2011年02月

2011年02月28日

自由のジレンマ(中東情勢と中国、北朝鮮)

 ジャスミン革命といわれるチュニジアの政変、そして今月中旬のエジプトの政変。これからの国際政治の流れを大きく左右する問題として、欧米のメディアでは連日トップでかなりのボリュームを割いて報道、分析がされています。

 さまざまな要素のひとつとしてフェイスブックやツイッターなどの存在が注目されています。そして少し前にはウィキリークスも注目を集めました。「自由」の使者のような扱いも見られます。

 しかし、我々としては見逃すことができない事実もあります。

 そのような「自由」を完全に押さえ込むことの成功している国が、わが国の周りには存在しているという事実を。ひとつは北朝鮮であり、もうひとつはリビアのカダフィ大佐が民衆弾圧のお手本として演説で言及した天安門事件の弾圧を実行した中国です。

 ウィキリークスは自由な国の機密、特にアメリカの外交文書を暴露しているわけで、そのことはほかの誰でもない中国を利することに他なりません。そして「自由」を標榜する一方で、自由がない国の機密は暴露されないわけで、結果的に自由がない国の利益を守ることになるという矛盾がここにはあります。

 中東の情勢を見ても、もちろん今までの統治に問題があったことは事実ですが、その一方で言論の統制をある程度緩めていたところが、こうしたウェブというか新たなメディアの影響をもろに受けてしまっています。結果的に、自由がより弾圧され、国際秩序的の安定という意味でも明らかによりマイナスの影響を与えている中国や北朝鮮のような国にとってのありがたい反面教師になってしまっている。つまりは今回の中東での動きも、東アジアにおいてはそれを教訓にして規制を強化し独裁体制をより強固にして延命する手助けをしてしまっているのです。

 実際、多くの中東の国々で多少なりとも改革が進む機運が高まっている一方で、中国や北朝鮮といったより強権的な国では、規制を強化して市民を押さえ込むという逆の動きにつながってしまっています。

 わが国としては、わが国としての将来にわたるリスクマネージメント、危機管理のためにも、この機会に中国や北朝鮮に暮らす人々の人権、自由といった問題について国際社会としてプレッシャーをかけ、加えて政府が規制をかけることができないようなネット技術を確立するといった技術革新を促していくことが必要なのではないでしょうか。

 不満がないから暴動が起きないのではなく、暴動を起こせないように抑え込んでいる、あるいは暴動が起きても初期段階でつぶしている、という事実を考えれば、いつか爆発する可能性は極めて高いといわざるを得ません。そして、それが中国がもっと軍事的に強大になってから、北朝鮮が核兵器を多く持ってしまってからでは、政変が与える周辺国への影響もより大きくなってしまいます。

 政治は将来にわたってのリスク管理をせねばなりません。日本にとって無くすことができないリスクであれば、そのマイナスの影響を最小限に抑える努力が必要です。

 自由な国の権力は批判しやすい一方で、自由が全くない国の権力を批判することはきわめて困難です。このジレンマは非常に重い。

 今回の中東の状況と中国北朝鮮の状況を比べたとき、そしてウィキリークスをめぐる騒動を考えたとき、本当の意味の「自由」をどのようにして一人でも多くの人が享受できる環境を作れるか、われわれに課された非常に大きな課題といわざるを得ません。
 

suzuki_keisuke at 15:49トラックバック(0) 

2011年02月23日

NZでの大地震を受けて

 ニュージーランドでの地震、25人の日本人の方も含め多くの方の安否が不明です。一刻も早い救助と無事を心からお祈りしたいと思います。

 地震、我が国としても他人事ではない問題です。首都圏においても、大きな地震が起きていない時期が続いており、大規模な地震の発生する確率はかなり高まっています。いつか必ず起きるという危機感を持って、いろいろな意味での地震への備えをしっかりとしておく必要があります。

 一人ひとりの行動が被害を最小限に抑える鍵といっても過言ではありません。地震国ニッポンに暮らす人間として常に心の片隅で意識しておかねばなならないのではないでしょうか。

 地震ということで制度的に気がかりな点の一つが、地震の際の保険のあり方です。特別会計の整理の議論の際にも課題となったものの1つですが、地震の際の保険の適用のあり方をどのようにするかという議論を政治の責任でしっかりと進めておくことが必要です。

