢のあるいい話のはずです。誰もが頑張れば成功する可能性がある社会。そのダイナミズムがなければこれからの国際競争の中で、今の暮らしを守ることも出来ません。

 景気にも直結する税金の議論。今の政権の打ち出している税制改正の方向性は、まさにこうした「頑張っている人」の足を引っ張るようなものに他ならない。

 あいさつ回りであちこち回っていて聞こえてくるのはこんな声です。

 法人税に議論にしても、本気で国際競争力、産業の流出を食い止めることを考えるのであれば3%とか5%といったちまちました議論をしていても意味はないのであって、20%台に引き下げなければ単なるパフォーマンスで終わってしまいます。迷走して期待値を下げてから5%に政治決断をしたと胸を張られても、虚しさが残るだけです。

 小手先の話ではなく、本気でわが国の経済力の復活を考えるのであれば、税制の考え方そのものを変えるくらいの改革が必要です。

 消費、投資を通じて景気をまわしているエンジンの部分を狙い撃ちにして税の負担を負わせることは、長い目で見れば景気という意味でまさに逆効果です。

 政治の議論からダイナミズムも国益も消え去ってしまっているような感じがしてなりません。

 エコポイント、エコカー補助金の打ち切り等による反動が来年には確実にやってきます。少なくとも国民一人ひとりの頑張りの足を引っ張らないようにはしていただきたい。ここ一年余り、諸外国の景気回復の流れから明らかに出遅れてしまっているわが国の状況を考えるとき、政策の判断ミスをこれ以上積み重ねてしまえばまさに取り返しのつかないことにもなりかねない、という危機感を持たざるを得ません。


suzuki_keisuke at 17:34トラックバック(0) 

2010年12月12日

COP16

 ポスト京都議定書の地球温暖化対策枠組みを議論するCOP16が閉幕しました。いろいろな議論はあろうかと思いますが、今回の結果は今の時点ではベストに近いものではないかと思われます。

 前回のブログでも指摘しましたが、今や科学的な議論ではなく政治的な綱引きが行われている状況となっていることを考えれば、今後のわが国の取るべき方向は以下のポイントに絞られるのではないでしょうか。

(1)基本方針としてAPP(アジア太平洋パートナーシップ)のようなエネルギー原単位に基づく削減枠組みを軸とすること。またその際には評価基準は絶対値とし、技術の移転はビジネスベースで行われるべきであること。途上国への支援は技術供与ではなく、先進国等からの拠出で基金などを創設して途上国がビジネスベースで技術の移転を求める際にその基金からの資金供与を行うこと。

(2)これまでのように先進国と途上国という二元論ではなく、先進国及び新興国と途上国という責任の分け方に今後転換していくべきだとの主張を強く行うこと。

(3)こうした方向性を支持する国々に対してのODAをはじめとする経済協力を厚くし、逆に反対する中国等に対しては今でも供与が続いている環境協力を一切停止しビジネスベースでの取引に限定すること。

(4)過渡的に総量規制の相対値での規制を取り入れる場合でもその基準年は1990年でなく2010年にすべきこと。

 こうした方針で今後の環境外交を戦略的に行っていくことを期待したいと思います。

 「今の状況を打開するために地球全体でどのくらいの温室効果ガス排出量を削減すべきか」という科学的な検証を行い、数値を確定させ、しかる後にその総量に達するためにどの分野でどのくらいの削減をすればそれに達するのかという議論を科学的な効率性、実現可能性に基づいて行う。これが今必要な議論です。

 IEAの研究でも、少なくとも今あるベストな技術(その多くは日本にあります)を世界各国が導入すれば温暖化ストップに必要な排出量の半分以上が削減されるという結果が出ています。

 いま温暖化について日本悪者論を中国や一部の国が仕掛けようとしていますが、科学的にいえば、今のエネルギー効率から考えて、中国等の新興国に抑制の義務をかけることなしに温暖化は全く進まないといっても過言ではありません。そして、今の排出量からいえばアメリカもまた削減の義務を負うべきであるのもまた明らかです。

 一番フェアなやり方は、まず各国が今存在している技術を導入して最大限の削減を行わざるをえないようなスキームを作って、そののちに足りない部分についての検討を行うというというやり方のはずです。途上国や新興国の不満に対しては財源は別途検討してもいい。

 与野党、あるいは政府、民間が一致協力して、わが国としてのこうした方向性を打ち出せるよう期待したいと思います。

suzuki_keisuke at 17:41トラックバック(0) 

2010年12月06日

温暖化問題は今や「科学の議論」ではなく「政治的な駆け引き」である

 COP16で日本に対する圧力が高まっているとの見方がされています。これは京都議定書を延長しろと中国等の途上国からの圧力が強まっているということ。

 しかしここで譲歩することは断固として拒否すべきです。さもなければ、わが国の産業だけでなく地球全体の温暖化対策自体が取り返しがつかないことになりかねない。

 温暖化対策でとるべき方向についての詳しい説明は2年ほど前に出版した拙著(『地球温暖化 独裁国家中国の罪』文藝春秋刊:タイトルと違い中身は地球温暖化対策の今後わが国としてとるべき道についての提言です)に書いてありますので詳細は割愛しますが、ここはわが国の国益だけでなく地球全体の今後のために日本は決して譲歩すべきではありません。場合によっては枠組みからの離脱も辞さない覚悟が必要です。人類の将来のためにあえて悪役になることが求められる可能性もある局面であることを肝に銘じておかねばなりません。