 首都圏の直下型地震ということになれば、被害額はかなりの規模に上ると見られています(阪神大震災で約10兆円)。もちろんその際全てを損害保険会社の地震保険でまかなうことは不可能です。地震の地域以外にも様々な形で保険の対象となるものがあることを考えれば、積み上げたお金の全てを使ってしまうことはできません。加えて保険各社で積み立てて作っている再保険の仕組みを適用してもおそらく充分ではない。

 となれば、一般会計から地震の被害を公的に補填する予算が必要となってきます。しかし、実際に首都圏が壊滅状態となる可能性を考えれば、今のうちから保険の適用について、どこで線引きをするのか。どこまでを損保会社の負担とし、どこからを公費負担とするのか、そして制度としての再保険、再々保険の仕組みをどうするべきなのかといった議論をしっかりと詰めておくことが必要です。

 さまざまな面での「備え」をしっかりとしておくことで「憂い」を最小限にする。被害者の救助、支援とともにこうした取り組みも進めておくべきではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 17:36トラックバック(0) 

2011年02月19日

大倉山の梅林に思う

 政治はまさに大混乱の様相を呈し始めています。しかしながら、その混乱も決して実現したい政策や信念に基づいた権力闘争では全くなく、単なる打算と権力欲という言わば「私欲」ばかりが表面に出た保身の争いとしか言いようがない。

 そもそも、大きな風が吹いたといわれているここ二回の衆議院選挙ですが、「構造改革路線・小さな政府」という政治、社会、経済の従来のやり方を変えるという大義があって、それに国民が判断を下した平成17年の選挙と異なり、平成21年の選挙は路線対立ではなく単に「政権交代」という言葉だけが先行したまさにイメージ選挙であって、政治的にあるいはわが国にとって大きな意味があったのかといえば、そこには若干の疑問が残るものでもあったのではないでしょうか。

 そういう意味で言えば、一刻も早く「私欲」の政治から「公憤」からの政治に変えていくことが必要です。特に外交・経済・財政をはじめとして、そして「人づくり」という意味でも瀬戸際に立たされている今のわが国の置かれている状況を考えれば一刻の猶予も許されません。

 P1080399aそんな中、今日明日と、選挙区内の大倉山の梅園では観梅会が例年のように開催されています。30種ある梅の木ですが、大体八分咲きといったところでしょうか。明日にはもう少し開いているかもしれません。

 大倉山は非常に美しい西洋建築の大倉山記念館をはじめとして梅林に至るまで駅前からのとてもよい散策コースとなっています。ちなみに余談ではありますが、私の友人がやっている"Totsuzen Baker's Kitchen"もその道の途中にあります。

 ご興味をお持ちの方はぜひ足をお運びいただければと思います。


suzuki_keisuke at 21:30トラックバック(0) 

2011年02月15日

高速道路無料化実験のからくり

 民主党マニフェストの見直しの中で「高速道路の無料化」が挙がっています。無料化実験の結果を見て判断するとのこと。

 何か腑に落ちないのは自分だけではないはずです。

 そもそも、無料化実験とはマニフェストに基づいて高速道路の全面的無料化を行なう前提で、「無料化の結果、渋滞がひどくなりすぎないか、問題が無いか」を検証することが目的だったはずです。

 全面的な無料化を実際に行う為には、「交通量が多い都市部でも渋滞はそれほどひどくはならなかった」という検証結果が必要なはずです。であるとすれば、無料化実験を行なうところは交通量が多い都市圏でなくてはならない。

 しかし、実際に無料化実験が行なわれているのは地方の交通量が少ない道路ばかり(国土交通省HP  http://www.mlit.go.jp/common/000117062.pdf P8参照)です。そのような道路で得られる実験結果は、「交通量が少ない地方路線ですら渋滞が増えた。従って全面的な無料化は無理である」というものか、「交通量が少ない地方路線においては渋滞は増えなかった。全面的な無料化のためには交通量が多い都市圏で次の実験が必要」という二つ以外にはありえません。

 であるとすれば、今行なわれている高速道路無料化実験はマニフェストに言われているような「全面的な無料化」を実施するためのものとは到底考えられません。ではいったい何の為にこのような実験を税金を使って行ったのか。

 できませんというアリバイ作りのためなのか、あるいは無料化が無理という前提の下で、6月28日から3月末までの間、地方の高速道路を一時的に無料にしたいほかの理由があったのか。まさか7月の参議院選挙、4月上旬の地方選挙で民主党が弱いとされる地方へのバラマキ対策というわけではないでしょうが、税金が投入されている以上は、国会の場での徹底的な究明が求められます。

suzuki_keisuke at 13:34トラックバック(0) 