 そもそも、地球温暖化の問題。地球全体でどの程度の温室効果ガス排出量に抑制すべきかという議論は「科学」の議論です。しかしその分担をどうすべきか、どのような手法で削減すべきかは「政治」の議論なのです。

 純粋に科学的なアプローチからすれば、原単位方式の絶対値こそが目標にならざるを得ない。今のような総量方式の相対値、しかも1990年比というEUに有利な目標は完全に科学的な正論の逆であり、結果として主要なプレーヤーで一番省エネが早くから進んでほぼ全ての産業のエネルギー効率が世界で最もよい日本だけが負担を引き受けるという不可思議な事態を呼んでいるのです。

 その反省から麻生政権のときに原単位方式へのアプローチ、及び基準年を1990年から2005年に変えるという大きな転換を果たしたわけです。それが鳩山政権の時に1990年比25%という根拠のない発信を世界にしてしまったことで台無しになってしまったという経緯があります。

 繰り返しになりますが、今のCOP16の議論は決して「科学」の議論ではありません。国際政治の国益をかけた「政治」の議論です。それは基準年を見ればEUとて同じ。なるべく悪者にならないようにしながら自らの負担を相対的に最小限に抑える(他に押し付ける)という交渉に過ぎません。

 もしそこで科学的な理想論に自らを絡めるのであれば、それは単なる「お人よし」にすぎない。諸外国は心の中で舌を出しながら拍手喝采をすることでしょう。鳩山演説のときのように。

 残念ながら落選中の身では、このことを直接政権に物申すことは出来ませんが、民主党政権には鳩山政権の時の過ちを繰り返さないよう、妙な妥協をして「いい子」になろうとすることがないよう、出来る限りの方法を使って強く求めていきたいと思います。

 

suzuki_keisuke at 13:35トラックバック(0) 

2010年12月05日

外交も経済政策も・・・

 金曜朝の暴風雨から始まって何となく変な気候が続いていますよね。12月になるのに日中は暖かい。いったいどうなっているのでしょうか・・・

 さて、そんな中、今日も夜の忘年会だけでも5か所、今年も残すところひと月足らずの師走を迎えました。

 国会も結局党首討論も開かれないまま閉会。民主党の代表選の最中におこった尖閣諸島での海保の船への体当たり事件以来注目された対中国の外交戦略などもろくに議論されないまま、うやむやのうちの幕引き、という印象を持ったのは私だけではないはずです。

 このブログでも中国問題を取り上げる機会が多かったわけですが、実はどこかおかしいのは対外戦略だけではありません。経済政策も非常にまずい状況になっていると言わざるを得ません。

 例えば財政の問題。報道にもあるように来年度は過去数年間に比べて税収がそれなりに増える見込みです。にもかかわらず国債発行額を44兆円以下という目標はそのままです。本来税収が増えればその分新たな借金は減らさなければならない。特に今はリーマンショックの後のような財政出動が絶対的に必要な状況ではありません。まさに数字のレトリックで過去にないバラマキを隠蔽しているとしか言いようがない。

 また年金の財源として積立金を取り崩す案が出ているというのも同様です。議論の先送りをし、本来必要な負担の議論をしない。あたかも民主党政権が近い将来の政権交代を見越して、自民党政権に消費税の増税をさせてその次にもう一度政権を取り戻すための布石としか見えません。本来であればそんな小手先の党利党略の戦術ではなく、必要な負担の議論、税制の議論を正面からしていく政治が絶対的に必要です。

 景気ということで考えても、ここのところの民主党の政策は高額所得者を狙い撃ちにするような政策が多くなっています。もちろん富の再分配は必要ですし、生活が厳しいところへの配慮は必要ですが、頑張って仕事をしている方々がアホらしくなってしまうような政策は決して経済の活性化にはつながらない。国際競争が厳しい時代にどうやってヒト、モノ、カネをわが国に呼び込み景気の足腰を強くできるかという今の政治の大きな使命とは逆行した政策としかいいようがありません。

 たとえば証券優遇税制にしても、団塊の世代の方が引退しつつある今の状況はわが国の金融を直接金融にシフトし、ベンチャーも含めた新たな産業育成におカネを回す仕組みを作るいいチャンスです。本来その意図で創られた証券優遇税制を廃止するということが検討されているといいます。これも世界的にみれば笑い物になりかねない、今の時代に逆行する政策としか言いようがありません。

 これからの厳しい時代をどうやって乗り越え、国際競争に勝てる社会システムを創れるか。今たとえ厳しくとも将来のために必要な政策を打ち出していくのが国益に基づいた政治の本来あるべき姿のはずです。選挙のための政治、党益のための政策に走る政治に陥らないよう、我々自身が政権もしくは個々の政治家が何のために行動しているのかをきちんと見極めていかねばならないのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 00:50トラックバック(0) 
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