2011年02月06日

地元点描〜発見された篠原城遺構〜

 私が活動している選挙区は横浜市の北部。古くは上杉氏が築城したとされ小田原の北条氏の勢力下の城であったといわれる小机城がその中心でした。鶴見川を挟んだ町が川向町といわれていることからも、小机城が地域の中心であったことがうかがわれます。「小机」は今ではむしろサッカーワールドカップの決勝が行われた日産スタジアムの最寄り駅という印象が強いと思いますが、そんな歴史的な地名でもあります。

IMG_3050 さて、先週のことになりますが、ちょうどその小机駅の横浜側、新横浜駅と菊名駅の間の場所で「篠原城」の遺構が見つかり公開されました。宅地として開発する際に発見されたとのこと。写真で見てもわかるように、それなりの規模のもので、旧街道沿いにあることから、城というよりも役所的機能を兼ねた館ではないかとも言われています。

IMG_3051


 その下からは縄文時代の遺跡も発見されたとのことで、昔からの人の営みに思いをはせるいい機会となりました。

 今日、愛知では愛知県知事選挙、名古屋市長選挙の開票の結果、自民党の改革派としていろいろな会合でご一緒させていただくことも多かった大村秀章前衆議院議員が知事に当選されました。

 なかなか進まない地方分権。本来国でつかさどるべきは外交や安全保障、あるいは経済政策や財政といった戦略的な部分に限られるべきであり、日々の暮らしの中で必要な行政の部分はより生活者に近いところで意思決定されるのが望ましいことは言うまでもありません。

 その意味で、権限・税源を移譲し、これまでの「本社-支店」であった国と地方の関係を独立採算制の別会社に近い形にしていく地方分権はさらに進められねばなりません。このことはまた別の機会に詳しく書かせていただきたいと思いますが、政治が決して忘れてはならない「くらし」とのかかわり方についてもいろいろな改革が必要だという多くの方の声を改めて感じさせられる結果となりました。

 ここのところ、街頭での活動はもちろんのこと、P1080306節分祭の豆まきなど様々な場で多くの方からいろいろなご意見をいただいています。しっかりとそうした声を受け止め、必要な改革にまい進できるよう、鍛錬してまいります。

suzuki_keisuke at 23:37トラックバック(0) 

2011年02月04日

予断を許さないエジプト情勢

 エジプト情勢、今日がまさに大きなヤマ場です。そして、今日どのような展開となるのか如何では、世界の情勢にも大きな影響を与えかねません。注視しておく必要があります。

 中東は一見我々からすると遠い、どちらかというと無縁なところというイメージがありますが、実際には非常に重要な地域です。

 まず何よりもわが国の視点で考えれば、原油の輸入の大半をこの地域が占めており、スエズ運河の存在も考えると貿易という意味でも、この地域の安定のわが国にとっての重要性は、他の地域に勝るとも劣りません。

 そして、様々な文明論も展開されてきたところですが、依然として中東が「世界の火薬庫」であることは論を待たないところです。

 第3次世界大戦が、あるいは核戦争が起こるとしたら中東か(中国・北朝鮮による)東アジアの可能性が最も高いという現実は今でも変わっていません。

 中東ということで言えば、戦争のリスクは、ペルシャ対アラブ、ユダヤ対イスラムという点に集中します。

 そうした状況の中で、かつ、放っておけばイスラムの原理主義的な動きに非常に勢いがあり、若い世代の失業率が高い状況の中で、世俗的な現体制の評判が芳しくない中では、急進的なイスラム主義に民衆レベルではなりやすい傾向がある現実の中で、どうやって状況をマネージするかというところにわが国としての外交の基本はなくてはなりません。ここのところ毎年のように中東に出張しいろいろな意見交換をしていますが、いつも痛感するところです。

 もちろん、自由、民主主義、人権の保障は絶対的に重要な価値であり、どの国にあっても推し進められるべきです。それはそこに暮らす一人ひとりの人の当然に保障されねばならない権利であります。しかし、政治情勢の安定、特に戦争につながるような状況を避けることが非常に重要なことも事実です。

 中東については、中国や北朝鮮のように、国内の自由もなく人権の状況も世界の中で最悪レベルで、かつ近隣の地域の安定を脅かすまさに「ならず者国家」、というケースと同列には論じられない面があるのも事実です。

 エジプトの次の政権の構図次第で、あるいは今後、ヨルダンやサウジアラビアなどの国においても同様の動きが起きてくれば、あるいはシリアにおいてもそうですが、その場合にはイスラエルとの平和的な共存という今のある程度安定的な状況が大きく崩れることにもなりかねません。

 そのためにも改革を促していく必要もありますが、しかし同時に今の国際環境を維持できるような仕組みを考えていくことも重要です。

 まさに外交の微妙な舵取りが必要とされています。

 私なりに感じていることを最後に。反対するイスラエルの国民を抑えてパレスチナとの和平を推し進めることが出来たのはイスラエルが勝利した第三次中東戦争の指揮官だったラビン元首相でした。そして反対するエジプト国民を抑えてイスラエルとエジプトとの平和条約を結ぶことが出来たのは第四次中東戦争において緒戦の勝利の立役者だったムバラク大統領でした。

 実際に衝突が起こりやすいところで、しかも国民も犠牲を払っている中で敵と和平を結び地域の安定を作り出すことが出来るケースというのは非常に稀です。

 その稀な状況を生かして出来ている今の辛うじてバランスが保たれている現状を維持していく努力がわが国の国益を考えても重要です。

 今後大規模な戦争を起こさないために、そしてわが国としても原油の供給源であるこの地域の安定を図るために、「色のついていない」日本として、経済協力や政治経済改革の支援その他、これまで以上にかかわっていくことも検討すべきではないでしょうか。

 

suzuki_keisuke at 15:51トラックバック(0) 

2011年02月01日

岡田幹事長も財政に疎いとは

 前回のブログで菅総理の財政問題についての危機意識、認識不足に唖然としたということを書かせていただきました。同じようなことを民主党のナンバー2の岡田幹事長についても書かねばならないということは、まさにわが国にとって危機的な状況といわざるを得ません。

 昨日の記者会見で岡田幹事長は「日本国債の格下げは自民党時代の政策の責任が大きい」旨の発言を行ないました。

 しかし、S&Pはプレスリリースの中でその理由について(そして市場でもその見解に異議を唱える向きはほとんどないように見受けられますが)、
“In our opinion, the Democratic Party of Japan-led government lacks a coherent
strategy to address these negative aspects of the country's debt dynamics”
と明確にしています。要は民主党政権には財政問題を解決する戦略がないからである、と。

 そして、さらに、
“Should the government be able to
consolidate its finances and to enact measures to improve its growth
prospects--as it did in the early part of the last decade--upward pressure on
the ratings would build.”
とも書かれている。つまりは2000年代の前半の自民党政権の頃のような政策を採るのであれば、将来へのリスクは減少し格付けの引き上げの可能性が高まると。

 簡単に言えば、小泉政権以降の大きな政府から小さな政府へという流れ、さらには「2011年にプライマリーバランスを回復する」と目標を明快にして債務削減を行い、リーマンショック前には毎年の財政赤字の規模が30兆円以下の26,7兆円まで圧縮していた自民党時代の流れが望ましいという評価です。

 そしてマニフェストの財源を確保し、あるいは公務員の定数やムダの削減も小泉政権以降の自民党時代のようには行うことができず、大きな政府路線を突っ走り続け、結果として去年今年と二年続けて44兆円という巨額の赤字を当初予算の段階で平気で出して来る民主党政権の政策運営のままでは大変なことになるということです。特に今年は、これまでも書いてきましたが、国民の一人ひとりの努力で税収は4兆円から5兆円回復する見込みです。本来であれば借金を減らさねばならない年にもかかわらず、逆に過去最大規模の借金をつくってしまっている。

 そこへの厳しい評価が、外国人投資家の日本への投資を控えさせる原因となり、結果としてそれが日本の一人負けといってもいい株価その他の動向にもあらわれてきていました。そして今回の格付けの引き下げです。

 こうした事実を冷静に受け止め、政策転換を目指すどころか、責任転嫁で議論のすり替えを、次期総理との呼び声もある岡田幹事長が平然とする。明らかに民主党政権全体が財政問題や景気経済の問題に「疎い」としか言いようがないのではないでしょうか。現職の国会議員に、こうした点を国会の場でも明らかにしていってもらいたいと思っているのは私だけではないはずです。

suzuki_keisuke at 17:17トラックバック(0) 
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